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Channel: 私の備忘録(映画・TV・小説等のレビュー)
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ファースト・マン     2019年 アメリカ

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監督 デミアン・チャゼル
脚本 ジョシュ・シンガー
原作 ジェームズ・R・ハンセン
音楽 ジャスティン・ハーウィッツ

 

キャスト
ニール・アームストロング    - ライアン・ゴズリング
ジャネット・アームストロング  - クレア・フォイ
エド・ホワイト              - ジェイソン・クラーク
ディーク・スレイトン         - カイル・チャンドラー
バズ・オルドリン           - コリー・ストール
エリオット・シー            - パトリック・フュジット
デイヴ・スコット            - クリストファー・アボット
ボブ・ギルルース         - キーラン・ハインズ
パトリシア・ホワイト        - オリヴィア・ハミルトン
ジェームズ・ラヴェル      - パブロ・シュレイバー
ガス・グリソム            - シェー・ウィガム
マイケル・コリンズ          - ルーカス・ハース
ジョー・ウォーカー         - ブライアン・ダーシー・ジェームズ
ロジャー・チャフィー        - コーリー・マイケル・スミス
マリリン・シー             - クリス・スワンバーグ
リック・アームストロング       - ギャヴィン・ウォーレン(幼年期)
                           ルーク・ウィンターズ(少年期)
マーク・アームストロング     - コナー・コルトン・ブロジェット
カレン・アームストロング      - ルーシー・ブロック・スタッフォード

 


予告編

 

感想
人類初の月着陸を成し遂げたニール・アームストロングの半生を描いた伝記。ただ今回は伝記というより家族を描く事に多くを使い、人間としてのニールを浮き彫りにしている。

 

公開前の2/7にNHKBS「ザ・プロファイラー」で彼の特集をやっており、それで予習していたので、基本的な流れについては問題なく付いて行けた。その番組では早くに亡くしたカレンの事には全く触れておらず、この映画が家族目線のものである事が最初に予感された。

NASAでジェミニ計画に応募した時面接官が、娘を亡くしたことが業務に影響すると思うか、という意地悪な質問を投げた時、受かろうと考えたら影響しないと言っただろうが、静かに「影響しないという事はない」と答えて退席した時には、ちょっとグッと来た。

 

物語の合い間に差し込まれるソ連との確執。戦争の代用としての宇宙開発競争に巻き込まれる宇宙飛行士たち。
月を目指すと言ったのはケネディ。それが本当に実現されるまで推進出来たのは、彼が暗殺されたという劇的な事象も要因としてあったのだろう。事実、犠牲者が出ても計画は推進された。だがその陰で家族の苦悩は深まる。
そのピークがジェミニのドッキングでの事故。センターで担当官の男がノドに手をやって、カットの仕草で相手の男に指示。そして家で宇宙船との交信をリアルタイムで流していた端末がいきなり音を消す。慌ててそれを振るジャネット。
逆上したジャネットはセンターに乗り込んでニールに何が起きたのか知らせなさいと要求。
本人はともかく、家族はたまらんだろうなという気分は、現代でも職種によっては命の危険があるだろうし、身につまされるものがあった。

 

もう一つのピークは、ニールが出発する前の晩。ジャネットが子供たちにキチンと話をして欲しいと言うのに、準備にかまけて相手をしないニール。多分ニール自身も判っていて避けていた。
それでとうとうジャネットがブチ切れて、テーブル上の書類をなぎ払う。
これが最後の別れになるかも知れないんだから、あなたの仕事、と言い放つジャネット。
この辺は母親やなァ、と感動。ジャネット自身、情緒不安定気味でタバコが手放せない状況。

それを必死に奮い立たせて子供たちを育てている。

 

月着陸のためのミッションは、よく知られている事もあり、さほど感動的な演出はなく、着陸船での下降中に起きた「1202」メッセージのトラブルなんか「異常なし」で完全スルー(まあいいか)。
注記:「1202」メッセージはコンピューターの処理能力オーバーによる警告。任務遂行上の支障はないが、当初センターでもその意味を知るのに時間がかかり、本来の着地点を通過する要因となった「事件」だった。

 

ただ、ちょっと待って。
基本いい映画を観た、という感想ではあるけど、なんか実話の中の人間ドラマ抽出を無理にやった様な感じもあって、却ってマイナスになった。
月を去る前にニールが、クレーターの中にカレンの形見の手作りブレスレットを落とすシーンがあったが、実際に彼が残して来たのは、事故で命を落とした三名及びガガーリンのメダル。
月着陸というミッションにまで亡き娘への思いを引きずる、という演出で却って心が離れてしまった。
そういう人間ではないだろう。それは面接官に答えた様な、理性でコントロールした娘への思いだった筈。

 

 

あらすじ

1961年
B-52に懸架されている高高度超音速試験機「X-15」で発進を待つニール・アームストロング。
発進と共に受ける凄まじい振動と圧力。その直後の静寂。


高度14万フィート。次第に上昇し、放っておくと戻れなくなる。様々な操作を経てようやく帰還。
操縦ミスを指摘され、搭乗禁止の処分を受けるニール。
妻ジャネットとの間の二番目の子供である、娘のカレンは脳腫瘍で闘病中だった。放射線治療に望みを託す。
だがその願いも叶わずカレンは亡くなった。
ニールはNASAのジェミニ計画の宇宙飛行士に志願する。互いに民間人だったエリオット・シーとの出会い。

 

1962年
宇宙飛行士候補として選ばれたニールは、家族と共にヒューストンに引っ越す。向かいには同僚のエド・ホワイト一家が暮らし、親しくつきあう。
世界における宇宙開発では、ソ連に遅れを取っているアメリカ。指揮官のディーク・スレイトンは「月」を目指すと宣言。
だが月まで到達する能力を持つ宇宙船では、重くなりすぎて月からの帰還が不可能。
指令船から着陸船を切り離して月に着陸、その後月から離陸し、司令船とドッキングして帰還する計画。そのドッキングを実証するためにジェミニ計画がある。

 

1964~65年
宇宙センターでの厳しい訓練。三軸を同時に動かすシミュレーターで、これに乗った者は皆トイレで吐くことになる。

 

ハードな訓練を共にし、飛行士たちは絆を結んでいく。
ある夜、テレビからソ連が人類初の船外活動に成功したというニュースが流れる。常にソ連に先行されるアメリカ。

 

1966年
ディークからジェミニ8号の船長を命じられるニール。史上初のドッキング。一方でその任務からは外されたエリオットが、訓練中の事故で死亡。
デイヴ・スコットとのペアで飛び立つニールは、先行した目標機(アジェナ)への結合を成功させる。その状況は逐一家族へリアルタイムで通信されていた。
だが結合後、原因不明の回転を始めるジェミニ。ニールの判断でアジェナを切り離すが、まだ回転は止まらない。計器の想定を超えた回転速度。姿勢制御の逆噴射を手動で掛けて、何とか回転を収束させたニール。
だが危険を生じた途中で家族への通信が切られ、ジャネットがセンターに乗り込む。セキュリティ上の問題だと弁解するディーク。その後ニールの無事が確認されてそれを聞くジャネット。

 

この失敗を受けてマスコミが人命軽視、膨大な費用について糾弾。
だがニールの適切な対応が認められ、システムの改善点も明らかになり、アポロ計画へと移行した。
そして計画のパイロットにはエドが選ばれた。祝福するニール。

 

1967年
エド、ガス、ロジャーの三名がアポロの地上訓練をしている。
その時ニールはホワイトハウスで政治家相手のパーティに出ていた。そんな時にディークから電話が入る。アポロ内部で火災が発生し、パイロット三名全員が死亡したとの知らせ。

 

1969年
莫大な費用と人命をかけた無謀なミッションだと、アポロ計画は世間からの非難を浴びた。

また月着陸練習機の訓練中、突然機体が傾き始めて降下した。

とっさに射出座席で脱出。機体は炎上。

 

そんな中でも計画は進み、月着陸を行うアポロ11号の準備が整う。船長に任命されたニール。他の乗組員はオルドリンとマイク。
出発の前の晩、出発準備にかまけて家族との距離を取るニール。ジャネットは子供たちに、もし帰れなかった時の心構えを子供たちにしてやってと訴える。


家族四人でテーブルに集まった。無邪気におやすみを言って去る弟のマーク。兄のリックが「戻ってこれる?」   沈黙。

静かに差し出すリックの手を握るニール。

 

そして出発。

 

 

離陸、地球圏からの脱出、着陸船の引き出しまで順調に進み、ニールとオルドリンが着陸船に乗り込む。月への降下の途中で「1202」のメッセージが連発。だがセンターでは「問題ない」と言うばかり。そんな中で着陸用の燃料がどんどん減って来る。着陸に適した所を探し、燃料切れ寸前で着陸。
月への第一歩を踏んだニール。
「これは一人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては偉大な飛躍である」

 

無事に帰還したニール。だが検疫のため、三週間は隔離室から出られない。
ディークに案内されるジャネット。ドアを開けて促される。ガラスの仕切りを隔てた向こうにニールの姿。ガラスを挟んで手を差し伸べる二人。

 

 

 


ザ・プロファイラー~夢と野望の人生~「アポロ11号船長 アームストロング」NHKBS 2/7放送

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番組紹介
前フリ
人類初の月面着陸から50年。
世界中が注目するミッションに命をささげたアームストロングだが、自分が最初に月に降り立つよりも重大なことがあったと言う。

その真意とは?
着陸からわずか2年でNASAを退職、マスコミを避けたのはなぜなのか?
危険な任務に家族は何を思ったか?
ヒーローの栄光の陰の知られざる苦悩と悲劇をプロファイル!

 

 

感想
映画「ファースト・マン」公開直前の放送で、NHKさんもイキな事をやるなーと視聴。
ただ、このレビューは映画よりも遅らせた方がベターという判断で・・・・

 

気になったのは、映画で一番強調されていたカレンの記述が全くなかった事。それでウィキペディアの方で調べてみたのが以下。

『子供は3人授かったが、第二子のカレンは脳幹に悪性腫瘍があると診断された。X線療法で病状の進行は抑えられたが、次第に体力が衰え、立つことも話すこともできなくなり、1962年1月28日に肺炎のため死亡した』

なお2016年4月26日に放送された「コズミック フロント☆NEXT 沈黙の宇宙飛行士 ニール・アームストロング」では娘の死のショックで宇宙飛行士の応募書類を出さず、NASA側が特別に締め切りを遅らせて応募させたとある。視聴可能。

デミアン・チャゼル監督は、この題材を膨らませてヒューマンドラマの骨格を作っており、それはそれで評価する。
幼い頃から飛行機好きな一方、人づきあいが苦手な「技術屋」タイプのニールが、ジャネットと結婚出来た事自体が驚異的だったのかも。
今回番組、ウィキペディア両方を見ても、妻ジャネットの苦悩が浮かび上がって来て、いかに宇宙飛行士の妻が精神を消耗するものかという事を思い知った。その点で映画は秀逸。

 

それと今回思ったのはオルドリンの「ゲスさ」。ファースト・マンになるために水面下で工作していたり、各方面での発言にも自己顕示欲が満ち溢れている。ただ、映画ではそれを糾弾するのが目的ではないため、匂わせる程度で上品に収めていた。

宇宙船における座席配置によって、たまたまニールのファースト・マンが決まった様に書いている記事もあるが、それも含めての船長及びファースト・マン任命。

 

ただ、映画でニールが月に置いて来たものをカレンのブレスレットにしたという創作は、今回における四つのメダルのエピソードの方に軍配が上がる。
月着陸という圧倒的に重大なミッションに対し、月に残すとしたら何がベストなのかをニール本人が突き詰めて考えた答え。
だけどこの話、ウィキペディアには書いてないんよね。NHKの取材力を信じているが、さて?

 

 

番組概要

1930年、オハイオ州生まれ。
二歳から模型飛行機に夢中になる。十六歳でパイロット免許取得(自動車より先)。
自由な空へのあこがれは、人間関係からの逃避でもあった。
パデュー大学では航空機の設計と操縦を学んだ。
大学を卒業して、新型航空機のテストパイロットになったニール。


運命の女性ジャネット・シェアロンを知ったのは大学在学中。周囲には「僕はあのコと結婚するよ」と言っていたが、初デートは卒業してから。

 

26歳で結婚。子供はリック、マークの息子二人。
テストパイロットとして高い評価を受けていたニール。

1962年(31歳)。運命を変える宇宙飛行士の募集。

背景に東西冷戦。1961年にガガーリンが初の有人宇宙飛行に成功。
ケネディが月面への着陸を国家目標に掲げる。
だが米国の技術はお粗末。たびたび爆発を起こした。
宇宙飛行士には253人の応募。ニールは最終の9名に残った(32歳)。人づきあいが苦手だが、前に出ないその性格が人を惹き付けた(信頼出来る、答えを出す人)。

進められる訓練。世間の興味は「ファースト・マンは誰になるのか」

 

月着陸としてのアポロ計画は、サターン5号により地球引力からの離脱。司令船と着陸船が月軌道に向かい、四日後着陸船が月に着陸。往復80万キロ。
この計画のカナメであるドッキングを担保するためのジェミニ計画。
ジェミニ8号の船長となったニール。クルーは二人。

ドッキングは成功したが回転が止まらない。
意識が薄れる中で何とか機首を地球に向けたニールらは帰還。

その手腕が褒め讃えられた。
だが本人は計画を潰してしまったと悔やむ。
事故はニールの家族に陰を落とした。妻とのいさかい。クルー全員が死んでいた可能性。月に近づくほど妻の心は遠ざかる。

国家目標の犠牲。

 

1967年。アポロ計画本格スタート。アポロ1号に搭乗する予定だったガス・グリソム、エドワード・ホワイト、ロジャー・チャフィーの三名が地上訓練中の火災で死亡。

国連の会議後のパーティーでそれを知るニール。
計画の大幅な見直し。

 

1969年。月着陸を前提としたアポロ11号の計画が進む。乗員はニール、バズ・オルドリン、マイケル・コリンズに決定。

ニール、オルドリンどちらかがファーストマン。オルドリンは自分が推薦される様運動を行ったが、ニールにとってそれは大した問題ではなかった。大した問題は、ある事故。
月着陸練習機の訓練中、突然機体が傾き始めて降下した。とっさに射出座席で脱出。0.5秒遅れたら死の危険があった。
事故そのものは重大だが、これでニールの性格も判った。

月着陸で大事なのは帰還後。オルドリンは名誉を欲しがる。

だからニールが船長に選ばれた。

 

出発前の記者会見で、もし持って行けるなら記念に何を持って行くか?の質問に「持って行けるなら少しでも多くの燃料を」と答えたニール。
なぜ選ばれたか。親友の死、精神力の強さも要因。

 

1969年7月16日。ニール38歳。アポロ11号の発射。無事地球を離脱して月軌道上。
着陸船の切り離し。10キロ上空で警報が鳴る。表示は「1202」。
当時のコンピューターは旧式であり、情報処理が追いつかないために出た警報。今まで出た事がなかった警報であり、センターでも対応が遅れ、ニールは最悪の事態を想定した。
幸いミッションに支障ない事が判明したが、その時には予定した着陸地点を過ぎていた。
ニールは着陸させる事に集中。岩場を避け、適切な場所を見つけて降下。そして着地。

 

有名な言葉
「これは一人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては偉大な飛躍である」

なぜあの名言が生まれたか
月着陸後、最初のミッションは星条旗を立てる事だった。
そしてニクソン大統領からのホットライン。合衆国の誇りだと言ったニクソンへの返事は「我々は合衆国の代表ではなく人類全体の代表と考えています」
月には2.5時間滞在。その間に行うべき事でニールとオルドリンは多忙だった。
月面を離れる直前、小さな包みを残したニール。それはメダル。

アポロ1号クルーとして命を落とした三人の仲間と、ソ連のガガーリン。意思のある言葉「人類代表」。
帰国後熱烈な歓迎を受けたニール。日本も訪れていた。

だがその後表舞台から姿を消す。

 

1970年(39歳)。NASAのワシントン本部に移動し管理職となった。

航空学の副長官。だが常に電話を受ける状態であり、実際の仕事は出来なかった。ほどなくしてNASAを退職。

1971年にシンシナティ大学の特別教授に就任したが、その後も注目され続けた。
家族と一緒に夕食を摂っている時にもサインを要望される。

「いつになれば私が宇宙飛行士でなくなれるのか」
ある新聞に「世捨て人」と書かれた。

ジャネットはホッとした。今度こそ二人で一緒に何か出来る。
だがニールは家族のために時間を使う事は出来なかった(ワーカーホリック)。夫に失望したジャネットは別居。そして離婚。
ニールの落胆は、それまで見た事がなかったほど。

「彼女はもう戻って来ない」

 

ニールが再び姿を現したのは1986年のスペースシャトル「チャレンジャー」号の事故。離陸後に爆発し、クルー7人全員死亡。
この時の事故調査委員会の副委員長になって究明に尽力した(当時55歳)。
直接原因となった部品のメーカを追求し、問題に気付いていたというメーカの言葉を引き出した。原因を突き止める事にこだわった。

 

次に注目された場面は1994年(63歳)。月着陸25周年の記念式典。
私たちは始まりをやり遂げただけ。チャレンジは宇宙とは限らない。

 

2012年。82歳で永眠。

自身を「いつまでも野暮ったいエンジニア」と称していたニール。
なぜ姿を消した?  

命をかけたミッションで「その後」がなくなってしまった。
それと頑固さ。エンジニアとしての夢を貫いた。
ジャネットとの離婚は、仕事と家庭の両立が出来なかったから。

 

 

名古屋行き最終列車2019  ①~⑤話

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メーテレがこの季節に深夜枠で放送しているシリーズ。
今年は全10話との事であり、半分づつレビューする。番組HP
過去作
2016年 2017年 
2018年                  

 


第一話 1/15放送


フリーの雑誌ライターになった吉川一美(松井玲奈)。

屋台の取材をするため名駅に来たがドタキャンで困っていると、ナナちゃん人形の前でデジカメを持ってうろついている男(皆川猿時)に会う。フラッシュをたかれて写真を撮られるうちに気を失う一美。

 

目を覚ますと中学時代にタイムスリップしていた一美。そこで同級生の城本君(鈴木福)から映画に誘われる。断るとタイムループして同じ事の繰り返し。誘いを受けてループを前に進める。
それを繰り返すうちに、例の男がナナちゃんの前に居るのに出くわす。好きな人がナナちゃんに声を掛けて帰宅するのを見て、それを真似している男。だが彼女には声がかけられない。
この人と彼女がうまく行くのがタイムループを進める方法だと考え、一美は彼女にインタビュー。女性はカメラの前で笑顔になれないのが悩み。写真部だった城本君がアドバイスして、男に手ほどき。
チャンスを作って男と彼女を引き合わせる。だがうまく笑顔が作れない彼女。男はナナちゃんのネタで彼女を笑わせ、いい写真が撮れる。

 

タイプスリップから解けると、さっきの男は助手を使うプロのカメラマンになっていた。そのカメラマン、君島に取材協力を持ちかけて記事化に成功する一美。


感想
タイムスリップものは、このシリーズで初めて観る。メジャーどころの鈴木福の起用で力が入っている。シナリオも、今までのものに比べてしっかりしており、30分番組の割りには充実していた。
電車ネタではないが、名鉄百貨店の顔「ナナちゃん」をリスペクト。もう45歳だって!
中学生の松井玲奈は、最初ビミョーだったが、すぐに馴染んだ。

 

 

第二話 1/22放送


海老せんべい工場に就職した雄介(矢本悠馬)。品質管理部門で働き、パートのおばちゃんとは仲がいい。通勤の名鉄電車で良く見る女性は「見るだけ彼女」。
卓球の同好会で東野(今野浩喜)と知り合い、休み等で一緒に練習する雄介。
ある日最終電車で帰る時に例の彼女も乗っていた。駅に気付いてあわてて降りた彼女。その時席にスマホを忘れているのに気付いて改札まで走って渡す雄介。電車に乗れなかった雄介に、食事をおごると言う山口里美。
高級レストランでの食事に緊張する雄介。今度はイタリアンでと言う里美。次からは割り勘で。
次のデートの時、さりげなく保険の事を聞かれる雄介は何も入っていなかった。彼女はその関係に詳しいと言って、パンフレットを渡す。

 

何度か会ううちに彼女の扱う保険に入った雄介。だが家に5万入れている状況で4万の保険料は痛い。母親は雄介の金のおかげでゆとりが出来たので、国民年金基金の積み立てを始めた。
雄介が「彼女がいる」と言った事で東野が里美に会わせろと迫っている時、偶然彼女に出会う。実は彼氏との待ち合わせだった。

ショックを受ける雄介。
会社でも落ち込んで、パートのおばちゃん軍団も慰めようがなくて困惑。

東野が、卓球の練習が終わってから、次の大会にダブルスで参加しようと誘う。
雄介は笑顔で「やります!」


感想
昨年は一人だけの卓球部員として頑張っていた雄介が就職。この会社は東海市に工場がある「坂角(ばんかく)総本舗」。ラインを流れるえびせんべいの「ゆかり」は有名。宣伝にもなるので、この会社もけっこう支援しているのだろう。
偶然出会ったと思った彼女が、実は契約獲得が目的だったとはホロ苦い話。
チラっと出て来た彼氏はボイメン(Boys & Men)の水野勝。以前紹介した同じメーテレ系の「サチのお寺ごはん」に準主役で出ていた。

 


第三話 2/4放送


中村公園近くの商店街で八百屋を経営しているみゆき(柚希礼音)。男まさりで声も大きいが、町内でも人気者。シングルマザーとして小二の花梨(野澤しおり)を育てている。
転校して来たるみちゃんと仲良くなり、家にも招待される。るみちゃんのお母さんは亡くなっており、お父さんと二人暮らし。
花梨が、みゆきにもっとおしとかやになって欲しいという要求を出す。それが次第にエスカレートし、服装もキレイにして、お茶の習い事もやってという。

 

そんなある日、るみちゃんの家におよばれするから一緒に付いて来て欲しいという花梨。
みゆきは、実は花梨の叔母。兄夫婦が交通事故で死んでしまったため、代わりに育てている。
私は大丈夫だから結婚してという、花梨の気持ちを知って「気合い入れてく」とみゆき。

訪問当日。買い物をして来たるみちゃん父娘と、玄関で挨拶するみゆきたち。だが入り口が開いており、泥棒とばったり出くわすみんな。父親は危険を避けて盗られたものを諦めたが、るみちゃんは母親の形見が持って行かれるのはイヤと言う。
それまで上品に努めていたみゆきだが、どうしても我慢出来なくなり、大声を上げて泥棒を追う。
そして得意のプロレス技で泥棒を仕留める。
帰りの電車で、無理な願いを謝る花梨に笑いかけるみゆき。


感想
前半でシングルマザーものか、と思っていたら、死んだ兄夫婦の残した子供を育てる女性の話。小品ながらも心温まる、いい脚本だった。

 

 

第四話 2/11放送


小さな劇団で小道具係をやっている藤田未来(花澤香菜)は、座長(神戸浩)から俳優志望と思われていないのにショック。
先輩俳優から10種の演技を同時に体験出来るバイトを紹介される。

 

