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Channel: 私の備忘録(映画・TV・小説等のレビュー)
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「そして、誰もいなくなった」TVドラマ 2016年 3、4話  毎週日曜放送 日テレ系

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番組サイト
http://www.ntv.co.jp/soshitedaremo/intro/index.html


第3話「お前が犯人だったのか?」  視聴率 7.2%


5日前。
監禁されている新一に会いに来た西条。新一の無実の証明は断ったが、ここから出す事は出来ると言って立ち去る。


早苗の家に押し入った五木。早苗に拒否されると、新一の現在の状況を暴露して部屋から出て行った。
総務省の寺前。新一が公安に捕まった事で小山内に詰問。小山内は逆にチャンスだと言った。

公安の鬼塚が万紀子の住むホームを訪れる。新一の生まれた病院を聞くが、万紀子は後妻だから判らないと答える。続いて鬼塚が新一と、偽・新一の写真を見せ、どちらが息子さんかと尋ねた。新一を指さす万紀子。


監禁されている新一。スプリンクラー作動のドタバタに紛れて脱出。公衆電話から西条に連絡するが会えないと言われ、新一が黒髪のスラリとした美人につけられていたと指摘。
思い当たるのははるか。新一は新潟の斉藤に電話してはるかの事を聞く。はるかは就職先を2ケ月で辞めており、それは新一のせいだとなじる斉藤。


早苗は帰って来ない新一の手掛かりを得ようとバー「KING」に行く。新一は昨日も来たと話す日下。顔を見たら電話が欲しいと日下に頼む早苗。そこへはるかが顔を出す。契約が取れて祝杯を上げるための店を探していたと言う。流れで電話番号を交換する早苗とはるか。


酒に酔ってホテルに戻るはるか。待っていた新一が詰問する。部屋で話そうと言うはるか。
弁護士から聞いた女の話、2億の横領の話をはるかにぶつける新一。
俺をハメて何の得がある、と迫る新一に、結婚してくれたら全部教えるとうそぶくはるか。そして早苗と五木がアパートの前でキスをしているスマホ画像を見せた。
はるかが早苗の妊娠まで知っていた事で、更に新一が責めると、はるかは新一を押し倒し、ベルトを外そうとした。驚いてとびのく新一。
頭を冷やすと言って隣の部屋に行くフリをして、ベランダから飛び降りてしまうはるか。階下のゴミ収集台の上に落ちた。意識のないはるか。

救急車を呼んではるかを病院に運び込む新一。


連絡を受けて駆け付ける小山内。小山内が話す卒業以降のはるか。はるかは研究室に残りたかったが、急に研究室に残ると言った新一に、争いを避けてそれを譲った(定員は一人)。だが新一は更に心変わりして東京の企業に就職。はるかは地元で就職したが、そこがブラック企業だった。
なおも真相を掴むため、はるかに何かを聞きたがる新一を殴りつけ、追い返す小山内。


新一に逃げられた公安。鬼塚がスプリンクラー作動の原因を聞くと、直前にピザの配達に来た女が怪しいとの事(長い黒髪)。
病院から出て呆然と歩き回る新一。その後をつける黒髪の女。

その時、例のスマホが鳴る。「ガキの使い」が首都TVを見ろと指示。近くの定食屋に入り、TVを見ると、そこには記者会見をしている偽・藤堂新一。警察による不当取り調べを告訴すると言って「藤堂新一」を連呼。

はるかの手術は終わるが、医師は小山内に首を横に振った。


感想
テクニカルな進展はほとんどなく、散漫な回という印象。
万紀子との関係が深そうだったはるか。早苗のキスシーンまで撮って新一を攪乱しようとするような腹黒い女が、なんであっさり飛び降り自殺してしまうのか。
この辺はどうもシナリオの甘さを感じてしまう。って、視聴率アップのサポートが目的なのに、これじゃ逆効果(いかんいかん・・・・)



第4話「衝撃の転落!俺は人殺し」 聴率 6.4%


雨の中を彷徨う新一。そこへバー「KING」のバーテン日下が声を掛ける。日下の家へ居候になって3日を過ごす新一。

新潟でのはるかの葬儀。小山内と斉藤との会話。新一に憎しみを燃やす斉藤。
葬儀に参列した万紀子。小山内に「話がある」と言って葬儀場の外に出る万紀子。そろそろ本当の事を話しましょう、と切り出す。新一の成りすまし被害に小山内が関わっていると確信していた。言葉を濁して立ち去る小山内。


偽・藤堂新一と西条はワイドショー出演で相変わらず名前を連呼していた。出演を終えて帰る二人の前に待ち伏せしていた新一が飛び出す。
西条は新一を車に乗せ、偽・藤堂と二人だけで話をさせる。どうせ金のためにやっているんだろう。相手の倍出す、と交渉を持ちかけた新一。
偽・藤堂は400万出すなら、とある居酒屋の住所メモを新一に渡した。


産科の定期健診を受けに行った早苗。その帰りに女性とぶつかる。前回で新一をつけていた女。謝罪し、靴を弁償すると言う早苗に、家まで送って欲しいと言う。


メモの居酒屋に入る新一。そこで待っていたかの様に、男に声を掛けられる。バー「KING」に来ている常連客だった。また、男は自分が「ガキの使い」だと言った。真相を知りたがる新一に、酒を飲まないと話さない、と言って無理に飲ませる男。
2軒目のクラブ風の店に入る二人。新一は酔ってイイ気分。男の事を店の者が「馬場さん」と呼んでいた。
新一をVIPルームに連れて行くと、馬場はそこで姿を消した。
そこには、多くのホステスをはべらせた会社後輩の五木が居た。新一に呼ばれてさんざん待たされたという五木に「お前だったのか!」と食ってかかる新一。五木は会社とは全く別の顔を見せていた。
新一ははるかに見せられた早苗とのキス画像を思い出し、五木を問い詰める。昔の女に何しても勝手でしょうと笑う五木。


一方、西条は小山内と接触して、小山内が以前偽・藤堂の顔写真を非合法ルートで新一に渡した事をネタにして親しくなろうとしていた。


早苗の家のドアを開けようとした新一は、近くに斉藤が居る事に気付く。そこで初めてはるかの死を知る新一。斉藤はナイフを出して新一を刺そうとした。逃げる新一。階段のところで揉み合ううちに二人は階段から転げ落ちた。胸が血だらけになった新一。だがケガはない。見ると斉藤の胸にナイフが刺さっており、斉藤は絶命していた。そこへちょうど帰宅しようとしていた早苗が。慌ててその場から逃げる新一。


行くところがなく、結局日下のアパートに戻った。日下が帰宅して、脱ぎ捨てられた血の付いたシャツを見つける。
親友を殺してしまったと泣き崩れる新一を抱きしめ「信じる」と言う日下。
日下の告白。彼自身もパーソナル・ナンバーを持っていなかった。


感想
何もしないまま日下の家で3日間なんて、ホンマ雑やなぁ・・・・

なんか、思わせぶりな演出ばかりで、話が進んでいるという印象がない。

斉藤にしたって、日下が送ったコップを調べる仕事をしていたんだろ。その話はスルーされ、その上はるかが死んだ事で逆上して、返り討ちに会って死んでしまう。
五木にしても、思わせぶりの域を出ない。これらが終盤にかけてパズルが組み合うように構築されて行くのかどうか。


そこそこ優れた脚本家だと思っているから、もう少しつきあってみようか。
視聴率が順調(?)に落ちている・・・・ザンネン。



新聞小説「春に散る」(14)沢木 耕太郎

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作:沢木 耕太郎 挿絵:中田春彌   7/6(450)~7/27(470)


階段1~21
11月の末に令子からの電話。翔吾と大塚の試合をやらせてみるとの事。スーパーライト級の世界タイトルマッチのセミ・ファイナルとして設定する事で話題性もあり、興業的には申し分ない。そしてその試合の勝者が世界タイトルマッチに挑戦するというレールが敷かれた。
その夜、広岡は令子からの話を皆に伝えた。大塚戦まではあと2ケ月。


星は荷役の仕事をする翔吾の体幹が鍛えられた頃合いを見つつ、12月に入ってからようやく「ボディー・フック」の練習を付ける事を宣言した。
「キッドのキドニー」と言われた星の独特なパンチ。相手のパンチをよける時に体を沈め、一歩踏み込んで脇腹に強烈なフックを叩き込む。
三つのステップを流れる様な動きで行わなくてはならない。星は基本を教えるが、当然実用には程遠い。
星は翔吾にサーフィンをさせると言って海に連れて行った。


土、日で海に出掛けた二人は、程良く日焼けして帰って来た。
翌日のトレーニングで翔吾は難しい体を沈める動作を体得していた。星の言うには、あのパンチが打てたのは、自分がサーフィンをしていたから。腰から下の使い方が重要。翔吾は嘘みたいに、すぐ波に乗れるようになったという。階段をまた一段昇った翔吾。


ある日、猫のチャンプが居ない、と翔吾が心配して広岡に告げた。二人でしばらく周囲を探したが見つからない。
その折り、翔吾が広岡に、素晴らしいトレーナーと出会ったのに、なぜボクシングを辞めたのかと尋ねた。
トレーナーのペドロは、広岡の才能を認めつつも、チャンピオン中のチャンピオンにはなれない、と言ってトレーナーを続ける事を断った。
新たなトレーナーについて勝利し、次の試合でペドロが次に育てている白人ボクサーと対戦した。全く歯が立たず、6ラウンドでレフェリーストップ。自分が遠く及ばない人物が居る同じ世界には留まれないと考えた広岡。


年の瀬が迫り、広岡は翔吾に正月は家に帰れと指示。不満そうな翔吾。佳菜子も帰らないという話の中で、彼女が自分の全てを翔吾に話している事を悟る。翔吾は、二日の夕方には戻って来た。
スパーリングの相手が問題だった。大塚とはさすがに出来ない。令子から紹介された選手は、1年ほど前に広岡がフロリダのバーで試合を見た時、逆転で相手を倒した中西利男だった。所属ジムは城南玉川。
中西はその後世界タイトルに挑むも破れ、失意のうちに帰国したのだという。


翔吾と共に城南玉川ジムに入った広岡たち。スパーリングが開始されると中西は荒っぽいパンチを繰り出し、最初から激しい打ち合いになった。

予定の4ラウンドが終わって「ボクシングが少し変わった」と声をかける広岡。アメリカではフットワークを使って打たれない様にしているとブーイングを浴びる。だから倒されるのを覚悟して倒しに行かなくてはならない、と返す中西。

接近戦を主体に、中西とのスパーリングは4日ほど行われた。


大塚との試合の前日。公開計量から戻った翔吾。軽くサンドバックを叩くために庭へ出ると、チャンプが帰って来たと叫んだ。
休みで家に居た佳菜子が呼びかけると、チャンプは佳菜子の膝に乗った。目の周囲にケガをしている。手当てをする佳菜子。
佳菜子が、顔には十分気をつける様にと翔吾に頼んだ。チャンプが身代わりになってくれたのかも、とも。それを不安なものとして聞く広岡。


満員の後楽園ホール。観客の目当は翔吾と大塚のセミ・ファイナルだった。以前より更にシャープな印象の大塚。信じられない様なスピードのジャブを繰り出す大塚。2ラウンド、3ラウンドとも、その優れたジャブでポイントを稼ぐ大塚。死んだ真田会長が理想としていたアウト・ボクシング。

4ラウンドの中盤、大塚のジャブでロープ際まで後退した翔吾。だが大塚は決して接近戦には持ち込まない。
7ラウンドの終盤で、インサイド・アッパーを狙った翔吾は、逆にカウンターを食らってダウン。立ち上がって危うくKOは回避。
8ラウンドでも大塚は安易に飛び込まず、ポイントを重ねる戦法。


ゴングが鳴ってコーナーに戻った翔吾が不意に広岡を見た。山越戦の時と同じ目。あの時はインサイド・アッパーを打つための許可だったが、それを経験している大塚には通用しない。翔吾の意図が判らなかったが、今の絶望的な状況で、何かをやろうとしている。広岡は大きく頷いた。
9ラウンドの開始。ガードの腕が少しづつ下がって来た翔吾。そこを大塚に狙われてパンチを食らう。更にガードが下がって顔面がガラ開きになり、連打を浴びる。観客は熱狂し、ラッシュする大塚はついにとどめの一発を打ち込もうとしていた。
その時、翔吾はスッと体を沈め、伸び切った大塚の脇腹にひねりの利いた左のフックを打ち込んだ。
一瞬動きを止めた大塚は、膝から崩れ落ちた。起き上がろうともがく大塚。だが上半身を起こすのがやっと。


敗北寸前だった翔吾が大逆転で勝利した。また階段を一つ昇った翔吾。


感想
大塚との対戦の章。アメリカで見たボクサー、中西をスパーリングの相手として再び出すのはけっこうニクい演出。
実力では大塚に敵わない。判定では必ず負ける翔吾が勝つためには、ノックアウトしかない。
ガードが下がって来てメッタ打ちにされるとなったら、そらー「クロス・カウンター」に決まっとるじゃろう。でもこれ「あしたのジョー」じゃないんよね。


星に伝授された「キッドのキドニー」。だが自分に対するダメージもハンパない。これが今後も通用するものかどうか・・・・・







「ガンダム」のための「宇宙世紀」整理

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「機動戦士ガンダム」を再把握するにあたって、その年代を整理してみた。
なおここで取り扱うのはTV放送又は映画放映が行われたものを主体としている。
( )内の年代はTV又は映画の初回放送時期


U.C:宇宙世紀(ユニバーサル・センチュリー)

U.C 0001  ラプラス事件。機動戦士ガンダムUCに繋がる。

U.C 0001~U.C 0079
      機動戦士ガンダム THE ORIGIN (2015年から四部作として順次発表)
      I   青い瞳のキャスバル(2015年/2月)
       II   哀しみのアルテイシア(2015年/10月) 
            III   暁の蜂起(2016年/5月)
            IV  運命の前夜(2016年/秋)

U.C 0079  機動戦士ガンダム (1979年 - 1980年)一年戦争が描かれる
              http://www.gundam.jp/story/

U.C 0080  一年戦争の終結。地球連邦とジオン公国(後に共和国)が終戦協定を結ぶ。

U.C 0083  地球連邦がティターンズ結成(スペースノイドの反政府運動対策)

