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Channel: 私の備忘録(映画・TV・小説等のレビュー)
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世にも奇妙な物語  10/8放送  フジテレビ系

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毎回ではないが、この「世にも奇妙な物語」はタイミングが合った時になんとなく観ている。毒にも薬にもならないと思ってメモも取っていなかったが、やはり「備忘録」の精神で残す事にした。
テレビドラマみたいな消費物でも、作る人たちのエネルギーを考えると、これも貴重な情報だなー、と思う。
いつもはSFっぽいものが入っているが、今回は皆無(ただ人工知能ネタがチラリ)。

番組概要


1.「シンクロニシティ」 栄子:黒木メイサ
栄子が彼氏からプレゼントされた時計のサイズ直しに店へ行った時、偶然高校時代の同級生、朱美に会う。彼女も同じ理由。バーで話すうちに彼氏の誕生日も同じと判る。バーテンが「そういうのをシンクロニシティと言う」と教える。そしてもう一つの偶然、今日が8月7日である事を思い出す。

 

高校時代、クラブでいじめを先輩から強要されていた。やらなければ自分がやられる。相手は江里菜。合宿先の伊那高原ロッジ。先輩に言われて落とし穴を作っていた栄子と朱美。だがその落とし穴を使う前に江里菜は自殺。
それを思い出しつつの帰り道でタクシーを拾おうとすると、先に居た男に取られてしまう。その男は当時の高校の担任だった。遠慮するのを構わず乗せて送る男。二人は教師に事件の事は知らないと、いじめの件は隠していた。
教師は12年前の、江里菜の自殺の原因を知りたくて探り続けた。一人の卒業生から聞いた。テニス部のみんなでいじめていた。その日は君たち二人も落とし穴を作っていた。また命令とはいえ、いじめていたのは事実。
実は教師と江里菜は真剣に愛し合っていた。彼女の卒業と同時に結婚するつもりで、彼女の両親も認めていた。だから二人を憎んだ、ずっと捜していた。そして江里菜が自殺に使ったというナイフを彼女らに向けた。
恐怖で朱美は車から降りて逃げ出した。
だが教師は、その事を言いたいのではない、と否定。話には続きがある。
江里菜の両親から彼女の手記を見せられた。彼女は教師の子を妊娠していた。産みたいけど不安、申し訳ない。
自殺は君たちのせいではない。自分の罪は免れない、と言って教師は去って行った。

 

タクシーに再び乗り、送ってもらう二人。
運転手も、今日の事は偶然ではない、と言って話を始める。
娘が小児ぜんそくで、田舎暮らしに変えたが5歳で肺炎の悪化により亡くなった。妻は病気で6年前に亡くなった。
今日は娘の命日。娘が肺炎になった真相は、落とし穴に落ちたから。深くて出られなかった。12年前の今日。
なぜあんな所に落とし穴があったのか疑問に思っていた。スッキリした。
もともと今日死ぬつもりだった。思い残すことはない。
幸運な偶然だ、と言ってタクシーは対向車線のトラックに突っ込んで行った。

 

感想
何かひねりすぎて恐怖感がどっかへ飛んだという感じ。またこのドライバー、逆恨みで二人を巻き添えにした上、また関係ない人を巻き込んだらあかんだろう・・・・

 


2.「ずっとトモダチ」
女子高生がビルの屋上から飛び降り自殺した。名前は亜弥。女子グループからのいじめを受けていた。
ある日、その女子の一人、香織に人工知能「りんな」からのアカウントが届いた。残りの友里、舞にもそれを見せると面白がってグループ登録に乗って来た。
だがりんなのアカウント写真はいつも後ろ姿。
そんな時、友里が「どうしてりんなは後ろ姿なの?」と入れる。するとその写真がゆっくり振り向いて、血だらけの亜弥の顔に。
3人はりんなをグループから外す。だがりんなからのメッセージがその後も届く。
友里と舞が相次いで事故死。
そして香織に電話が、りんなからだった。香織がスマホ画面を見ると、そこには女の手が写っている。その一瞬後にスマホから手が飛び出して、香織の顔をつかんだ。

 

感想
構図としてはシンプルで、最後のオチもそう悪くないが「リング」の貞子がテレビから出て来る時のような恐怖感の演出が全く出て来ず、やっぱスマホから出すものとしては失敗、かな?