出社早々に仕事。それは10個の電話の応対。

それぞれジャンルが異なる。
①魔女の館 ②温泉コンセルジュ ③説法の部屋
担当者がここまで説明すると、うまくこなす未来。
そして翌日
④今日のレシピ ⑤あなたの子守唄 ⑥お客様相談室
⑥は、各社のお客様相談でも対応しきれないものが回って来るが、それもうまくこなす。
更に翌日
⑦ガチ前世占い ⑧しりとり学園 ⑨恋人気分 
⑨で鉄道オタクのマゾ男ヒロシに、適当に話を合わせる未来。
そこに⑩の電話。実は引きこもり相談。ぶっつけでこれもうまくこなす。

 

仕事も慣れた頃、⑩の電話で無言電話。未来は自分の事を話すが、電話は切れる。
だが次に電話がかかり、相手は早乙女涼と名乗った。ぎこちないながらも話が出来るようになる涼。
ある日⑨の電話で鉄道オタクのヒロシからの電話。デートにいい観光地の相談。改めて電話すると言って切り、調べる未来。
そこに次の電話。てっきりヒロシだと思って「彼女連れてこの旅館にでも行きやがれ~!」と言うと電話が切れた。

それは⑩の電話、涼からだった。
それから一週間、涼からの電話がない。以前の涼からの電話に電車の音が入っていたため、ヒロシにクイズだと言って聞かせると、電車は名鉄のミュースカイ、鉄橋のそばだからと候補地を教えてくれる。
それを手がかりに涼の家を突き止める未来だが留守。近所の主婦に聞くと、涼は以前から引き込もりだが、最近お母さんの姿も見ない。

 

翌日、主婦の訪問を受ける未来。そこにもう一人の若者、涼だった。未来にハッパかけられて目が覚め、母親と修善寺へ旅行に行って来た。外に出られるようになったのはあなたのおかげ。

劇団で出演者のオーディション。演技力が付いたと評価されて準主役。涼に観に来るよう誘う未来。
だが当日の未来の役はクマの着ぐるみ。「涼クン判るかなァ?」


感想
ちょっとひとひねり。ネタのアイデアがいい。そして涼の家を突き止めるところも、名鉄電車との関連付けでGood。

 


第五話 2/18放送

神宮小路の「えん楽」。休みたいというバイトの堀内(タイムマシーン3号:関太)からの電話を受ける前田清(波岡一喜)。
そこにフラリと現れた男・安田昌平(寺島進)。

店主の今村(大杉漣)は新婚旅行で海外から一年ほど帰らず、留守の間時々店を開いている状態。
出来ればバイトを雇いたいと言う清に「俺を雇ってみるか?」
20年前にここで大将の下で働いていたという。

言ってみれば清の兄弟子。
試しにラーメンを作ってもらうと、スープは鶏8、豚2の割合に隠し味もそのまま。儲けはそのまま給料、という事で店を任せる清。

 

自分の店「清楽」で堀口、客の麻耶(黒川 芽以)と話す清。「えん楽」を任せてしばらく経つので堀口が「行列リサーチ」で調べると結構繁盛している。

 

だがそれからしばらくして、グルメサーチで「えん楽」がとんこつ味の店に変わっている事が判る。
味を変えた事について清が聞くと、昔はとんこつ8、鶏2のスープも出していたと言って、そのラーメンを作った。それを食べると意外にしつこくない。そのまま続ける事を了解する清。

その後も昌平の店は繁盛を続け、TVにも出演する様になった。

近所の噂では隣りの空き店舗を借りてインド人にカレー屋もやらせているらしい。
商売優先かどうかを見るため、昌平に一杯500円を750円に上げて利益を増やしたら?と持ちかける。
それに対して「500円はえん楽の心、大将なら500円一個握って食べに来る子供の事を考えろと言う」と返す昌平は、今村の心をそのまま継いでいる。

 

それから二週間後、町内会長が店に食べに来て昌平の正体がバレた。昔、店の金を持ち逃げした店員。
話を聞きに来た清にいきさつを話す昌平。
とんこつ味も作っていたというのはウソ。提案したが却下された。

自分で独立するため、今村が改装資金として溜めていた300万を持って逃げた。そんな今村を助けたのが会長含め商店街の仲間。
昌平は店を出したがうまく行かず、借金が焦げ付いて全国を逃げ回った。最近になって「えん楽」の閉店を聞いて来てみたという訳。

 

店を去ろうとする昌平は、清にレジを開けさせた。分厚い封筒に300万。今までの稼ぎを全て溜めてあった。
その話は知っていたという清。昔昌平が今村に宛てて出したお詫びのハガキがずっと残っており、読んでいた。それを昌平に見せる。
でも自分は許されていないと言う昌平に、今村からのメールを見せる清。そこには昌平のとんこつラーメンを食ってみたいという、今村からの文。


感想
元々、昨年亡くなった大杉漣を核としたシリーズだが、遺作となった昨年を継いで、現在でも今村が生きている前提でドラマは進む。へー、小夜子(石野真子)と結婚したんだー、としみじみ。麻耶のいきさつについては昨年のシリーズ参照。
大将が居なくても、その存在をそこはかと感じさせる。いい話だった。

 

 

火の鳥 少女クラブ版 初出:少女クラブ 1956年5月~1957年12月

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エジプト編  初出:『少女クラブ』(1956年5月号 - 10月号)
ギリシャ編  初出:『少女クラブ』(1956年11月号 - 1957年7月号)
ローマ編    初出:『少女クラブ』(1957年8月号 - 12月号)

 


感想
本人あとがきで、漫画少年の「火の鳥」と違ってやたらと甘く、やたらと恋や愛が出て来る、と言っており、いかにも少女読者を意識したものと言える。
エジプト編冒頭で生き物の輪廻について、天国の描写を使って説明。
物語としてはエジプト、ギリシャ、ローマ各時代を描き、火の鳥の血を舐めて不死となったクラブとダイアという男女が、数百年を経て再生しつつ物語を進めて行く。

 

ここでの火の鳥の描かれ方はさほど神聖ではなく、もともと天国がイヤで、誕生する者たちに紛れて地上に来たという設定のため、中途半端にドジなところが微笑ましい。
不死の概念は、死なないというより一旦死んで別の形で蘇える、という形も含め混在しており、後に大きな構想として描かれる「火の鳥」体系の初期段階として、様々なパターンにチャレンジしている様にも見える。

 

 

<エジプト編>
天国の世界。死ぬと、動植物がみな同じ姿で天国に行き、受付で生前何だったかを申告。改めて命を与えられ、下界へ行くが、その時全ての記憶が消される。


天国で飼われていた火の鳥。ここがイヤで、生まれ変わる少女に頼んで下界に降りて来る。

 

エジプトのファラオ王が、火の鳥捜しを王子に頼んで送り出す。

一方継母の后が王の殺害を計画。
それを知った奴隷のダイアは、訴えるが捕まる。王は倒れ、ダイアは動物に助けられて逃げる。
王子は偶然ダイアを助ける。歌がうまいというダイアを使って、火の鳥をおびき寄せようとする王子だが失敗。
ダイアは騙された事に怒るが、真摯に謝る王子を許す。
洪水の最中、ダイアが火の鳥の卵を助ける。感謝した火の鳥は母国に戻って王に血を分けることに。

国に戻った王子。だがその時に王は絶命。

死んだ者には血を与えても生き返らない、と火の鳥。
火の鳥は国の不穏な様子を察知し、王とダイアに自らの血を舐めさせた。
王子は即位してファラオ三世となり、ダイアと結婚すると宣言。祝いの宴が開かれる。
火の鳥は、ナイル下流の浮島に居ると言って去って行った。
后の命を受けて、殺し屋が変装して王子とダイアを襲う。

刺されてナイル川に落ちる王子。
捕まったダイアは脅迫されて火の鳥の居場所へ案内させられる。

火の鳥が住む浮島まで案内させられたが、会わせられない、とダイアは反抗。后が王を殺した事を知っていると暴露。生かしてはおけないと襲う后だが、ワニに襲われて底なし沼に沈む。
そこに現れる火の鳥。案内されて倒れている王子を見つける。見た目は死んでいるが、何百年後かには目覚めるという。

何百年も待てないと、ダイアは自分の胸に剣を突き立てた。
火の鳥の卵からヒナが生まれた。

 


<ギリシャ編>
ヒナはチロルと名付けられ、回りの動物たちの助けですくすくと育つ。主な仲間→ノロ(ウサギ)、ヨタ(きつね)、ポポ(カメ)。
ある時洪水が起こり、隠してあった王子とダイアの体が流されてしまう。それを何とかしようと水の中に入る火の鳥だが、二人は離れ離れに。
死期を悟った火の鳥は、三匹にチロルの身を託すと彼らに自らの血を飲ませた。火の鳥の寿命は三千年。その時が近づいていた。

親が死ぬ事でしか長寿が受け継がれない。
火の鳥は自らを燃やして消滅した。チロルを守ると誓う三匹。

 

海を漂うダイアを助けた船。船はトロヤ国の軍船、王子ヘクターが助けた。記憶をなくしているダイア。
自分の国へ来るよう勧めるヘクター。船はスパルタの国へ向かう。
一方、スパルタの海岸に流れ着いた若者。兵隊が見つけ、目覚めた若者と小競り合いになるが、若者が圧倒。
上官と思われる者はユリシーズと名乗り、同行するよう促す。

若者は自分の名前も忘れていた。

海岸で、使節として到着したトロヤの軍船を見つけるユリシーズは、若者を連れて神殿に戻る。神殿でばったりと出会う王子とダイア。

お互い惹かれるが思い出せない。
ユリシーズに言われ、スパルタ国の兵士として働く事を誓う王子。
庭で再び出会う二人。記憶はないながらも男はクラブと自分を名付け、女はダイアと言った。
どんどん親しくなる二人は、前世で兄と妹だったかもしれないとまで思ったが、今は敵国同士。そんな時、急にさらわれるダイア。

 

スパルタ王との会食で、挑発に乗り、争いを始めそうになるヘクター。
ダイアをさらったのはスパルタ王の后。自分の娘ヘレナよりダイアが美しければ、殺さなくてはならないと言う。
ヘレナと立ち合わせ、ダイアを殺しておしまい、と指示する后を止めるヘレナ。その命乞いに、命だけは助けるから、神殿の地下牢に一生閉じ込めると宣言する后。
スパルタ王とヘクターの争いが始まり、クラブもそこへ引っ張り出される。王のやり方を卑怯だとたしなめたクラブが、結局ヘクターと戦うことになってしまった。
戦いはクラブが勝ち、ヘクターは潔く負けを認めた。

 

国に戻ろうとダイアを探すヘクターだが見つからない。スパルタ王がさらったと知り怒るヘクター。
一方ダイアを助けようとするヘレナだったが、ヘクターの指示を受けたトロヤの兵にさらわれてしまい。ダイアは取り残される。
娘の誘拐を知った后は地下牢へ向かい、ダイアを殺そうとするが、辛くもクラブが助ける。
クラブは小舟で荒波の中へ、ダイアを返すために漕ぎ出す。

渡り鳥のバレエ団への入団を勧められるチロル。三匹(ヨタ、ノロ、ボボ)に相談すると、付き添いとして同行させるならokとの返事。

 

三匹を網に乗せて運ぶ渡り鳥たちはトロヤの国に向かうが、途中嵐に巻き込まれる。
海に落ちた三匹はチロルたちと別れてしまう。偶然三匹を拾い上げるクラブとダイヤ。食料にしようとするクラブを止めるダイヤ。
言葉を喋る動物たち。三百年も生きていれば覚えると言う。二人を、昔ナイル川の洲で死んだ王子と王女そっくりだと話す。

 

トロヤ国に戻ったヘクター。同時に連れて来たヘレナを国王始め皆で蔑む。だがヘクターの弟パリスだけはヘレナの味方になった。スパルタ国との戦争になるという話に、死が怖いと悲しむパリス。
鳥の大群がトロヤ国に舞い降り、その中の一羽の金色の鳥が不死鳥だと予言者が言ったため、両親と兄にその血を飲ませようと、パリスが捕まえに出発する。手伝うヘレナ。

一方スパルタ国の船団がトロヤ国に到着しようとしていた。
兵士に捕まったクラブ。スパルタ国の者だと言っても脱走兵と疑われた。それを助けたユリシーズ。ダイアを弟だと偽った。

男なら明日は出陣させろ、とユリシーズ。
不死鳥を探すパリスとヘレナ。兄たちの前に見つけたい。偶然チロルを見つけ、射止めるが、相手は不死鳥、矢を抜いて逃げて行った。

 

トロヤ国とスパルタ国との戦争が始まる。ヘクターを見つけるダイア。驚くヘクター。城へ戻ろうと言うヘクターに、ダイアは妹だと言って阻止するクラブ。二人と戦いが始まる。
互角の戦いだったが、割り込んだスパルタの兵士アキレスに刺されて倒れるヘクター。ダイアの事をクラブに託した。だが兵士が女だと気付いたアキレスは、ダイアを連れて行ってしまう。捕まったクラブ。

亡骸となって城に戻ったヘクター。相手がアキレスと知らされる。彼の急所はかかと。
ダイアを連れて走るアキレス。妻になれば法の裁きにはかけないと脅迫。そこへパリスの放った矢がアキレスのかかとへ。馬車は倒れ、アキレスは死ぬ。そこを逃れて戦場でクラブを探すダイア。

瀕死の兵士から、グラブが城内に連れて行かれた事を知る。

 

城の塀まで来た時、身を隠していたヨタ、ノロ、ボボに出会うダイア。何とか城壁を登って城内に入る。
食料が少ない事に不満を漏らすチロルは、仲間の言うことを聞かずに食料を捜しに行って捕まってしまう。

国王にチロルを見せるパリス。
スパルタ国は皆退却し、残された大きな木馬が城内に運ばれた。酒宴で盛り上がる兵士たち。
奴隷の中にクラブを見つけたダイアは、係の兵士を酔わせて助け出すが、木馬から出て来たユリシーズと戦いになる。トロヤの娘のために翻弄されるクラブを責めるが、二人でそこを脱出するクラブ。

 

ユリシーズとスパルタ国王が火を放ち、トロヤ国王の居所まで攻め入る。国王同士の戦い。そこへ止めに入ったヘレナは誤って出した父親の剣に倒れる。
檻から出られないチロルの元に、母親の化身が力を入れてとアドバイス。檻が溶けてチロルは脱出。

重傷を負ったダイアを看病するクラブ。きっと生まれ変わると言って息絶えるダイア。クラブはダイアを抱いて崖から身を投げる。

それを見つけたユリシーズは二人を手厚く葬った。

 


<ローマ編>
トロヤ戦争が終わってから三百年後のローマ。
パン屋を営む若者。父親と妹。オキロ大帝と王子のネボケタスが妹に目をつけている。
森へ水汲みに行った妹。手負いのライオンに出くわすが、槍を抜いてやる。そこで王子に見つかり、城に連れて行かれそうになるが、ライオンのおかげで逃げる。帰ってから父親に、王子からローマ人ではないと言われたと告げる若者。
二人の秘密を話す父。五十年前、ギリシャを攻めた時、宝物の間に、生きている様にみずみずしい二人の男女が居た。

それをもらい受けて生き返らそうとしたがダメだった。

45年経って突然動きだしたのがお前たち二人。

 

王子の家来たちがダイアを連れに来る。反抗した父は殺され、二人は城に連れて行かれた。兄は奴隷、ダイアも歌で蛇たちを操ったため奴隷にされた。
老婆から聞いた火の鳥の話。生き血を飲んで兄と自分が死なないようになりたい。
女奴隷が猛獣の鬼ごっこをやらされた時、その相手が助けたライオンだった。狂言で猛獣を倒した事になったダイアは1週間だけ外に出してくれるよう頼む。その間に火の鳥を探し出すつもり。兄は人質とされ、帰らなければ殺される。

 

ライオン(レオ)の道案内で火の鳥を捜しに行くダイアは途中で例の三匹とチロルに遭遇する。チロルは覚えているが、ダイアに記憶はない。チロルに唄うよう言われ、ダイアが唄い出すと三匹も思い出した。
兄を助けて欲しいと頼むダイアに、人間に嫌気がさしたというチロルだが、結局協力する事に。ただし血を分けるのではなく王たちを改心させるという。

 

レオが皆を乗せて走る途中、王の手下に捕まり、穴に閉じ込められる。あと五日経ったら出してやる、と手下。このままでは、兄が処刑される。

チロルが、手下どもを騙して一日勘違いをさせ、穴から脱出。皆で城に向かう。
王はまた難題を出し、火の鳥を献上したら兄を助けると言った。
従うフリをする火の鳥に、学者が脳を幼稚にさせる薬を飲ませようとする。その薬に息を吐きかけて血の色にするチロル。
学者がそれを見て慌てて王のところへ持って行く。火の鳥の血と勘違いした王がそれを飲み幼児化。

助けられた兄のクラブ。チロルは、悪い政治を倒すのは今、と言ったがクラブは、恨みは捨てて堂々と退かせようと言った。
去って行く火の鳥。
 

 

3年A組-今から皆さんは、人質です-  5~8話 日テレ系 2019年

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脚本 武藤将吾
演出 小室直子、鈴木勇馬

 

キャスト
教室 3年A組
 柊一颯(ひいらぎ いぶき)担任 - 菅田将暉
生徒
 茅野さくら(かやの さくら)       - 永野芽郁
 宇佐美香帆(うさみ かほ)     - 川栄李奈
 諏訪唯月(すわ ゆづき)      - 今田美桜
 逢沢博己(あいざわ ひろき)   - 萩原利久
 石倉光多(いしくら こうた)      - 佐久本宝
 甲斐隼人(かい はやと)      - 片寄涼太
 中尾蓮(なかお れん)        - 三船海斗
 秋庭凛、浅見沙也、魚住華、金沢玲央、河合未来、熊沢花恋、

小宮山愛華、里見海斗、須永賢、瀬尾雄大、立野寛人、

辻本佑香、西崎颯真、花岡沙良、兵頭新、不破航大、堀部瑠奈、

真壁翔、光永葵、水越涼音、柳本稔、結城美咲

 

教師(私立魁皇高校)
 武智大和   - 田辺誠一   3年B組担任(数学担当)
 森崎瑞希   - 堀田茜     3年C組担任(地理担当)
 市村浩一   - ベンガル   校長
 坪井勝     - 神尾佑   体育担当
 佐久間現   - バッファロー吾郎A 3年の学年主任。

 

警察(瀬ヶ山署)
 郡司真人   - 椎名桔平 生活安全課少年係の刑事
 宮城遼一   - 細田善彦 生活安全課少年係の刑事
 五十嵐徹   - 大友康平 捜査一課の理事官

 

その他
 景山澪奈(かげやま れいな)- 上白石萌歌  自殺した生徒
 相楽文香(さがらふみか) - 土村芳  一颯と交際していた元教師
 相楽孝彦                    - 矢島健一 文香の父
 喜志正臣    - 栄信  半グレ集団「ベルムズ」のリーダー

 


1~4話超あらすじ 詳細はこちら
Day-1
卒業まであと10日となった私立魁皇高校で、3年A組の生徒全員を人質に取って立てこもった、クラス担任の柊一颯(ひいらぎいぶき)。
昨年ドーピング疑惑で自殺した、水泳のホープ景山澪奈の死の真相を掴むのがその目的。反抗した男子、中尾蓮が一颯に刺殺された。
Day-2
ドーピングを疑わせる動画をSNSに流した者が、クラスの中にいるという疑い。そんな中で宇佐美香帆が自分だと告白。

だが動画を作ったのは別人。
Day-3
動画を撮ったのは、かつて澪奈に交際を申し込んで断られた里見海斗。だがそれをそそのかした者が別に居た。
里見を含む五人を「殺す」と宣言して別室に連れ込む一颯。
Day-4
殺すと言われた五人と、先に殺害された筈の中尾は無事だった。
そんな中で動画を撮らせたのが甲斐隼人と判明。母親が寝たきりで金が必要な時に、半グレ集団「ベルムズ」のボスに頼まれて澪奈を紹介したが、途中で助けた。
報復が怖くて言いなりになっていた甲斐だが、そのボス喜志正臣の名を告白。動画を喜志が加工した。

一方、その喜志と関わりのある諏訪唯月。


5~8話感想
巡り巡って、あの空気読めない自称カリスマ教師の武智が行う、推薦入学がらみの不正にまで辿り着いた。
だが文科大臣、牧原丈一郎の先にまだ誰か居るみたいで、一体どこまで引きずる気だ!とイラつく。
そこに文香の実父が五十嵐なんて話もブッ込んで来る・・・・
ただ視聴率も安定して10%越えをマークしているし、まあ成功の部類かも?
ラスト2話で、どんな結末を見せてくれるのか?・・・・

 

 

あらすじ
第五話 Day-5(2/3放送)視聴率10.4%

倒れて気を失っている一颯を介抱するさくら。


準備室のドアをこじ開け携帯、スマホを取り戻す生徒たち。皆外部への連絡を始める。再び「内通者」は誰かという探り合い。

逢沢博己が、内通者だと名乗り出る。
拉致された生徒たちとの再会。そして里見が、一颯からの話を伝える。

先生は生徒たちのために事件を起こした。真実を白日の下に晒す。
澪奈が死んだ時、クラスの誰が死んでもおかしくなかった。警察では犯人をあぶり出せない。
それと一颯には時間がない。不治の病。それで最後の授業をやろうと思った。そして一颯は、諏訪唯月が鍵を握っていると言ったという。

唯月に皆の目が集まる。
以前バーに押しかけ雇ってもらおうとした唯月は、店に居た喜志に、芸能事務所へ入るため二百万が必要だと言った。「俺の女になれ」。

そして芸能事務所に入れた唯月。
下校時に車で迎えに来た喜志が、走っている澪奈を見つける。
その後澪奈が死んでから、喜志は彼女の自殺を話題にしようとして黙り、その時ペンダントを渡された。

 

警察SITの突入を知って、残る者と外に出たい者との争いが始まる。
目覚めた一颯をさくらが連れて来る。

そんなに喜志が怖いか?と一颯。
自分は悪くないと心を閉ざす唯月に「お前は悪くない」
みんなみっともない、それでいい、それがいい。恥を繰り返して強くなる。ポロポロと涙を流す唯月は、喜志からもらったペンダントを床に打ち付けた。中からSDカードが出てくる。何が入っているかは知らない。
それを受け取りPCにセットする一颯。喜志が作っているフェイク動画の顧客リストだった。

警察が実行しようとしたSITの突入を阻止し、彼らの武器を手に入れる一颯。
一方、景山を陥れた犯人は魁皇高校の教師だとSNSに流す一颯。

 

第六話 Day-6(2/10放送)視聴率11.7%
一颯が授業を始める。信じる信じないゲーム。
ニセモノの生徒の手足がSNSに投稿された。

それをやったのは結城美咲。指示を出すまで勝手な事をするな、と一颯はまた皆のスマホ類を取り上げた。
一颯から教師たちに指示。8時までに景山のフェイク動画作成を依頼した教師を特定出来なければ教室を爆破する。


仲間じゃないのかよ、と騒ぎ出す生徒に「頼んだのは真実を知るために命を差し出せという事」

郡司が相楽文香に話を聞きに行くが、父親の孝彦がそれをさせない。

 

教室ではさくらが取りまとめて教師の評定を行っていた。その中で坪井の名が挙がる。水泳部顧問で、彼が怖くて辞めた者も居る。水越涼音が「思い出すだけでヘドが出る」と言って席を外す。
付き合っていた中尾の事をみんなに晒されて水泳部を辞めさせられた。それは胸の痛みで一日だけ休んで、中尾に病院に付き添ってもらっただけなのに。
トイレに居て、結城がスマホを隠し持っている事に気付いた水越は、坪井を告発する動画を撮らせてSNSで拡散させる。