U.C 0085  30バンチ事件。ティターンズが30バンチコロニーに毒ガス注入し虐殺した。

U.C 0086  エゥーゴ結成(ティターンズに対抗するための組織)。

U.C 0087  機動戦士Ζガンダム (1985年 - 1986年)
              http://www.z-gundam.net/story/index.html

U.C 0088  機動戦士ガンダムZZ (1986年 - 1987年)
              http://www.gundam-zz.net/story/index.html

U.C 0093  逆襲のシャア (1988年)映画
              http://animejapan.cplaza.ne.jp/b-ch/gchar_sp/
              http://d.hatena.ne.jp/type-r/20050809

U.C 0096  機動戦士ガンダムUC (2016年)OVA版は2010~2014年に順次発表
              http://www.gundam-unicorn.net/tv/story/

U.C 0149  機動戦士Vガンダム (1993年 - 1994年)
        http://www.v-gundam.net/story/


以下、宇宙世紀とはリンクしない年代

コズミック・イラ
C.E 70    機動戦士ガンダムSEED (2002年 - 2003年)
       http://k-rakuraku.com/see1/seed-stt1.html

C.E 73    機動戦士ガンダムSEED DESTINY (2004年 - 2005年)
       http://k-rakuraku.com/SEED/STORY/seed-1.html#DP1

アフター・コロニー
A.C 165   新機動戦記ガンダムW (1995年 - 1996年)
        http://www.gundam-w.jp/tv/story/

アフターウォー
A.W 15    機動新世紀ガンダムX (1996年)
        http://www.gundam-x.net/library/story/01.html

年代不詳(宇宙世紀のはるか後年) ∀ガンダム (1999年 - 2000年)
        http://www.turn-a-gundam.net/story/index.html


コメント
番組スタート時は1979年の放送開始だったから、宇宙世紀も0079年として年代をスタートさせたという単純な発想。それが結局「ガンダム」シリーズとしてドラマが延々と続く形になった。
個人的にはファーストガンダム以降のものには意図的に近寄らなかったが、こうして年代を並べてみると、やはりその歴史をキチンとトレースしたい、という思いが強くなっている。

原作者「富野由悠季」の経歴を読むと面白い。TV版「鉄腕アトム」に関わって以降、ロボットアニメにこだわり続けたエネルギーには敬服する(1941年生れ(74歳)です!)。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AF%8C%E9%87%8E%E7%94%B1%E6%82%A0%E5%AD%A3

 

 

ヘバーデン結節

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数年前から右手小指の第一関節が曲がっており、脱臼した記憶もないのにと思いながらも、放置していた。
ただ、1年前ぐらいからその曲がった部分が膨らんで来て、このまま放っておいていいものか心配になり・・・・

 

ネットで「手の外科」と「居住地域」を打ち込んで、対象の病院を見つけて受診。
まず医師による指の状態確認。伸ばしたり、曲げたり、押さえたり。
とりあえずレントゲンを撮りましょうという事で、別室で正面と側面を各1枚。
その結果が出て、また診察室へ。
説明によれば、関節の隙間が狭くなり、動きも悪い。また骨自身も変形しているとの事。
そしておもむろに1枚もののパンフレットを見せられた。
「ヘバーデン結節」
原因は不明だが、加齢と共に多発する変形性関節症の一つらしい。
リウマチとは違うとのこと。

今のところ治療法はなく、様子を見るだけ。見栄えを良くするための手術が出来ないわけではないが、それなりにリスクもある。
「まだ1本だし、ヤシマさん男だし、まあいいんじゃない?」「はあ・・・・(何がいいんじゃ)」
そんなわけで、とりあえずは様子を見るという事で一件落着。

 

第一関節に出来るのが「ヘバーデン結節」、第二関節に出来るのが「ブシャール結節」らしい(いずれも報告者の名前由来)。
発症するのは圧倒的に女性が多いらしい。

関連サイト

https://www.joa.or.jp/jp/public/sick/condition/heberden_nodes.html
http://ne-stra.jp/1184.html

そういえば、以前観ていたTVドラマ「アンダーウェア」でブラジャーの製造メーカ社長(大地真央)が罹った病気がこれだったのを思い出した。ただこの時は確か「デバーテン結節」って言ってたはずだけど(そら耳?)。

 

ドラマ「アンダーウェア」
http://ameblo.jp/yashima1505/entry-12149510814.html

 

 

 

機動戦士ガンダム  その2

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初回放送期間 1979年4月7日 - 1980年1月26日 名古屋テレビ

 

総監督 富野由悠季

 

キャスト
地球連邦軍
アムロ・レイ 古谷徹
カイ・シデン 古川登志夫
ハヤト・コバヤシ 鈴木清信
リュウ・ホセイ 飯塚昭三
セイラ・マス 井上瑤
ブライト・ノア 鈴置洋孝
ミライ・ヤシマ 白石冬美
フラウ・ボゥ 鵜飼るみ子
カツ・ハウィン     白石冬美
レツ・コ・ファン   鵜飼るみ子
キッカ・キタモト   井上瑤
スレッガー・ロウ 玄田哲章
テム・レイ 清川元夢
マチルダ・アジャン 戸田恵子

 

ジオン公国軍
シャア・アズナブル 池田秀一
シャリア・ブル 木原正二郎
マ・クベ 塩沢兼人
ランバ・ラル 広瀬正志
クラウレ・ハモン 中谷ゆみ
デギン・ソド・ザビ   永井一郎
ドズル・ザビ 長堀芳夫
ミネバ・ラオ・ザビ
ガルマ・ザビ 森功至
ララァ・スン 潘恵子
キシリア・ザビ 小山まみ
ギレン・ザビ 田中崇

 

民間人
イセリナ・エッシェンバッハ 潘恵子
ミハル・ラトキエ 間嶋里美


オープニングナレーション
人類が増えすぎた人口を宇宙に移民させるようになって、既に半世紀が過ぎていた。地球の周りの巨大な人工都市は人類の第二の故郷となり、人々はそこで子を産み、育て、そして死んでいった。
 宇宙世紀0079、地球から最も遠い宇宙都市サイド3はジオン公国を名乗り、地球連邦政府に独立戦争を挑んできた。この一ヶ月あまりの戦いでジオン公国と連邦軍は総人口の半分を死に至らしめた。
 人々はみずからの行為に恐怖した。戦争は膠着状態に入り、八ヶ月あまりが過ぎた


第1話 ガンダム大地に立つ!!
連邦側のコロニー「サイド7」に侵入するジオンのモビルスーツ3機。指示したのはシャア。連邦では表向き中立のサイド7内で新型モビルスーツのテストをしていた。情報を掴んだザクが興奮して砲撃を開始。コロニー内は戦場となる。

アムロ・レイはメカ好きの少年。幼なじみのフラウ・ボゥ。アムロは戦火に巻き込まれるが、父の開発したガンダムの操作マニュアルを偶然拾い、破壊されそうになったガンダムに乗り込み起動。メチャクチャながらもザクを撃退。ガンダムの操作が出来るという事で、ホワイトベースのブライトに作業を指示される。
 
第2話 ガンダム破壊命令
避難民を受け入れるホワイトベース。負傷したパオロ艦長。シャアは更に情報を求めてサイド7に潜入し。その時セイラ・マスに遭遇。彼女に

妹の面影を見て驚くシャア。シャアを追ってコロニー外に出るガンダム。「赤い彗星」のシャアザクと戦うが逃げられる。ビームライフルの威力に驚くシャア。艦に戻ったアムロに戦い方を責めるブライト。反発するアムロ。

 

第3話 敵の補給艦を叩け!
連邦軍の小惑星基地「ルナツー」に向かうホワイトベース。パプア補給艦からの増援物資を受け取ろうとするシャアに攻撃を掛ける作戦を、アムロ他に指示するブライト。反発するも、その奇襲をやり遂げるアムロ。
 
第4話 ルナツー脱出作戦
ルナツーに到着したホワイトベース。だがブライトらはワッケイン司令から厳罰処置を受け、牢に入れられる(軍事機密に触れた罪)。シャアによるルナツー攻撃に、大混乱となる連邦軍。牢のロックが解除され、アムロはガンダムで出撃し、ホワイトベースもルナツーを脱出。
出撃に助言を与えたパオロ艦長は息を引き取り、ブライトが新たな艦長となった。

 

第5話 大気圏突入
ホワイトベースは連邦軍本部のあるジャブローに向かうため、大気圏突入を行おうとしていた。このタイミングで攻撃を仕掛けるシャア。出撃したガンダムは、戦闘が長引いて大気圏に突入し機体が過熱。ザクは燃え尽き始めている。マニュアルを漁って大気圏突入の方法を見つけ、耐熱フィルムによって無事大気圏突入を終えるアムロ。だがホワイトベースと共に降りた北米は、ジオンの制空権内だった。
 
第6話 ガルマ出撃す
ホワイトベースを攻撃するジオンのガウ攻撃空母と戦闘機ドップ。指揮官はガルマ・ザビ。ガンタンクで出撃したアムロだが、思うように戦えない。ガンダムに乗り換えるよう指示するブライトに反発しながらも応じる。地球の重力下での戦いに苦しむアムロ。ガンダムの捨て身の戦いに、他の者も奮起し敵を撃退。ガンダム奪取を決意するガルマを冷ややかに見るシャア。
 
第7話 コアファイター脱出せよ
敵の監視下に置かれて身動きが取れないホワイトベース。コア・ファイターを弾道軌道に乗せて脱出し、連邦本部と連絡を取る作戦を準備。その時期に避難民が地上に降りる要求を通すため、子供らを人質に取って暴動を起こす。
それには構わず出動するアムロ。だがあまりのGに失神。途中で目を覚ましたが作戦は中止。帰還途中でのガンダムへの空中換装と、自由落下での空中戦までこなすアムロ。ガンダムの多様な形態変化に驚くシャア。
 
第8話 戦場は荒野
避難民を降ろすという名目でガンダムを地上に下ろす作戦を思いつくブライト。ジオンへの一時休戦交渉が成立してガンペリーを降ろした。ガンダムが敵の裏側に回り、ホワイトベースとの間で挟み撃ちとする作戦は成功した。失態に頭を抱えるガルマ。
 
第9話 翔べ! ガンダム
度重なる出撃に疲弊したアムロは、命令を拒絶して自室に籠城。ドップ編隊を自ら指揮するガルマに苦戦するホワイトベース。ブライトはアムロを平手打ちするが、更に逆上させる結果にしかならない。フラウ・ボゥの言葉で自らを自覚したアムロ。ガンダムのジャンプ力とロケットノズルによる空中戦で敵を次々に撃退。なおも深追いしようとしたアムロを、補給に来たミデア輸送機が制止した。マチルダ中尉だった。
 
第10話 ガルマ 散る
ジオン占領下で行われるパーティー。ニューヤーク前市長エッシェンバッハの娘イセリナと恋愛中のガルマ。
市内に潜伏したホワイトベース。じゅうたん爆撃も成果が上がらない所へ、シャアが地上攻撃を提案。だがそれはシャアの陰謀。ガンダムが囮だと承知の上でガルマの乗るガウ攻撃空母を誘い込む。集中攻撃を受けるガウをホワイトベースにぶつけようとするが、その前に爆死するガルマ。その報告がガルマの父、デギンとイセリナに伝えられた。

 

第11話 イセリナ、恋のあと
ガルマの仇を討つため、ガウ攻撃空母に同道を申し出るイセリナ。ガンダムにガウをぶつけようとする。機能停止したガンダムから外に出たアムロに銃を向けるイセリナ。だが彼女はそこで息を引き取った。
 
第12話 ジオンの脅威
ギレン総帥により盛大に行われるガルマの葬儀。ホワイトベース討伐のため、地球へ降下する戦艦「ザンジバル」のランバ・ラル。新型モビルスーツ「グフ」に乗って出撃。リュウに無理やり出撃させられたアムロは、グフとの戦いで自分を取り戻す。
ガルマの国葬を放送で見たアムロ。戦う相手が国家であると改めて認識する。
 
第13話 再会、母よ…
湖岸に停泊したホワイトベース。故郷が近く、地球に住む母親に会いに行くアムロ。避難民キャンプで母を見つけるが、見回りのジオン兵に見つかり交戦。その姿を見た母は「すさんだねえ」と嘆く。
ガンダムでジオン基地を叩いた後、一緒に暮らそうという母を残し、ホワイトベースに戻るアムロ。
 
第14話 時間よ、とまれ
ジオン軍の若手部隊がホワイトベースの襲撃を計画。一方マチルダは、欧州の大作戦に向けて、当面は情報収集を兼ねて自由に動け、という連邦軍(レビル将軍)の意図をブライトに伝えた。
ゲリラ的活動でホワイトベースに爆弾を仕掛ける若手部隊。一人だけこの作戦に気付いたアムロは一人で爆弾を回収し、カートで安全な場所まで運び、爆発させた。遠くでその様子を見ていた部隊の者が、後に現地人を装ってアムロに会いに行く。うすうす気づくが、そのまま別れるアムロ。
 
第15話 ククルス・ドアンの島
ジオンからの脱走兵・ドアンが、自分ら殺した兵の子供たちを育てていた。ザクを使って自衛のための武器を集めている。
ドアンのザクを海に投げ捨てるアムロ。そうする事でドアンから戦いの匂いを消し去る事が出来る。

 

第16話 セイラ出撃
中央アジアを西進するホワイトベース。レビル将軍からオデッサ・デーが5日後との連絡(キシリア支配下のマ・クベ部隊を叩く)。塩の不足から塩水湖への迂回。だが塩水湖は移動して存在せず。その間にランバ・ラル隊の攻撃。セイラが無断でガンダムを起動。シミュレーションでの経験しかなく苦戦するセイラ。辛くも攻撃を凌いだホワイトベース。独房入りを命じられたセイラは、捕虜として捕われているコズンに接触。出撃の目的は、兄であるシャアの安否確認だった。コズンは、ガルマの件でシャアが失脚した事を伝える。
 
第17話 アムロ脱走
捕虜のコズンは脱走の途中、ラル隊に情報を送るが、戦闘で落命。アムロは慢心のため自己判断でガンタンクとして出撃するが、思うように戦

えない。結局ガンダムに換装して何とかその場を収める。アムロはパイロットとして不適格ではないか、とミライに相談するのを聞いてショッ

クを受け、ガンダムと共に艦を出て行くアムロ。

 