 


3.「貼られる」 椎名毅:成宮寛貴
椎名毅は銀行内で成果を上げているやり手社員。部下には厳しく接するが、自分自身としては頼られているとの自負があった。
半田運送に融資していたが、その社長の追加融資の申し出を断っていた。
ある日の夜、タクシーで帰宅した折りに料金が千円弱高い事に少し難癖をつけるが、結局支払う。タクシーを降りた後、胸に赤枠のシールが。そこには「難癖つけるクレーマー:村岡準」とあった。名前の主を思い出すと、タクシーのドライバー。それは剥がそうとしても剥がれない。タクシー会社にクレームを入れるも、そんな事はしていないとの事。服を脱いでも、シャワーのために裸になってもそこに貼り付いている。

 

翌日出勤途中で部下に見てもらうと、そのシールは他人には見えない事が判ってひとまず安心。
だが会議中でも、椎名がちょっときつい意見を言うだけで「冷血クソ人間」「単純、グズリーマン」などというシールがどんどん貼られて行く。逆にポジティブ、人間的な話をすると、それが青枠となってコメントも良くなる。
ここに来て、このシールは自分に貼られた「レッテル」だと気付く椎名。
次第に部下の提案、要望を気前良く聞くようになっていた。
そんな時に、部下のミスで融資した会社の粉飾決算が発覚。誰かがその責任を取らなくてはならない。必死で部下が謝るのを見て、自分が責任を取ると言ってしまった。そこに赤枠のレッテル「単細胞」が。

 

再就職の面接を受けるも、その席上でのひどいレッテル貼りに耐えられず逃げ出す。
コンビニでバイトを始めるが、どうしてもレッテルは剥がれない。
ある日、かつて継続融資した半田運送の前を通りかかると、そこの娘に声を掛けられる。父の社長は3ケ月前にがんで他界していた。感謝しています、との言葉に、レッテルを気にして助けただけ、お父さんがどんな気持ちだったか考えていなかった。申し訳ない、と泣き崩れる椎名。
娘は父の言葉を続ける。この会社がつぶれていたら死んでも死にきれない。椎名さんは恩人。
その時、貼り付いていた多くのレッテルがどんどん剥がれて行き、この日から見えなくなった。

数年後の椎名。娘と結婚してその運送会社を継いだ。子供のおねだり、おもちゃを欲しがるがダメだと言う椎名。
その時、背中に微妙な感触。ハッとして椎名は「何でも買ってあげる」と訂正。
背中にあったのは赤枠で「ケチ」と書かれている。それが青枠の「大好き」に変わって行った。

 

感想
貼られたレッテルが剥がせないという不条理ドラマ。他人に見えないという事で、内面だけに特化した問題なのだが、他人にも見える設定だと更に刺激的。最後のオチはもっと恐怖感を持たせられる筈。

 


4.「捨て魔の女」 土岐田 栞:深田恭子
地方局のリポーター、土岐田 栞はリアクションがワンパターンだと言われて伸び悩んでいた。現在29歳。妹も心配している。
母親の七回忌の帰りに、ある僧侶から「捨てること、即ち永遠の幸福。何かを得たければ何かを捨てる、貴女の人生はそこから始まる」と言われた。
ある日、商店街のクジで松坂牛1kgが当たった。その直前に破れたシャツを捨てていた。
試しにお気に入りの人形を捨てたら選挙リポーターの仕事が舞い込み、地方番組の司会役も来た。
次に彼からもらったネックレスを捨てたら、台風のリポーターの仕事が来る。
次は全国区に進出したい。
彼氏を捨てると、望んだ通り全国区のお天気キャスターの仕事が来る。妹も喜ぶ。

 

