聖路加国際メディカルセンター理事長の日野原重明氏。現在105歳。2020年の東京オリンピックを楽しみにしている。
日本における100歳超え(センテナリアン)は6.6万人。
田谷きみさん(102歳)和菓子屋の「看板娘」として8~18時まで接客全てを引き受ける。1日3回の食事はいつも完食。
食べるのと寝るのが楽しみ。見た目は80歳。
センテナリアンが一般高齢者と異なる点→炎症レベルが1/10。加齢と共に進む慢性炎症。
慶応大における1500人の高齢者調査。炎症と生存率の関係。慢性炎症が低いほど長寿。慢性炎症を抑えるのがポイント。
デンマークでの双子の追跡調査(10万組)。遺伝要因は25%。環境要因が75%。
CTRA遺伝子。ストレスを受けた時(不満足時)に増える。満足感と炎症反応の関係。
高い満足感を得ても炎症反応が高い場合もある。食べたいだけ食べる、むやみに食べる→炎症を進める。
ボランティア、家族のため等の「生きがい型」の満足感だと炎症反応を弱める。
満足感の違いに敏感なのは、生物学的なプロブラムか?
微小循環が長寿のカギ。
イタリア、サルデーニャ島の男性。90歳になっても働いている。
微小循環とは、毛細血管レベルの細かな血流。老廃物の回収により慢性炎症につながる要因を取り除く。
長寿を達成すると、豊かで幸せな感覚を得られる。
イタリアに住むエンマ・モラーノさん。116歳(世界一の長寿)。この14年、家から一歩も出ていない。独り身が一番幸せ。
高齢者2200人の調査結果。身体機能は衰えるが、肯定感性はアップ。高齢になっても衰えない→前帯上皮質(感情を司る)。高齢者特有の変化。
心理実験。良い印象の写真と悪い印象の写真を若者と老人に見せる。老人は、悪い印象の写真をあまり記憶しない(高齢者特有)。残された時間が限られている。老年的超越。
介護施設でくらす宮川さん。100歳になって急に幸せになった(豊かで幸せ)。
年を取ると物忘れは起きるようになるが、生きがいの感情が上がって来る。100歳超えてからアップした(日野原氏)。
長生きの研究は、今後の日本の高齢化を救う大きなヒントになる。
マルティン・フーバー(哲学者)の言葉。
新しいことを
創(はじ)めることを忘れない限り
人はいつまでも若く生きることができる
プロダクティブ・エイジング(年を取っても生涯現役)が目標(日野原氏)。
感想
両親が早く死んだせいか「人は死ぬんだ」という感覚が子供の頃から強かった。
それはそれとして長く生きられれば、それに越したことはない。
ただ、86歳で亡くなった義父の死に様を近くで見た後では、100歳超えのハードルの高さを実感している。
長く生きる事自体に、それほどの価値があるとは思わないが、年を重ねて100歳超えをした後に来る「幸せの感覚」。
これは魅力的だ。