 

郡司は、一颯が学生時代にバイトをしていた戦隊ものの特撮スタジオを訪ねる。
そこでの看板役者ファイター田中(前川泰之)に事情を聞く。一颯は当時悪役として演じていたが、真面目でスジが良かった。ヒーローを譲るつもりだったが、一颯がガンになったため、文香さんと同じ教職に就く事になった。
「文香さん」の名に聞き直すと、このスタジオの社長、相楽孝彦の娘さんだという。繋がった線。

 

教室では一颯が、水越の行った坪井告発の動画の事を生徒たちにバラしていた。
そして教師たちに8時の期限を宣告。こちらでは坪井先生が犯人と思っていると言い、水越に話させる。
自分から水泳を取り上げ、同じ様に澪奈を陥れた、と言う水越。
校長に促されて真実を話す坪井。あの日、水越の母親に頼まれて病院で医者から話を聞いた。水越は「運動誘発性の致死性不整脈」。ハードな運動は出来ない。母親から説得するよう言われたが、ああいうやり方しか思いつかなかった。
申し訳なかったと謝る坪井。

 

どうしたらいいの、と言う水越に「あの動画はSNSにアップされていない」と一颯。
よかった、とへたり込む水越に激怒する一颯。お前が流そうとした事に変わりない。取り返しのつかない事をやろうとした。変わってくれよ!
お前たちはもう、感情に任せて過ちを犯せる年齢じゃない。行動に責任を持て。

 

8時になり、教室から出て生徒たちを閉じ込め、爆破を宣言する一颯。そして爆破。
ただし爆破されたのは別の教室。

だが名乗り出なかった事実により世間の非難は教師に集中。
さくらがある事に気付く。先生が眼鏡をかけている時に話す言葉は本当、外して話す言葉は嘘。

警察の調べで、相楽孝彦が大量に火薬を発注していた事が判明。一颯と孝彦が繋がっている。
孝彦が、澪奈と誰かがビルに入って行く動画をアップした。その直後に救急車が到着。澪奈が自殺する寸前の出来事。
一颯が話す「武智先生、追い詰められましたね」

 

第七話 Day-7(2/17放送)視聴率11.9%
武智を犯人と決め付けている一颯は彼に、8時までに全ての罪を認めないと一番大切なものを奪うと言った。
生徒間で話される、豪翔大学への推薦入学に関する噂。武智が本人の実力を見極めずに入れるので、9割が1年で辞めていた。瀬尾は陸上、魚住は柔道で武智から豪翔大学への推薦をもらっていた。結果を出せば学費免除との甘言。

 

武智はネットでの噂が影響してTV番組の降板が起きていた。
一方警察では相良家の情報が集まりつつあった。相良孝彦の妻は10年前に亡くなり、文香は妻の連れ子。
文香の過去映像。文香が武智と知り合ったのは三年ほど前。スポーツ推薦の関係。

 

瀬尾が仲間を募って一颯を襲うが失敗。

瀬尾は推薦の取り消しが怖い。

武智を学校へ呼び出す一颯。フェイク動画の事は知らないと言う武智。
一颯は澪奈から、武智が豪翔大学への推薦入学を申し出た件を断った事を聞いていた。
武智が豪翔から報酬を貰って推薦入学を斡旋していた。そしてこの件を教育委員会に訴えようとした澪奈を陥れるため、武智がベルムズにフェイク動画を依頼した。
澪奈の最後の場面の動画を見せる一颯。だが同行の男は後ろ姿であり、本人の裏付けはない。証拠にならないと言う武智。だがその動画の中に一部、武智が建物から出ようとする横顔がはっきり写っていた。
それを見て、動画を依頼した事を認める武智。その様子は監視カメラからSNSにより外界へ拡散されていた。
武智に「名声と権威、大切なものを戴いた」と言う一颯。そして武智は警察に引き渡される。

 

郡司が五十嵐に報告。柊と相良は裏で繋がっていた。

あなたもグルですよね、と詰め寄る郡司。
教室。これで解決の筈なのに、どうして解放してくれない? まだ続きがある?   「これからが本番だ」と一颯。

 

第八話 Day-8(2/24放送)視聴率12.0%
本日は自習、と言って生徒たちのスマホ、パソコンを返す一颯。だが自分に協力している事は伏せておく様にとクギを刺す。

武智の件で、相良孝彦の不在を狙って文香を訪ねる郡司。
文香が三年前担任をしていた生徒で、野球部のエースが居た。武智が豪翔大学への推薦入学を働きかけたが、本人はプロに行くつもり。それでも文香に賄賂を押し付けて迫る武智。
文香が不審に思って興信所に調べさせたら、武智は意外な人物と繋がっていた。

 

諏訪唯月が喜志に留守電を入れる。アナタが捕まったのは私のせい、ごめんなさい。でもフェイク動画の拡散を私に言わなかったのは私を思っての事?・・・・・その電話は取り調べ室で皆に聞かれていた。

自白する喜志。澪奈を潰す依頼をしたのは武智。裏で操っているのが俺たちのバック・・・

孝彦に話をしに行ったファイター田中は、社員を巻き込んだ事を責める。問題はもっと根が深い、と孝彦。
田中からの電話を受ける一颯は「田中さんはヒーローでいて下さい」

郡司が武智に聴取。

 

文香は黒幕が文科大臣の牧原丈一郎だと武智に言い、教育委員会に報告しようとした。だが武智は澪奈と同様喜志に指示してフェイク動画で、文香が生徒とラブホに行った様に陥れ、退職に追い込んだ。
シラを切る武智に、喜志が全てを自白したと告げた郡司。だが殺したのは自分ではない、となおも否定する武智。

 

一方教室では、孝彦が流した動画に写っている武智の姿が加工されたものだと判り、更にそれが一颯だと判って騒ぎに。

そこに現れた一颯は、お前たちが決めろと言ってまた去って行く。
五十嵐と対峙している郡司。文香の戸籍謄本を見せて迫る。五十嵐は文香の実父だった。文香の復讐のために武智を追い込んだ。否定しない五十嵐だが「証拠は?」との問いに「一颯が持っている拳銃」
なぜここまでやった?と聞く郡司。牧原?と名を出すと「その程度の相手では・・・・」
とその時、部下を引き連れた理事官の本庄が五十嵐を連行して行った。郡司の相棒、宮城遼一(細田善彦)の通報によるもの。怒る郡司だが義憤に燃える宮城。

 

一颯が動画の本人だ、とSNSに流そうと言う者が居る中で、冷静に考えようという動き。


女は澪奈ではなく、この映像を撮った位置にも防犯カメラは設置されていない。要は武智を自白に追い込むため、一颯を含め何者かが作ったフェイク動画。
自分らで考え、正解に辿り着く姿を別室で見て涙ぐむ一颯。

 

単身学校に乗り込む郡司。ある程度の事情を知った上で、なぜ五十嵐を巻き込んだ?と一颯を責める。
本当の狙いの答えを知ろうとする郡司に「悪意のナイフで傷付けられた」と郡司の過去をなぞる言葉。かつて教師だった郡司。
犯罪である事など判っている、だからこの命を賭けたんだ!との言葉に絶句する生徒たち。
殴り合う郡司と一颯。だが病気のため倒される一颯。
一颯がとどめを刺されようとした時、郡司が突き飛ばされる。

その相手は戦隊ヒーローだった。

 

 

 

アクアマン (映画)   2019年

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監督 ジェームズ・ワン
脚本 デヴィッド・レスリー・ジョンソン

 

キャスト
アーサー・カリー / アクアマン     - ジェイソン・モモア
メラ                       - アンバー・ハード
バルコ                                      - ウィレム・デフォー
オーム王 / オーシャンマスター     - パトリック・ウィルソン
ネレウス王                                 - ドルフ・ラングレン
デイビッド・ケイン / ブラックマンタ   - ヤーヤ・アブドゥル
アトランナ                                    - ニコール・キッドマン
トム・カリー                                  - テムエラ・モリソン

 

オフィシャルサイト

 

 

予告編

特別映像5分

 


感想
ブロガーさんたちの間でそこそこ評判がいいみたいなので視聴。
オープニングでホント可愛らしかった子供が、成人したらヒゲでムキムキのおっさん。全身入れ墨だらけだし、今までのヒーロー像とはひと味違う存在感!
ドラマとしてさほど深いものはないが、見掛けの割りに素直に育ったアーサーが、父親とも深い絆で結ばれており、そのやりとりがホンワカいい感じ。
ヒーローもので親子仲良く酒を飲むシーンなんて、なかなかない。

 

海洋アドベンチャーと言いながら、サハラ砂漠での「ナショナル・トレジャー」ばりの大仕掛けで手掛かりが出て来るとこやら、シチリアでの大逃走場面などアクション満載で、けっこう楽しめる。

アーサーの母親アトランナを演じるニコール・キッドマン。さすがに若い頃を演じるのは厳しかったが、成人したアーサーと再会した時には「すげェ若い!」てな感じで感動。御年51歳とは思えない。

肌ケアというより、精神が若いのだろう。

笑ったのは「ブラックマンタ」。目からのレーザー光線を意識したのだろうが、まさに「遮光器土偶」。もう少し何とかならんかったのか・・・・・

 

続編ミエミエのボーナス映像だったが、あまり食指は動かん・・・・カナ?

 


あらすじ
1985年。一人で灯台守をしているトム・カリーは、岩場に打ち上げられた女性を助けて介抱する。彼女はアトランナといい、海底国アトランティスから逃げて来た。愛し合う様になる二人。
息子のアーサー・カリーが生まれて数年後、アトランナはアトランティスからの追っ手に連れ戻される。

アーサーはトムに育てられるが、アトランナが信頼するバルコに武術を授けられる。父親とは固い絆のアーサー。

 

現代。アメリカの潜水艦が、エイ型の小型潜水艦に襲われる。

首謀者はデイビッド・ケインとその父ジェシー。
そこへ救援に来たアーサー(アクアマン)。

ジェシーはその戦いの中で死ぬ。
海底国アトランティスの王オーム。七つの国のうちの一つだが、自然を荒らす地上人に不満を持っていた。
そんな時、地上人の潜水艦が攻撃を仕掛けて来る。それはオームが裏で操った事件。
反撃のため隣国ゼベルの王ネレウスと同盟を組んだオーム。他国も含め統治するためにはオーシャンマスターになる必要があった。

 

父親のトムとアーサーが津波に襲われたところを助けた海底人は、ゼベルの王ネレウスの娘メラだった。
オームが暴走して地上人と戦うのを止めるために、アーサーを呼びに来た。純粋な海底人ではない事でその権利はないと言うアーサーだが、メラに言いくるめられてアトランティスを訪れる。

武術の師匠バルコとの再会。
オーシャンマスターになるためには初代の王が持っていた鉾の「トライデント」を持つ必要がある。
オームに見つかり、決闘を迫られ止むなく戦うアーサーだが武器が折れ、身が危うくなる。そこに助けに入るメラ。小型艇をマグマに落とすスキに脱出。

 

バルコに与えられたヒントでサハラ砂漠に行くアーサーとメラ。砂漠の地下にある海の王国の遺跡に辿り着き、ビンとその中の地図からシチリア島に向かう。


一方危ういところをオームの手の者に助けられたデイビッドは、武装したコスチュームにより「ブラックマンタ」となって、アーサーたちへの攻撃を行う。


その攻撃を辛くもかわし、トライデントのありかを示す場所「海溝の王国」をとうとう見つけるアーサー。

 

漁船でその場所に向かうアーサーとメラだが、無数の海の化け物に襲われて海中に逃れる。海底から更に入り込んだところにある「隠された海」に辿り着く二人。
そこで、生け贄にされて死んだと聞いていた母アトランナとの再会。
アトランナの案内で、トライデントのある場所に向かうが、守り神の怪獣カラゼンを倒す必要がある。
戦うが、全く歯が立たないアーサー。万事休すというところで、カラゼンに語り掛けるアーサー。それが通じたのは初代の王以来。カラゼンはアーサーを受け入れ、そしてトライデントを手に入れるアーサー。

 

アトランティスに戻るアーサーだが、策略で勢力を集中させたオームは地上に総攻撃をかけようとしていた。オームと戦うアーサーは、激闘の末勝利する。真のアトランティス王として認められるアーサー。

 

エンドロール後のボーナス映像
辛くも助けられたデイビッド。救ったのはアトランティス研究者のシン博士。アトランティスの武器に興味を持つシン博士。

 

 

NHKスペシャル「黒い津波」知られざる実像 3/3放送

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番組詳報
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概要
2011年3月11日午後2時46分に発生した東日本大震災。
津波の画像は、ほとんどが真っ黒い海水。
気仙沼市に住む上田さんが、この時に襲った津波をペットボトルに保管していた。

 

津波を調べる中央大 有川太郎教授。黒い部分は海底のヘドロ。油や重金属も多く含む。驚くべきは粒子の細かさ。

1ミクロン(1/1000mm)単位だという。
またヘドロが混入する事で比重が10%増大。波を壁にぶつける実験で、水が280kgに対しヘドロ混入では550kg。波の下部が粘性抵抗で厚くなり威力が増す。
また比重大により、建物が浮き易くなって流される。

 

黒い津波により持ち込まれたヘドロは、乾燥して舞い、肺の奥深くに侵入して重大な疾患を招く。
命が助かっても気管にヘドロが入り込み、後日亡くなる「津波肺」。

 


感想
東日本大震災から、早いものでもう8年が経とうとしている。
確かに、津波がなんであんなに黒いんだろう、とあの時思っていた。
潜水調査では、湾近くの海底のヘドロは数メートルの深さでごっそりえぐられていたという。
その威力についても、比重に比例ではなく相乗的な力となって迫る。

最近の報道でも、東日本で30年以内にM7級の地震が起きる確率が90%だという。
日本の研究機関では地震予測は諦めたのでは?(まあいいか)

 

用心、とは言ってもなかなか万全の準備なんて出来ないのが実情。
「照明機器の真下で寝ない」ぐらいかなぁ(今それが一番の心配)

 

 

番組再生(いつまで視聴出来るか不明)

 

 

アリータ: バトル・エンジェル   2019年

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監督 ロバート・ロドリゲス
脚本 ジェームズ・キャメロン、レータ・カログリディス
原作 木城ゆきと 『銃夢(ガンム)』

 

キャスト
アリータ     - ローサ・サラザール
ダイソン・イド  - クリストフ・ヴァルツ
チレン      - ジェニファー・コネリー
ベクター     - マハーシャラ・アリ
ザパン      - エド・スクライン
グリュシカ    - ジャッキー・アール・ヘイリー
ヒューゴ     - キーアン・ジョンソン
タンジ      - ジョージ・レンデボーグ・Jr
ノヴァ      - エドワード・ノートン

 


予告編

メイキング映像

 

感想
日本の漫画家による原作とOVAが市場に出回っているが、いずれも知らない。予告編でのデカい瞳が気になったが、映画が始まってしまえば関係ないか。
オープニングで「20世紀FOX」が「26世紀FOX」になっているとか何とか、ネタバレブログで言われていた様だが見落とした。

 

女性サイボーグものとして、高度なVFX技術を楽しむ映画、と位置付ければ十分楽しいものだった。
確かに「アバター」や「猿の惑星 聖戦記」など観て、CGで表情のコントロールがかなり出来るのは認識しているが、生身の人間の顔でそれをやるというのがどういう事か、良く判った。

アリータ自身の、最初は普通の女の子という立ち位置から、戦士としての記憶を呼び戻すに従って、驚異的に強くなって行くところ、また次のボディでナノテクを使った自動修復システムとか、SF好きにはけっこうそそられる場面が満載。

 

その分背景作りの点では不満が残る。
あり得る、あり得ないというのは置いといて、ザレムと火星連邦共和国との争い、などとしれっと言われても困る。
やはりせめて「ガンダム」程度には火星移住者との確執がなぜ起きたのか、「ザレム」という空中都市だけが残ってノヴァが支配するいきさつなども一切判らない。
誰もがザレムに行きたがっていると言う割りに、実態も判らない。その願望はヒューゴのものであり、アリータにとっては必然ではない。
アリータの秘密がザレムにあるという事の理解が弱いまま「ザレムを目指す」と言われても共感しづらい。

 

練り込みが足らないというか、世界観を作るところが雑。

それは原作が負うべき責めか。
岡田斗司夫が、町に広告が一枚もなく世界観が薄っぺらいと言っていたが、それも確かにある(ブレードランナーほどには要らないが)。

モーターボールについても、あれだけ皆が熱狂するんだから、もう少し通常の試合をやってもいいのに、いきなりトライアウト。それも殺し合い前提で、確かにアクションシーンテンコ盛りではあるが、内容は薄い。
それにアリータは途中試合放棄してヒューゴを助けに行っちゃうし(笑)
しかしこの絵面は、遠い昔「ローラーゲーム」で東京ボンバーズとか、ロサンゼルス・サンダーバードに夢中になっていた頃を思い出す・・・・ 「ジャマーがいない!」とかね。

 

あと、金が欲しいというヒューゴに、自分の胸から心臓を取り出して「これを売ればいい」てなところはドン引き。超強力なエネルギー源なんだから、もう少しそれらしくして欲しかった。
ただ、これを繋いでヒューゴの命を助ける場面もあるから「心臓」の機能表現も必要だし・・・


しかしドラマは、終わり方があまりにも中途半端で、どうも印象悪い。
続編早く出さないと、客の興味を繋ぎ止められない。
「ネタバレ大王」としては、原作を漁って結末を知る衝動に駆られるかも・・・

 


あらすじ
空中都市「ザレム」から放出されるゴミの再生により維持されている「アイアンシティ」。
ゴミの山から部品取りを行っているサイボーグ技師のイドは、そこで少女のサイボーグの頭胸部を見つける。

 

奇跡的に脳の活性が維持されていた。
それを持ち帰り、ロボットのボディに組み込んだイド。


彼のところには、いつも体を損傷したサイボーグたちが駆け込み、治してもらっていた。
目覚めた少女はアリータと名付けられた。だが彼女に記憶はない。
女性と会うイド。それは元妻のチレン。ザレムに戻るためイドと別れた。

300年前に地球と火星連邦共和国(URM)との間で行われた没落戦争(ザ・フォール)。地球で唯一残ったザレムが「支配する側」として君臨し、アイアンシティは「支配される側」としてザレムを羨望した。

 

イドに機械部品を届ける少年ヒューゴに興味を抱くアリータは、彼に町へ連れて行ってもらう。
そこで知る「モーターボール」というゲーム。正式なものはスタジアムで行われる。噂になっている、町で市民が体の部品を奪われる事件。

 

イドが夜中に出掛ける事を不審に思うアリータは、ある夜彼の後をつける。イドが女性の後をつける姿に、てっきり事件に関係していると思い、止めに入るアリータ。

だがそれは女性を襲う者を捕えるのが目的だった。
その相手は賞金首のグリュシュカ。全く歯が立たずピンチになったイドを助けるため立ち向かうアリータ。戦いの中で以前の記憶を少しづつ取り戻し、切れ味の鋭い技でグリュシュカの右腕を破壊したアリータ。だが自分もダメージを受ける。
イドは、犯罪者のサイボーグを退治する「ハンター・ウォリアー」だった。倒した事を届け出て得る賞金で生計を立てている。

 

今までの経緯含め、自分の娘アリータの話をするイド。車イス生活だった娘のためにあのボディを準備していたが、事故に巻き込まれ、娘は死んだ。
アリータの心臓は、反物質のマイクロリアクターで作動する大戦以前の技術。街全体を数年賄えるほどのパワーがある。

 

モーターボールのオーナー、ベクターの愛人になっているチレンは、競技に出場するサイボーグの調整技師(チューナー)でもあった。頼って来たグリュシュカのダメージを見て、相手がURMの戦士が使っていた格闘術「パンツァークンスト」によるものである事を見抜くチレン。
一方ヒューゴは、仲間と市民サイボーグを襲ってはパーツを奪う裏稼業に手を染めていた。商売の相手はベクター。100万クレジット溜めれば「ザレム」に行けると言われて励んでいる。

 

ある日ヒューゴと友人に誘われて、URMの宇宙戦闘艇が墜落して放棄されている現場を訪れるアリータ。自分がかつてURM戦士だった時の記憶が断片的に蘇える。そこで格納されていたサイボーグボディ「バーサーカー」を持ち帰るアリータ。


イドに、敵と戦うためこのボディと取り換えて、と頼むアリータだが拒否される。

反発したアリータは自らハンター・ウォリアーの登録を済ませ、ヒューゴと共にハンター・ウォリアーの溜まり場へ行き、グリュシュカを倒すための仲間を募る。
だが一匹狼の寄り合いでは話にならない。そのうちに乱闘が始まり、そこへパワーアップしたグリュシュカが現れる。
相手が得意とする地下に引き込まれて戦うアリータ。善戦するが、胴を切られ片腕となったアリータは絶体絶命。
その状態で片手だけで体を起こし、ジャンプしてグリュシュカの右目に一撃を加えて潰すアリータ。絶叫して去って行くグリュシュカ。
力尽き転がっているアリータを抱いて帰るイドは、バーサーカーにアリータを組み込んだ。

 

目覚めてイドに感謝するアリータ。ヒューゴともどんどん親しくなり、彼がザレムに行くため金を貯めている事を知り、賞金稼ぎで足しにしようとモーターボールのトライアウトに参加する。
だがそれはベクターの罠であり、参加メンバー全てがアリータを狙っている。競技スタート寸前にそれを伝えるイド。
目覚ましい活躍で敵を倒して行くアリータ。

 

一方ヒューゴは自分の仕事の辞め時を感じ、これが最後の仕事、と市民を襲った後仲間のタンジに抜けると宣言。だがそこへ以前アリータに負けて恨みを持っている、ハンターのザバンが来てヒューゴらの悪事を知る。タンジを殺し、ヒューゴを追い詰めて行くザバン。
ヒューゴからのSOSでスタジアムから出て救援に向かうアリータ。
何とか現場に着くも、ザバンにヒューゴの悪事を知らされ、そのヒューゴ自身ザバンに刺されて死ぬ。
またヒューゴは当局に悪事がバレて賞金首になっており、ハンターの立場のアリータは窮する。そこにチレンが助けに入る。

アリータが、切断されたヒューゴの首を抱えてザパンに見せる。ザパンは納得出来なかったが、公安局は認めた。

 

首をイドのところへ持ち帰るアリータ。彼女の生命維持システムをつないで脳だけは守られていた。チレンの施術のおかげ。
ヒューゴの首を手持ちのサイボーグボディに組み込むイド。そして目覚めるヒューゴ。

チレンの身を案じてベクターの元へ行くイドとアリータ。そこでベクターが、ザレムで全てを操るノヴァの傀儡として話し始める。チレンは各パーツに切り刻まれていた。
逆上したアリータがベクターを刺す。

だがノヴァの意識はそこから去って行った。

 

戻るとヒューゴがいない。ザレムに繋がっているチューブを登っているヒューゴ。
アリータが追い駆けるが、回転するリング「鼠返し」がチューブを通って落ちて来た。バラバラにされるヒューゴ。
辛くもそれをかわし、ナイフでチューブにぶら下がってヒューゴの手を掴むアリータ。
だが傷付いた腕は次第に千切れて行き、最後にヒューゴは微笑みながら落ちて行った。
絶叫するアリータ。