第18話 灼熱のアッザム・リーダー
キシリアは資源開発担当のマ・クベに会うため、月基地から地球へ。アムロはキシリア、マ・クベの居る鉱山基地を発見。オデッサ・デーの目標がここだと思い込んだアムロは単騎で攻撃。新兵器アッザムに苦戦するも撃退。キシリアは基地を自爆させた。
この様なものは百以上ある採掘基地の一つに過ぎず、ブライトは敵のガードを固めただけだと怒る。

 

第19話 ランバ・ラル特攻!
砂漠を放浪するうちにたどり着いたレストランで、ランバ・ラルが部下と妻のハモンを連れて入って来る。そこへアムロを探していたフラウ・ボゥが捕まって連行された。連邦軍の服を来た上でアムロに声を掛けたので、ラルはアムロのケープの中を覗く。構えられた銃を見て、その勇気に免じて2人を解放。だが戻るフラウの後をつけてホワイトベースの所在をつかむ。
アムロはラル隊の動きを知ってガンダムを起動。ラルとの戦いの中、ラルとアムロは裂けた装甲の間から互いの顔を確認する。
戻ったアムロは独房入り。

 

第20話 死闘! ホワイト・ベース
近づくオデッサ・デイ。アムロや他の隊員たちの不協和音に苦慮するブライト。ラル隊はホワイトベースに白兵戦を仕掛けて艦内に突入して来た。少年兵ばかりに驚くラル。そんな中セイラに遭遇したラルは、かつてジオン共和国時代に、自分の父が爺やとして仕えていたアルテイシアだと知り、動きを止めた。作戦は失敗し、ラルは爆弾と共に自決。リュウは瀕死の重傷を負う。
 
第21話 激闘は憎しみ深く
ラルの遺志を継いでハモンが使命を完遂しようと出撃。リュウは重症ながらもブライトとアムロの間に入って関係修復に努力する。ハモンの特攻作戦のため、独房から出されたアムロは、自爆しようとするカーゴを食い止めるが、マゼラ・アタックに乗ったハモンから機関砲を突き付けられた。そこにコア・ファイターが突っ込んでハモンの機は爆発。
後にそれに乗っていたのがリュウだと知り慟哭するアムロとクルーたち。

 

第22話 マ・クベ包囲網を破れ!
マ・クベの鉱山基地を撃破しつつヨーロッパに進むホワイトベース。過労のためブライトが倒れる。一方マ・クベは接近戦を制し、艦の重要設備を破壊する。代理で指揮を執るミライは経験不足から戦闘を混乱させる。ガンダムも健闘するが、大破したホワイトベースは飛行不能となり

不時着する。レビル将軍に救援要請を出すミライ。

 

第23話 マチルダ救出作戦
体調が回復しないブライトは正式に艦長代理をミライに依頼。レビル将軍はホワイトベースを高く評価しており、救援要請に対応するようマチルダに指示(ガンダムのパワーアップメカ含め)。

マ・クベがこの情報を知りミデア輸送機を待ち伏せ。優柔不断なミライに対し、コアファイ

ター+換装用パーツで出撃を指示するセイラ。Gファイターを乗せた輸送機が不時着し、マチルダは機体の発進を指示。足をやられたガンダムの許に到着したGファイターに乗り、グフを撃退するアムロ。無事補給を受けるホワイトベース。
 
第24話 迫撃! トリプル・ドム
艦内で人気者となるマチルダ中尉。写真を手に入れて舞い上がるアムロ。
月面基地グラナダのキシリアは、マ・クベに新モビルスーツ「ドム」と黒い三連星(パイロット)を送り込んだ。グフ3機による「ジェットストリームアタック」に苦しむアムロだが1機を葬る。しかしこの戦いでマチルダが戦死した。

 

第25話 オデッサの激戦
遂にオデッサ作戦は発動され、両軍とも最大限の物量を投入しての激戦。窮地に立ったマ・クベは南極条約で禁じられている水素爆弾の使用をほのめかして恫喝。構わず進軍するレビルに対し水爆ミサイルを発射するマ・クベ。ガンダムがビームサーベルでその弾頭を切り落とした。オデッサは連邦軍の勝利に終わり、レビル将軍と会見するクルーたち。
 
第26話 復活のシャア
連邦本部のジャブロー(南米アマゾン)に行く前に修理のため補給基地ベルファストに停泊するホワイトベース。女スパイのミハルがそれをシャアに伝えた。キシリアの部下となって潜水艦中心のマッド・アングラー隊を率いるシャア。水陸両用のゴッグで攻撃を加える。
苦戦の末撃退するアムロを見てほくそえむシャア。
 
第27話 女スパイ潜入!
艦を降りる決心をしたカイ。街に出て、ミハルに再会した。以前基地で声をかけられていた。スパイと薄々知りながら、弟たちの事情を知り、ホワイトベースの情報を流すカイ。その報告を聞いたシャアはミハルにホワイトベースへ潜入するよう指示。ゴッグについでズゴックを出撃させるシャア。
戦いが気になってホワイトベースに戻ったカイは、ガンタンクでズゴックを撃破。潜入したミハルを乗せたまま出港するホワイトベース。
 
第28話 大西洋、血に染めて
ミハルはカイに見つかってしまうが、カイは彼女を自室に匿った。その直後に漁業者を装ったシャアの部下が訪れ、ミハルから情報を受け取りまた去って行った。カイはミハルを匿っている関係でスパイの事を話せない。そしてズゴックによる攻撃。ミハルは子供たちも巻き添えにしている事を知り、責任を感じる。カイがガンペリーで攻撃するのに手を貸すミハルだが、爆風に飛ばされて散って行った。誰にもこの話を言えず、苦しむカイ。
 
第29話 ジャブローに散る!
苦難の果にジャブローに到着するホワイトベース。だがマッドアングラー隊も追跡していた。ホワイトベースベースの整備を担当したウッデイ大尉がマチルダのフィアンセだった事を知るアムロ。
ジオン軍の総攻撃が始まり、連邦の幹部は後をつけられたホワイトベースを呪った。シャアのズゴックとガンダムの戦い。その戦いの中でウッデイは戦死した。シャアの再来に、セイラは大きく動揺する。
 
第30話 小さな防衛線
アムロたちは正式に階級を与えられ、軍人として組み込まれた。カツ、レツ、キッカの3人は育児センターに預けられるが脱走。脱走した先のジム製造工場で、ジオンの破壊工作員に縛られる3人。工作員は時限爆弾を仕掛けていた。縄を切って懸命に爆弾を集める3人。バギーで捨てに行く途中でアムロたちが見つけ、爆弾は無事処理された。
セイラは戦いの現場でシャアと出会い、互いに兄妹である事を確認。
子供たちは艦への残留が認められる。ホワイトベースは今後囮専門として運用されると連邦軍から通知されるブライト。
 
第31話 ザンジバル、追撃!
ホワイトベースは、宇宙に発進する主力艦隊から目をそらすため、囮のコースを取って先発。補充要員のスレッガー。
シャアの戦艦ザンジバル。途中でホワイトベースが囮と気付くが、追撃の継続した。総力戦となるが、セイラは兄の事が気になって戦力にならず。その危機を救ったスレッガー。
激戦を何とかかわしたホワイトベース。
 
第32話 強行突破作戦
シャアは元部下のドレン大尉に依頼してホワイトベースを挟撃する作戦に出た。ガンダムの働きでドレンの隊は撃退され、ドレンも死亡。戦慄するシャア。
 
第33話 コンスコン強襲
宇宙要塞ソロモンからコンスコン機動部隊を出撃させたドズル・ザビ中将。一方ホワイトベースは、中立国家サイド6に入港。艦を査察する検察官カムラン・ブルームはかつてのミライの婚約者。冷淡な対応のミライ。
買い物に出たアムロは、サイド7で生き別れていた父のテム・レイに会う。ガンダムの性能アップに力を注いでいるが、事故の折りの酸素欠乏症で脳が損傷を受けていた。
カムランの配慮でドック修理に入ろうとするところをコンスコン部隊に襲われたホワイトベース。アムロは異常な戦闘能力で12機のドムを撃墜。
中立国での戦闘は違法行為だが、カムランの努力でもみ消しが可能。だが去って行くミライ。
 
第34話 宿命の出会い
修理出来ないままサイド6に戻ったホワイトベース。最後に一目父に会おうとバギーを走らせるアムロ。豪雨を避けたコテージで不思議な少女に出会う。父との最後の会話は辛いものだった。帰路でバギーをスタックさせてしまったアムロを助けたのはシャアだった。その横でほほ笑む少女は先ほど会った少女ララァ。
カムランの手配で出港するまでは手が出せないコンスコン隊。出港と同時に攻撃を受けるホワイトベース。だがアムロは完璧な戦い方でコンスコン隊を全滅させた。
 
第35話 ソロモン攻略戦
ブライトは、かつてルナツーで指令だったワッケインと、宇宙要塞ソロモンへの先鋒となる事を告げられる。ソロモンのドズル中将は、ギレン総帥からビグ・ザム1機のみの補給だった事を憤る。
連邦軍はソーラー・システムでソロモンを焼き尽くした。陥落を予感したドズルは妻ゼナと愛娘ミネバを退避させ、ピグ・ザムを起動。
 
第36話 恐怖! 機動ビグ・ザム
戦闘で被弾したスレッガー機が帰投。彼の安否を案じたミライが出迎えると、全てを悟ったスレッガーは母親の形見の指輪を渡す。口づけを交わす二人。
ピグ・ザムを攻略するためにスレッガー機とガンダムがドッキングし捨て身の攻撃。スレッガーの死と引き換えにピグ・ザムの破壊に成功するアムロだが、死の直前まで続くドズルの思念に戦慄する。

 

第37話 テキサスの攻防
ソロモン陥落を受けて、ギレン総帥は宇宙要塞ア・バオア・クーをジオン公国の最終防衛拠点にすると宣言。
マ・クベは自分用のM・Sギャンでガンダムを倒す画策をしていた。牧畜用のテキサス・コロニーへ罠を仕掛けてガンダムを誘い込むマ・クベ。同じくテキサス・コロニーに居るシャアとララァ。新モビル・アーマー、エルメスの実験を行うためだった。
シャアはゲルググでギャンとガンダムの戦いに介入しようとするが、マ・クベが拒否。ギャンはガンダムに倒される。
心の共振を感じたアムロとララァは、互いに相手の名を口にした。
 
第38話 再会、シャアとセイラ
ガンダムとの戦いを続けるゲルググのシャアは、確実に射撃をかわすアムロをニュータイプと確信する。アムロの反撃によりゲルググが動作不良に陥り、脱出するシャア。テキサス・コロニーに進入したホワイトベース。アムロ捜索に出たセイラの乗るバギーの前に現れたシャア。
この二人は、キャスバル・レム・ダイクンとアルテイシア・ソム・ダイクン。ニュータイプとして再生する人類の未来を説いた、ジオン共和国当主のジオン・ズム・ダイクンの遺児。
暗殺から逃れるため、爺やのジンバ・ラルの機転により、地球で名前も変えられて育てられた兄妹。ジンバ・ラルの話から父を暗殺したのはザビ家だと考えたキャスバル。ただ、ジオン軍に入ったのは復讐のためだけではないとも話す。
マイクが切られていなかったため、その話を聞いてしまったブライト。
セイラの帰艦後、届いた荷物の話を聞くブライト。セイラは、中味は金塊、手紙の差出人はシャア・アズナブルだと話す。
 
第39話 ニュータイプ、シャリア・ブル
ララアの乗るエルメスが稼働開始。ジオン公国でニュータイプと認定されたシャリア・ブルは、月面基地で専用M・Sのブラウ・ブロを受領する。
ホワイトベースで、セイラはシャアとの関係をブライトに打ち明けていた。
ガンダムとブラウ・ブロとの戦い。オールレンジ攻撃をかわし、ブラウ・ブロを撃破するアムロ。だがガンダムの操縦系はアムロの反射神経に追いつけなくなっていた。

 

第40話 エルメスのララァ
連邦軍のモスク・ハン博士。ガンダムの関節にマグネット・コーティングを施すことで応答速度の改善にトライ。効果を怪しむアムロ。
ギレン総帥は直轄するコロニーをソーラー・システムに改造する計画を進めていた。計画の認許を求めるギレンを「ヒトラーのしっぽ」と論評するデギン公。
一方、ララァを実戦に投入するシャア。シャアに対する恋慕を利用していた。2隻の敵艦を瞬時に沈めるエルメスを見て、味方さえ恐怖を覚えた。
 
第41話 光る宇宙
キシリアはシャアに向かって、打倒ザビ家の目標が変わったのかと尋ねる。シャアの素性を調べ上げていた。はぐらかすシャア。その件は連邦を倒した後に考えようと先送りするキシリア。ソーラ・レイの準備が整った事の報告を受けるギレン。
キシリア艦とホワイトベースとの交戦。エルメスがガンダムに迫る。サイコミュ誘導によるオールレンジ攻撃を撃破するガンダム。戦いの中で意識の疎通を行い、共鳴し合うアムロとラァ。そこに割り込んだシャアのゲルググは、ガンダムのビームサーベルで討たれかける。だがその寸前、エルメスがゲルググを庇ってサーベルを受ける。ララァの命が消える瞬間、二人は未来の姿を見る。
ギレンがソーラ・レイを発射。惨劇を予感し、アムロは絶叫する。

 

第42話 宇宙要塞ア・バオア・クー
ソーラ・レイの光は和平交渉に訪れたデギン公、レビル将軍将軍を含め、連邦主力艦隊の半数を消滅させた。演説を行いア・バオア・クーの兵士を鼓舞するギレン。
キシリアは、ギレンが父デギンを殺したと確信する。キシリアはギレンの頭を撃ち抜き、その後の権限を交代した。
連邦軍は体勢を立て直し、ア・バオア・クーに突入した。

 

第43話 脱出
ホワイトベースはエンジンに直撃を受け、要塞内で停止。白兵戦に移った。ジオングに乗ったシャアと、ガンダムのアムロは相打ちの形で共に大破。互いにモビルスーツから降りて、直接剣で戦う二人。そこにセイラが割って入る。シャアは逃亡しようとするキシリアを追い、その艦の指令室に向けてバズーカを撃ち込んだ。
アムロはガンダムの残骸まで辿り着き、コクピットに入る。ララァの声と共に仲間の姿が見えるようになっていた。それぞれの者に脱出のための指示をするアムロ。導かれてカーゴに行き着くクルーたち。
全ての者の脱出のアドバイスをして力尽きそうなアムロ。その時カツ、レツ、キッカが「もうちょい右」「そうそう」と叫ぶ。子供たちの呼びかけのおかげで、離脱したコアファイターにより要塞爆発の寸前に脱出するアムロ。
僕にはまだ帰れるところがある、とララァに謝りながらカーゴに向かうアムロ。

