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NHKスペシャル あなたの家が危ない~熊本地震からの警告~ 10/9放送

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番組詳報

 

戸建て住宅のリスク
震度7の激震が二度襲った熊本県益城町。築10年、最新の耐震基準を満たした住宅が倒壊した。坂牧さん宅。「何で新しい家が潰れたか判らない」。
この地震で最新の耐震基準を満たした319棟のうち19棟で倒壊があった。
京都大 五十田博教授。倒壊の原因を調べている。築5年て倒壊した家の主、矢野さん。2階が1階を潰した。1階は20畳のリビング。解放感のある室内。広いリビングに倒壊の原因がある。

注目するのは壁の「直下率」。1階と2階の壁が通しで繋がっている部分がどれだけあるか。1階に広いリビングを設けると直下率は低下する。耐震基準に直下率は考慮されていなかったのか?

 

最新の耐震基準はH12年に制定された。震度7でも倒れないルールの盛り込み。筋交いを四方にバランス良く入れる。ただし直下率ルールは盛り込まれなかった→盲点。法令だけ満足すれば良いという考えが抜け穴となった。

芝浦工大 蟹澤教授。5年前から住宅の耐震性調査を行っている。26都道府県、472棟。広いリビング、オーバーハングのある2階等、3割近くで望ましい数値を下回る。
ある工務店(益田建設)。夫婦の住宅相談。デザイン性が耐震性を弱める事の説明。リスクを伝えているところは少ない。
松本の工務店。送られて来る設計図の中には耐震性に問題がある→多くの工務店はそのまま作る。違法ではない。今の状態のままでは何年経っても変わらない。
耐震基準の見直しはしないのか→見直さない(国土交通省)。
1年に50万棟作られる新築住宅の中で、地震に弱い家が作られている。

 

マンションのリスク
熊本地震で傾いたマンション20棟。最新の耐震基準を満たしていたのになぜか。
管理組合の理事長 高田さん。13階建のマンションが全壊と判定された。3LDKの間取り。何故被害が深刻化したのか。
地震地域係数。最初は重要だと思わなかった(高田さん)。このマンション建設条件の地域係数→0.9。原則の耐震性は1。

0.9とは耐震性を1割落とせるという事。鉄筋を1割減らせる、コンクリートも減らせる。
地震地域係数は昭和27年に制定された。首都圏、東海地方は1、北海道、九州の一部では0.8のところもある。
地域係数が当該マンションでどれほど被害に影響したかの調査。豊橋技術大 斉藤教授。
最近では地域係数の低いところで大地震が起きている→設計者が判断して見直さなければならない。

 

免震ビルの弱点
熊本地震での異変は地下にも起きた。ビルの免震装置が撓んだ。
福岡大の検証。ケガキ板によるビル基礎の動きトレース。設計上は60cmの揺れ想定→90cmの動き。免震装置が変形。配慮が必要。免震装置は長周期地震には弱い(ビルが大きく揺れる)。
東日本大地震→海から来た地震。熊本は震源が直下。活断層のズレが地上に現れると長周期地震が発生。
京大 林教授。大阪の28棟の免震ビルを対象に熊本地震レベルのシミュレーションを行った。壁とのすき間70cmの設定だが、全てのビルで激突。甚大な被害が出る。何が起こるか想像もつかない。どうすれば安全確保出来るのか。
免震ゴムの製造メーカ。
長周期地震動に合わせ、対策を急いでいる(新素材)。高層ビルに適用(ブリジストン 宮田部長)。

 

自分の家は本当に大丈夫か?
耐震診断。築6年の家で受けた。費用は5万程度。直下率は100万かけてアップ出来る。

福岡の地震地域係数は0.8だった。その直近でM8クラスの地震が起きた。
福岡市では係数を1.0にする様求めている。50棟以上がこの基準で建設中。

 

感想
耐震性アップのために筋交い、壁が重要な要素だという認識はあったが、一階と二階を繋ぐ「直下率」については初耳。
確かに今まで「LDK○○畳」などと広さばかりが注目されている。
潰れてみて「あー、広い部屋はヤバかったんだー」と後悔しても遅い。てか死んじゃうかも知れないし。
また地域による地震係数についても、こんな狭い地震国ニッポンで地域区切ってどーすんの?
そして免震ゴム。超高層ビル防災の切り札的存在だったのが、思わぬところに弱点。

熊本地震であぶり出されたものが、多くある。

 

地震地域係数          地域別地震係数

 

 


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