 

モーターボールのスタジアムでスタートを待つアリータ。

連戦連勝で一番人気。
この戦いで頂点に立てば、ザレムへ行く事が出来る。

 

 


移動都市/モータル・エンジン   2019年

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監督 クリスチャン・リヴァース
脚本 フラン・ウォルシュ、フィリッパ・ボウエン
原作 フィリップ・リーヴ『移動都市』
 
キャスト
ヘスター・ショウ                - ヘラ・ヒルマー
トム・ナッツワーシー          - ロバート・シーハン
サディアス・ヴァレンタイン  - ヒューゴ・ウィーヴィング
アナ・ファン                      - ジヘ
ベヴィス・ポッド                 - ローナン・ラフテリー
キャサリン・ヴァレンタイン  - レイア・ジョージ
マグナス・クローム            - パトリック・マラハイド
シュライク                        - スティーヴン・ラング
チャドリー・ポムロイ          - コリン・サーモン
キャプテン・コーラ            - レジ=ジーン・ペイジ
パンドラ・ショウ               - カレン・ピストリアス

 

 

予告編

メイキング映像

モデル(こういうの見ると胸躍る♪)

コスチューム

作品

 

 

感想
予告編見てちょっとそそられたものだから・・・・・
数キロ平方ほどもある都市が、そのままキャタピラで移動する。

このビジュアルはなかなかの迫力。

千年以上前に行われた「60分戦争」と呼ばれる量子兵器を使った戦争。そして残された者から生み出された生きる手段。
移動都市と、反移動都市が反目する中、移動都市の代表格「ロンドン」が、ブリテン島を出てヨーロッパへ進出した事で事態が変化する。
いきなり移動都市「ロンドン」で圧倒させ、次第に状況を説明して行くという手法なので、ボーっとしてると話について行けなくなる。
予告編からの推定で、巨大都市同士の戦いを期待したが、桁違いに小さい都市を銛で捕獲する程度であり、ちょっと肩すかし。しかしこんな小さな獲物で「ロンドン」が一週間維持出来るとも思えないが・・・・

 

原作者のフィリップ・リーヴはイギリス人。

だから主役が「ロンドン」なのは納得。
それから製作はニュージーランドとアメリカの共同だが監督、脚本陣全てがニュージーランド人であり、都市が大陸に進出する話が、島国の人間の思い入れとして共感を生んでいるのか(日本人にも?)。
話によればアメリカでの受けは悪いらしい。興行的にもコケたみたい。イギリス発祥でアメリカに受けたのはビートルズと007ぐらいか。

 

特異な世界観という点では、今まで良くあるSFとは一線を画した感がある。ただ、世界観が特異な割りに各要素がショボい。あの「メデューサ」程度の武器が数十発で、大陸の形が変わるほど破壊されるとは思えない。やっぱSFなりの「それらしさ」が欲しいところ。

 

登場人物もテンコ盛りでもう少し整理が必要。
最初キャサリンとトムの絡みがあり、この二人が関わって話が進むと思ったら、基本はヘスターとトムの関わり。結局キャサリンは脇役。

トムの存在感もなんか弱いし草食系すぎる。
ヘスターとシュライクとのエピソードも、いい話ではあるけど6ケ月前に「ロンドン」が手に届くところまで来て心変わりしたのなら、それまでの間にバレンタイン憎しという感情の吐露があった筈。それがあまりないのに違和感。

それからヘスターの顔の傷。確かにストーリー上大きな要素なのだが、後半で簡単にトムに恋して涙流すし、その重みがあまり感じられない。いっそこのエピソードはない方が良かったか。

その方が興行成績も上がったかも。

キャサリンとベヴィスが「猫しのび」を登って真相を知る場面でも、ただそれを知っただけでストーリーに何の関与もしておらず、またベヴィスそのものが一体何の役割りがあったのかも首をかしげる。

 

バレンタイン役のヒューゴ・ウイーヴィングは例の「マトリックス」で「アンダーソン君」と言っていたエージェント・スミス。あの時はサングラスで判らなかったが、けっこう目がかわいい。ヒゲもあった方が男前。

 

 


ケチばっか付けていてもあかんので・・・・
アナ・ファン役のジヘが良かった。ヘスターの母親の同志という設定で、ヘスターを助け、トムを激励し率先して「ロンドン」攻撃を提案。アクションのキレもハンパなかった。バレンタインとの戦いで死なせてしまったのが惜しい。韓国系のロックミュージシャンらしいが、ウィキペディアにも記載がない。今後の注目株。

 

映像についてはかなりの迫力で、追われる岩石採掘都市の描写には引き込まれた。
またアナ・ファンの愛機「ジェニー・ハニヴァー号」は気球部分が流線形で空気抵抗を減らし高速飛行可能にしたものであり、レトロな中にいいセンスが盛り込まれている。

空中都市ヘイブンの造形も好感が持てる。
世界観の整理と、シナリオのテコ入れでもっと良くなったと思うのが、ちょっと残念。
基本的には応援したい映画。映像体験という視点で「オススメ」

辛口レビューの一例
まあ、同感出来る部分もあるが、人それぞれ・・・・

 

そういえばネットを漁っていた時に、都市が動くというシチュエーションが「ロボット・カーニバル」のオープニング映像に表現されているとの情報あり。これは大友克洋が手掛けたものであり、ロボット・カーニバル自体は1987年にアニメ監督8人が短編を構成して出したOVA作品。
今回の原作が発表される10年以上前に出されているので、ひょっとしたら参考にしているかも知れない。

ロボット・カーニバル オープニング

 

 

 

あらすじ
オープニングナレーション
古代人が人類を滅亡に追い込んだ「60分戦争」。
生き残った者たちは毒にまみれた地球で動く都市を作り、新たな生き方を始めた。
食べ物と燃料を求める戦いで弱者は滅び、強者は更に力を増した。
そうやって新しい時代が来た。偉大なる捕食移動都市の時代だ・・・

 

迫りつつある移動都市「ロンドン」に気付き離散する弱小都市たち。
その中の岩石採掘都市ソルツヘイクンが、逃げ遅れて射程に入る。

積荷を捨てて逃げるが、次第に追い詰められる。


「ロンドン」のコントロール室でのやりとり。ブリテン島から渡ったのはヨーロッパを貪りつくすため、とサディアス・ヴァレンタインに嫌味を言う市長のマグナス・クローム。こんな獲物では一週間分がいいとこ。

 

「ロンドン」内の博物館に出勤するポムロイ博士。攻撃の揺れのせいで展示品が台無し。アメリカの千年以上前の遺物「ミニオンズ」。

 

キャサリン・バレンタインと話すポムロイは、またトムが遅刻だとボヤく。
銛を打ち込まれて捕獲される岩石採掘都市。

 

 

 

 

 

遅れてポムロイ、キャサリンの前に出たトム・ナッツワーシーはここの職員。
古代人の最後を研究しているというキャサリンに説明するトム。当時の記録はほとんど残っていない。
21世紀に起きた「60分戦争」についての説明。量子エネルギー兵器「メデューサ」が何十発も世界中で炸裂した。
当時の技術は「オールドテク」と呼ばれ、それを拾って展示物にしようとしているが、何故かいつも消えてしまう、と嘆くトム。
そのため今後は黙って溜める事にした、と収蔵物を見せるトム。それを陰で見ている男。

そこに現れる先の男、ハーバート。家柄が上なのを嵩にかけてトムを最下層のガットへ追いやった。

それに反発してトムを案内するキャサリン。

 

本来通れないルートを、キャサリンの同伴者という事でフリーパスで通過するトム。最下層のガット(腸)では、捕獲した都市の分解及び捕虜となった者への説明を行っていた。
捕獲したものの中に貴重品がないか探すトム。作業員との話で耳にする最悪の反移動主義者「アナ・ファン」の噂。
彼らにすれば、私たちの全てが我慢できないの、とキャサリン。
作業員が捨てようとしたものを慌てて止めるトム。「サンビームTA200」トースト二枚が同時に焼ける。
その時バレンタインが声をかける。こんなに状態のいいものは博物館にもない、とトムを褒める。
「おはよう、パパ」とキャサリン。連れの名をトムと聞いて、君の両親を知っていると言う言葉に感激するトム。
作業員が部品の中からある物を見つけた。「フュージョン・インバーターのセルだ」とバレンタイン。「すごく危険な代物」とトム。博物館でこの部品がごっそりなくなった事を告げるトムに「私が適切に処理する」。

 

捕虜の中に、赤いスカーフで顔を隠した女。トムと目が合う。とっさにバレンタインに「危ない!逃げて」と叫ぶが、女はするすると前に出て「パンドラ・ショウの復讐だ」と言い、バレンタインの腹をナイフで刺した。
その先の攻撃を止めるトム。女は解体の始まった岩石採掘都市に逃げ込んだ。カッターが乱舞する中を逃げる女と、それを追うトム。
とうとう作業場の外れまで追い詰めたトム。顔を見せた女の左頬にナイフの古傷。これはあの男がつけたもの。母さんを殺したのもあの男。ヘスター・ショウと言えば判る、と言って排出口に落ちて行った女。
追い付いて来たバレンタインに、あの女がおかしな事を口走ったと言って聞いた言葉を伝えると「罪深い言葉だ、聞くべきではなかった」と言ってトムを排出口に突き落とすバレンタイン。

キャサリンに、トムが落ちた事を伝え、探させていると言ったバレンタイン。女の素性をキャサリンに聞かれるが、シラを切る。
移動都市と静止都市との共存を願うキャサリンを否定し、盾の壁を作って資源を抱え込む反移動都市同盟ジャングオを非難するバレンタイン。

 

「ロンドン」の残した轍の間で目覚めるトムに食ってかかる女、ヘスター・ショウ。あの採掘都市に潜り込むのに6ケ月かかった。あと少しでバレンタインを殺れたのに、アンタが邪魔をした。

 

「ロンドン」のコントロール室でバレンタインと話す市長。食料、燃料等の資源は減る一方。ヨーロッパに渡ったのは失敗。
前々から言っているエネルギー計画がうまく行けば、と言い時間の猶予を求めるバレンタイン。カリスマ性を信じて考古学者から抜擢されたバレンタインだが、疎まれ始めていた。

 

大聖堂で指示を受けて作業する女性士官は、巨大な装置の前でバレンタインに数週間必要と話す。インバータシェルを見せて、これで何とかしてくれと指示。
刑務所から「ストーカー」を一体捕まえたとの連絡。復活者。制御不能。そして、ある名前「ヘスター・ショウ」を叫び続けているという。

 

泥水を飲んで渇きをしのぐヘスターを見て驚嘆するトム。両親が死んで8年、と少し過去を話すトム。
都市が近づいたのを勘違いして救出を求めるトム。だがそれは敵。トムを庇って足にケガをするヘスターが穴に落ち込んだ。続いて吸い込まれるトム。
落ちたところは地下移動都市スカトルバッグ。親切にされ小部屋に案内される。
自分を責めるトムに、過去を話し始めるヘスター。
母親が亡くなったのは8歳の時。母は考古学者で遺物を掘り起こしていた。バレンタインが時々来ては共同で調査をしていた。
失われたアメリカで母が見つけた遺物を見て、あいつの様子が変わった。それを巡って争う中で、母からある物を渡された。母は殺され、私は顔を切られた。でも逃げ延びた。

 

刑務所へ「ストーカー」に会いに行ったバレンタイン。

鉄の箱の中でヘスターの名を叫び続ける者。

なぜ追うのかを聞くと「俺との約束を破った」
彼女を見つけたら殺す、との言葉を聞き、立ち去る時に刑務所を破壊してストーカーを逃がしたバレンタイン。

 

閉じ込められた事に気付いたトムとヘスター。トムが床板を剥がし「逃げられる」と言うが、足のケガで行けないヘスター。

脱出を断念するトム。
移動都市が止まり、奴隷市場に引き出されるヘスター。ケガもしているし、まともな値はつかない。10キルケ、5キルケ・・・
そこに「50キルケ」の掛け声。未登録の客の申し出。それは賞金首のアナ・ファン。金の代わりに銃をぶっぱなし、ヘスターを救うアナ。

そこに現れた復活者。「シュライクよ」とヘスター。
アナ・ファンの飛行艇ジェニー・ハニヴァー号に乗り込むヘスター。続いてトムがもやい綱につかまるが、それにシュライクも取り付いた。

ヘスターの投げたナイフでトムが辛くも綱を切り、逃れた飛行艇。

 

アナ・ファンはヘスターの母、パンドラ・ショウの同志だった。死んだら娘を探して欲しいと言われていた。
死んだものと諦めかけていた。それが生きていると聞いて不思議に思った。どうやって生き延びたのか。
そこでトムが言う「君はあのバケモノに育てられた」
トムの知っている復活者は、死んだ兵士の悪い部分だけを取り出して、その意識を全部機械に詰め込んだ怪物。
「黙れ!」と叫ぶヘスター。シュライクに命を助けられた。
アナ・ファンがトムに向かって「お前、バカか?」

ヘスターの話は続く。シュライクは命の恩人。顔を切られて倒れていた彼女を運び、世話をしてくれた。彼なりのやり方で。
ガラクタ集めが好きだったシュライク。壊れたものに自分自身を投影していたか。
いつも悲しそうにしていたヘスターを見て、用意していた機械の体を見せ、俺の手でその痛みを消してやると言ったシュライク。

そして彼のようになると約束したヘスター。
そう望んだのなら、どうして逃げ出した?とトム。
6ケ月前のこと、「ロンドン」が陸の橋を越えて、バレンタインが手の届くところまで来た。以上よ。

 

機械工のベヴィス・ポッドを問い詰め、父がトムを突き落とした事を知るキャサリン。そこへポムロイ博士が来て、トムが隠していたオールドテクの部品が奪われた事を伝える。
大聖堂の中で何が作られているかを知りなさいと言って、千段以上あるというらせん階段(猫しのび)を指すポムロイ。
大聖堂では装置が完成し、全システム稼働となっていた。ロンドンを東に進めるべきです、と女士官。
進路が変わった事を咎める市長。

だがバレンタインの命令は変えられない。

 

アナの飛行艇は空中都市ヘイブンに着いた。そこにはコーラ他反移動都市同盟のメンバーが多数集結。


バレンタインが進めている計画を皆で考える。パンドラがヤバいものを見つけた。それをバレンタインが悪用するのを恐れ、何かを娘に託した。何の事か判らないヘスター。
断片的に思い出し「母から何か奪ったわ、オールドテクの部品・・・」
あの大聖堂で何かが作られている。半年前からバレンタインはフュージョン・インバーターを買い漁り始めた。
トムが模様を描いて、ヘスターに見せる。奪われたものにそのマークがあった事を思い出すヘスター。
それはコンピュータのコア。量子エネルギー兵器「メデューサ」の制御システム。
止めるためにはクラッシュドライブが必要だが、それも含め行方知れずのままだった。

ただ移動都市の攻撃に使うのなら、やらせておけばいいと言うヘスター。だがアナは「目的は別にある」。
バレンタインが狙っているのは、反移動都市同盟の拠点であるシャングオに築かれた「盾の壁」。残された時間は数時間。

 

その時、ヘイブンの中で停電騒ぎ。

混乱の隙を突く・・・「シュライクが来た!」
姿を現し、ヘスターに迫るシュライク。刃向かった者は次々に都市から落とされる。
トムがシュライクに踏み殺されようとした時、ヘスターが涙を流して「彼を助けて、殺さないで」と懇願。
お前はそいつを愛している・・・・・のか?と言って苦しみ出すシュライク。そして最後に目の形をしたペンダントをヘスターに渡し「お前を約束の芝居から解こう」と言って息絶えた。

 

盾の壁を越えてシャングオに帰還するアナたち。クアン総督との面会。
「ロンドン」にあるメデューサへの攻撃許可を申し出るアナに反対するトム。ロンドンには何千もの市民がいる。
クワンは、何より大切なのは人の命、と言い、だからこそ判って欲しい、と攻撃を命令。
一方礼拝堂で祈りを聞いているうちに、壁にあるメデューサ像と自分の持つペンダントを見比べるヘスター。ペンダントが開いて、中からキーが出て来た。
出撃命令で混乱する中、トムを見つけてキーの事を伝えるヘスター。
その間にもメデューサの発射シーケンスは進められる。そして発射。壁の上部が一瞬で破壊された。

 

クラッシュドライブでメデューサを止めるため、攻撃部隊を組んで発進するアナたち。
続けて二発目が命中し、更に破壊が進み、あと一発食らったら崩壊。
更に再充填。次で仕留めると言うバレンタインだが、過熱で通常指令を受け付けない。システムをオーバーライドして発射に持ち込めとの指令。
そこに到着した飛行艇。アナは操縦をトムに任せ、ヘスターと一緒に大聖堂に向かう。途中でバレンタインと遭遇し、アナが対応。
その隙に聖堂内に入ってコントロールボードに到着したヘスターは、キーをセットする。
最後の一秒で発射シーケンスは中止された。

 

バレンタインと戦うアナだが、刺されて突き落とされる。
そこにキャサリンが。「ケイト、無事だったか」
どうしてそんなに人が殺せるのか、と責める娘。ロンドンは死にかけていた、と言い訳するバレンタイン。
更に「お前を守りたい」と言う言葉に「何からよ」
あの壁はすぐに崩れる、と聞いて「ロンドン」のコックピットに向かうキャサリン。コックピットで、壁に向かっているロンドンを止めようとするキャサリンだが、操縦士は皆殺され、進路をバレンタイン

が固定していた。
そこにトムからの通信。トムの指示でロンドンの前面扉が開かれ、飛行艇ごと飛び込むトム。そして中枢のエンジンを破壊して再び脱出。

自分の飛行艇で脱出しようとしていたバレンタインの前に現れるヘスター。
必死に這い上がる、それがお前。私にそっくり。
母さんから聞いてないのか。知っていたんだろう? 我が子よ。
ヘスターを殺そうとするバレンタイン。そこに駆け付けたトムがヘスターを救い出す。
バレンタインの飛行艇が、止まりかけたロンドンの前に落ちる。そして巨大なキャタピラで踏み潰される。

壁の前で止まった「ロンドン」からぞろぞろと出て来る市民たち。その中にはキャサリンも居た。壁に立ち、手を差し伸べるクワン他反移動都市同盟のメンバー。

 

アナの残した飛行艇で旅に出るヘスターとトム。

 

3年A組-今から皆さんは、人質です- 9、10(最終)話 日テレ系 2019年

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1/6~3/10放送(22:30~)

1~4話  5~8話
キャスト等は過去Blog参照


1~8話超あらすじ
卒業まであと10日となった私立魁皇高校で、3年A組の生徒全員を人質に取って立てこもった、クラス担任の柊一颯(ひいらぎいぶき)。
昨年ドーピング疑惑で自殺した、水泳のホープ景山澪奈の、死の真相を掴むのがその目的。

 

澪奈と仲が良かった茅野さくら。
ドーピング疑惑の元になる画像を巡って、犯人が順に焙り出される。
動画をSNSに流した宇佐美香帆。元になる動画を撮った里見海斗。
そしてそれをそそのかした甲斐隼人は、動画を加工した半グレ集団「ベルムズ」のボス喜志正臣に脅迫されていた。

喜志の愛人になる事で芸能事務所に入れた諏訪唯月が、知らずに喜志から託された、フェイク動画の顧客リストデータを提出した。

 

澪奈が死ぬ直前に防犯カメラに写っていた映像から、教師の武智大和を追い詰める一颯。
武智は、豪翔大学への推薦入学に絡んで不正を働いている事を、澪奈に糾弾されていた。
一方、一颯の恋人、相楽文香も過去に武智の不正を明らかにしようとして策略の犠牲になった。

武智が最後に澪奈と会った証拠の画像がネットに流出し、武智を糾弾する声が拡大。
だがその動画は、一颯が相楽孝彦と組んで作ったフェイク動画であり、最後の場所に居たのは一颯。
クラスの中で一颯に対する疑惑が広がる。

 

単身学校に乗り込む刑事の郡司。

ガンの進行で相手にならない一颯が倒れるが、そこに助けに入ったのは戦隊ヒーローのガルムフェニックス。

 

 

第九話 Day-9(3/3放送)視聴率12.9%
事件から三年後の3年A組同窓会。


ずっとビデオカメラで記録を撮っていた逢沢博己がまとめた、景山澪奈のドキュメンタリーが映写される。 さくらがまだ来ていない。
体育館での澪奈の表彰。最初さくらからおっかけをされて不快だった澪奈だが、逢沢が誤解を解いてその後親友に。
そしてドーピング疑惑。
一颯と澪奈の会話「動画の犯人はこの学校の先生・・・」
当日その人に会いに行く時「一緒に行こうか」と言う一颯に 

「いい、一人で行く」

 

その時サクラが入って来た。
TV画面でさくらが「澪奈、話があるんだけど・・・・」

 

現在に戻って。
倒されて気絶する郡司。ガルムフェニックスの正体はファイター田中。介抱に来た西崎颯真に口止めして去って行く田中。
SITが突入しようとするが、立て直した一颯が入り口を爆破。郡司を人質にしたと宣言して撤退させる。

自宅に居る相楽孝彦。警察の手が迫っていた。一颯が写っているフェイク動画をSNSにアップした。
たちまち世間で一颯が真の犯人だという情報が広まった。それを一颯に報告する孝彦。それは計画通り。
「文香に寄り添ってくれて有難う」と孝彦。

 

事件前、逢沢に澪奈のドキュメンタリー映像を見せてくれと頼む一颯。それを使って黒幕を炙り出す。

そして逢沢に、皆の動向を探る様に頼む。

 

教室で語り始める一颯。
フェイク動画を作ったところまで全て計画通り。そして自分が犯人扱いされる事も。
これから全て話す。
学生時代から付き合っていた恋人が、武智が作らせたフェイク動画で心を病んだ。
澪奈は武智に会いに行って死んだが、武智には会っていない。本当の犯人は・・・・・

結局何も出来なかった。澪奈が亡くなった時、余命宣告された。
俺がやるべき事は何か? そして今回の計画を実行した。
俺の目的は三つ
①武智大和に気付かせる(今回の過ちを)
②・・・・・・聞こえず
③(自分の手にナイフを刺して)ナイフで刺せば血が出る。今の社会はそんな事にも気付かない。
感情がマヒした大人になってほしくない。
余命告げられるまでは思わなかった。澪奈が気付かせてくれた。
明日の昼にみんなを解放する。

そして教室を出て行った一颯。

教室ではさくらが、澪奈と最後に居たのは私、と話し出した。

 

 

第十話(最終回) Day-10(3/10放送)視聴率15.4%
郡司を連れて屋上に上がる一颯。警察関係者、SITも集結。
これから最後の要求をすると言ってマシンガンを空に向けて撃つ一颯。その胸に銃弾が撃ち込まれ、一颯が倒れる。
「死んだのか?」というネットのからの声が充満。それを受けてSITが突入。だが大規模爆発で中への侵入が阻止される。

そこで一颯が立ち上がる。防弾チョッキを着ていた。

そして明日の朝8時に真相を話すと言い、郡司を連れて引っ込む。

 

教室で、さくらに話の続きを言うよう促す諏訪唯月。
私が澪奈を殺した。私のせいで澪奈が命を落とした。先生は私のためにあんな事を起こしている。だからみんなに聞いてもらいたいの。

 