 

換装、じゃなくて感想
ファーストガンダムの概要については、かなり以前にBlogで書いているが、ガンダム再考に取り組む関係上、今回おさらいをしてみたもの。
社会が描けている、という点で、ガンダム以前と以後では、ロボットアニメの概念が全く変わってしまった。
地球を離れて宇宙で子を産み、育てるスペースノイドたちから仕掛けられた独立戦争の顛末。

 

基本的にはアムロという少年の成長物語だが、戦艦ホワイトベースの正規軍人がことごとく戦死し、残された訓練生、民間人だけで戦いの場を切り抜けて行く、青春群像物語でもある。
若者の中でもわずかな年齢差から来る上下関係。自己のスキルとのアンバランスで生じる反発。
ニュータイプという概念に乗せて物語は進んで行く。

 

メカについてはガンダムが上半身、コア・ファイター、下半身の3分割となり、コア・ファイターを核として数パターンの形態を選ぶことが出来るというアイデア。これは相当昔の実写SF「キャプテンウルトラ」にも似ているが、ガンダムでは単独で戦えるのはコア・ファイターだけ。
この動作が劇中では「空中換装」として見せ場にもなっているが、正直言ってかったるい。


物語の後半で、ジオン軍の英雄であるシャアが、実はザビ家の陰謀に父を奪われたキャスバルだったという点が判明し、アムロたちにも戦いの構図が見えて来た。
ただ、シリーズ1作目という事もあり、この点の説明がかなりおざなりに終わっている。

ニュータイプに対する意味付けについても、言葉のみ先行して、あまりしっくり来ない。シャアの父、ジオン・ズム・ダイクンの言った「ニュータイプによる人類の未来」に対しての回答はない。

 

人と人が判り合える、共感し合えるという理想の姿をニュータイプに求めたが、それが叶わないものとして棚上げされるところは「エヴァンゲリオン」における「人類補完計画」が、答えのないまま延々と引っ張られているのにも繋がっているのか。

 

「そして、誰もいなくなった」TVドラマ 2016年 5、6話  毎週日曜放送 日テレ系

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番組サイト
http://www.ntv.co.jp/soshitedaremo/intro/index.html

 

第5話 視聴率 6.1%
日下が語るパーソナルナンバーがない理由。生活に困り、金のために売却。
新一が冷静になって警察に行こうと考えた時、部屋に催眠ガス弾が撃ち込まれる。

死んだ斉藤に関する重要参考人である新一を指名手配しようとする警察に対し、公安の鬼塚は、パーソナルナンバーを持たない者をどうやって指名手配するのかとけん制。
そんな中で斉藤の死体が消えた。

 

新一の部屋を訪れる早苗。2年前の新一との出会いを思い出していた。
そこに姿を現す小山内。関係者でバーテンダーの日下だけと連絡が取れないと言う。

 

新一は真っ白な部屋で目を覚ます。そこに座っていた君家砂央里。新一が何を聞いても要領を得ない。
一つだけあるドアに問題らしき紙が貼ってある。「-8、-1、0、2、14、100、256 仲間外れはどれ?」。奇数は-1のみ。文字の2番目である事から入力パネルに2をインプットするとドアが開いた。

 

小山内は西条に連絡し、早苗が新一からの連絡を受けていない事、早苗の部屋に盗聴器を仕掛けた事を報告。
新一の母、万紀子がバー「KING」を訪れていた。易者を装ってバーの前に居た馬場が、万紀子に声を掛けた。

 

その後も白い部屋をいくつかクイズを解きながら進む新一。6個のスピーカーが置いてある部屋に出る。
それぞれには番号が振ってあり、順に流れる声。1から西条、偽・藤堂、田嶋課長、母の万紀子。万紀子の言葉を途中まで聞いて、そのスピーカを止める新一。それを咎める砂央里。設問の意図は、この中の仲間外れは誰か?。仲間外れは自分だ、として7を押す新一。
そこでドアが開き、ビルの屋上に出ると、そこに7番目のスピーカ。
スピーカからは、お前にはビルから飛び降りるか、私に撃ち殺されるかの2つの選択肢があると告げて来た。

新一は、自分を脅して何かをさせようとする、第3の選択肢があるはずだ、と返す。そこで声が提案を持ちかけるが、新一は拒否。だが声の男は日下を人質にして望みを達成しようとする。

 

万紀子の担当介護士だった弥生。ある老人を介護している時、TVに出ていた偽・藤堂新一の父親が彼である事を知る。TELでその事を誰かに伝える弥生。

 

バー「KING」に集まる新一、馬場、砂央里、日下の4名。左手の怪我を見せながら新一に命の恩人だと感謝する日下。
この4人にはパーソナルナンバーがない。そこへ何者かが4人への指令メモを送り付けて来た。それは「世界を孤独に。そのために君たちは7つの大罪を犯す」とあった。

 

予告
誰かに頭を殴られて気を失う小山内。


感想

唐突に現れた「白い部屋」。何の必然もなく、クイズの質としてもイマイチ。
そして第一回目にも出ていたビル屋上での狙撃現場。新一が第三の選択肢に巻き込まれて行くのは判ったが、いきなりパーソナルナンバーの無い者4人の団結になっちゃって、やっぱ組み立てが雑やね。それともこういったスキマを繋ぐ種明かしはちゃんとやってくれるの?


第6話 視聴率 9.0%
被害者なのにナゼか留置場に居る小山内。事情聴取を行う鬼塚。だが小山内にも犯人の心当たりがない。

 

会社では「ミス・イレイズ」のプロテクトが外せず、田嶋、五木らが厳しい立場になっていた。あと1週間で何とかすると幹部に言ってしまう五木。

 

新一ら4人はアパートで共同生活を始めていた。共通する目的。
万紀子はヘルパーの弥生が行方不明になったため、身の回りの事を早苗に頼っていた。そこに訪れる小山内。万紀子の誕生日プレゼントを持参していた。
そんな時に万紀子のスマホに新一からのビデオメッセージ。それを開くと新一がお母さんへのプレゼントだと言ってから画像が消え、次いでミス・イレイズの画面が立ち上がり、万紀子のスマホ内のデータを全て消去した。
その直後、小山内と早苗にもメールが。万紀子から発信されたウイルスメールだった。それを開かない様に指示する小山内。

 

そこに訪れた五木。新一を見つけてミス・イレイズのプロテクトの外し方を知る必要があった。
ウイルスメールの話を小山内がすると、五木が食い付き、そのメールを転送するよう早苗に頼んだ。

 

バー「「KINGI」を訪れる小山内。バーが開いていた。日下に新一の居場所を聞くが、知らないとの答え。日下は以前小山内に脅迫されて新一の指紋の付いたコップを回収した事を責めていた。言い訳をする小山内。

 

五木は早苗から送られたウイルスメールを解析した結果、プロテクトを外す事が出来た。が、その直後ミス・イレイズ自身が社内サーバのデータを全て消去してしまった。崩壊する五木。大混乱に陥る株式会社「L・E・D」。

 

日下を尾行していた小山内は、その途中で馬場にバットで殴られ、車のトランクに押し込められた。
途中、警察の検問に会い、その場を逃げ出す馬場。追い詰められて埠頭から車を海に飛び込ませた。

 

万紀子の部屋に行く早苗。だがそこに万紀子はおらず、早苗は合鍵で中に入った。ゴミ箱に捨てられていたボイスチェンジャーを見つけて面白がって遊ぶ早苗。

新一はある計画を進めていたが、肝心のメンバーである馬場が行方不明となり、あせっていた。
日下を砂央里が馬場を捜しに再びアパートを出たところに、車椅子の万紀子が居た。


感想
久しぶりに出て来た「ミス・イレイズ」。新一がシステムに干渉を始める第一歩として、それなりの緊張感と将来起こる事件に対する期待が膨らむ回ではあった。そのためか、視聴率もグッとアップ。
ボイスチェンジャーを万紀子が持っていたとなると、ビルの上から指示していた声って事か?そんな、黒すぎる母親・・・・・(黒木だけに)

 

新聞小説「春に散る」(15)沢木 耕太郎

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作:沢木 耕太郎 挿絵:中田春彌   7/28(471)~8/31(505)

 

花の道(1~35)
大塚との戦いで勝利した後、4月の世界戦まで2ケ月しかない。翔吾はそのまま体力を維持する方針を取る事とした。
翔吾の試合の後で行われた世界戦の勝者が翔吾の対戦相手となるが、予想を覆して挑戦者のアフメド・バイエフが勝者となった。

 

ある日、翔吾に付いてミット受けをしている時に、広岡は心臓に異変を感じた。休憩を装い、トイレでニトログリセリンを舌下に入れる。そして何とか危機を脱する。
死んでも構わないと思っていたのが、翔吾の行く末を見届けたい、との望み。
アメリカで紹介されていた日本の病院に連絡を入れた。担当の医師は症状を聞き、できるだけ早く来院するようにと言ったが、試合までは無理だと考え、翔吾の試合の3日後に受診する事とした。

練習を終えた翔吾が、前髪を右手で払う動作をするのを見て尋ねる広岡。「髪がうるさくて」と言う翔吾だが、短髪の彼にそんな前髪はない。

驚愕する広岡。

 

夕食後のひととき。広岡はいつもの三人に、翔吾が網膜剥離かも知れない、と告げた。元トレーナーのペドロが育てていたジェイコブスが、網膜剥離で引退した。その時の予兆の仕草が髪を払うものだった。

翔吾が佳菜子とのデートから帰って来ると、広岡は翔吾に、右目の異常を感じた事はないかと尋ねた。最近何となくおかしいとは思っていたと返す翔吾。
それでも世界戦はどうしてもやりたいと言う翔吾。

 

月曜になって市民病院の眼科を受診する翔吾。状態としては「網膜裂孔」だという。夕食後にその事を皆に伝える翔吾。
広岡らの議論。世界戦は、失明の危険を冒してまでやるべき事なのか・・・
先のない議論の中で佳菜子が、自分が治したいと言い出した。佳菜子の持っている不思議な能力。

 

佳菜子はその晩、翔吾と一緒に部屋へ上がって行った。残された四人は酒を飲み、あるいはコーヒーを飲んで時を過ごした。
夜が明けて、憔悴しきって降りて来る佳菜子。
翔吾が降りて来て「ああさっぱりした」と言った後で、例の前髪を払う動作をした。やはり治ってはいなかった。自分の部屋で泣きじゃくる佳菜子。そんな彼女を皆でとりなす。ようやく能力の呪縛から解かれた佳菜子。

 

三月に入り、翔吾はレーザーによる裂孔塞ぎの手術を受けた。だが、目に衝撃を受ければ網膜剥離を発症する可能性は高い。
戦略としては、とにかく顔を打たれないこと。

広岡はいよいよ「クロス・カウンター」を翔吾に教え始めた。広岡の指示で、日常生活において左手を右と同等に使える訓練も始める。

 

三月下旬のある日、広岡は令子と、その息子で現在弁護士をしている息子の公平と会食をしていた。公平と名付けられたら裁判官か弁護士になるしかない、と笑う公平。
食事も終わりかける頃、広岡は持参した書類を公平に見せた。自分は試合後心臓手術をする事になるかも知れないが、万一に備えて財産の扱いを明確にしておきたかった。チャンプの家、三人の住人、翔吾と佳菜子、それぞれのために使うというもの。

書類の話が終わり、令子が中座した時に公平が、なぜ母と結婚しなかったか、と尋ねた。返事のしようがなくて沈黙する広岡に、母が父と離婚した意味が、広岡さんに会って少し判ったような気がする、と言った。
戻った令子は、広岡の体の事を、他の三人は知っているの?と聞くと、広岡は心配させるといけないから、と否定。令子は怒った口調で「私なら心配しないと思ったわけ?」絶句する広岡。絡むな、と笑いながら助け船を出す公平。

 

公平が口実を作って別れたため、広岡は令子と散歩する形になった。
結婚、出産を経て弁護士の道は諦めたが、ジムを引き受けてからは、こでが自分のやるべき仕事だと思えた。だが息子の公平はボクシングには興味がなく、次世代への引継ぎは叶わない。

彼の調子はどうなの、と問う令子に、広岡は翔吾の目の事について打ち明ける。令子は、翔吾と佳菜子の仲も知っていた。
桜を見に行きたいと言う令子。まだ三分咲きの状態だが、それでもいいと言う。
運河べりのベンチに、翔吾と佳菜子が座っているのを偶然見つける令子。気付かれないよう、そっと二人の後ろを通り過ぎる。
「そういうことじゃ、ないんだ」と翔吾の言った言葉を呟く令子。試合のジャッジがおかしいから、と外国に行かなくてはならないのか、との令子の言葉に広岡がその時返した言葉。
そういうことじゃないって、どういうことだったのかしら?、と質問して、すぐに令子は「今になって訊いても遅いけど」と付け加えた。

 

試合も迫って来た日の夕食後、少し汗を流すという翔吾に付き合う広岡。翔吾は減量に苦しんでいた。必ず世界のベルトを取るという翔吾にあせりを感じる広岡。その様子で何かを気付く。翔吾は広岡が病院と話している内容を切れ切れに聞き、広岡が心臓に病気を抱えている事を知ったという。それで少しでも早く世界のベルトを広岡に見せたいと思っていた。

 

その夜、二度目のシャワーを浴びて翔吾と広岡が居間に戻ると、翔吾が今度は広岡にセコンドに付いてもらいたいと頼む。話の様子から、佐瀬ら三人が既に病気の事を承知だと知る広岡。知っていながら何も言わなかった三人に熱いものを覚える広岡。

 

試合当日は激しい雨だった。翔吾の肉体は明らかにウェルター級の体になっており、減量の苦しみを味わった。前日の公開計量はギリギリでパス。
第一ラウンドの開始。広岡は、翔吾の目を守るため、徹底したアウト・ボクシングを仕込んだ。それは「踊る」こと。大塚との対戦ビデオを徹底的に見て、その動きをまねた。
対戦相手の新チャンピオン、アフメド・バイエフ。翔吾の鮮やかなジャブに驚く。1ラウンドは翔吾が取ったが、2ラウンドからバイエフの突き刺すようなストレートが翔吾の顔面にヒットするようになった。
それ以降のラウンドは一進一退で双方一歩も譲らない戦い。バイエフは自分のパンチの方が強いという信念で向かって来る。