マンションも移り、家具類が増えて来ると、次第に評判が悪くなって来た事を感じる栞。モノを持ち過ぎた。
部屋にあったものをほとんど捨てた。最後に残ったのは家族写真。
今人気絶頂なのは佐竹アリズ。モーニングトゥディのメインキャスター。蹴落としたいライバル。家族写真を捨てる(家族いらない)。
佐竹アリズが不倫報道で失速。栞は好きな女子アナのランキングで1位となる。
新しい報道番組のメインキャスター候補にアリスと栞が。栞はアリスを屋上に呼び出し、いらないと言って突き落とす。
栞は「NEWS IN ONE」のメインキャスターとなり、評判の上々で次第に慢心。
ある汚職報道で裏取りが不十分なまま放送してしまい、誤報となっておわび報告をさせられる。
誤報が本人主導で行われたとみなされ、自宅謹慎を申し渡される。
栞は自らをスマホで撮影している前で飛び降り自殺。
そのスマホには飛び降りる前のコメントも入っており、それを報道した「NEWS IN ONE」は過去最大の視聴率を取った。

 

感想
おそまつ女優の深キョンにピッタリの役どころか。ショッキングな「捨てる」には妹がまだ残っている筈だが、その駒を使わなかったのが惜しい。
最後に自分を殺すオチも、自己実現が単なる視聴率アップにすり替わって、ちょっとナットクし辛い。
ただ視聴率願望という点においては、田宮二郎が「白い巨頭」最終回放送の数日前に自殺し、それで視聴率がグンとアップしたという事実もあり、今思い出しても慄然とする。


5.「車中の出来事」 キザ男:北村一輝 ヤボ男:杉本哲太
昭和30年代の夜行列車の中。車両の最後尾でヤボ男が若い男に手錠を掛けて座っている。酔っ払いが少し離れたところで寝ている。
そこに通りかかるキザ男。ヤボ男に向かって刑事だろう、と声をかける。そして隣の若い男を「又野昇」と呼んだ。若い男は人違いだと否定。
麻薬取引現場で起きた銃撃戦。大河原組の者が一人死に、警察官も二人殺された。その又野が現金一億と麻薬を持って逃げ出した。キザ男が自分も刑事だと言って推理を始める。
電車で護送するのに一人はオカシイ。本当に刑事か?とヤボ男に聞く。またこれは暇つぶしのゲームだとも。
この組にはリーダーが居る。「かわうそ」。かわうそはお前だろう、とヤボ男。あんたこそ刑事じゃないだろう、
キザ男は相手に「水上署の平田巡査部長だろう」と言い、刑事である事を最初から認識していた。その上で相棒がいないのは不自然だと追及。
平田には7歳の一人息子がおり、難病を患っていた。金が要るため自分の立場を利用してガサ入れ情報を横流しして金を貰っていた。
そこで欲が出て自分も麻薬取引に手を出した。組員の永田と繋がって麻薬の密売。相棒がそれを疑い始めた。永田が邪魔になり、取引現場を地用して殺した。そして相棒も殺し、又野だけ逃がして、捕まえた折りに金と麻薬の情報を聞き出す。
ここまではキザ男の推理。
そこでキザ男がヤボ男に銃を向ける。そして若い男に指示してヤボ男の銃を取り上げる。だが若い男がキザ男に銃を向ける。若い男は又野ではなく、顔が似ているので使われた。かわうそをおびき出すための作戦。
だがそこへ発煙筒。寝ていた筈の酔っ払いが銃を持って加勢に来る。
電車から降りて逃げようとする二人。そこへ車掌が酔っ払いを撃って加勢。実は警官だった。

 

ヤボ男が祝杯を上げようと言って車内販売員からウィスキーを買って、二人でそれを飲む。ヤボ男がキザ男の袖の包帯を見て、かわうその入れ墨を見せろと要求。だがそこに入れ墨はなく、最初の話どおり傷跡だった。キザ男は大河原組の者だと言った。倒れ込むヤボ男。もうろうとしたキザ男の前に、社内販売員の女。この女がかわうそだった。

 

感想
出演者同士の化かし合いという趣向。結局ラスボスは車内販売の女。先に、お茶に毒が入っているかも、とカマせておいて、最後ウィスキーに毒、というのは、まあいい演出なのか悪い演出なのかビミョー。
言葉遊びの「小噺」的なおはなし。

 

 


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