廊下で話し合う郡司と一颯。今までのいきさつを話す一颯。


きっかけは文香へのフェイク動画。犯人の心当りがない文香だったが、ベルムズから武智大和へとフェイク動画依頼の流れを掴んだ。

そしてフェイク動画により退職を余儀なくされた。

武智を野放しに出来ないと考え、魁皇高校への面接を受けた。

そして武智に近づく。
だがその頃にすい臓がんの再発を宣告された。文香は引きこもりとなり、父の孝彦からは治療に専念するように言われた。
だがそんな時に生徒の間で澪奈のフェイク動画が出回っている事を知った。
澪奈と判り合う事が出来たが、結局彼女は死んだ。

犯人が武智だと判っていたのに救えなかった。
五十嵐は文香の実の父。孝彦を通じて協力を求めた。復讐ではなく救済だと聞いて受け入れた五十嵐。

 

話を続けるさくら。
澪奈が自殺した日に屋上で会っていたのはさくら。謝りたかった。手紙を渡して離れようとした澪奈の気持ちを判っていた。
澪奈は、みんなが敵に見えて、自分がイヤで、もうだめなのと言い、手すりを飛び越えた。
その手を掴んださくら。片手でぶら下がる澪奈。


もう無理なの、限界なの、という言葉と共に手が離れた。

私が手を離した。
「違う!自分を責めるな」 先生もそう言ってくれた。
お前のせいじゃない、澪奈を死に追い詰めたのは別の理由。

俺を信じてこの十日間を過ごすんだ。

 

8時を前にして再び屋上に現れる一颯。

郡司は宮城に電話して文香を連れて来るよう指示。

 

SNSに繋いだPCの前で語り出す一颯。最後の景山の行動を写したフェイク動画は自分が作った。事件とは全く関係ない。
それはSNSによる暴力を世に知らしめるため。
ネットでは最初俺を叩き、その後ヒーローとして祭りあげた。次に武智に疑いがかかるとそちらを叩き、そして追い詰めた。

今度はまた俺を叩いている。そして現在全てが嘘だと知った。

 

この十日間でお前たちはどれだけ心ない暴言を吐いて来たか。
お前ら景山の何を知っている?知りもしないのになぜ叩ける。
SNS、マインドボイスの声に耐えかねて命を絶った。

景山の心が殺された。
フェイク動画は一次災害。

それが間違いだと理解されたら終わっていた筈。
だが誹謗中傷の二次災害で景山は幻覚、幻聴を訴え、家族友達、みんな信じられずに泣きながら訴えた。

お前たちが景山の命を奪った。

 

これは怒りじゃない。 祈り。
マインドボイスはいいツールだ。

けどその一方で恐ろしい暴力装置でもある。
だから胸に刻んで欲しい。まずは自分を律して、もっと人に優しく、もっと自分を大事に。
ほとんどの人間には痛くも痒くもないだろうが、一人でも踏みとどまってくれたら、ここに俺が居る甲斐がある。

 

これで俺の授業は完結する。

そこにさくらが現れた。ガレキの山を生徒みんなで崩して道をあけた。
一颯が力なく屋上から落ちようとした時、さくらがその片腕を掴んだ。

 

澪奈の姿が重なる。もう離さない。

だが女の力では支え切れない。その時に手を重ねた甲斐隼人。次々に手が伸びて一颯は屋上に引き戻された。

 

落ち着きを取り戻して一颯がさくらに聞く。
お前は本当に景山の手を離したのか?
違う、生きて欲しかった。必死に掴んで・・・・そうだろ、お前は離さなかった。救おうとした。
だからもう自分を責めるな。 ・・・・ハイ
よく頑張った。
これで本当に俺の授業は終わりだ。   死ぬのは、怖いナ・・・・

 

文香の前に顔を出す武智。謝ってすむ事ではありませんが、ここから始めさせてください、と言い深々と頭を下げる武智。


そして三年後の同窓会に戻る。
あれから一年生きたブッキー。しぶとい、やっぱヒーロー。

 

さくらの独白。
みんな相変わらずせわしない。
あの十日間は、私にとって青春でした。
あれからはいろんな事を深く考えるようになった。
誰かに伝わって欲しい。先生の思いが・・・・・

 

 

全体感想
学校を爆破して、生徒を人質に取り籠城、とかなり衝撃的なつかみを取ったドラマだが「ネットとは正しくつきあいましょう」という教育的なところに落ち着いた。
中盤まで、あまりストーリーに影響のないキャラだな、と思っていたさくらだが、最終盤で準主役としての本領発揮。
しかし澪奈も一颯も、あの体勢でさくらが手を掴める筈がない(ルフィか!)。まあ、いいけど・・・・・

 

どう考えても一番悪いのは武智。だが澪奈の場合、クラスの生徒が関わりを持って広大なネット世界へ動画を送り出してしまった。これは最近問題になっている、お騒がせ動画に対する警鐘としてもタイムリーな作品と言える。
ネットという海に、一滴落としただけで取り返しがつかない事も起き得るという教育が、本当に必要。
逆に言えば、教育に頼ること自体が無理なのかも。

 

深夜枠で最終回の視聴率が15%越えはリッパ。

 

 

 

”『グリーンブック』(2018年・アメリカ)”

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形ばかりのリグログで申し訳けないですが、ジェーン・ドゥさんの「マハーシャラ・アリ」愛に敬意を表して・・・・

 

監督 ピーター・ファレリー
脚本 ニック・バレロンガ、ブライアン・ヘインズ・クリー
音楽 クリス・バワーズ 

 

キャスト
トニー・バレロンガ (トニー)  - ヴィゴ・モーテンセン
ドナルド・シャーリー(ドク)    - マハーシャラ・アリ
ドロレス・バレロンガ       - リンダ・カーデリーニ
オレグ                 - ディメター・マリノフ   チェロ奏者
ジョージ                - マイク・ハットン  ベース奏者
ジョニー・ヴェネス   - セバスティアン・マニスカルコ  トニーの弟

 

 

ムービークリップ(思い出しの助けに)
1.Tony's Job Interview Scene
2.Fried Chicken Etiquette Scene
3.Barroom Brawl Scene
4.Caught In The Act Scene
5.After Midnight Scene
6.Dignity Always Prevails Scene
7.I'm Way Blacker Than You Scene
8.Dining Room Indignity Scene
9.At The Orange Bird Jukejoint Scene
10.Christmas Dinner Scene
11.Best Scenes

 

感想
元々行きつけの映画館では上映予定がなかったが、アカデミー賞の受賞を受けて急きょ上映決定。通常館の一週間遅れで公開された(観たいと思っていたのでラッキー♪)。

 

黒人ピアニストが、白人の運転手を雇って差別の色濃い南部をコンサートツアーに出掛ける。

ツアーに出掛けるまでのバレロンガ家がていねいに描かれる。仕事(用心棒)では強面のトニーも、家では妻のドロレスへの愛妻家ぶりがハンパない。ドロレスもそんなトニーをこよなく愛す。また二人の息子も素直にトニーに甘える。
家族はそれだけでは収まらず、兄弟なのか従兄なのか微妙な者たちで賑やかな、いかにもイタリア系の団らん。

 

ドロレスを演じるリンダ・カーデリーニは、つい先日までDlifeで再放送されていた「ER(緊急救命室)」の中で看護師のサマンサをやっていた、私のお気に入り。バツグンの安定性で優しい妻を演じる。

この日予告やってた「ハンターキラー 潜航せよ」にも顔出してたし、最近頑張ってる。

 

初対面での王子様の様な振る舞いに閉口したトニーは、高い週給を吹っかけて自らその仕事を降りる。
ドクが、最初の面接では落としたトニーに期待したのは、腕っぷしもさることながら「リップ」とあだ名される口達者なトラブル解決能力。
今まで、積極的でないにしろ黒人蔑視を行って来たトニーが、黒人を雇い主に持って少しづつ変化していく様が興味深かった。
それは単に金で雇われたという事ではない。初めて聞いたドクのピアノに、みるみる表情が変わって行くトニー。
ドクが毎晩届けるようにと言った酒は「カティサーク」。

白人が好んで飲むスコッチ・ウィスキー。黒人として白人的な生き方を選んだ者のこだわりか。

 

ちょっと心に残ったのは、店でトニーが盗んだ石をドクが「私が買ってやる」と言った時「それじゃ、意味がないんだよ」と言った事。あれはおまじないみたいなもので、リスクを冒して手に入れたものが運を呼び寄せる、といった意味があったのだろう。優等生には判らない感覚。
ツアーが終わりトニーを送り届け、部屋に戻ってからその石をそっとなでるドク。旅行を守ってくれた大事なお守りに対する労わり。

 

エピソードを重ねるうちに、次第に心が通じ合って行く二人。
お互いが警察の世話になった時、互いのスキルで相手を助けた。この辺りはなかなかシャレている。
この映画は振りかぶって黒人差別を扱ったものではなく、トニーとドクという二人を描いたロードムービー、という事に尽きる。ヌルく見えても、黒人が納得する、しないという事も別に問題にしていない。
映画として十分楽しんだ、それでいい。
字幕は戸田奈津子。最近あまり見ないが、やっぱりほっとする感じはある。

 

この映画で重要な脇役として活躍したのが「クルマ」
キャデラック ドゥビル セダン(Cadillac Sedan DeVille)であり(二代目:1961~1964年式)、当時の設定から言えばバリバリの新車。ドクの評価の高さが窺える。

このきれいなターコイズグリーンも「グリーンブック」との重ねで印象を深めている。
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そういえばドク役のマハーシャラ・アリは「アリータ」で悪役のベクターをやった人で、全く異なる人間をうまく演じている。また今回のピアニストぶりには驚くしかなく、ホント役者というものはすごいと思わせる。

 

実際のドン・シャーリーの演奏
普通ジャズでトリオと言えばピアノ、ベース、ドラムスだが、ドラムスがチェロに代わる事でクラシック色が強くなる。

10年ぐらい前までは音楽活動していた様だが、知らなかった。

 

 

 

 

あらすじ
1962年のニューヨーク。
ナイトクラブ「コパカバーナ」で用心棒をやっているトニー・バレロンガ。
店が改装工事で2ケ月休業するため、その間の金の工面に苦慮していた。
家には親戚たちも含めた大人数が住んでいる。家の修理に来ている黒人の作業員に飲み物を出す妻のドロレスだが、後に使ったコップをゴミ箱に捨てるトニー。
生活費の足しにしようとホットドッグの大食い大会で50ドルをせしめ、妻のドロレスに。

 

店のオーナーの紹介で運転手の口の面接に出掛けるトニー。雇い主はドクターだという。
その住所はカーネギーホールだった。劇場に行くと二階だといわれた。
相手はドクター・ドナルド・シャーリー。音楽家で博士号も持っているため「ドク(ドクター)」と呼ばれている。
仕事は、ドクが今度ツアーで回る南部での旅2ケ月への同行。

運転手だけでなくマネージャー、世話係、用心棒も含む。

経費別で週給100ドル。そしてピアノは必ずスタインウェイを指定。
トニーは、世話まではしないと言い、週給125ドルならやると言った。そのままトニーは帰される。

 

用心棒としての腕は確かなので、地元のワル連中が仕事を紹介するが、みな断るトニー。そして時計を質屋に持って行き、何とか50ドルを手にする。

翌朝ベッドのトニーに電話。ドクからだった。条件はトニーの言う通りとして雇いたいとの申し出。はっきりしないトニーにドロレスに替わる様に言い、トニーが2ケ月家を空けていいかと訊ねる。承諾するドロレス。

 

出発の日。車はキャデラック。音楽関係者から「グリーンブック」を渡されるトニー。南部を旅する黒人のための旅行ガイド。ドロレスは、定期的に手紙を送るようトニーに言う(電話は高いから)。


ドクとトリオを組む、チェロのオレグとベースのジョージはロシア人で別の車。
12月23日のツアー最終日が終わったら、クリスマス・イブのうちに家へ帰りたいと申し出るトニー。

 

ドクはトニーをツアーメンバーとして客に紹介してもいいと思っており、言葉遣いを直すよう言う。更に名前のバレロンガが言い難いので「バリー」としてはどうかと提案。
だがトニーは愛称の「リップ」ならいいが、それがだめなら「バレロンガ」以外はだめだと拒否。
結局トニーは外で、もう一人の黒人運転手とコンサートを見ることに。
司会の話すドクの経歴は、3歳で初コンサート、9歳でレニングラードに留学。音楽、心理学等の博士号を取り、ホワイトハウスでも演奏。
そしてドクの演奏を聴き、その素晴らしさに感嘆したトニーは、ドロレスへの手紙に「彼は天才だ!」と書いた。


だがホテルのベランダから見たドクは、一人で酒を飲んでおり孤独そのもの。
彼の部屋に毎晩必ずカティサークを一本届けるのがトニーの仕事。

 

車のラジオでリトル・リチャードの曲を流すトニー。黒人ロック歌手の事を知らないドクに驚く。ヨーロッパで育ち、クラシックしか知らないドクはアレサ・フランクリンも知らなかった。
次第に身の上話をする二人。
トニーのあだ名「リップ」は口が達者でデタラメが得意だから。だが嘘とははっきり区別している。
ドクは、兄がいるが今は疎遠になっている事、かつて結婚していたがピアニストと両立出来なかった事などを話す。

 

途中て立ち寄った店で、陳列棚から地面に落ちているグリーンのヒスイを拾ってポケットに入れるトニー。
だがそれを後ろの車で見ていたオレグがドクに告げ口。
車に戻り、出掛けようとするトニーに「石を返せ」と言うドク。落ちているのを拾っただけだと言うが譲らない。なんなら自分が買ってやると言うのに対し「それじゃあ意味がない」と言い、憤慨して返しに行くトニー。

 

次の会場で設備チェックをするトニー。ピアノがスタインウェイではなく、ゴミも入っている。この指定は興行主には事前に入れてある条件。
相手に契約と違う。まだ3時間あるから、と取り換えを指示するトニーに興行主は、黒人が弾くんだからこれでいいと言い、トニーにも「イタリア野郎」。パンチを食わせるトニー。
結局スタインウェイは準備された。

 

ケンタッキー州に入り、ケンタッキー・フライド・チキンの一号店で買い込むトニー。それを一度も食べた事がないドクに無理やり押し付ける。
バーレルで買ったので、次を渡すと受け取るドク(意外にうまい)。

残った骨の扱いを聞くドクに「こうするのさ」と窓から外に放るトニー。笑って真似るドクだが、トニーが飲み物の紙コップを捨てた時にはバックを指示して拾わせた。

 

次の土地は白人と黒人両方が泊まれるホテルがなく、黒人専用ホテルにドクを置いて行くトニー。グリーンブックは必需品。

 

オレグが飛んで来て、ドクが酒場でトラブルを起こしたと言う。
地元の白人に囲まれているドク。一人を殴って話をつけようとするが、相手の一人がナイフを出した。
彼を放さないと撃つ、と言ってズボンの後ろに手を回すトニー。少しの沈黙の後、店主がライフルを構えてトニーに向け、そして白人にも向ける。ドクを引き取って店から出るトニー。
本当に銃を持っているのか?と聞くドクに「まさか」
そして南部では俺のそばを離れるな、と警告。

 

翌日、オーバーヒートで車をエンストさせるトニー。
応急処置をする間ドクが外に出ると、そこは黒人労働者が農作業をしている現場。上流階級の黒人に対する冷たい視線。

次の演奏の場はノースカロライナ。白人名士の自宅でのコンサート。晩餐にフライドチキンを希望して客から受けるドク。
だがドクがトイレに行こうとすると、そこの主人が庭の隅の黒人用のトイレを指す。いつ使われたのかも判らない様な汚い小屋。

それを拒否してホテルまで戻るドク。往復で30分以上かかるため、どこか途中でやればいいだろうと言うトニーにも耳を貸さない。
だが戻ってコンサートをし、普通に白人たちと握手をするドク。

 

その夜、ドクが警察に拘留されたとの知らせが入る。トニーが行くと、手錠をかけられたドクと白人の男が裸で座らされていた。白人を「おばさん」と言う警官。
言葉巧みに警官を買収してドクの身柄を引き取るトニーに、買収した事を咎め「今夜の事は知られたくなかった」と礼も言わないドク。
翌日、ドクは昨晩の事を謝罪する。

 

トニーがドロレスに手紙を書いているところを見ているドク。

書いたものを読ませると、もっとロマンチックにしなくては、と自分で言う文章を書き取らせた。
手紙を受け取ったドロレスは、それを読んで喜ぶ。

 

次の地はテネシー州のメンフィス。そこでニューヨーク時代の友達に会うトニー。黒人に雇われていると聞き、イタリア語でもっといい仕事を紹介すると言った友達。
その友達の所へ飲みに行こうとしたトニーに、正規マネージャーとして契約したいと申し出るドク。イタリア語が判っていた。
仕事を途中で投げ出す様な事はしないと安心させ、一緒に飲む二人。
ドクは本来クラシックをやりたいが、その分野で黒人は入り込む余地がない、とドク。あんたにしか弾けない分野があると励ますトニー。

時折りトニーが出す手紙に親戚の妻たちも感激し、亭主に手紙を要求。

 

旅も終盤に入り、ミシシッピー州を走っている時パトカーに停められるトニー。黒人の夜間外出は禁止だと言う。
穏便に済まそうとしたトニーだが警官が、黒人に雇われているトニーに、イタリア系は半分黒だからと笑う。
その瞬間警官を殴り倒すトニー。
揃って留置場に入るトニーとドク。暴力は敗北だ、と言うドク。
弁護士に電話をする権利がある、と要求するドクにしぶしぶ電話をさせる署長。
それから数分して電話が入り、それを受けた署長は血相を変えて二人を釈放した。
ドクが電話を掛けた相手は司法長官のロバート・ケネディ。

だが州警察までも巻き込んでしまった事を悔やむドク。

すぐ手が出るトニーを責めるドクに、あんたは白人相手にピアノを弾いて黒人文化も知らない。俺の方がよっぽど黒人だ、と言うトニー。
車を停めさせて外に出たドクが「ピアノを弾いていない時、私はただの黒人。でも黒人たちにも受け入れてもらえない。私は”はぐれ黒人”だ」と叫ぶ。
その晩、黒人用のドクの宿に泊まるトニー。

 

12月23日、アラバマ州バーミンガムでツアー最後となるコンサートが開かれようとしていた。楽屋代わりの狭い物置に案内されるドク。こんな扱いにはもう慣れていた。
先に併設のレストランで食事をするトニーと、トリオのオレグ、ジョージは三人でウォッカによる乾杯。
オレグが話す、ドクがこの旅を決意した理由。
1956年、黒人ジャズピアニストのナット・キング・コールがバーミンガムで演奏した時、白人の団体に舞台から引きずり下ろされてリンチされる事件があった。ドクは、そんな南部の状況を自分の目で見てコンサートをしようと考えた。

そこへ食事をしようと訪れたドク。だが支配人が彼を制した。今までの決まりで黒人をレストランには入れられないという。トニーがとりなすがダメ。ここで食事が出来ないなら演奏はしないと言うドク。
支配人が廊下の隅にトニーを連れて行き、金を渡してとりなしを頼もうとする。怒って支配人を殴ろうとするトニーだが思い留まる。
それを見てドクが「トニーがいいと言えば演奏する」
だがトニーは「こんなとこは出ていこうぜ(Let's get the fuck out of here)」と言ってドクを連れて出る。笑い合う二人。

 

近くのバーに入ると黒人ばかり。ステージにはピアノと楽器が置いてあるが、誰も演奏していない。
酒を注文する時に、ドクが札束を出そうとしたのを鋭い目で見る客がいた。ドクの立派な身なりにバーテンが職業を聞くとトニーが「ピアニスト」と言ってドクに目くばせ。
ドクがピアノの前に座り、見事なフレーズの演奏を行うと、一瞬の静寂の後大喝采。

そして他の楽器メンバーが次第に集まってのジャムセッション。

楽しいひとときを過ごして店を出る二人。だが車の陰に男二人。
ズボンの後ろに手を回して銃を取り出し、空に向けて二発撃つトニー。男たちは逃げて行った。
驚いているドクに「人前で札束を見せるな」とトニー。

 

トニーはクリスマスパーティーに間に合わせようと帰路を飛ばすが、雪が降って来て視界も悪い。
そんな時に後ろからパトカーが。またかとうんざりするトニーに、後輪がパンクしている事を教える警官。雪道で気付かなかった。
警官が交通整理をしてくれる中、タイヤ交換を済ませて再び走り出すが、睡魔でもう走れないトニー。

 

数時間後、トニーの家に辿り着いた車。

トニーに代わってドクが運転していた。
起こされたトニーは家族に会ってくれと言うが、そのまま車で自宅のカーネギーホールに戻って行ったドク。
家ではドロレス他親戚が集まりクリスマスパーティーの最中。帰還を喜ぶみんな。
弟のジョニーがそっとトニーに時計を渡す。流されないよう、質屋から取り戻していた。75ドルと聞き、60ドルだった筈だと聞き返すが、差額は手数料。

ドクは一人の部屋に戻る。緑のヒスイをそっと机に置く。返すと言って結局トニーが持って来たものが車に残っていた。
トニーの家では皆が旅の話をききたがった。そんな中、ドクの事をニガーと言った者がいた。「その言葉は使うな」とトニー。

 

客の来訪。質屋の老夫婦だった。ジョニーが社交辞令で言ったのを真に受けた。だが歓待するトニー。
そんな時、もう一人の客。ドクだった。ハグするトニー。
ドロレスも来てドクにハグし、耳元で「手紙をありがとう」とささやいた。

 


実話におけるドクとトニーのそれからの交流が語られる。
二人は終生友情を保ち続け、2013年の同じ様な時期に他界した。

 

 

 

 

新聞小説 「ひこばえ」(12) 重松 清

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新聞小説 「ひこばえ」(12)  2/9(246)~3/14(277)
作:重松 清  画:川上 和生

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第十一章 息子の息子  1~31
父の四十九日法要に航太の運転で向かう洋一郎と夏子。昨日の、後藤さんが起こした煙感知器騒ぎを二人に話して、いっとき老人ホーム事情の話題で盛り上がる。六月上旬の、好天が恨めしい礼服。


昨日、後藤さんの息子の後藤将也さんに電話を掛けたが、秘書としか話が出来ず、折り返しの電話は社長室長から。後藤さんの案件は全て社長室が対応するというのを、社長からの直接連絡を頼んだ洋一郎。だが一日経っても電話はない。

 

思いの外早く着き、時間潰しに昔行った観光農園に立ち寄った航太。そこは「たまなし農園」。当時雰囲気の悪かった車中で、洋一郎が無理に言ったシモネタを、航太は良く覚えていた。
その農園は既になく、マンションになっていた。結局少し遠回りした程度で照雲寺に向かう。
昔、父と一緒に風呂へ入って、父がタオルを沈めて空気袋を作り、ボコっと泡を出す遊びをやってくれた。父が歌っていた炭坑節の替え歌。

 

それから父は、ビールを飲んだ後に王冠を使ってバッジを作ってくれた。そんな事を思い出すうちに、急に涙腺がゆるみ涙が出そうになる。航太に車を止めてもらい、風にあたる洋一郎。
そんな様子を車の中で見守る二人。

その涙で、わだかまっていたものが吹っ切れた。確かに父と暮らしていたという実感。それがあれば、この法要も堂々と営める。

車に戻る洋一郎。

 