 

7ラウンドの中盤で翔吾はバイエフのラッシュにより、コーナーに追い詰められた。強烈なフックを受けて倒れ込む翔吾。
カウント8でようやく立ち上がった翔吾に襲い掛かるバイエフ。とどめを刺そうと連打するバイエフが突然ダウン。翔吾のインサイド・アッパーが決まったのだ。
これで勝った!と思った広岡だったが、バイエフは必死に立ち上がってファイティング・ポーズ。そしてゴングに救われた。
コーナーに引き上げた翔吾が、右の視野がどんどん狭くなっていると広岡にささやいた。試合を止めるか、という広岡に冗談はよして下さいと訴える翔吾。

 

第8、9ラウンド。両者の激しい打ち合い。バイエフのパンチには力がないが、翔吾も右目トラブルで微妙に急所を外していた。ゴングでコーナーに入った翔吾は、タオルは絶対入れないようにと訴えた。

10ラウンド。中盤でついに力尽きたのか、翔吾の足が止まり、両腕のガードも下してしまった。そこに襲い掛かるバイエフの右ストレート。

次の瞬間、左でバイエフの右腕を殺すようにかぶせながら鮮やかなクロス・カウンターが決まった。崩れ落ちるバイエフ。
だがバイエフは、驚異的な闘志で立ち上がり、カウント10でファイティング・ポーズを取った。
再開された試合でも両者決定打を決められず、そのラウンドは終了。
続く11、12ラウンドでも決着が着かないまま、試合は終了した。
判定に持ち込まれた勝敗。ジャッジは米国、日本、ベネズエラの3名。米国、ベネズエラのジャッジにより、翔吾の勝利が決まった。

 

試合後、翔吾の状態が更に悪くなり、市民病院へ直行してそのまま入院。その日のうちに手術が行われ、一応成功。
だがそれから翔吾の苦痛が始まった。術後は頭を下に向け続けなくてはならない(睡眠時も)。広岡は翔吾に夜通し付き添った。
深夜になって、断続的に眠り始めた翔吾。

目を覚ました翔吾と広岡との会話。翔吾は、あの試合で見たいものを見たから、失明してもいいのだ、と言った。誰もいないリング。レフェリーも、対戦相手も居ない、ボクサーの夢の世界。
翔吾は引退を考えていた。ベルトは返上。広岡の働いていたホテルで使ってもらえないかと頼む翔吾。

佳菜子が見舞いに訪れた。交代してチャンプの家に帰ろうとする翔吾に、俺が戻るまで死なないでください、と笑いながら話す翔吾。だが佳菜子は蒼白の顔でここに居て下さい、と訴えた。なぜそんな事を言うのか判らないまま、少し眠りたい、と病室を出る広岡。

 

チャンプの家に向かう広岡。翔吾の言う「あの時、最高だった」というひととき。あの時の翔吾こそ、自由の向こう側に行けた者。本当のボクサーになった。

散り際の桜が並ぶ運河べりの土手。令子と歩いた事を思い出していた。
舞う花びらを美しいな、と思った瞬間、胸に激しい痛みを感じる広岡。近くのベンチに座り、いつものニトログリセリンを探したが、瓶がない。
万一のため、セコンドに入った時にユニフォームのズボンに瓶を入れて、着替えの時、入院騒ぎのどさくさでそのまま置いて来てしまった。
心臓の痛みが激しくなり、全身から力が抜ける。
意識が薄れる中で、そういう事だったのか、と悟る広岡。
自分はただ、歩いて行きたかっただけ。何かを手に入れるためでもなければ、何かを成し遂げるためでもなく、ただその場に止まりたくないと

いう思いだけで、ここまで歩き続けてて来たのだな、と。


感想
トントン拍子に世界チャンピオンへの道を歩み続ける翔吾を襲う網膜剥離の恐怖。
そんな翔吾にクロス・カウンター教えたら、打つ前はボコボコにされる(あしたのジョーでは)。

 

「春に散る」とあるから、結局広岡は死ぬんだろうな、とは思ったが、実にあっさりした死に方で、まあ確かにこの形しかないか(ベッドで皆に囲まれて、なんてのはあり得ないし)。

令子の、広岡に対する思いが、息子を通じて知らされるっていう演出がニクい。恋愛という部分とはちょっと違うところでの、男女の奥深い心の交流。老年に近くなっても損なわれないもの。
そういうものを描こうとしたら、もう少し違う形が良かったのかも知れないが、形の上ではボクサー小説。けっこう欲張ったなー、という印象もあるが、まあ成功した部類だろう。

 

今まで数年間、新聞小説を読み続けて来たが、今回が一番毎朝読み進む楽しみを感じさせてくれた。

 

 

 

モーガン・フリーマン 時空を超えて「“私”は何者なのか?」8/26放送

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番組紹介
http://www4.nhk.or.jp/P3452/x/2016-08-26/31/3134/1988006/

内容
自我は生涯探し続けるもの。何があなたを作っているか。
そのアイデンティティーはどこにあるか。

 

アリソン・ゴプニック(心理学者)
人は一生かけて自分が何者であるかを知る。
1歳3ケ月の幼児は、鏡に写った自分を自分と判断出来ない→それから数ケ月経つと認識出来るようになる。

 

ドナ・アディス(記憶の研究)
海馬が記憶に重要な役割を持っている。
1950年代の患者「HM」。てんかん発作のため、海馬と側頭葉を除去→毎日夢からさめる感覚。鏡の自分を認識出来なくなる。
記憶の役割り。未来の自分を認めるのに記憶を使う。人、場所、モノと結びつく。
単語を見せながら未来を想像する→海馬が活発に活動。覚えるだけでなく、未来の創造にも役割りを持つ。
アルツハイマー病→記憶を失うことで人の一部が失われる。未来のためにも重要。記憶はアイデンティティーのためにも重要。

 

ターリ・シャーロット(研究員)
プレッシャーで記憶がどう変わるかの研究。同じ映画を見せて、その後簡単な質問に答える。嘘の情報で記憶が変わる。
自分の記憶と事実が異なるのはよくある事。

 

自らのアイデンティティーを再構築できるか。
思考を覗き込む事が出来つつある。人は誰でも俳優(自分を演じ分ける)。夢を見ている時は自分そのもの。

 

神谷之康(かみたにゆきやす) 京都大学情報学研究科・教授
夢の録画ができるようになる。夢を見ている時は視覚野が活発になる。それを読み取って再現出来ないか。例えば割れたメガネの組み立て→コンピュータによる再構築。
脳スキャン装置でイメージを見せる→活動パターンを記録。
コンピュータに識別パターンを認識させ、見ているものを推測する。概ね成功。次は夢の再現に取り組む。
心の奥深くが理解出来るかも知れない→心は丸裸。
心にあるものを編集→記憶が自分を作り上げる。自分のあり方まで変える。アイデンティティー。

 

アンドレ・フェントン。
脳はジョギングのルートと同じ。脳内回路は大人になったら変わらないというのは間違い→日々新たに出来る。
新たな経験により一生涯通じて脳は柔軟性を持つ。

 

PKMゼータ。神経伝達の仲立ちをする。古い記憶にたどり着くのに助けとなる。
記憶を阻害する物質→ZIP。ラットを使った実験。薬によって記憶を消去する事が出来た。ただしどれだけの記憶を消去したのかは不明。

 

別の方法。つらい記憶を洗い流す。
アラン・ブリュネ(PTSDの研究)
PTSDは一種の記憶障害。忘れたいのに忘れられない。インクを使って言葉を書く。インクは一度乾くと滲まないが、乾く前に触ると滲んで固定される→思い出す時に再度活性化し、新たなインクで書き直す。
ロイズ・ブーシェ。娘に死なれた母親。
つらい記憶を整然と思い出し、言葉に残す。それを読む前に、物忘れを起こす薬を飲んでから読む。週1回で6週間行うと、いままでトラウマになるものを読んだ時の70%低減し、苦痛なしに話せるようになる。記憶の上書き。

 

自分は何者か。問うているのは誰か。自分の本質は脳のどこかに宿っている。
スティーブ・ファーバー(コンピューター工学者)
アイデンティティーを人工的に作る事に挑戦。
脳を動かす神経コードの存在。大脳新皮質。
従来コンピューターはデータを一まとめに処理。脳は小単位のデータを並列接続。
スピネカー・チップ。脳の働きを模した並列コンピューター。1.6万個のニューロンと同じ働きをするものをロボットに搭載。自分の判断で動く→経験を積むほど賢くなる。いずれ哺乳類のレベルになる。

ロボットが夢を見る可能性はある。人間の脳を機械で再現する事が可能になる?


感想
このシリーズも、多くやっているので、この頃は興味の湧いたものに絞っている。


最近、コンピューターが囲碁で人に勝ったという話もあり、電子脳の進化の目覚ましさを痛感している。
ただ、このままコンピューターの進化を無邪気に押し進めていいものかどうか、という恐れもある。教え込む側が、ルールを少し間違えただけで、とんでもないモンスターが生まれたりしたら・・・・

 

アンドロイドは電気羊の夢を見るか?

 


NHKスペシャル シリーズ巨大災害 #1「加速する異常気象との戦い」9/4放送

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今年続けて襲来した台風10、12号。背景は地球温暖化。
地上400kmの国際宇宙ステーションからの映像。台風10号の直径1000km。観測史上初めて東北へ上陸。
海水温が上昇→水蒸気発生→台風発達。8/中旬に日本南部で海水温高かった→勢力増した。水蒸気で勢力を維持。

今後どうなるか。本木昌秀(東京大学)。2100年には平均温度+4℃。東京でmax43℃、名古屋で45℃。

 

地球の温暖化も進んでいる。北極圏、破局のシナリオ。
加速させる現象。アラスカ調査のP/J。永久凍土が溶け出している。
メタンの放出が加速。シベリアの巨大クレーター。メタンが噴出した跡。メタンの温暖化係数はCO2の18倍。

岩花剛(アラスカ大)
永久凍土の溶けていない層を直接調査。

北極海の氷の減少。氷が溶けることにより海面が露出→海温上昇に繋がる。
極地に発生する巨大低気圧。風の強い所で氷が溶ける→砕けた氷が海に落ちる→負の連鎖。

 

日本では記録的短時間降雨情報。積乱雲は通常直径10km程度。巨大積乱雲(スーパーセル)。直径1000km超。スーパーセルの発生頻度は今後2~3倍。局地的豪雨も増加。都市の排水機能を超える→水が地下に流入。都市が水没。

 

スーパーセルのもう一つの脅威。雷。シンガポール火災。米国の山火事。
雷の発生は従来の1.5倍。民間気象会社に問合せ殺到。宇都宮で4Hに3000回、名古屋で2100回。都市に落ちた時何が起きる?
東京スカイツリー。落雷の分析。規模が大きくなると避雷針で保護しきれなくなる。電流がサーバを破壊。
雷サージ→電磁波によりケーブルに電流発生→電子機器破壊。
今までの経験が通用しない。

 

天気予報の進化。
2008年の神戸。都賀川の氾濫で5人死亡。
現在2km四方の精度→100m四方にアップするシステム「フェーズドアレイ」。雲の状態を詳細に見る。30秒に1回の更新。10年後に実用化(現時点ではKコンピューターが必要)。

現在スマホの「ナウキャスト」。1700万回/日の利用。
最近鉄道の電子トラブルによる運休が頻発。ケーブル1本毎に雷よけが必要→100億以上の費用。

 

千葉大での新たな予測の試み。
小林文明。積乱雲が出来る最初のきっかけをつかむ。

アラスカ大の岩花剛。2年前にあった永久凍土がなくなっていた。


感想
今年の台風については確かに何らかの異常性を感じる。
特に10号は日本近海で発生し、南下しつつ勢力を上げ、その後北上して東北地方を襲った。

 

地球温暖化に絡む気候変化については今までも良く言われており、今回特に新しいというものは感じられなかったが、印象に残ったのが雷の被害。
電子機器は近年どんどん高度化しており、記憶媒体も高密度化でデリケートになっている。新たな脅威として真剣に取り組まないと、近い将来大きなトラブルになる事だろう。

 

「そして、誰もいなくなった」TVドラマ 2016年 7、8話  毎週日曜放送 日テレ系

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番組サイト
http://www.ntv.co.jp/soshitedaremo/intro/index.html


第7話8/28 視聴率8.2%
万紀子とすれ違う日下。知り合いではなさそう。

新一が進めている計画。電気系統を破壊する停電爆弾(導電性の粉末を拡散?)。それを使って都内7ケ所の送電施設を破壊。
日本政府のデータサーバは停電になると自家発電に切り替わるが、その時0.2秒間だけセキュリティが無防備となる。
その間にサーバへ「ミス・イレイズ」を送り込み、サーバのデータ全てを消去するというもの。

 

小山内は病院のベッドで目覚める。
鬼塚が質問するが、小山内ははぐらかす。鬼塚は質問を変え、ネームプレートを小山内に見せた。万紀子の介護をしていた弥生のもの。
鬼塚の話では、小山内が閉じ込められていたトランクの中にあったという。小山内は激しく動揺。

五木のせいにされている株式会社L・E・Dのシステムダウンは解決せず、田嶋らシステム開発部は自宅待機。

夜になっても馬場は戻らず、明日の決行に支障が出る。日下が3人でやれるというのに反発して部屋を飛び出す砂央里。その砂央里に接触する西条。

 

入院していた小山内は、迎えがいないと退院させないという病院に対し、早苗に頼み込んで来てもらい退院。
早苗は外から電話を掛けて来た万紀子から、ある住所を聞いていた。二人でそこに向かう。

 

計画決行の下見をする砂央里と日下。砂央里が誘惑するが、日下は相手にしない。それを遠くから双眼鏡で見守る西条。

小山内と早苗はメモの住所である、山あいの家に着いた。インターフォンを押すが、決まった返事しか来ない。
何度も聞くうち、その返事の主が弥生であり、内容も録音だと気付いて、窓を壊して中に入る小山内。
家にあった業務用冷凍庫を開ける小山内は、驚いて蓋をすると、次いで早苗もその中を見て絶叫する。尾行して来た鬼塚の部下が駆け付け、冷凍庫の蓋を開けると、死体となった後で行方不明になっていた斉藤だった。

