「爆笑問題」の太田と田中がナビゲーターとなって、資本主義について各界の専門家にツッコミを入れて行く。
資本主義の未来
第1集 世界の成長は続くのか 10/16放送
資本主義が今、人類の歴史の大転換点に来ている。
世界経済は1970年から下がり続けている。このまま成長するのか、限界なのか。
アダム・スミスの「国富論」。見えざる手が繁栄に導く。以来240年続いた経済成長。
イギリスは今、大変な事態→ヤング・ホームレスが8万人突破。資本主義から見て大問題。
今までのホームレスは中高年が主体。ヤング・ホームレスの出現→経済の出発点がオカシイ。
イギリスは産業全体が低迷。EU離脱の背景でもある。資本主義の根幹に関わる問題。
2008年のリーマンショック。欧州低迷、日韓も停滞→資本主義の危機。
ローレンス・サマーズ教授。人類が経済を生み出して以来、初めての事態。
今までは多少の不況があっても好景気を取り戻し、全体として成長する事を繰り返して来た。今回は上向かない。
成長エンジンが止まる。長期停滞。経済対策の効果なし。
マービン・キング 。8年前世界の首脳は今のような危機を予想していなかった。
切り札として低金利政策で経済の活性化を図るも、成長が上向かない。これまでの常識が通じない。
フロンティアの消失。自国の開拓は頭打ち。植民地、新興国等への市場開拓により成長。
2000年以降、地理的フロンティアは限界に達した。
大企業の不正。
欧州最大規模の銀行「UBS」。リーマンショックの影響で巨額の赤字。裏口座資金を使っての高額取引。逮捕されたクウェク・アドボリ。会社から厳しい目標を与えられた時「それは無理です」と言えなかった。
「スーパー資本主義」。より早く、より効率よいものを過剰なまでに追及するシステム。
新たなイノベーションが停滞を打ち破る。3D、自動運転等が成長を加速。
シェアリング・エコノミー。モノを作らず共有。ウーバー。新しい配車システム。7年で企業規模7兆。
エアビーアンドビー。民泊で急成長。
今後定型デスクワークが奪われる(IT化)。芸能人もCGでいい。
今後バブル経済ほどの成長は見込めない。1人当りのGDPでは、日本は上位。日本人には知恵がある。
感想
市場開拓が限界に達した結果、低金利政策が機能しなくなったという説明は、バブル崩壊以降目立った景気改善がなされていない事と併せて説得力がある。
大企業が陥る不正についてもナットク。
こういう世の中で成功して行くのは・・・難しい。
第2集 国家VS.超巨大企業 ~富をめぐる攻防~ 10/22放送
視聴せず。
http://tvtopic.goo.ne.jp/program/nhk/1009/1005115/
第3集 巨大格差 その果てに 10/23放送
http://tvtopic.goo.ne.jp/program/nhk/1009/1005428/
アメリカ、シアトル。テント・シティ。市が設置を認めた(ホームレス対応)。
ミネアポリス。資産家のパーティー。
スタンリー・ハバード、メディア王。ハバード・ブロード・キャスティング社。
世界初の個人向け衛星局。リスク大だったがハイリターンで急成長。
ハバード氏が語る本質→貧しい人は努力を怠っている。
共和党に献金している。政治家はその事を忘れない。
議員に献金するのは防護壁の役割り。1800の政策中、45%が富裕層の提案。
広がる格差→経済成長のためには否定出来ない。成長により格差は広がるが全体として成長。
井出英策。慶応大教授。社会がまっぷたつに別れる。2極化。
シャンパンタワーの例→富の分配。トリクルダウン理論。
一番上に巨大なグラス→低成長では配るパイが少ない。
1917年。ロシア革命→社会主義経済。生活向上、格差の是正。
米国の格差是正→富裕層に高い税。1970年以降成長に陰り(低成長時代)。法人税減税。
1991年。ソ連崩壊→資本主義の対抗勢力が消えた。
IT化、グローバル化がかつてない格差を生み出した。
企業存続のため、資本主義が進化。それに人間の哲学が追いついていない(太田)。
グラビティ・ペイメンツ社のダン・プライスCEO。全社員の最低賃金を7万ドルにし、自身の給与は1/10以下にした。
1年で業績が2倍。仕事への意欲アップ(新システムへの志願)。11人の社員に子供が出来、結婚10人。消費が活発になり経済全体が潤う。
新たな課題。共同経営者の兄が報酬減により訴えを起こした。幹部2人が退職。
哲学が思想を発展させる(太田)。
なぜ私たちは社会を作るのか。思想家の提案→みんなが受益者、みんなが負担者。
3回分のまとめ
最終的には人間の感情、価値観、が問題(太田)。
アダム・スミスの説。利己心が市場経済を動かすと説く一方、道徳感情論における「共感」を語る。相手の不利益にも心を配る。現代の資本主義が忘れたもの。
ホセ・ムヒカ(世界で一番貧しいと言われる大統領)が若者に向けた話。
買い物をする時、金ではなく金を稼ぐために使った時間で買っている。かけがえのない人生を大切に。
将来は金を介さず物、サービスを分け合う「共有型経済」が台頭する(ジェレミー・リフキン)。
オランダ。あらゆる日用品を無料で貸し借りするシステムが始まっている(10億ユーロ相当の実績)。
感想
バブル崩壊以降、次のバブルと言えるものの実感がないまま25年。成長を感じないのには理由があったという事か。
金を時間で買っている、か。本当にそうだ。