四十九日に集ったのは洋一郎らと神田さん、川端さん、真知子さんと和泉台文庫の田辺麻美、陽菜さん母娘。
神田さんはいつものベストだが、彼なりの喪のいでたち。
神田さんは航太の事を、ノブさんの息子の息子だと言い、真知子さんからからかわれるが、孫ではないとの持論。
「ひこばえ」という言葉。木の切り株の脇から生えて来る若芽の事を指す。元の木から言えば孫の様なもの。


茶室などに使う細い床柱は、意識的にひこばえを出す「萌芽更新」により作る。古い木が切り倒される事で、新しい命が生まれて世代が進む。だが切られた木はその成長を見る事は出来ない。

神田さんがノブさんから聞いていた話。娘や息子には会えない--会わす顔がない、だけど孫には会いたい、遠くから見るだけでいい。
神田さんは六十五歳の今まで家庭を持った事がなかった。だが子供より孫に気持ちが行くという思いは判る。それに夏子が大きく頷く。航太がしっかり「はい」と答えた。
法要の準備は整っていたが、そのやりとりをじっと聞いている道明和尚。
父親の記憶がほとんどない息子と、まったくない孫。それでもその人生を少しでも知りたいと思いながら、お骨に手を合わせてやってくれと言う神田さん。それは世間でも同じ事。誰にも知られずに部屋で亡くなる独居老人。若い人も同じ、みんな自分の事を知ってもらいたい、と続ける航太の声も湿る。
それを潮時に、準備が出来たと声を掛ける和尚。

 

和尚の読経がするすると胸に届く。そして焼香。顔は浮かばないまでも、父の冥福を祈る気持ちが沸き上がる。

そして母の事を思う。母はまだ父の死を知らない。

本当にこのまま父の遺骨を合祀してしまっていいのか。自分に続いて夏子、航太と焼香は続き、残りの人たちも順次済ませた。

 

川端さんが予約してくれた店での会食。航太は学校に戻り、田辺さん母娘も文庫の仕事があるので帰った。
献杯の後、手酌でどんどんビールを飲む真知さんに、夏子が洋一郎の顔を見る。
そして酒を白ワインに変えて次々とお代わりをする真知子さんは、結局七杯も飲んでから、怪しい呂律で「西条レポート」の報告を始めた。
父の残していた、ケータイのアドレス帳に残っていた電話番号の主の確認作業。前半については惨敗。
「あとで文句言わないでくださいね」と言って続ける真知子さん。

 

後半の十五人中、繋がったのは十一人。ほとんど冷たい反応だったのは前半と同じ。その中に女性が二人いた。
そのうちの一人は丸山昌子さん。父が働いていた弁当工場の主任。

父は七十歳の頃から二年ほど働いていたという。


同僚と金のトラブルで辞めたという話。
いい話もある。別れた奥さんの料理、フキの煮物や白身魚の煮付けの話などを聞いたという。
それを聞いて神田さんが、別れた嫁さんに線香ぐらい上げてもらえ、と蒸し返す。
だが真知子さんは二人目をきいてからにした方がいい、と続ける。

 

名前の表示は「馬場町小雪」。昔馬場町に「こなゆき」というスナックを出していたママさん。馬場町は洋一郎が通っていた大学のある場所。


そこの常連客だった父。小雪さんは父と同年配。通った時期は三十数年前であり、洋一郎が大学生として暮らしていた時期と重なる。
ただの常連客ではなく肉体関係もあった小雪さんと父。当時で四十代後半、十分あり得る話。急に不機嫌になる神田さん。
同居する様になった二人だが、1991年の春先に父が追い出された。

彼女がスナックを廃業した時の立ち退き料を少しづつ使い込んで、結局通帳をカラにしてしまった。

せっかくいい話で弾んでいた場がたちまち暗くなる。舌打ちとため息を繰り返す神田さん。
だが、小雪さんは父の遺骨に線香を上げたいと言う。

 

小雪さんと父は、お互い古希を過ぎた頃から、昔のゴタゴタを乗り越えて電話をし合ったり、会って食事をしたりという仲になっていた。
最後に電話が来たのは三月十六日。洋一郎の誕生日だった。その事を小雪さんに話していた。

それに先立って一月七日の姉の誕生日にも電話があった。今までそんな事はなく、虫のしらせだったのかも、とは川端さんの言葉。
今の小雪さんは、馬場町のシェアハウスで、様々な年代の人と同じ屋根の下で暮らしているという。そちらにも興味を持つ洋一郎。

 

あとで連絡すると言う洋一郎に、順番が違うと食い付く神田さん。
別れたカミさんを放って、わけのわからない女を先に会わせるのはスジが違う・・・
悪い人ではないが、神田さんには根本的に判っていないところがある。
父が思っていた姉、洋一郎、母へのなつかしみ。

記憶の限りでは父の存在を消し去っていた母。
それは、父が亡くなった事を知ってからも変わらない---

のだろうか・・・?

 

 

感想
父の四十九日法要と、真知子さんの話す、父のケータイのアドレス帳報告の話がメイン。

実は、恥ずかしながら「ひこばえ」の意味を知らなかった。

良く聞く言葉なのに・・・・

 

どこまでも関係者を落胆させる、父の金に対するルーズさ。
そんな中でも晩年に話し相手になってくれた、小雪という人。

だがその人にも話していたのは過去の家族に対する思い。

 

息子としてそれを母に伝えるのか、伝えないのか・・・・

相変わらずスイスイ読める。だけど効いて来るんだなぁ、後になって。

 

 

あの年この歌「1970(昭和45)年 野外フェスの元祖 中津川フォークジャンボリー」BS日テレ

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今回の番組は2017年10月31日放送のもの。

録画して一年以上放置後の視聴。

 

あの年この歌~時代が刻んだ名曲たち~」 は2014年からBSジャパンで放送されているもの。レギュラー放送は2018年3月、200回を以て終了。その後1回スペシャル番組を実施。
たまに観る程度だったが、今回は副題の「中津川フォークジャンボリー」に引っ掛かった。
このイベントの三回目の時、自分はその現場にいた。
その事は以前にもココでBlog化している。

その他情報  

 

 

番組レビュー
1970年を象徴する事件。
日本初のハイジャック よど号事件。犯人は北朝鮮に亡命。

'70年の主要な出来事

 

この年の年間シングルランキング
①黒ネコのタンゴ(皆川おさむ)②ドリフのズンドコ節(ドリフターズ)③圭子の夢は夜ひらく(藤圭子)④女のブルース(藤圭子)⑤逢わずに愛して(内山田洋とクールファイブ)⑥手紙(由紀さおり)⑦愛は傷つきやすく(ヒデとロザンナ)⑧今日でお別れ(菅原洋一)⑨ヴィーナス(ショッキングブルー)⑩京都の恋(渚ゆうこ)

 

フォークジャンボリーが行われた三年間を振り返り、音楽を巡る歴史を考える。

 

第一回 1969年  第二回 1970年  第三回 1971年
アナウンサー 佐々木明子、

ホスト 坂崎幸之助(アルフィー)、野瀬泰申(コラムニスト)

 

1970年のイベント 
力石徹の葬儀。寺山修司が企画。TVアニメ放送の1Week前に開催。
あしたのジョーブーム(反体制側の若者の思い入れ)
生涯で一番印象に残るアニメ(坂崎)

 

坂崎コメント
中津川フォークジャンボリーは、日本のフォーク歌手の代表がほとんど集まった。行きたかった。音楽雑誌にもいっぱい出ていた。

だが当時の中高生にとっては遠いイベント。

深堀りキーワード
・岡林信康「友よ」 フォークムーヴメントの始まり
・五つの赤い風船「遠い世界に」 フォークで金儲けは許されない
・吉田拓郎「人間なんて」 フォークの世代交代とメジャー化


フォークジャンボリーの歴史 

出演者一覧

 

1969年8月9,10日 (第一回) フォークムーヴメントの始まり
入場者:3000人 入場料500円
なぜ中津川で出来たのか。新宿西口フォークゲリラ締め出しの時期、中津川にも熱い仲間がいた。
主催者:笠木透。
場所は中津川市坂下町。
農業用の人造湖「椛の湖」の近く。山を削り、会場作りから始めた。

数ケ月かかり電気、水道も引いた。

 

フォークの発祥はアメリカ。プロテストソング。代表はボブ・ディラン。

多くの共感を得た(日本の学生運動とも親和)。
日本では髙石ともやが広める(自作の言葉で歌詞付け)。受験生ブルース(1968)で有名に。
シングアウト(先に歌詞を言って、後に皆で続ける手法)はこの頃から。フォークコンサートは大きなゼミナールみたいなもの。
髙石に衝撃を受けた笠木は自らフォークグループを結成。髙石とも意気投合→フォークジャンボリー構想。
坂崎:事故がなくてよかった(笑)。高校の時、服装自由化運動やった(実現)そんな時代。

 

1970年8月8,9日(第二回) フォークで金儲けは許されない
入場者:8000人 入場料800円
日本経済はうなぎのぼり。その代表が「万博」
二回目ではメインステージの設定(山側に観客)。
音楽だけでない楽しみ方もちらほら。

アングラの女王、浅川マキら有名人の参加。
カリスマ岡林信康の登場。「私たちの望むものは」

 

大成功と思われたが、商業主義との批判も浴びた。プロの出演者が増え、シロウトが参加出来なくなった→フォークで金儲けをしている。出る人が勝手に歌っているという印象。
二回目で運営側は借金を抱える。当時スタッフの話では銀行から200万以上借りた(今なら十倍以上)。
何故か? 食事の提供持ち出し。

売店も勝手に出してテナント料取らず。

 

1971年8月7~9日(第三回) フォークの世代交代とメジャー化
入場者:2万5000人 入場料1000円

通行手形


学生運動は沖縄返還調停で幕引き。マクドナルドのオープン。
豊かさの波が押し寄せる。
借金を抱えた笠木は第三回を開催せざるを得なかった。更にマスコミの餌食になるのは必至(商業化は避けられない)。

主催しながら自分の意思とは違う方向。

 

吉田拓郎の初登場。彼はメインステージには出られなかった。
サブステージでの事件。機材トラブルで音が出なくなり、ナマ音で「人間なんて」を長時間演奏(約40分)。圧倒的な支持を受けた。

その晩学生がメインステージを占拠。残りのライブが全て中止。主催者側へ釈明を求める学生たち(音声データ)。

笠木が説明。フォークソングが全ての民衆の財産。それをお互いに発表し合って共有、全国に呼びかけた。
観客は更にエスカレートし、岡林信康に説明を求める。だがこの場に出て来ない、彼の歌は何者か。だが岡林は会場から脱出していた。
この件がフォークの世代交代として象徴的に伝えられた。

 

吉田拓郎は「結婚しようよ(1972)」で個人の幸せを歌い、プロテストソングに幕を引いた。そのきっかけがフォークジャンボリー。
笠木は2014年に死去。フォークジャンボリーがフォークの商業化、一極化を生んだと悔やんでいた。
中津川に現在「フォークジャンボリー記念館」がある。

 

坂崎らの話
岡林さん用事があった? 怖かったんでしょう(2万人の怒り)。
今だったら楽しいフェス(ぜいたくな)。あの頃はそうじゃなかった。フォークは俺たちの歌という思い。
だからフォークのコンサートで拓郎さんが出ると「帰れ」コールが湧いた。彼は最初からフォーク嫌い。だって沢田研二側に行きたかった人。
回りがフォークの貴公子なんて言って作り上げた(フォークギターを持っていただけ)。
メロディはフォークではない。ポップで詞も万人向け。
伝説の「人間なんて」も二時間やったという話があるが、本人は「そんなにやってねぇ」
あの事件で時代が変わったという印象を世間に与えた。
「今日までそして明日から」の歌も象徴的。

 


感想
録画を消すつもりで今回レビューしたが、観返しているうちに「これはライブラリーとして残すべきかな?」と思ってまだ消していない。
'70年のシングルランキングで、洋楽の「ヴィーナス」が入っていたのにはびっくり。全世界的に流行ったから「さもありなん」。
俳優の佐野史郎も3回目の時に、松江からこれを観に来たらしい。ココにちょこっと記載あり。一緒に居たんだ・・・・
当時周辺の高校ではコレを観に行くのが禁止されており、まあ自分もよく行ったものだと感心(オートバイで1時間弱程度のところだった事もあるが)。
サブステージでの、六文銭や吉田拓郎の演奏はリアルタイムで観ており、当時の音源が非常に懐かしかった。

そういえば「はしだのりひことクライマックス」も帰れコール受けて引っ込んだなぁ・・・

 

 

 

リブログ2題

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ヤスミンさんのBlogにはいつも癒されている、いる、いる・・・

それでリブログしようとしたら、意外に早い更新でびっくり。

 

1件目は盗難に遭った話  「盗っ人って、猛々しいのね・・・」

農機具を入れた小屋の鍵が壊されて、アルミ製の足場が盗まれたという。確かにアルミ等の非鉄金属は、横流しすれば高く売れる(とは言っても私はしないが・・・)

本当に、まっとうな農業従事者になんつう事をするのか!

私も高校を卒業するまで、家の農作業をやっていたので、毎年ヤスミン家の農作業ぐわいを読むのが楽しみだった。

それがこんな悲しい事件でシーズンが始まるなんて。

聞けばジェーン家でも被害に遭った事があるとか。

本当に災難でした。

 

それでも田植えの季節は来る、のだ・・・・

 

 

 

2題目は 「ジチカイのお仕事」

老人ホームと化した町内会を、6年間に亘って会長として維持し続けたダンナさんを称賛する妻ヤスミンの感動!

いい話でした。

実はヤシマ家は、妻の実家の隣りに越して来た「マスオ」家なので、今まで組長の仕事は義父母が代表で行っており、引っ越して20年以上経つのに、一度も組長をやっていなかった。

しかし3年前に義父が他界し、さすがにウチが後を継ごうと決心していた時、義母が「次は組長と同時に町内会長だで」とニンマリ。

ウチら何も知らんのに、どうして?!!

どうもその辺の理屈は判らないが、2年後がそのX年になる・・・

多分四百軒ぐらいあるのかなぁ。

ジチカイがキチガイに読める・・・・・

複数件のリブログ同時掲載に挑戦したが、公開時にエラーが出たので断念。

記事はコチラ

 

 

 

 

「複数件のリブログを一つにまとめる事が出来るか?」 

下書きの状態で2つのリブログ原稿を作っておき、そのリブログの上下にダミー数列を打ち込み、数列込みでリブログを範囲指定してコピーし、まとめたい方のリブログ原稿に貼り付け。

一応原稿作成の段階では出来ていたが、公開時にエラーが出てしまったので断念。

でもどこかのBlogでやってた様な気がしたんだが・・・

研究が足らんか。

 

名古屋行き最終列車2019   ⑥~⑩話  メーテレ

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CM

 

①~⑤話はコチラ

 

全10話通しでの感想
ドラマによっては4回ほどシリーズを重ねているものもあり、結構思い入れも湧いて来る。
だが全10本となって毎週やるとなると約2ケ月のイベントになり、ちょっと重い。
始めた頃の4、5本程度を毎晩やって「一週間の集中放送」というのが良かったな。

 

 

第六話 2/25放送

 

BOYS AND MEN のメンバー小林豊はアイドルとして忙しい日々。彼には元々パティシエになる夢があった。ある時、特番でファンに手作りケーキをプレゼントするという企画が立ち上がる。
有名ケーキ店「ジョルジュマリヤーノ」の名古屋支店で指導を受ける。
師匠は、厳しいと言われているパティシエの田中さん(奥田洋平)。

まずキウイの皮むきで指導。生クリームは泡立て過ぎでボソボソ。

やる事なす事叱られる。
ケーキの味はスポンジで決まる、と田中さん。材料をレシピ通りに混ぜても、最後は自分の感覚。どうやってその極意を知るのですか?の問いに「繋がる感じ」

その後何度かトライするが、繋がる感覚が判らない豊。
その間にも企画は進み、足立さんという男性からの依頼を取り上げる事に。豊の大ファンである彼女:桃子さんに誕生日のケーキをプレゼントして、その時にプロポーズする。味はスポンジ次第。
彼女の誕生日は3月4日。あと2週間。

コンサートで、北海道から来たというファンとの交流により、繋がる一体感についてヒントを得た豊。
夜中の作業場。材料それぞれを感じながら混ぜる・・・みんな集まって来い。それを陰で見ている田中さん。
豊の作ったスポンジを評価する時が来た。味見した田中さんは「優しくて、温かい・・・」

 

誕生日当日。桃の形の大きなケーキの蓋が開いて中のケーキに指輪を仕込む趣向。
電車で彼女の家に向かう途中、子供の兄弟ゲンカに遭遇。小遣いを溜めてお母さんの誕生日にとケーキを予約したが、兄が3月4日(よっか)を8日(ようか)と間違え、今日に間に合わない。
そこで一計を案じる豊。

ケーキのプレゼントは大成功し、プロポーズにOKする桃子さん。フタを開けて指輪を取り出し、指輪をはめる足立さん。
一方あの兄弟の家。輪切りにしたジョルジュマリヤーノの、デコレーションしたケーキを囲んで「ありがとう」を言う母親。
豊は、丸いケーキの中央を中抜きし、子供たちへのケーキを新たに作ってプレゼントしたのだった。


感想
桃の形のデカいケーキにちょっと引いたが、後半の種明かしでナットク。ケーキ修行のシーンも丁寧に描かれており、好感が持てる。

 

 


第七話 3/4放送

 

弥冨で金魚生産業を営んでいる深見圭介(吹越満)。
妻と娘と孫が東京で暮らし始めて半年(そのいきさつはこちら)。
仕事はやるものの、食事はカップ麺。掃除もやらずゴミは溜まり放題。
おすそ分けにたまたま訪れたご近所の加奈子(木下あゆ美)さん。

台所の惨状を見て掃除をしてくれた。

その後週一ペースで世話をしに来てくれる様になった加奈子さん。
そんな事が続いた年末。妻の奈美(松下由樹)から電話がかかり、12月25日に帰るという。
12月24日のクリスマス・イブに二人で夕食をする圭介と加奈子。加奈子の御主人は単身赴任で不在であり、圭介が招待した。

彼女にストールのプレゼントをする圭介。
そこに突然帰宅した奈美。予定を変更したと言うが、微妙な雰囲気に疑いを持つ。そこで加奈子が爆弾発言。
「私、圭介さんの事が好きになってしまいました。もうかんべんして下さい」
たまげる圭介。実は奈美が加奈子に、時々ケアしてくれる様頼んでいたもの。加奈子にバイト代を払う奈美。

だが、圭介がストールをプレゼントした事については「本気よね」と睨む。感謝の印だ、と言う圭介に「私にも感謝してるよね?」
結婚して二十年。一度も感謝されてない。

俺が稼いでお前が家事をする・・・と火に油を注ぐ圭介。
東京に帰らせてもらいます、平成も終わるのよ・・・・
俺が悪かった、と言う圭介に「反省文書いて」と言い残して東京に帰る奈美。

 

そして一人ぼっちの年末年始を過ごした圭介。反省文が届かず怒る奈美。おみくじも凶で落ち込む圭介。そこに「北西の先生を訪ねよ」
その方向を歩いていると、加奈子にばったりと会う。
奈美がら会うなと言われていた加奈子は、以前じぶんたち夫婦が危機の時、彼女からアドバイスされていた事を話す。
昔、圭介から手紙をもらい、相手を思いやる気持ちを知って思いとどまった。
その事を踏まえてまた手紙を書けばいいと言う加奈子だが、手紙など書いた覚えがない圭介。

家で様々な場所を探してとうとうそれを見つける。若い頃圭介が書いたものの、恥かしくて渡せなかった手紙。奈美はそれを見つけて読み、大事にしまっていた。改めて反省文を書く圭介。

 

奈美のアパートを訪れる圭介。郵送で良かったのにと言う奈美に、玄関先でそれを読み始める。
今までみんな丸投げして来た。二十年前にも気付いていた。私、深見啓介は・・・・・
出掛ける準備を整え「今回に限り、許す」と奈美。
そして「間に合ってよかった」
実は福引きで下呂温泉の宿泊券が当たっており、期限が迫っていた。

 

温泉での記念写真を見る娘の美咲(宮﨑香蓮)。


感想
ちょっと危険なロマンスを匂わせて、結局夫婦の見つめ直しを爽やかに描いた。まあまあ、いい話じゃないの(笑)
ウチも専業主婦だし、気をつけなくっちゃ・・・

 

 


第八話 3/11放送


昨年までの流れはこちら
高校生同士で交際している田中陽助(岡山天音)と工藤愛子(日比美思)。愛子はゴルフ特待生で心配ないが、陽助は受験生の割りに緊張感なし。
陽助の受験が終わるまで会うのをやめると宣言する愛子。ただ、クリスマス・イブだけは会おう・・・
それから三週間。ゴルフの練習に身が入らない愛子を心配する木村コーチ(手塚とおる)。

クリスマスが来てデート中の愛子。マフラーをプレゼントし、陽助からのプレゼントを開けるとコーチの顔。
全ては白昼夢。毎年この季節は全てを犠牲にして練習に励む前提。

 

年があけ、一人で山田天満宮に出掛けた愛子は、陽助のためにお守りを買う。
受験が終わったら一緒に行こうと思っていたケーキの店を覗くと、年上の女にベタベタされている陽助の姿が。
練習もスランプに陥る愛子。陽助からのメールも無視。

 

コーチに一日休めと言われ、あの店で一人淋しくケーキを食べて帰る時、女に囲まれてデレデレしている陽助にばったり会う愛子。
思わずビンタしてしまう愛子に、その女が自己紹介。それは親戚の叔母の恵子。愛子のための実験台になっていた。
陽助は、愛子が以前集中力が途切れるのに悩んでいた事から、その対策グッズを研究していた。これを使うとゾーンに入り易くなる。美女軍団は恵子の同級生で、皆追加の効果検証をしてくれていた。
そのネックレスを愛子の首に付ける陽助。誤解が解け、お返しにお守りを渡す愛子。

高校生活の最後を飾るゴルフ選手権で優勝する愛子。
そして陽助も「大名古屋大学」に合格。


感想
イケイケのおねいさんが叔母なんて、そんな人がいたんなら、愛子ともっとうまく付き合っていただろうに(笑)
ちょっと浮気を疑わせて、結局相手の思いやりを知る。まあよろしいのでは?