 

結局新一らは3人で計画遂行を行うことになった。
砂央里がビルの屋上で停電爆弾を搭載したドローンのセットをしている所へ、再び西条が現れた。
取引成立を喜ぶ西条に、金が足りない、西条の報酬の50%を出せと迫る砂央里。
西条が結局報酬の30%を出すと言って、話がまとまりかけた時、砂央里がナイフで西条の腹を刺す。揉み合っているうちに二人はビルの屋上から転落した。

鬼塚の部下に連行された小山内のケータイに西条からの電話が。西東京ビルから証拠が飛んでいく・・・と言い残して絶命した。

 

夜になって別ビルでドローンのセットをしていた日下は、ドローンが飛び立つのを見て「あとは頼むよ、兄さん」と呟いた。

新一は、全てのドローンを発進させ、ミス・イレイズをスタンバイさせた。
この計画が成功すれば、政府のデータはミス・イレイズにより全て消去され、世界が孤独になる・・・・

 

感想
ようやく新一がやろうとしている計画の全貌が明らかになる。導電物の粉末撒いても、ドローンに積む程度の量では、なあ、とも思うが、ここは突っ込まないのが武士の情。
ただ、これって影の声からの指示なんだよね。技術的魅力に引き込まれて、喜々として計画を進めている新一も、ちょっとヤバいか。
予告画像で見えたドローン群の動きは・・・どっかで見たぞ・・・・・

 

 

第8話9/4 視聴率 8.4%
新一は停電爆弾を搭載した7機のドローンを発進させた。向かうは7ケ所の送電設備。
一方小山内は、鬼塚から取り調べを受ける中で、西条からの死ぬ間際の言葉を聞いていた。
警察でも通報を受けて、鬼塚と小山内は新東京ビルに向かうが、途中でドローンを見つけ、そちらを追う事になる。

 

1年前、新一が言っていた官庁のデータサーバの欠点。停電が起きて自家発電に切り替わるまでの0.2秒間だけ、サーバが無防備になる。新一の会社がそのシステムの納品を行っており、新一はその事を上司に話したが、上層部は運用においてアップデートする時に改良すれば良いとの判断だった。だが結局それは行われないまま。怒る新一は、その事を小山内に相談していた。
小山内は鬼塚にその事をかいつまんで話し、新一はパーソナルナンバーのデータを全て消去しようとしているのでは、と話す。

 

ドローンが発電設備に到着する寸前、日下瑛治が自分のパソコンで計画のシステムに侵入し、プログラムを書き換えて、その進路を変更させた。コップから取った新一の指紋を使って、セキュリティの認証を突破したのだ。
「ごめんね、新一君。でも君に世界を孤独にさせるわけには行かない」とつぶやく瑛治。

新一は必死でプログラムにアクセスしようとするが、出来ない。7機のドローンは、結局新一の居るビルの上空に集まって旋回を始めた。
それを目印に、ビルに突入する鬼塚らと多くの警察官。
絶体絶命の新一だったが、ビルの電源を落として救い出してくれた者がいた。それは小山内。

 

早苗はTVで新一の会社のデータ消失事件を知り、上司の田嶋課長を訪れていた。部屋で荷作りをしていた田嶋。
早苗は、データ消失は新一のせいではないかと言い、自分のスマホに入っているウイルスメールを手掛かりとして使って欲しいと申し出る。
電話で中座した田嶋を見送って、早苗が何げなくテーブルの上の本を取り上げると、そこにはフィリピン行きの航空券が。風で飛ばされた航空券を取ろうとしてクローゼットに行くと、中に大量の札束が。早苗に襲い掛かり、首を絞める田嶋。

 

小山内に助けられた新一は小山内に、自分の敵なのか味方なのかと詰問した。逆に小山内は、お前の指示で馬場が自分を殺そうとしたのか、と問い返す。お互いのすれ違いを認識した二人。
小山内は、母親の万紀子を調べていたと言い、今まで収集して記録して来たICレコーダを新一に渡した。

ビルを脱出し、その録音を聞く新一。万紀子は藤堂家に嫁ぐ前はシングルマザーで、嫁ぐ時に子供は養子に出していた。だがその子供は中学に上がる時に行方不明となっていた。

 

録音を聞き終えた新一が、計画のアジトだった瑛治の部屋に行くと、部屋の窓が開いていた。新一が中に入ると、そこに万紀子が居た。
なぜここに居るのかと問い詰める新一に、全て私が悪いのだと謝る万紀子。でも止められなかった、とも。
全てを教えてくれと言う新一に、自分のバッグを指さし、その中の手帖に写真が挟んであると言う。
新一がそれを見ると、若かりし頃の万紀子と、幼い男の子。だがそれは新一ではなかった。
この男の子は・・・誰?と問いかけるために振り返った新一に、アイスピックを振り上げる万紀子。

 

感想
遂行されるかと思われた計画が、瑛治のためにご破算となる。こうなると、計画の核になっていたのは瑛治か。万紀子の実の息子が瑛治と重なるが、本当にそうなのか?。乞うご期待、というヤツね。さて次回が最終回。

 

今回の突っ込みどころ
1.延々と行って帰って来るドローン。バッテリーでそんなに長く飛べる筈ないじゃん(核エネルギー?まさかね)。それから、旋回するドローンは「エヴァシリーズ」だよねェ。脚本の秦さんとプロデューサーが結託したか・・・・
2.瑛治の部屋に居た万紀子。エレベータもない二階へ、どうやって車椅子で上がったのか(瑛治君が運んだのかな?)

 

エヴァシリーズです・・・

 

 

 

 

モーガン・フリーマン 時空を超えて「運命か?自由意志か?」 9/9放送

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番組紹介
http://www4.nhk.or.jp/P3452/x/2016-09-09/31/11474/1988009/

 

ゴーダマ・シッダールタ(後のブッダ)の話。木の下で瞑想を始め、その49日後に悟りを開いた。

 

マイケル・ガザニガ(心理学者)
情報伝達は電気信号の産物。PCにおけるソフトとハードの関係。
脳も同じ(精神と肉体のコラボレーション)。人間は生きた機械(極めて優れた)。
人の精神はいくつかの層を持っている。
例。水の事を理解出来ても波を理解したことにならない。
自動車には精密部品が詰まっている→完成されたシステム。他車と相互に作用する。
人も同じ。そこに自由意思が働く→個人の責任。
二人以上の相互作用→行動に責任を持つ。選択の自由と共に、ルールを破る自由。

社会の動きは予測可能。神に善と悪を選ぶ自由→定められているという人もいる。
最新の科学で方程式を導き出す。

 

ショーン・ゴーリー(物理学者)
データが集まれば、実験物理学で人間の行動を予測出来る。
総論として、金融市場は線形物理学で表すことが出来る。
人が大勢の中で歩く→人の後に続くと早く行ける→3~4の変数を使えば行動の予測が出来る。
パターンの発見が出来れば、例えば駅ホールの中央に障害物があった方が人の流れがスムーズになる、などという事も発見できる。

 

戦争は人を苦しめる。これを予測する事は出来るか?(止める手立てのために)。
戦争に関する情報を集める。イラクで何万人もの情報を集めた。
戦闘行動に、ある法則がある(同じパターン)。キー定数:α=2.31。
予測出来るなら、未来を変えることも出来るのか→様々な集団を研究対象にする必要がある。

世界情勢を変えるのは容易ではない。人には自由意思がある。
ハードル競技に例えるなら、ハードルの設置(上げ、下げ、前後位置)は動かし得るが、戦死する、しないは自分で選べない。
自然界の層は、物理法則に従っている→ミクロの世界は違う。
ニュートンは、世界は時計のようなものだと言った→予測出来る。
20世紀になって量子力学の研究が進むと→予測出来ない。
量子は、人が観察するまで何も決まっていない。

 

ヘーラルト・トホーフト(理論物理学者)
物理学をチェスに例える。チェスでマス目に置かれる素粒子。神出鬼没で、全ての位置に同時に存在する事が可能(量子力学)。
宇宙は巨大なコンピューター。人の尺度をはるかに超える。

プランクスケール。量子のさらに下。2進法に近い世界。全ての元になる。全て予測可能。何兆もあるチェッカーボード。根底秩序はあっても混沌としている。

 

ヒンズー教。カルマという概念。いい事、悪い事は結局本人に還る。将来行うことが、過去に影響を与える。

ケン・ウォートン。
両親の撮ったホーム・ムービー。逆回しが面白かった。父親が逆回しも同じ物理法則だと言った。
アインシュタインの相対性理論はブロック宇宙論と矛盾しない。未来が過去に影響を与える。

宇宙を構造物として捉える。あらゆるものにはスタートとゴールがあるが、途中に不確定性がある。量子力学で融通が利く。そこに自由意思が存在する余地がある。

 

人は運命を選ぶ自由があるのか?→何千年も前から問うて来たもの。
ジョナサン・スクーラー(心理学者)
ある約束で1ドルもらえるとする実験。
①のメンバーには自由意思を否定するメッセージを与える。
②のメンバーには自由意思を信じるメッセージを与える。
その後認知能力テストに自己採点を行わせた(正解の度に1ドルもらえる)。中にはズルをして多くを取る人も出て来る。
①のメンバーに多く取る傾向があった。倫理観を損なう心理。悪事の口実に使う→結果的に意思の力が弱められる。

自由意思は航海に似ている。
科学的証明は不可能。無理に結論を出さない。ただし大きな価値がある。

 

モーガン・フリーマン
何故こうなったのかという問いをいつもしている。
自らの人生をコントロールしている。


感想
例によってNHKお得意の、中途半端な迷宮に誘い込んで「さあどうだ」と言って見せているような感じ。まあ、制作しているのはアメリカの「ディスカバリーチャンネル」だけど・・・

 

今回の話で特に興味深かったのは、戦闘行動に法則があるというくだり。思い出すのは伊藤 計劃の「虐殺器官」。世の中の戦闘行動をとことん分析して導き出した、戦争の引き金となる「言葉」がテーマ。

 

ヒトは自由意思だと思いながら、いつのまにか踊らされている、なんてありがちな話。CMにサブリミナル映像仕込ませるなんてのも昔あったみたいだし。
国民を次第に無力化させる国家計画だって、あるかも知れない・・・・・

 

 

NHKスペシャル シリーズ巨大災害 #2「迫る巨大地震の危機。次はいつ、どこで起きる?」9/11

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番組紹介
http://www6.nhk.or.jp/special/detail/index.html?aid=20160911

 

平穏な日常が突如危機へと変貌する。
熊本地震では2度同規模の地震が続いた。全国各地で地震が発生。日本は地震活動期に入ったのか?

未来の地震を予測する戦い。  
熊本 益城町。今も手付かず(壊れた家)。予期しない中で起きた(熊本には大地震は来ない)。

 

東北大 遠田晋次。地震を起こす火種がある。大地震が起こり易い、起こりにくい、の提示が出来る。
1099年 トルコ大地震。全長1000kmに亘る北アナトリア断層。M7.6。その3ケ月後にM7.2の地震が発生。この二つは密接な関係。、

地震連鎖のメカニズム。地震が起きると歪みが生じ、小規模地震が発生。歪み+小規模地震→火種。
そこに活断層があると次の地震が起きる。
熊本地震の前にも火種があった? 2000年/6月に起きたM5.0の地震から火種が生まれた。
これらの情報から予測が出来る。
①松本 2011年にあった地震に繋がる牛伏寺断層。
②仙台 1998年にあった地震に繋がる長町-利府線断層帯。

山岡耕春(日本地震学会)。断層のズレが起きるとその断層自身のエネルギーは減るが、両端の歪みは増大。
2016/8月に発生したイタリア地震。2009年に30km南で発生していた地震が火種。火種は消えることもある。

 

南海トラフの脅威は?
陸側のプレートが90~150年に一度跳ね上がる。その前触れを捉える研究をしている→山下裕亮(京都大)。
高感度の地震計による観測。熊本地震以降、小さい不気味な揺れが続いている。通常とは違う波形(低周波微動)。
発生源は日向灘(南海トラフの西端)。熊本地震の翌日から約2Week発生。
4/14熊本地震による陸側プレート移動の後、小さな地震が頻発。不気味な動き→スロースリップ。大地震の引き金となる可能性がある。
東日本大震災の時も、海底の地震計が1ケ月前からスロースリップを観測していた。
スロースリップは、大地震が起きるための準備動作?