 

 

 

第九話 3/18放送


岐阜、玉宮町の居酒屋。絶品の卵焼きが楽しみの客、石川(野間口徹)。作るのはバイトの波那(藤野涼子)。

だが決して表には出ず裏方のみ。
それが終わるとスーパー銭湯の清掃。その次は市場で青果卸し。
そして自宅のアパートに帰って就寝するのが午前8時。
14時に起床して次の一日が始まる。

眠るのが怖い波那。小、中、高と親友だった真由。真由が演劇で波那は衣装。この関係でハリウッドに行くのが夢。
だがそれは実現しなかった。
病魔に蝕まれた真由。何のバチが当たったの、と八つ当たりする真由は波那にひどい言葉を投げ付けた。
もう何も手につかない。親とは暮せず、大阪の親戚でも寝るとうなされて大声を出すので疎まれ、十八歳から全国を転々とする生活。

 

ある日居酒屋のバイトで、一人で切り盛りしなくてはならない状況になり、それを客の石川が手伝う。多忙で厨房から出た波那は客の目にとまり、焼きの名手として注目を集める。
七日後、波那にお客さんが。真由の妹の美樹ちゃん。SNSで話題になった波那の事を知って訪ねて来た。
亡くなった真由の手紙を持って来た。
あの時はごめんなさい・・・・ あれはホントの気持ちじゃない。あなたは才能がある。波那のために計画を立てた。18歳、30歳、40歳・・・
これからは波那が主役、応援する。いつまでも親友だからね。
最終電車での帰りに、石川に相談する波那。君のやるべき事は判っている。夢に年齢は関係ない、とプッシュする石川。

 

3年遅れで夢を追う事を決めた波那。銭湯の店長(デンジャラス ノッチ)が帰国子女で英語を教えてくれた。
マジシャンのエリック(Mr.マリック)も応援。

全てうまく回る周囲に喜ぶ波那。
ニューヨークへの留学と聞いた客が、声をかけて半額で行けると言う(赤い留学トラベル)。
だがそれは詐欺だった。150万振り込んで逃げられた波那。

エリックが、ニューヨークで暮らしているジャクリーヌ・サリバン(衣装作りの大御所)に話をして、波那を修行に行かせる話をつけてくれた。
旅費をバイト先のみんながカンパしてくれた。
「行くぞ!ニューヨーク」


感想
親友を病気で亡くし、普通の生活が出来なくなった女性を巡る話。
野間口徹の設定が、妻と離婚して一人暮らしの美容外科医という事だったので、こっちとの絡みかと思っていたが、爽やかな結末でホッとした(笑)

 

 


第十話 3/25放送

 

鉄太郎こと森本宗太郎(六角精児)は、相変わらず母と叔母から結婚しない事を責められる。
今回は亡き父の日記や家系図を引っ張り出して、34代目のアンタで途切れるのか、と嘆く母。

鉄道関係の部品放出会に出向く宗太郎と、弟子の菜々子(谷花音)。パノラマカー先頭車両の逆さ富士(行き先表示板)をセリ落とす決心で金を準備して来た宗太郎。

 

30万から始まり、70、76と上がって行くうちに二人の戦い。相手は宿敵の郷田(津田寛治)。90万で郷田に負けた宗太郎。

喫茶店で、奈々子に敗戦を慰められる宗太郎のところへ郷田が顔を出す。意外にイイ奴で意気投合する二人。
ロマンスカーにまつわる家族の思い出が忘れられず、電車の部品集めに走る郷田の気持ちを理解し、どんどん仲良くなる宗太郎は「独身鉄の会」の会長にまで祭り上げられる。

そんな郷田と会う機会が減って来た宗太郎。

 

ある日ばったりと郷田に会った宗太郎は、鉄道の話をするが「何の話か判らない」と言って逃げ出す郷田。その後を追う女性。
翌日の晩、宗太郎の家を訪れた郷田。大きな荷物を持っている。
実は見合いして結婚する事になった。最初は断るつもりだったが、会って稲妻が走った・・・
おめでたい事だと祝う宗太郎だが「鉄道ファンから引退する」と郷田。
「私と、生まれる子供だけを趣味にして」と彼女は言ったという。彼女の父親はギャンブルに狂い、家も売って家庭はメチャクチャだった。
出会った時に「趣味はありません」と言ったので、辞めるしかない。
今まで集めた部品はほとんどオークションで売ったが、この三枚の逆さ富士だけは思い入れが強くて、他人に売り渡したくない。平成に生きた証を宗太郎さんに引き取って欲しい、と持って来たもの。
それを引き受けた宗太郎。

駅まで見送る宗太郎。電車に乗った郷田は「鉄道ファンから卒業する事を宣言します!」
敬礼して電車を見送る宗太郎。

歩きながら宗太郎と話す奈々子。あと4年待てば18歳で、ワタシ結婚出来ますけど・・・・
その時俺は53歳。親子にしか見えないヨ・・・・・


感想
今回の主役はロマンスカーの「逆さ富士」。マニアの間では垂涎の的なんだろう。
それ以外では、話としてほとんどヒネリもなく、ダメ脚本。六角精児が出た、という事だけで、まあいいか・・・・

 

 

 

 


キャプテン・マーベル (映画)   2019年

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ご注意:思い切りネタバレです。

 

監督 アンナ・ボーデン&ライアン・フレック
脚本 メグ・レフォーヴ
原作 ロイ・トーマス

 

キャスト
キャロル・ダンヴァース /
ヴァース/ キャプテン・マーベル    - ブリー・ラーソン
ニック・フューリー                       - サミュエル・L・ジャクソン
マリア・ランボー                       - ラシャーナ・リンチ
フィル・コールソン                      - クラーク・グレッグ

クリー人
ヨン・ロッグ                               - ジュード・ロウ
ロナン・ジ・アキューザー             - リー・ペイス
コラス                                      - ジャイモン・フンスー
ミン・エルヴァ                           - ジェンマ・チャン
ウェンディ・ローソン博士 / マー・ベル  - アネット・ベニング

スクラル人
タロス - ベン・メンデルソーン

 


予告編

 

 

感想
今度公開の「アベンジャーズ/エンド・ゲーム」でキーマンとなる、キャプテン・マーベルの誕生秘話が描かれる。
クリー星の精鋭部隊「スターフォース」に所属するヴァースが実は地球人で、事故により強大なパワーを獲得したというのが基本の流れ。

 

話がちょっとひねってあり、サラっと観ただけだと話の細部が良く判らない。元々クリー人に敵対するスクラル人を悪として描いていたのが、実は理不尽に迫害していたのはクリー人。
スクラル人は、自星を失って難民としてトルファ星に身を寄せていたところを攻撃された。
後にタロスが説明するアキューザーのロナンも、別の種族かと思ったら、サイトの情報では「クリー帝国の法を執行する最高告発者」という事でクリーの一機関。そんなん判るわけないやろ・・・

 

地球は、スクラルとの戦いを終わらせようとしたローソン博士が研究をしていた場所であり、そのキーとなるエネルギー・コアのパワーを受けてヴァース/キャロルが特殊能力を身に付ける。

しかし、今まで神秘的な存在として取り扱われて来た「四次元キューブ」の出自が、クリー人の一研究者の産物では、なんかちょっとつまんない。確かロキが自星から持ち出したとかいう話も、前のシリーズであったのでは?
こんな事なら神秘のままで触れない方が良かった。

それから・・・ジェット機を改造して宇宙仕様にする?バカ言ってんじゃないよ!!!(まあいいか)

 

ヒーローとなるキャロル/マーベル役のブリー・ラーソン。「ルーム」でアカデミー賞の主演女優賞を取ったらしいが、残念ながらこの映画は観ていない。
特に美人系ではなく、エラが張ってなんかフォーリンラブのバービーでも見ている様な印象が最後まで残って、イマイチ話に乗り切れなかった。やっぱもうちょっとシュっとした美人が良かった、カナ?(笑)
でもいいガタイで、いかにも拳から炎が出て来そうな迫力があった。キャスティングとしては、まあ良かったのだろう。

 

ヨン・ロッグ役のジュード・ロウ。役どころはイマイチだが、やっぱカッコイイ!


あと、フューリーとコールソンのお二人。えらく若いナーと思ったらCG処理で25年前の姿にしたんだって。

 

「ブレードランナー2049」のレイチェルはいかにもという感じて違和感あったが、今回は全く自然でびっくり。
こうなって来ると、いずれ役者なんて必要なくなるのかも・・・


それにしてもマーベル強すぎる!
宇宙空間を飛び回り、弾道ミサイルの方向を変えて全部自爆させちゃうとか、ハンパない。
マーベル以降のヒーローたちをいろいろ思い出してみても、これだけのパワーを持ったヒーローはいない筈。
宇宙に出てマスクはセットされるけど、口と鼻は解放のまま(どういうメカ?)。別モノになるという象徴なのかな、あののマスクは。
だからこそサノスと戦える? まあそれは「エンドゲーム」を観てのお楽しみ・・・か

 

エンドゲーム予告

 

 

あらすじ
戦闘機に乗っている夢を見る女性が目覚める。ここは惑星ハラ。彼女はヴァース。クリー人の精鋭部隊「スターフォース」の一員。司令官のヨン・ロッグと武術の訓練をするが、いつも感情をコントロールしろと叱責される。拳の先からエネルギーを出す能力を持つヴァース。


惑星の中で君臨する人工知能スプリーム・インテリジェンス。それぞれの者にとって一番重要な人の姿でコンタクトを行う。

 

ある日スプリームに呼び出されるヴァース。彼女には年配の女性として映るスプリーム。そこでスクラル人による脅威を知らされ、与えられた能力をその解消のために使う事を指示されるヴァース。

ヨンをリーダーとしてスクラル攻撃部隊に加わるヴァース。スクラル人は遺伝子レベルで相手になりすます能力があり、現在惑星トルファに侵入している。今回の任務はそこに潜入している諜報員ソーラーの救出。侵攻の中でトルファの民とのトラブルは避けなくてはならない。
だがスクラル人がその民に化けていて戦場は混乱。
そんな中でヴァースはソーラーと接触。だが認証コードで確認したにも関わらず、相手はスクラル人だった。捕虜となったヴァースは、脳の中の記憶を読み取る装置にかけられた。
時間軸を前後しながら核心に迫って行くスクラル人。戦闘機に乗る年配の女性。その胸のバッジには「ウェンディ・ローソン博士」のネーム。
ローソン博士はライトスピードエンジンへの手がかりだ、とスクラル人。場所はC53のどこか。
そこでヴァースが目を覚ます。頭を操作された事に怒り、拳からの攻撃で拘束を解いて脱出。

 

ここは地球。ビデオ店の屋根を突き破って落ちるヴァース。通信設備を探し出してヨンとのコンタクトを取り、ソーラーがニセ者だった事を話す。そして今の場所はC53(地球)。ライトスピードエンジンを作ったローソン博士を探さなくてはならない、と伝えたところで通信が途切れる。博士の顔とスプリームが重なるヴァース。

事件の報告を受けて駆け付けるシールド(国際平和維持組織)のニック・フューリー捜査官。
変身出来るスクラル人が地球に潜入している、と言うヴァースの説明に面食らう。そこを逃げ出し電車で逃走するヴァースは、乗客になりすましたスクラル人からの攻撃を受けて応戦。


新米捜査官のフィル・コールソンを乗せて、車で電車を追うフューリー。だが当のコールソンから電話。車の男はスクラル人の変装。だが途中で事故を起こし、そのニセコールソンは死んだ。
ヒッピー風の男のバイクを奪ってハイウェイを走るヴァース。

 

解剖される、ニセコールソンだったスクラル人。フューリーの上司ケラーが訪れてその様子を見る。「こいつがコールソンそっくりに?・・・」
そして人が去った後、死体に「友よ、この仕事は私が引き継ぐ・・・」

 

ヴァースに再会するフューリー。

今までの情報ではローソン博士がペガサス計画でライトスピードエンジンを開発したところまでしか判らない。
軍の施設に出向き情報を集める二人。資料の大半はなくなっていたが、残されたものにクリー文字が。
無断で新型機のテスト飛行をして墜落し、博士は死亡。軍はその時の損失10億ドルを隠している、とフューリー。
事故が起きたのは今から6年前の1989年。事故の証言者はマリア・ランボー。

ヨンと通信するヴァース。C53の報告書を見つけたヨン。ローソンは秘密工作員。本名はマーベル。特殊なエネルギー・コアを研究していた。
自分の姿が写った写真を見て、最後にローソン博士と一緒にいたのが自分だと知るヴァースは、ヨンの制止を無視し、真相を求めて動き出す。

 

フューリーの報告を聞いて駆け付ける上司のケラーが「よくやったな、ニコラス・・・」と言う。(彼の正式名はニコラス・ジョセフ・フューリーだが、知り合いはフューリーとしか呼ばない)
フューリーは途中で別れてヴァースを見つけ、自分の上司がニセモノ(スクラル人)だと言う。やっかい者を呼び込んだ事に怒ったヴァースは、彼が持つ通信用のコミュニケーターを取り上げた。
迫るケラーたち。待機していたジェットに乗り込み脱出するヴァースとフューリー。施設に居た猫も同乗。

ヨンとある者との交信(アキューザー?)。その者もスクラルの殲滅を考えている。

 

ルイジアナに着いてマリア・ランボーを訪ねるヴァース。そこに居た少女モニカが「キャロルおばさん?」と聞く。

出て来たマリアに概要を話すヴァース。
マリアは事故のあった当日の様子を話す。博士は一人で飛ぼうとしたが、あなたが乗り込んで操縦した。
そしてヴァースが覚えていない本人のプロフィールを話す。

名はキャロル・ダンヴァース。両親と折り合いが悪くマリアたちと暮らすようになった。

 

そこに入って来た男。スクラルのリーダー「タロス」。変装をせず素の姿を見せている。
タロスはあの時の事故のブラックボックスを回収していた。そしてヴァースに座標を解読して欲しいという。
フューリーが連れているネコを異常に怖がるタロスは「それはフラーケン!」と言って恐れる。

 

再生されるCD。あの事故の時、博士は自分のラボに行こうとしていた。その行き先の数値が読み上げられる。
その後攻撃され墜落。博士は瀕死の重傷を負う。
博士はこの仕事が戦争を終わらせる事だと言う。そして自分の名をマー・ベルと言った。
そこに到着したのはヨン。エネルギー・コアを奪いに来た。ヨンに殺される博士。博士の遺言通りコアを破壊するキャロル。
コアが破壊された時に放出されたエネルギーを吸収して倒れるキャロル。破壊された「キャロル・ダンヴァース」の認識票の最後のかけら「VERS」を読み取ったヨン。「こいつを連れて行く」。

 

ヨンに騙されていた事を知るヴァース改めキャロル。ヨン・ロッグが博士(本名マー・ベル)を殺した、とタロス。
スクラルがトルファ星を侵略したテロリストと断じたキャロルに、あそこを破壊した責任はアキューザーたちにある、とタロス。
我々はトルファに難民として暮らしていた。クリーの支配に抵抗し、自星を破壊されてから、我々に棲家はない。
コアとライトスピードエンジンが手に入れば新たな安住の地に渡れる。
コアは私が壊したと言うキャロル。だが壊したのはエンジン。エネルギー・コアは別の場所に保管されている、とタロス。
マー・ベルのラボがある場所の座標を解読して欲しいと重ねて言うタロスに「あれは座標なんかじゃない」とキャロル。軌道上の位置とベクトルを現す。地球上ではラボは探せない。
どうやって宇宙へ行く?との課題にスクラル人の技術者が「おたくの飛行機に手を加えましょう」
そして副操縦士に任命されたマリア(モニカによるプッシュ)。

 

ヨンがヴァースと対峙している。いくつかの質問の応酬で、そのヴァースがスクラル人のニセモノである事がバレる。それと同時に自分の正体がバレた事を知るヨン。
アキューザーに連絡して、地球のスクラル人撃退を依頼するヨン。

宇宙に向かうキャロルたち。途中から動力を切り替えて宇宙航行に入る。数値をインプットするが、何も見えない。
だが遮蔽装置を解除すると、ラボが現れた。
中に入ってコアを見つけ出す。博士の話では「四次元キューブ」と呼んでいた。
周囲に子供のおもちゃがたくさんある事に違和感を持つキャロル。
タロスが呼ぶような吠え声を上げると、多くのスクラル人が姿を現した。その中に女性と子供。彼の妻子だった。
マー・ベルから、何があっても信号を出すなと言われていた、と言う妻。
離散した家族がまだ何千といる、と言うタロス。

 

そこに到着したヨンたちの部隊。コアを探しているが、キャロルがトイボックスに隠している。
応戦するキャロルだが、ヨンに力を封じられる。「与えたものは奪うことも出来る」
だがその極限状態の中で人間としての自覚を持ったキャロルは、ヴァースという存在を捨てて覚醒した。
「これで私は自由」


ヨンたちを退却させるキャロル。
キューブを持って行ってとフューリーに頼むが、そんなもののはさわれないと尻込み。フラーケン(ネコ)がそれを飲み込む。
皆をジェットに乗せ、時間稼ぎのため戦いに向かうキャロル。

宇宙空間に三機の母船が出現。アキューザーだった。弾頭ミサイルを多数発射して地球攻撃を指令するロナン。
マーベルに変身したキャロルが、一番先頭のミサイルに取りついて方向転換をさせ、後続のミサイルへ向けて突っ込ませて全て爆破する。コアとあの女はあとで取りに行こう、と言って去って行くロナン。

 

ラボとしての宇宙船を追う、ヨンの戦闘艇を落とすキャロル。
そして地上で対峙するヨンとキャロル。この私を生身で倒せるほど精進しろと、武器を使わない戦いに持ち込もうとするが、構わず波動攻撃を加えるキャロル。
目的地をハラにセットして、ヨンを乗せた戦闘艇を送り出すキャロル。

 

フラーケンに目を引っかかれるフューリー(まずいぞ)。
スクラル人と共に彼らの新天地を探すというキャロルは、キューブの保管をフューリーに頼んだ。
そしてアップグレードしておいたと言ってコミニュケーターを返す。通信圏は銀河系の二倍以上。ただし使うのは緊急事態の時だけ。
ラボとしての宇宙船と共に去って行くキャロル--マーベル。

 

シールド本部に戻ったフューリー。

左目はもう見えなくなり眼帯をしている。
フューリーは言う。銀河系内にどんな脅威があるか判らない。

シールドだけでは地球を守れない。彼女の様なヒーローがもっとたくさん必要だ。


エンドクレジット後の映像
「インフィニティ・ウォーのエンドクレジット映像で、フューリーが塵となって消える時に残されていたコミュニケーターが電源に繋がれている。
「なあ、例のアレだけど、たった今止まってしまった」
「再起動してまた送ろう」
「でも何なのか判らないのに」とナターシャ。
「何か受信したら、すぐ教えてよ。向こう側に誰がいるか知りたい・・・」

 

そこに突如現れるマーベル  「フューリーはどこ!」

 

 

 

千と千尋の神隠し 2001年

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監督・原案・脚本  宮崎駿
音楽 久石譲

 

キャスト
千尋(ちひろ) / 千(せん)   柊瑠美
ハク                  入野自由
湯婆婆(ゆばーば)             夏木マリ
銭婆(ぜにーば)                 〃
坊(ぼう)/ネズミ        神木隆之介
釜爺(かまじい)         菅原文太
リン                             玉井夕海
青蛙(あおがえる)             我修院達也
カオナシ                         中村彰男

 

 

予告

 

感想
興業収入300億超えのすごい映画。ジブリ映画の絶頂期と言える。
興収が多ければイイというわけではないが・・・

迷い込んだ地で、豚になってしまった両親を助けるために奮闘する娘を描いた、成長物語。

 

最初車の中でグズっていた、わがままそうな千尋。油屋のボイラー室に降りるのさえもおっかなびっくりだったのが、厳しい仕事環境にさらされていくうちに、どんどん逞しくなって行く。

そして千を助けてくれるハクの存在。なぜ湯婆婆に言われるままに銭婆の契約印を盗んだのか。また千が幼い時に助けてくれた神だったというが、そこからの経緯も不明。
マンガとはいえ、もう少し腑に落ちる背景構築が欲しい・・・

 

坊の存在は、なかなか良かった。湯婆婆の溺愛のせいでワガママ一杯に育てられたのが、ネズミの姿にされて自分が通用しない出来事に直面する。一体どういういきさつでここの子供になったのか、これまた微妙だが。

 

バブル崩壊後に打ち捨てられたテーマパーク。日本全国のあちこちに見られるだろう。そんなところを舞台に、こういう話を作るという発想は好感が持てる。
舞台となる「油屋」は和風とも中国風とも言えず、地下にはボイラー室があり、基礎はコンクリートで固めてあって、俗悪とも言える建物。
こういう場所で神様をもてなすという俗っぽさが、けっこう潔くて好き。


まあ、いろいろケチをつけたが、不条理な設定の中で、少女の成長をただ追う。そして確実に両親を見出して救い、元の世界に戻って行くという千尋の成功体験は、人の心に何らかの浄化をもたらす、のだろう。

 

 

 

あらすじ
父親の仕事の都合で郊外に引っ越した一人娘の千尋。親子三人で引越し先に向かう途中、道に迷う。
短いトンネルを抜けた先に、廃業したような東洋系のテーマパークがあり、父親先導でそちらに向かう。
人気のない飲食街の中で、一軒だけ食べ物を満載した店があり、父と母が食べ始める。

千尋が止めるが、後で金を払えばいいと無視する父。

 

あたりが薄暗くなり、川べりに行くと明かりを点けた船が来る。接岸されて出て来たのは、様々ないでたちの神々たち。皆、大きな建物の「油屋」に向かっていた。

 

あわてて父母のところに戻った千尋だが、両親はいつの間にか豚の姿になってガツガツ食料を食い続けている。

 

自分の姿が消え始めた時、ハクという少年に助けられた千尋。油屋で働いているという。
この世界で生きるためには働かなくてはならない。ハクに言われたように、川沿いの建物最下層にあるボイラー室に入り込んだ千尋は、そこで薬湯作りをしている釜爺に「仕事がしたい」と頼み込む。

 

リンという先輩の仲居に助けられて、何とか油屋に潜り込んだ千尋は、ここの経営者である湯婆婆に会いに行く。契約書に名前を書かされると、そのうちの大部分が奪われ、これからは千と名乗れと命じられる。自分の名前を忘れると元に戻れない、とはハクの言葉。

 

湯婆婆には巨大な体の坊がおり、溺愛していた。湯婆婆の手下の湯バード。千は一番下っ端で、神たちの入浴の世話が仕事。
訪れたオクサレ様。強烈な臭気で皆が逃げ出す。千はその客の応対を懸命にやりこなす。その客の体に異物が刺さっており、千がそれを取ったことで本来の体となった河の神は、店に多くの砂金と、千にはニガダンゴを授けた。

 

その一方で千は外に佇んでいた者(カオナシ)を知らずに部屋に招き入れてしまう。接客係のカエルがカオナシに飲み込まれ、客として振る舞い始める。粒金をバラ撒くので、みな上客としてもてはやす。
カオナシの要求はどんどんエスカレート。

 

空を舞いながらのたうつ竜を見つける千。部屋に飛び込んだ竜を見て、それがハクだと気付く。

 

苦しむ竜は結局釜爺のところまで落ちて気絶。千は河の神からもらったニガダンゴをかじらせ、腹の中のものを吐きださせる。

出て来たのはハンコと虫。その虫を踏み潰す千。
ハンコは魔女の契約印。ハクが湯婆婆の命令で、姉の銭婆から盗んだものだろう、と釜爺。

竜になったハクの体にくっついて来た紙人形が、湯婆婆の部屋に入り込み、銭婆の姿に(分身)。そして坊をネズミ、湯バードをハエに変えてしまう。身代わりとして三ツ頭が坊に変身させられた。

 

油屋ではカオナシが暴れ回り、手がつけられない。千を出せという要求に、引っ張り出される千。逃げ回る千を追うカオナシ。
千が残ったニガダンゴを食わせて、中のものと一緒に青蛙が吐きだされると、カオナシは正気に戻る。
ハンコを銭婆に返すため、電車に乗る千。

お供はネズミとハエとカオナシ。

 

一方目を覚ましたハクは湯婆婆に、坊はニセ者だと言う。元の体に戻って逃げ出す三つ頭。

自分が取り戻す代わりに、千の両親を元に戻してくれるよう頼むハク。

 

電車に乗って銭婆のもとに辿り着いた千は銭婆にハンコを返す。
竜の姿で追い駆けて来たハク。皆は銭婆から許され、帰路につく。
帰る途中で千は、自分が小さい頃、川で溺れた事を思い出す。

助けてくれたのはハク。

本当の名前はニギハヤミコハクヌシ。その川を司る神だった。
名前を取り戻したハクの姿は人に戻り、そのまま油屋まで千と手をつないで飛んだ。

 

魔法が解けて元の姿になった坊と湯バード。

坊はたくましくなっていた。

湯婆婆は最後の課題として、無数にいる豚の中から両親を探し出せ、と千に言う。
その豚たちを見つめ「ここにはいない」と返す千。それが正解だった。

 

何事もなかったように来た道を戻る三人。トンネルを出るまでは振り向いてはいけない、というハクの言葉を守った千尋。

 

 

カメラを止めるな!   2018年

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ZELDAさん絶賛の映画という事でリブログします。
公開当時は全国でも2館だけだったのが、話題が話題を呼び、続々と公開館が増え、結局350館、興行収入30億超えの大ヒットになった。
拡大公開時には、我が行きつけの映画館でもかかっていたが、どうもうさんくさい感じがしてそれはパス。
早めのTV公開(今年3月)を受けて録画、視聴した。

 

監督・脚本 上田慎一郎
原作     和田亮一、上田慎一郎

 

キャスト
日暮隆之    - 濱津隆之
日暮真央    - 真魚
日暮晴美    - しゅはまはるみ
松本逢花    - 秋山ゆずき    ドラマの女優役
神谷和明    - 長屋和彰     ドラマの男優役
細田学      - 細井学       ドラマのカメラマン役
山ノ内洋     - 市原洋       ドラマの助監督役
山越俊助    - 山﨑俊太郎   ドラマの録音マン役
古沢真一郎  - 大沢真一郎   番組プロデューサー
笹原芳子    - 竹原芳子    TVプロデューサー
吉野美紀    - 吉田美紀    番組AD

 

 


最初の第一部は、1カット長回しではあるものの、出来としては大学生がサークル活動で作るレベルといった感じ。途中でも不自然な沈黙があって「何?、これ」的な雰囲気を醸し出していた。
そんな映像を三十数分見せられた後のエンドロール見て再び「何?、これ」

 

 

場面変わって「1ケ月前」のテロップから先が実は本編。

ようやくドラマの構造が判って来た。
要するに本編を見せた後、間髪入れずにメイキングのネタばらしをし、改めて舞台裏を交えて見せるという映画。
あざといと言えば言えるが、映画の撮影現場の裏側が見られて、とにかく笑った。
あの助監督の右腕食いちぎられた姿は、最初の映像でも「良く出来てるなー」と思ったが、メイキングでの突貫作業でセットされる姿を見て、また驚き。

 

死体の人形差し替えも、機動性を考えて超軽量に作られていて、スピード感がハンパない。

ただ、そんな中でベースにある日暮家の家庭が丁寧に描かれ、それが最後に集約される。

 

一番のキーマンは晴美。女優だが役に入り込み過ぎて「使えない」烙印を押され、引退状態の妻。現在ハマっている護身術が、伏線回収で随所に出て来て「ポンっ!」と言うたび爆笑。
中盤、血だらけの顔で隆之から「大丈夫か?」と言われた時の顔が忘れられない。
また娘の真央は、バイトのADでこれまた入り込み過ぎ、子役に本物の涙を要求してその母親とトラブル。スタッフとの間に入って途方に暮れる隆之。

そんな状況で出演が決まった晴美は、芝居が進むにつれてどんどんエスカレートして行く。

 

メインカメラの裏で、男優の神谷が晴美にビンタされた時の「オヤジにもぶたれたことないんだ」はガンダムで、アムロがブライトにぶたれた時の名ゼリフ。これにはホント不意を突かれた。

そして番組ADの吉野がオーバーフローした時に、とっさに引き継いだ真央。この辺りの小気味良さにも喝采。
終盤の、引きの場面の攻防は、この映画のクライマックス。番組Pの要求に負けて自分を曲げた隆之。

それを見ている真央が行動を起こした。
ただあの人間ピラミッドは、作るのに何度も失敗してコケる場面がくどくて、いかにも二流のテイスト(それも狙った演出だった?)。
まあ、いろいろつっこみどころもあるが、金を掛けていないB級映画の中で、しっかりと上質な家族ドラマになっている。


しかし、この手法はZELDAさんも指摘する様に一回限りしか使えない。
この監督の次回作に期待したい。
またこの映画は、出演者にとっても今後の道を開くきっかけになった。そちらにも期待(特にしゅはまはるみ萌え~)。

 


あらすじ
オープニングから37分間、ノーカットのB級ゾンビ映画が続く。
主役男女の演技に対して監督がブチ切れ、女優を責める。

 

メイク役の女が、この建物で旧日本軍の人体蘇生実験が行なわれていた事を話すとビビる俳優たち。
監督が屋上に血糊でサインを描いた事で、関係者がゾンビ化。俳優たちは逃げまどい、それをカメラで追う監督。
メイク役の女が、驚異的な身体能力でゾンビ化した者を倒して行くが、屋上で斧を頭に受けて絶命。

 

ゾンビ化した男優が女優を襲うが、彼の首を斧で落とす女優。
最後に生き残った女優は、屋上に描いてある五芒星の上で空を見上げる。

エンドクレジットで「ONE CUT OF THE DEAD」

 

その1ケ月前。

前述の生放送番組のオファーを受ける監督の日暮隆之。
妻の晴美は、女優だったが使いづらくて引退状態。現在の趣味は護身術。また夫が持ち込むシナリオを毎回読み込むのが楽しみ。娘の真央は大学生で、映像制作のバイトをやるが、こだわりが強すぎて使えないと敬遠されている。

 

生放送なので、放送事故がないようリハーサルを重ねる隆之。
本番当日は晴美と、男優の神谷のファンである真央も見学に来ていた。だが本番を前にして、監督役とメイク役が交通事故で出演不能になる。
監督役は、やむなく隆之本人が行う事にしたが、メイク役がいない。

真央が母親を強プッシュ。シナリオが全部頭に入っている事が決め手で、晴美が代役に決定。

 

そして本番の開始。生番組の映像が、舞台裏を交えて繰り返される。
カメラマン役の細田が酒を飲んでしまい、序盤から混乱。

録音マン役の山越は、過敏性大腸炎で肝心な時に戦線離脱。

 

それも利用して映像は辛くも繋がって行く。晴美は芝居に入り込んで暴走するが、それも結果オーライでカットは入らない。
途中で裏方の人手が足りなくなった時、真央がADとして参加を始める。

 

番組も最終段階に入って、引きのクレーンの場面が近づくが、トラブルで使えない。描かれた五芒星を映し出して、それで皆がゾンビ化した事を説明する大事なオチ。だがプロデューサーの古沢は、番組のまとめを優先し不要だと反論。最後の判断で引きを諦めようとする隆之に、真央が「今動けるのは何人居る?」

残ったスタッフ、俳優全員で人間ピラミッドを作る。その一番上で隆之の肩車に真央が乗り、引きの場面を何とか撮って番組終了。

 

隆之の台本に貼ってあった、真央が幼い時に隆之が肩車をしている写真。真央はそれを見て思いついた。

 

 

 

新聞小説 「ひこばえ」 (13) 重松 清

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新聞小説 「ひこばえ」 (13)  3/15(278)~4/8(302)
作:重松 清  画:川上 和生

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第十二章 父親失格  1~25
週が明けた。後藤さんの息子、将也さんからの電話はなかった。
いつもはこういった案件を事務的にこなすのに、今回はちょっと違いますね、と本多君。大手町案件だからと言葉を濁す洋一郎は、今週いっぱいは待つと言い残して施設の巡回に出掛けた。

 

入居者の行う各サークル活動を見て回るうちに、真知子さんの事を思い出して気分が重くなる。彼女は、父と最後の交友があった小雪さんに入れ込んでいた。サイテーのダメ親父だった父を小雪さんがなぜ見

限らなかったかを見極めたい。
それに立会いたいから早く小雪さんに会ってくれという。

一方航太は、和泉台文庫から、父が読んでいた松尾あつゆきの「原爆句集」を借りて読み、涙を流していた。


感激屋の航太。父の遺品はまだあのアパートにあり、家賃を払っているうちは川端さんが管理してくれるだろうが、いつかは処分しなくてはならない。だが航太に渡すのも考えもの。

 

施設の図書館で、池波正太郎の「剣客商売」シリーズを手に取る。父が数冊持っていた。年老いた剣客秋山小兵衛とその息子大治郎を取り巻く連続モノ。この親子を自分に当て嵌めて憧れていたのか、と思うといたたまれない。
そんな時に後藤さんが声をかけて来た。
洋一郎が持っている本でいっとき時代モノの礼賛をする後藤さん。


ここがチャンスと、息子さんの事を聞くが、迷惑かけない様早く死ななくてはいけないんだけど、と呟く後藤さん。

どういうお父さんでしたか?と洋一郎に聞いた後、後藤さんは「私は父親失格でしたよ」
かつて証券マンだった後藤さん。経営破綻で廃業した有名な証券会社。当時後藤さんは四十九歳、一人息子の将也さんは東大の三年。
将也さんは仲間と一緒にインターネット関連のベンチャー企業を立ち上げ、成功の端緒をつかんでいた。

 

高卒だった後藤さんは、「趣味は息子」と言うほど入れ込みスパルタ教育で息子を厳しくしつけ、塾の送迎も自ら行った。

 

難関の中高一貫校に受かり、その後将也さんは努力を続け、ついに東大に合格した。だが中学に入った頃から、息子の目が冷たくなったという。見切りを付けられた。
会社がつぶれた時も、将也君は冷静だったという。

起業の道が軌道に乗り始めた息子と、失業した父。
外資系の保険会社に就職した後藤さんだが、一家の主人という矜持も消え、酒に溺れる生活。


会社でも酒を飲むようになって、結局六十前で退職に追い込まれた。
それから働くことがなかった後藤さん。将也さんの収入で生活に不便はない。だが妻には家族カードが将也さんから与えられていたが、後藤さんにはなかった。

 

そんなある日、スーパーでやった万引きで捕まった。初めてではなく、何度かやって味をしめていた。
その時も、以前盗んだのも乾電池。デコボコの感触が良かったという。
家の電話番号を聞かれた時、妻ではなく将也さんの携帯番号を言ってしまった。


「身元引受人」の言葉に、浮かんだ名前が将也さん。
「夫婦って、他人でしょう?」の言葉に閉口する洋一郎。
だが来たのは社長室長。今まで将也さん本人の番号だと思い込んでいた後藤さん。万引きの件は顧問弁護士が解決。

それ以後は愛想をつかされて家庭内別居の様な状態となり、食事は別に作られて顔を合わせる事もなくなった。
妻は前以上に庭の花の手入れに精を出し、また外に出る用事を作った。そんな生活が続いた後、妻が心不全で他界した。
それから始まったゴミ屋敷の惨状。
「あの乾電池の重みは何だったんでしょうね」と自分の手を見つめる後藤さん。

 

感想
主に、後藤さんと息子の将也さんとの関係が語られる。
破綻した証券会社は「山一証券」の事だろう。社長そのものが聞かされたのが3ケ月前だったというのだから、社員が知る由もない。
しかし、父親がちょっとがんばったぐらいで、そんなに子供の成績が上がるもんか(笑)   まあその辺はおいといて・・・・

 

後藤さんが、なぜ社長室長預かりになっているかの理由は判った。
しかし夫婦はしょせんは赤の他人なんて、日常の生活をほとんど依存していた相手に対する思いがそれだとしたら、本当に救いがない。
ゴミ屋敷にしたあげくホームに押し込められても、あまり同情心は湧かないな・・・・

 

 

 

君の名は。(アニメ)  2016年

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監督・脚本・原作  新海誠
音楽            RADWIMPS

 

キャスト
立花 瀧 (たちばな たき)                 - 神木隆之介
宮水 三葉(みやみず みつは)           - 上白石萌音
宮水 四葉(みやみず よつは)妹        - 谷花音
宮水 一葉(みやみず ひとは)祖母     - 市原悦子
宮水 俊樹(みやみず としき)父          - てらそままさき
宮水 二葉(みやみず ふたば)母        - 大原さやか
勅使河原 克彦(てしがわら かつひこ) - 成田凌(てっしー)
名取 早耶香(なとり さやか)              - 悠木碧(さやちん)
ユキちゃん先生                               - 花澤香菜
奥寺 ミキ(おくでら ミキ)                    - 長澤まさみ
藤井 司(ふじい つかさ)                    - 島﨑信長
高木 真太(たかぎ しんた)                 - 石川界人
瀧の父                          - 井上和彦

 

 

予告編

 

 

感想
2016年に大ヒットした映画。ちょっと気になったが、男女の入れ替わりモノでは食指が動かず公開時はパス。
それで昨年の正月にTV公開されたのを録画して放置し、ようやくの視聴。

体が入れ替わる経験をした事で、飛騨の山奥の村が人々と共に消滅した事を知った高校生の瀧が、村(と三葉)を救うために奔走する。

 

体の入れ替わりは、三葉と瀧で状況を少し変えて表現。そして最初は良く出来た夢だとの認識を経て、次第に入れ替わりを理解し始める過程が楽しかった。まあ、それが肝なのだろうが、同じ入れ替わりでも男性と女性とでは受け取り方が微妙に異なる。

ただ、後の彗星衝突への事件に繋がる伏線張りのため、宮水神社や組紐、口噛み酒などの情報を一度に詰め込んだ感があり、それが一回観ただけではイマイチ理解しきれない。

 

それから、瀧と三葉との間に三年間のズレがある事も、やや混乱を招く原因になっている。まあこれも二回目を経験すれば「ああ、そういう事ね」となる程度であり、絶妙と言えば言えるが。

 

しかし彗星って基本氷と塵の固まりだから、地表に落ちる前に消滅するんじゃ?(地上まで到達するのは隕石)。まあいいか・・・

 

三葉の側の、宮水神社に関わる歴史。
糸守湖と、祠のあるカルデラによって、この地域が隕石落下の特異点であるという設定に対して、瀧の側があまりにも何もないのが、ちょっと寂しい。瀧が選ばれた必然というものが、それほど感じられない。
それとも、そもそも三葉の家が女系であり、男は単にトリガーという位置付けかも。あの父親も三葉らが生まれた時点で用済みになったという事か(笑)

 

危機を救ってからの後日談はいろんな表現の方法があると思うが、瀧にとってちょっと切ない。
実際の三葉は瀧より三歳年長で、てっしーとの結婚を控えている。
そしてラストで電車のスレ違いを経ての再会。
やっぱり、三葉の側も誰かを探している感覚を残し、特定の人がいないという設定の方が良かったのでは??
てっしーと一緒になるのかよ・・・・・

 

祖母の一葉役は今年亡くなった市原悦子。飄々としたその話しぶりが、本人をふと思い出させる。自分が入れ替わりを経験していると言いながら、瀧が入った三葉の話を「そんなバカな」と一蹴するボケかたには笑った。

 

それからRADWIMPSの音楽。この映画のために書き下ろされただけあって、映像とのマッチングがいい。心が体に追い付く・・・とかホントに映像を見ながらドキっとした。
歌番組で連呼される「ゼンゼンゼンセ・・」の言葉は、映画ではほとんど聞かれず、それが却って好感が持てた。

 

ドラマの全セリフを文字起こししたサイトがある
「君の名は。」台詞起こし    

 

興味が湧いて「新海誠」の作品を少しづつ観始めている。
平気で数年レベルの時の流れを扱っている。ごく短期間で様々なモノ、習俗が消費されて行く中で、時の流れに思いを馳せるという感覚が、皆が漠然と考える恐れにマッチングしているのか。

 

 

 

あらすじ
ある日、高校生の男女の心が入れ替わる。
男性は東京に暮らす立花瀧。女性は飛騨に住む宮水三葉。

 

三葉の家は宮水神社を受け継いでおり、妹の四葉、祖母の一葉と暮らしている。母親は病死。
家は神社経営と組紐作りで生活。父親は家を出て町長をしている。

近く町長選が行われるので、その再選準備に忙しい父。
友人の勅使河原克彦(てっしー)と名取早耶香(さやちん)。昨日の様子が変だったと聞く三葉。
ニュースで1200年に一度の彗星来訪を伝える。

 

一方瀧の方は父親と二人暮らし。学校の友人は藤井司と高木真太。
フレンチレストランでバイトをしている瀧。そこの先輩の奥寺ミキ。

三葉の、家での生活。組紐作りは千年の伝統。姉妹は巫女としての務めもある。奉納するための口噛み酒作り。
米を口に含んで噛み、戻して発酵させる。同級生の冷たい目。


克彦の父が経営する建設会社は現町長の宮水俊樹を支持。宴会をする父親を見て息子は「腐敗の匂いがする・・・」

 

お互いの心が時々入れ替わっている事に気付き、狼狽する二人。

三葉の瀧は乳を揉み、瀧の三葉はトイレで赤面。

厳しい初日をしのぎ、次第に状況を理解する。


それぞれの体の時の行動を記録として残す三葉と瀧。
瀧は女子力が高くなって奥寺先輩と良好になり、三葉は逞しくなって女子からラブレターをもらう。

 

ある日入れ替わった時、祖母の一葉と妹の四葉に連れられてご神体に向かう三葉。巨大なカルデラの中央に佇む小さな木立。


そこの祠から中に入り、持って来た口噛み酒を奉納する。

左が三葉、右が四葉。それはあんたらの半分や、と一葉が言う。
祠から出て、近づきつつある彗星を見上げる四葉。

つられて見る三葉に「あんた、今夢を見とるな」と一葉。

 

三葉がセットした奥寺先輩とのデート。

女子力高い瀧とは違う様子に戸惑うミキ。
たまたま立ち寄った美術展で、高山の写真に魅入られる瀧。

 

飛騨の三葉。てっしーに誘われて祭りに出掛ける。空に輝く彗星。
三葉に電話を掛ける瀧だが繋がらない。散々だったデート。「デートが終わる頃には彗星が見えるね」という三葉のメッセージ。
意味不明・・・・次に入れ替わった時に話そうと思った瀧だが、それはもう、起きる事はなかった。

 

 

ひたすらに記憶の中の風景をスケッチ画にして行く瀧。そしてそれらの絵を持って、三葉に会いに出掛ける。
瀧の行動を察知して、司とチエが附いて来た。記憶にある風景だけを頼りに出て来た事を知り、驚く。
結局手掛かりはなく、ラーメン屋に入るが、そこで瀧の絵に反応した店の女将。それは糸守湖の風景。

 

糸守と聞いて、三年前の事故を思い出す司とチエ。
その糸守湖に向かった三人。糸守湖に隣接した場所に巨大なカルデラが。


その時、三葉の残したスマホのメッセージが次々に消えて行き、全て消滅した。

改めてその事件を調べる瀧。三年前、1200年に一度来るというティアマト彗星の核が破裂して分離。片割れがこの村に落ちて、祭に集まった数百人が死んだ。
その犠牲者の中にてっしー、さやちん、そして三葉の名もあった。

瀧が左腕に巻いている紐の事を聞くミキ。中学生の時に人からもらって何となく身に付けていた。不意に祠の風景を思い出す瀧。

 

ミキに置手紙をして、あのご神体の場所に行く瀧。そして祭ってあった口噛み酒の、三葉の方を手にしてそれを飲んだ。

あの時の三葉とは三年間の隔たりがある。これを飲むことで・・・・


瀧の意識に、宮水家の過去が流れ込む。妹四葉の誕生。母二葉の病死。父と一葉の確執。
そして三葉が瀧を探しに東京へ行った事。
瀧は全てを理解する。

三葉!そこに居ちゃいけない、町から逃げるんだ!


目覚めた瀧は、三葉の体になっていた。ニュースでティアマト彗星最接近の報道。今日は落ちる当日。まだ間に合う!
一葉は、三葉の中に別人が居る事を知っていた。彼女も少女の頃同様の体験をした。
宮水神社を継ぐ者は、そうやって危機を回避して来た・・・

てっしーとさやちんに状況を説明する三葉(の姿の瀧)。驚きながらも協力する二人。
村の防災無線を乗っ取り、高校の放送室からコントロールして放送。
てっしーが親の会社から爆弾を失敬して、誘導に利用するという。
町長である父親の俊樹に会いに行った瀧。だが全く信用しない。
思わず父の胸倉をつかむ瀧。「お前は、誰だ?」
説得に失敗した事を知り、不安を感じるてっしーとさやちん。

 

山の方に気配を感じ、てっしーの自転車を借りて走り出す瀧。

祠の中で目覚めた瀧。だが意識は三葉。
外に出てみると糸守湖の向こうにある筈の町がなく、湖になっている。
東京へ、瀧に会いに行った事を思い出す三葉。
奥寺先輩とのデートをセットした結末を知らないまま途切れた体の交換。それを確かめたかった。
電話は通じず、諦めかけていた時、瀧を見つける。
だがその時中学生だった瀧は、三葉の姿を見ても判らない。

ホームで混雑する中、髪を結んでいた組紐を解いて瀧に投げ渡す。「名前は、三葉!」

 

山を登りながら三年前の事を思い出す瀧。お前はあの時、俺に会いに来たんだ。お互いに声を出しながら近づく二人。だが三年の時空の隔てがあって逢えない。
その時、太陽が沈み「かたわれ時」となり、二人がお互いを見つける。体も元に戻った。


いっとき、互いのエピソードで盛り上がる。三年間持ち続けていた組紐を返す瀧。
空を見上げると彗星が。「まだ間に合う」


かたわれ時がもう終わる。

忘れないようにお互いの名前を書こうとした時、それが終わった。


自分の体で目覚めた瀧。あいつを助けるために来た。だが誰を?・・・・
一方三葉も、瀧くん、瀧くん・・・・と言い続けていた。
そして、てっしーがバイクで迎えに来る。
変電所の鍵を壊すてっしー。「これで仲良く犯罪者や」

変電所が爆破されて停電となり、非常電源が入ってからさやちんの避難放送。避難先は糸守高校。
だがその頃、三葉は大事な人の名前を思い出せずに途方に暮れていた。
一時はうまく行きかけていた避難行動も、てっしーが父親に見つかり、さやちんも発信元を突き止められて放送は中断。
泣いている場合じゃない! 再び三葉は父親のところへ走り込んだ。
またか、と言う父親。だがその目は本物の三葉。

 

割れた彗星の片割れが神社を直撃。

大爆発が起こり、大きな窪みとなる。

 

それから五年後。就職活動をしている瀧。
「彗星被害から8年」という報道。大災害だったが住民は奇跡的に無事だった。偶然避難訓練中だったという。
あの頃ずいぶん熱心にその記事を読んでいた瀧。
ずっと何かを、誰かを探しているような気がする。

 

季節は冬。まだ就活を続けている瀧。
喫茶店で話し合う男女。結婚前のやりとり。相手をてっしーと呼ぶ女性。その話しぶりに、店を出た彼女の後姿を見つめる瀧。
区立図書館で「消えた糸守町・全記録」を見る瀧。今は消滅したその町に惹き付けられる。

 

就職した瀧。そして朝の目覚めで右手を見る癖。
鏡の前で髪紐を結う三葉。
車窓を眺めている二人。すれ違う電車で、一瞬お互いの目が合った「はっ!」

互いに電車を降りて、手前の駅に向かって走り出す。
そしてとうとう、見上げた階段の先に---彼女がいた。
声が重なる。
「「君の名は?」」

 

 

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