4年前から日向灘にも地震計を設置して観測。スロースリップエリアが次第に東側に移動。そこは南海トラフの震源域とされる場所。
どんな危機が起きるか→M9.1クラス。九州から東海まで、震度7。津波の到達は2分後。死者32万。
予兆を捉える。スロースリップの監視。観測網の建設。
荒木英一郎(海洋研究開発機構)。総延長800kmの観測網(DONET)。圧力センサーを仕込んだ特別な装置(全長10m)。縦穴を開けてセット。スロースリップで圧力が下がるのを検出。
スロースリップを起こしている所と、起こしていない所がある。起こしていない所に歪みが溜まる。結果としてスロースリップが起こるほど巨大地震の可能性が高くなる。今までにないことが起きれば心配しなくてはならない。

 

未公開ではあるが、地震予報というものがある。直近1ケ月に起きるM4クラス以上が起こるリスクを予報。
統計学を利用したもの。尾形良彦(統計数理研究所)。
統計で地震発生を予測。数学的分析。
例えば交通事故。膨大なデータから、事故が起きる確率が高い場所、時間帯を算出→確率予測。
昭和元年からの地震を全て網羅(数百万)。発生パターンが浮かび上がった。予測を2003年に発表。9つのうち6つで起きた。
いつ起き易いかも予測。10km四方に区切って解析→数式を導き出す。時刻と共に予測が変化。7/中旬に起きた関東での予測が的中。今後データが増えれば精度はアップする。
ただし統計では、めったに起きない地震の予測は難しい。

統計での予測の公開はいつ?→まだテストの段階。
アメリカでは公表している。米地質調査所。統計学による予報を公開(STEP)。24H以内に地震が起きる場所を、1Hごとに自動更新で公開。伝えることが重要。
日本では社会の反応が判らないため、そこまで踏み込めない。火種、スロースリップ等の仕組みも併用したもの。

 

統計、仕組みはとりあえずおいといて予測する考え方もある。
和歌山。防災企画課。DONETと連動したシステムを運用。津波の到達前に市町村に伝える。地域に特化した対応。

巨大地震から逃れることは出来ないが、決して諦めない。

 

感想
巨大災害のテーマで、定期的に特集が組まれる。毎回似たような話を聞くことになるが、今回は地震の火種、スロースリップが新情報。
南海トラフというと、東海地方に住む身にとっては重大関心事。幸い海にも山にも近くはないが、巨大地震が来れば、無傷で済むという事はないだろう。

予測は、統計とメカニズム解析のバランスが大事。とかく学者は自分の説に固執するが、ここは協力体制でやってもらいたいものだ。

 

 

リブログ初体験です。
当方のアバウト記録に対して、TVの説明・会話を全てフォローしてあり、細部を知りたかったら断然コチラです。

「そして、誰もいなくなった」TVドラマ 2016年 9話(最終回) 日テレ系

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番組サイト
http://www.ntv.co.jp/soshitedaremo/intro/index.html

 

第9話(最終回)9/11 視聴率 8.5%
新一は辛くも万紀子のアイスピックを避ける。倒れ込む万紀子は「私は人殺し」と言って弥生のことを思い出していた。偽・藤堂新一の父親という人を介護施設で偶然見つけた弥生は、それを万紀子に伝えたために殺されてしまった。
写真の少年の事を訪ねる新一に、その子はあなたの弟だと言って、今までのいきさつを話す万紀子。
母子家庭だった万紀子は、藤堂家に入るにあたり、7000万で息子を養子に出して、新一にはその存在を絶対に知られるなという条件を付けられた。

 

偽・藤堂新一の川野瀬 猛と会う瑛治。猛には「ガキの使いの代理」と言った。残金を要求する猛をナイフで刺し、立ち去る瑛治。

 

万紀子は新一の前で瑛治からの電話を受ける。「殺した?」との問いに返事が出来ない。

瑛治の待つ新一の実家に、新一と二人で向かった万紀子。対峙する新一と瑛治。
「全部、君がやったんだね」との問いにそうだと答える瑛治。ビルで新一が襲われた時には馬場がライフルを持ち、その場に瑛治も居た。自らの手を撃たせて被害者を演じた。
はるかや斉藤のことも、全て瑛治の仕業かと問い詰める新一。だが全部一人では出来ないと返す瑛治。
小山内は、総務省内でパーソナルナンバー推進派を追い落とす目的があり、それに新一を利用していた。また課長の田嶋は2億円の横領の事で瑛治に脅迫され、ミス・イレーズの操作に協力していた。

瑛治は更に、万紀子の裏切りを話す。新一が幼い頃、看護婦の仕事でクリスマスに不在だったのは、毎回瑛治の元へプレゼントを持って来ていたのだ。新一には仕事だと言ってごまかしていた。
万紀子は瑛治に迫られて新一のパーソナル・ナンバーを教えたり、顔写真を送ったりしていた。
更に瑛治は、子供の頃万紀子が新一を殺そうとした事があると話す。瑛治に遺産を残そうと思って、トラックの前に突き出したという。だがその直後思い返して新一を庇い、それで車椅子生活になったのだ。新一の記憶では、万紀子が命を助けてくれた。

瑛治は、新一の父親の葬儀の時にも藤堂家に入り込んで、万紀子と新一の様子を見ていた。愛しているのはあなただけよ、と新一を抱きしめる万紀子。
あの時にちゃんと捨ててくれれば良かったのに、と言う瑛治。万紀子はその後も友哉(瑛治の本名)を愛していると言って関係を引きずって来た。母親を慕う新一との間でどっちつかずの生活を続けた万紀子。

新一が瑛治に、お前を殺さないと言うと、今度は瑛治がナイフを持って新一を殺そうとした。足を刺され、倒れる新一。
その時、背後から万紀子が瑛治を刺した。もたれかかる様に万紀子を刺す瑛治。新一は気を失う。

 

早苗の首を絞めていた田嶋を、背後からゴルフクラブで殴り殺した五木。五木は田嶋が横領の犯人だと思っており、早苗が田嶋の部屋に入るのを見てチャンスをうかがっていた。
五木は会社に絶望しており、この金で違う世界に行くつもりだった。だが金を全て持って行かれたのでは新一の無実が証明出来ない。

警察で取り調べを受けている早苗。五木が田嶋を撲殺した事は伏せて、強盗が持って行ったと証言。五木が残した1つの札束により、田嶋の横領が証明された。

 

警察の取り調べを受ける新一。現場には万紀子の死体しかなかった。鬼塚は、この事件は公安が預かると言い、新一の事を「藤堂新一」と呼んだ。驚く新一に「お前の名前だろ」。
回復された新一のデータ。瑛治からSDカードを戻された小山内が、新一のデータを戻した。

警察から解放された新一の元に早苗が抱き付いて来た。

 

一年後、赤ん坊を抱いて、万紀子の墓を訪れる新一と早苗。


感想
パーソナル・ナンバーの消去という、かなり裾野の広そうな犯罪が、要するに義理の兄弟のドメスティックな憎しみによるものだったという、何か「尻すぼみ」感は否めない。
途中、かなり思わせぶりな犯人誘導の伏線があったが、概ね回収されており「まあいいか」。

 

ただ、このネタであれば、コンピュータ犯罪に挑んで行く「藤堂新一」シリーズもあり得た。だがもしそう考えると、容疑者がどんどん死んでいき「そして、誰もいなくなった」というコンセプトとは相容れない。
まあ、今回のドラマは、これはこれで良かったのかも。

平均視聴率は 8.27%でした。

 

 

 

グ・ラ・メ!~総理の料理番~ 2016年7月22日~2016年9月9日 テレビ朝日

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番組HP
http://www.tv-asahi.co.jp/gurame/

概要
フランスで公邸料理人も務めた女性が、あるきっかけから総理秘書官の目に留まり、総理が新設した「グランメゾン」の官邸料理人として総理を支える。

 

原作:西村ミツル 漫画:大崎充 

ドラマ脚本 菱田シンヤ

 

キャスト
一木 くるみ - 剛力彩芽
古賀 征二  - 滝藤賢一
阿藤 一郎  - 小日向文世
清沢 晴樹  - 高橋一生 官邸大食堂の料理長
田村 友和  - 三宅弘城
立花 優子  - 新川優愛
阿藤 理子  - 内藤理沙 阿藤の娘
神田     - 片桐仁 古本屋の主人
かな     - 西丸優子 築地定食屋の女将


第一話
とある料亭での政府幹部による会合。政界の重鎮、大口潤三(団時朗)は箸が進まない。それを見ていた仲居の一木くるみが機転を利かせて板場に頼み、ある料理を出すと、大口はその後の料理を完食。総理の阿藤は古賀に指示して、くるみをスカウト。
くるみが出した料理はクローブを使った野菜の炊き合わせ。大口が歯痛と判り、鎮痛作用のある食材を使った。

 

官邸料理の初仕事は元総理の梶原権造(中尾彬)との会食。阿藤の事を「冷めたスープ」と公言。くるみは最初石川県の食材を使ったフルコースを考えていたが、直前で変更。料理は「魚介入りスープ」。冷めたスープにあきれる梶原に対し、熱した小石をそこに入れるくるみ。香ばしさと共にスープも熱くなり、梶原は満足する。
会食後、くるみにグランメゾンの正式な料理人への打診をする阿藤。

 

第二話
シンガポールの一流企業の女性CEOオリビア・リー(ジュディ・オング)。日本企業の買収がらみで、撤退を匂わせていた。

撤退されれば多くの雇用不安が起きる。リーは中国籍で、過去に日本企業で働き、つらい思い出があった。この会食をくるみと清沢に競わせる阿藤。リーは会食直前、アレルギーを理由に肉。魚が一切ダメと言ってくる。
会食で最初に清沢の料理を口にしたリーは、おいしいと言いながらも、どこにでもある料理だと一蹴。
次いでくるみの料理。不思議な食感に驚く。鶏の肋骨を砕いて里芋で練ったガレット。捨てる食材を使ったのかと怒るリーに、おいしいものをただ捨てるのは惜しい、と話し、過去の日本の無礼も含めて頭を下げる阿藤。その気持ちを受け入れるリー。

 

第三話
小学生と官邸見学ツアーに来ていた理科教師の志崎(矢柴俊博)。子供が迷子になったとの口実で官邸内に侵入し、くるみを人質に取って阿藤を呼びつける。志崎は、阿藤の行った事業仕分けの余波で研究室が閉鎖となり、理科教師になっていた。
阿藤が人質となってくるみを解放し、官邸料理がムダかどうかを判断できる料理を彼女に銘じる。
くるみが持って来たのは、焦げた焼きリンゴから作った「タルトタタン」。失敗から生まれたデザート。それを食べ、生徒の元に戻る志崎。

もう一つのドラマ。天才若手棋士、辰巳(和田 聰宏)が国民栄誉賞を辞退しないためのもてなし。くるみと清沢の競合。
清沢の正統派料理。王者に相応しいというおだてに反発する辰巳は、国民栄誉賞は辞退すると言い放つ。
続いてくるみの料理。おからを添えたホタテ料理。おからは搾りかすではあるが、様々な味を吸収して変化するもの。
辰巳は最初からの天才ではなく、アマチュア時代の戦績は五分五分。努力と精進でここまで来たが、苦しみの毎日。「王者の涙」は極度の緊張からのものだった。
辰巳は結局国民栄誉賞を辞退したが、それは全部のタイトルをとってからとインタビューで話し、いい食事会だったと締めた。

 

第四話
外務大臣の竹山茂平(大和田伸也)がイタリア主催のパーティで、イタリア人を「カサノバ」と蔑称で呼び、問題を起こしていた。
阿藤が彼を更迭するとの噂に激怒する竹山。
竹山との食事会の料理をくるみに指示する阿藤。竹山は時間を惜しみ、カレーしか食べなかった。くるみの出した「干し野菜のカレー」を出すが、竹山は自分を政界から干すのか、と曲解して、一口も食べずに帰った。
竹山は外部に、官邸料理も不要と言い出していた。

くるみはある調味料を調合して、竹山の居る政党事務所に乗り込む。そこでカレーの昼食を摂っている竹山のカレーにその調味料を掛け、一口だけでも食べて欲しいと頼む。くるみを追い出した後で、そのカレーを食べ、驚く竹山。その調味料は仙台味噌の粉。会食をしたいと阿藤に申し出る竹山。
会食に、竹山は妻を同伴して来ていた。料理はふぐの白子(精巣)と真子(卵巣)のアラモード」ふぐの卵巣は有毒だと驚く竹山に、阿藤も、竹山の妻もおいしいと言って食べた。
ふぐの卵巣は、1年間ぬか漬けにする事で無毒化される。この料理はそれを塩抜きして調理したもの。
疑いもなく食べられる阿藤に「何故だ」と問うと、阿藤はスタッフ全てを信じているから、と言った。そして私を信じて下さい、更迭はしない、とも。

後日マスコミに対し謝罪した竹山が、妻と歩く姿があった。竹山の妻は肝臓ガンで余命わずかの身だった。

 

第五話
米大統領の主席補佐官アリー・コウノ(草刈民代)が、大統領の来日に先立ち、メッセージを届けに来た。
阿藤はただごとではないと感じ、清沢とくるみに官邸料理を出す様よう指示。

清沢は、歴史の短いアメリカが持つ憧れを考慮してフランス料理を選択。くるみは多国籍ピザ。アリーの暮らした国にまつわる食材を巧みに使った。両者を食べた後、くるみの料理に、もう一度ここへ来て食べたいと言ったらどうするのかと言い、趣向を凝らしたお遊びと断じた。一方清沢の料理は素晴らしい一品だと絶賛。

阿藤のスキャンダルが報じられていた。20年前の元妻との写真。その時期、元妻はお腹の子と共に阿藤の元を去った。残された理子は阿藤が育てた。その子供との会食。阿藤はくるみを頼った。阿藤はその次女の顔を知らない。

阿藤と、その娘を引き合わすくるみ。娘は総理の番記者をしている立花優子だった。二人とも光くしゃみ反射の症状持ち。
くるみが出した料理はカラの皿。優子がそこにあった卵で簡単な料理を作る。懐かしい味だと、昔を思い出す阿藤。
阿藤は後日、清沢も官邸料理人に指名した。

 

第六話
くるみが初めて古本屋で金を出して買った本は、吉田総理が任命した官邸料理人の本。だがそこに3万円が挟まれていた。
店主から持ち主の住所を聞いて金を返しに行ったくるみ。その持ち主は元料理人の吉田昭子(藤田弓子)だった。
一方、官僚機構の改革を進める阿藤は厚労省事務次官の石垣(藤本隆宏)からの反発を受けていた。
この石垣との会食の料理を任される清沢。

外されたくるみは昭子が古書店に持ち込んだ古本を読むうちに、彼女が持っていた店の記事を見つけた。永田町にレストランを持っていた昭子。だが今は跡形もない。その店の名物料理だった「リ・ド・ヴォー(子牛の胸腺)のフカッセ」。自分でも作ってみるが、雑誌に書かれている隠し味がどうしても判らない。昭子に聞きに行き、教えて欲しいと頼むが、くるみ

を官邸料理人と知ってなおさら反発する。

石垣と阿藤との会食。だが石垣は清沢の料理には一切手を付けず、第二の皿も下げられた。
メインディッシュを出す時に、とうとう清沢がキレて石垣に「至福の時を過ごすチャンスを失った」と毒付く。
決裂するかと思われた時、くるみが料理を出した。リ・ド・ヴォーのフカッセ。その香りに思わず動きを止める石垣。
席に戻って食事を始める。それは阿藤にとっても懐かしい味だった。くるみはかつて永田町の店で昭子が作っていた名物料理だと説明。
くるみが昭子を挑発して聞き出した隠し味は「ラーメンスープ」。昭子は今、年金ももらえずに困窮しているという。
石垣が出した辞表を阿藤は破り捨て、官房副長官として官邸に入れと言った。背後から撃つかも知れないが、と握手を受ける石垣。

 

第七話
パリ市長が来日し、阿藤との会食を求めた。だがその料理を彼と親交の深い三戸レストラングループの三戸耕平(半海一晃)にやらせたいとの申し入れ。
阿藤の議員時代に三戸グループの食品偽造を糾弾した事があった。くるみと田村に調理の様子を知らせるよう指示する古賀。
だが三戸の調理チームは食材が届かないという失態で大混乱。
何とかカバーしようとしたくるみだが、昨夜暴漢に襲われて腕を負傷していた。
その窮地を救ったのは古賀。鮮やかな包丁さばきで料理を出し、其の場を収める。

面白くない三戸は、古賀に焦点を合わせて調査。経歴詐称の疑いを見つけ出す。むりやり阿藤に会食を求める三戸。
結局三戸の脅迫は失敗し、却って自分の持つ弱みのため、これ以上の追求を諦める三戸。

一件落着するかに見えたが、今後自分が阿藤政権のアキレスけんになる事を予測して去って行く。

 

第八話(最終回)
「阿藤おろし」の声が高まる中、絶大な人気を誇る日本新憲党議員・氷室誠之助(葛山信吾)は公然と阿藤をバッシング。
そんな中、マスコミにグランメゾンを公開した阿藤は、記者を招待している最中に倒れる。
阿藤が倒れたのは単なる過労だったが、自己管理能力も含め、更に批判にさらされる。
氷室はその機に乗じて阿藤に会食を申し入れた。マスコミは色めき立つ。

その矢先、阿藤の許を去った古賀が、連日大物政治家と密会している事が週刊誌にスクープされる。
氷室の会食までの数日、くるみは料亭の仲井になって古賀を待ち続け、とうとう捕まえる。古賀に真意を聞くが、記事を認める返事しかしない。
官邸に戻ったくるみは記者団の前で、総理を辞めさせる料理を作ると言ってしまう。
そして会食の日。くるみの出した料理は「ガチョウのコンフィ、ハスの実のリゾット添え」。ガチョウは普通硬いが、脂肪の中で長時間低温加熱する事で柔らかくなる。氷室は、硬い頭の若造への説教と曲解。
くるみが答える。中国薬膳の書にはガチョウの肉には耳を良くする、ハスの実には目を良くする効果があるとの事。それは阿藤への必要な食材でもあった。くるみは阿藤の近づき「今が潮時です」と言う。それを受けて氷室は阿藤に退陣を促し去ろうとすると、阿藤は先の耳と目の件は君にも必要な事では、と言う。氷室を総理として担ごうとしている者に踊らされて

、耳は聞こえず、目も見えない状態。新党結成の動きを阿藤は知っていた。
そこに入って来た古賀。新憲党重鎮の福井が引退するとの報。今後は阿藤支持に回る。彼らが氷室を担いだのは、引退までの時間繋ぎでしかなかった。氷室の議員としての手腕を認め、諭す阿藤に氷室は頭を下げた。
くるみは、問題発言の責任を取って解雇された。厨房に居るくるみに清沢は、使い捨てにされたと言うが、くるみは「そう悪くない」と返す。

 

感想
趣味の作業をしながら、たまたま「ながら」見してから、何となく毎回視聴する事になってしまった。
まあ、設定のプロフィールは出来過ぎだが、毎回のエピソード(ウンチク)が面白かった。
朝ドラの「あさが来た」で番頭をやっていた三宅弘城が、くるみの補佐をする田村役だったが、けっこういい味出していた。
ストイックな清沢役の高橋一生も好演。

 

意外だったのはエンディングの出演者が行うダンス。まあゆるいものだが、好感が持てた。ケツメイシの曲もなかなかマッチ。
https://www.youtube.com/watch?v=syzN7pr9wWA

 

そういえば、剛力彩芽と言えば「ヤマザキランチパック」のCMで踊ってるコ、という印象だったっけ。
https://www.youtube.com/watch?v=Xw3Q2ADxiJY

 

 

 

 

アナザーストーリーズ「アイルトン・セナ事故死 最期の真実」2015/5/13放送 BS

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1年ほど前、記事の下書きだけして忘れていた。今回「ふるふワールド」さんの記事で思い出したので、遅まきながらアップ。
あの頃は、夜中までF1観てて、いつも寝不足だった・・・
「セナもセナだが、プロストもプロストだ・・・」なんて試合のたびに呟いていたものだ。


1994年5月1日。イタリア・イモラ・サーキット。サンマリノ・グランプリ。
ベアトリス・アスンソン。女性広報官。セナの最後の4年間を支えた。
セナは勝つために命を賭ける。限界に近づくほどエキサイト。だがサンマリノの試合前日、12年振りの死亡事故が発生していた。セナは動揺し、泣き崩れた。恋人に「走りたくない」と言っていた。
セナには戦わなくてはならない訳があった。2年連続でワールドチャンピオンになれず。シューマッハの台頭。2位は敗者のトップでしかない。

 

頭部激しく損傷。4時間後に死亡。ブラジルで国葬された。
不可解な点。衝突寸前、ブレーキ踏んだがコンクリートの壁に正面から突っ込んだ。
裁判が開かれた。「セナを殺したのは誰か?」
起訴されたのはベアトリスの夫、パトリック・ヘッド(テクニカル・ディレクター)。セナはパトリックにマシンの不調を訴えていた(車体が不安定)。
その年にルール変更がされていた。最新鋭の電子制御による自動バランス装置がその年に禁止となった。背景:制御システム搭載の車は敵なし→レースがつまらなくなった。
禁止だけが先行して安全が置き去りにされた。
マシンの調整が追いつかない。裁判は8年に亘って続いた。結局事故の責任までは問えないという形で結審。二人はその後離婚。

 

ルーベンス・バリチェロ。セナに憧れてF1レーサーになった。セナは弟の様にかわいがった。
セナの死後過酷な人生が始まる。祖国ブラジルの期待。
セナは勝つとブラジル国旗を掲げた。いつも優勝を期待されていた。
バリチェロは勝てなかった。国民は厳しかった。毎日泣いていた。孤独。誰も助けてくれない。
父親の言葉「セナはセナ、お前はお前」
2000年、ドイツグランプリでバリチェロ初優勝。レース生活19年で322レース出場は史上最多。


尾張正博。ジャーナリスト。
事故死したセナと対面した。記事が書けずジャーナリストを辞めた。その後働いていたところの親方に言われた「F1から逃げて来たんだろう」。
3年後に記事を書き、ジャーナリストに復帰。セナが死んだことで残された人間が変わる。

 

ゼッチ。サッカーブラジル代表。試合前に黙祷。会場ではセナコール。
死の11日前に約束を交わしていた。その日ブラジルは4度目の優勝を果たした。

 

感想
セナの死に深く繋がっていたマシンのルール変更。当時聞いていた様な気もするが、20年も経てば忘却のかなた・・・・
そして彼の死に関わった者たちのストーリー。
今回改めて知り、レースとルールの冷酷な関係を強く認識した。



NHK サイエンスZERO 日本発!夢の新素材 セルロースナノファイバー 9/18放送

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番組紹介
http://www.nhk.or.jp/zero/contents/dsp556.html

 

セルロースナノファイバー(CNF)。原料はパルプ。植物由来。
19世紀:鉄の時代、20世紀:プラスチックの時代、21世紀:セルロースの時代。
2030年には市場規模1兆円となる。
軽くて強い(鉄の半分の重量で5倍の強度)。

 

工程
パルプと水を混ぜてミキサーにかける。砥石を使って更に細かくする。その水溶液からCNFを取り出す。太さ10億分の1m(ナノサイズ)
その特性の理由
通常のパルプは繊維の結合点が少ない。CNFの結合点は数万倍。

京大の矢野浩之教授による解説。大量生産が出来ない。コスト→鉄:50~200円/kg。CNF:5000~10000円/kg。
磯貝明教授(東大)。電荷の力でパルプの細胞をほぐして行く。簡単、大量にCNFが作れる。マルクス・ヴァーレンベリ賞を受賞。
強化プラスチックとして10%混入→車を20%軽量化出来る。
課題→CNFが水系に対し、プラスチックは油系(なじまない)。化学処理により分子の一部をOH基に置き換える→混ざる。数年後には車のドアに使える。課題→耐久性、安全性。

 

もう一つの特性:チクソ性。通常は固まっていても、振ると液状になる。
塗料→塗ると固まるため、好ましい特性。三菱鉛筆→ボールペンのインクに混入。かすれ防止。綺麗に書ける。
日焼け止めの増粘剤。通常はいつまでもベタ付く。CNFではベトつかない。スプレーが広がり易い。化粧品にも応用可能。天然素材。

 

表面積大→消臭効果。保水。
大人用紙おむつ。消臭効果3倍以上。
冷凍ハンバーグ。水を抱き込みジューシーさを保つ。

今後安全性を検証しながら用途開発を進める。


感想
炭素繊維は、まあ我々の生活にも浸透しているが、アクリルを蒸し焼きにする等の特殊な工程が必要。
身近にあるパルプで、そんなに強度の大きなものが作れるのは驚き。
問題になって来るのが生分解性。耐久性と裏腹の関係だが、この点を良く考えないとプラスチックの二の舞になる。

 

宇多田ヒカル ~人間・宇多田ヒカル 今「母」を歌う~ 9/22放送 NHK SONGSスペシャル

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番組紹介    番組詳報

 

対談相手:糸井重里
緊張しているね(糸)
昔に比べたら、楽(宇)

1983年。米国生まれ。15歳でデビュー。990万枚の大ヒット。全てのアルバムがヒットチャートで1位を記録。
音楽業界を変えてしまった。07年の「Flavor Of Life」が700万ダウンロード(世界記録)。

2010年/8月にホームページ上で活動休止宣言(27歳)。
それにすぐ反応したのが糸井。ウチにスカウトしたいと言った糸井に宇多田がリアクションしていた。

 

Q1:人間活動宣言とは?
ウチに来ないか、のやりとりはどう思った?(糸)
あの頃は音楽ばかりで、その流れを止めたいと思った。そうなの?と遊んでくれたという気持ちもあったけど、半分本気(宇)
普通の仕事がしたかった。本屋でも何でも、望まれている事をしているという実感。
本来の自分に対し、イメージだけがかけ離れてしまう。自分のことなのに良く判らない。
やめて初めて自分が何も出来ない事が判った。移動、食べ物の調達。そのために日本を離れた。

 

Q2:何していた?
家で人の曲唄ったり。仕事のプレッシャーから逃れた。習いたかった語学、図書館通いなど。
若い人たちとのつきあい。遅くやって来た青春。ただの人になった。日常というものが今までなかった。
ミュージシャンはメチャクチャな生活。
子供が出来ると、毎日規則正しくしないともたない。

 

Q3:母「藤圭子」はどんな存在?
母であると同時に偉大な歌手。ステージで歌い出すと戦闘系キャラ。オーラが出る感じ。個性的だったし、純粋に素敵→母親だから。
あらゆる現象に母が見えてしまった。私の原点は母。自分の接するあらゆる現象に彼女が含まれているのは当然→素晴らしい事だと思った。

 

2016年/4月に活動再開。最初は「花束を君に」。

原点である母を歌った。率直な気持ち。言葉が足りないから花束を贈る。形で伝えないと後悔する気持ちが芽生えた。

 

宇多田の歌詞について言及する歌手。井上陽水。
コンサートでも「さくらドロップス」などをカバーしている。
ライブに突然彼女が来て「AUTOMATIC」を唄った。
普通は冷たいイメージのコンピューターに手をかざすと「暖かい」という感性。胸がキュンとする。
タイトルの「AUTOMATIC」も驚き。聞いたことがない。自動的にそうなっちゃうという感覚。

歌唱法がいつも苦しそうだった(糸)
休んでいるうちに苦しくない唄い方になった(宇)

陽水は続ける。「トラベリング」の歌詞。
仕事にも精が出る、不景気で困ります。ユーモアがあり、笑えるフレーズ。
歌詞としては使わない言葉にユーモアを感じた?(宇)
どうにも出来ない状況で唯一出来るのがユーモア→大事なこと。武器でもある。助けてくれる。
ユーモアの背後に切実な叫びがある→「壊したくなる衝動」 パンク、現状不安。
「急ぐことはないけれど」→虚無的。
もう1回聴くとどう変わるか、と思わせる。

声に代表される彼女の「せつなさ」。日本人を惹きつける。
特殊な環境で育っている。どちらで育ってもアウトサイダー。
アメリカで、人種のるつぼの中でも日本人だと言われてしまう。どの面においてもアウトサイダー(宇)
疎外感、寂しさ、孤独。どこでも食い込んで行ける自信がある。

高畑充希の好きな歌「Prisoner Of Love


新たな活動ではコラボ(椎名林檎、小袋成彬など)。
より肉体的になった。聞いて、受け止めてもらえた。
リアルな生活。水道代を払い、ゴミを出す。空想ではなく本当に生きている。今まではキャラ。
今は強がってもいない。キャラを経由しなくてもいい。

 

新曲「ともだち」(小袋 成彬とのコラボ)
同性愛者の、同性愛者でない者への思い。何にでも距離感はある。人と人との距離感を唄ったものが多い。

 

Q4:母となった今、亡き母に伝えたいことは?
今もし子供がいなかったら、仕事を再開していない。
大人になった時に、世界観を形成される時期の記憶がない→すごい事。
子供を育てていると「なぜ私はこうなんだ」という自分の誕生からの2~3年が見えて来る。
親に対する感謝。闇の「判らない」部分がなくなる。腑に落ちる。

新曲「

シロウトさんによるカバー・・・


感想
朝ドラのテーマ曲「花束を君に」を聴き慣れているので、活動再開と聞いて、何の気なしに番組を視聴したが、思いのほか心に残るものだった。

母、藤圭子は晩年イロイロあったようだが、それを全て飲み込んで感謝の気持ちが素直に出て来るのは、やはり子供を産んだことが大きな要因だろう。

 

そうなんだよな。自分の人格が固まる、3歳までの期間を過ごした時の記憶がないんだよ。
自分の子供を育てる時に、そんな事思いもしなかった・・・・ まあいいか(って手遅れ)

 

NHKスペシャル 縮小ニッポンの衝撃 9/25放送

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番組紹介  番組詳報

 

今年5年振りに実施された国勢調査。日本の総人口が初めて減少に転じた(-94.7万人)。全国自治体の7割が減少。特に北海道は-12.3万人。団地はもぬけの殻。島根県では人口が大正時代を下回る。

 

高度成長による人口増が今までの日本を支えて来た。今後東京も減少。消滅への道。私たちの未来に何が待っているのか。

2020年。東京五輪開催の節目でもあるが、東京の人口が減少に転じる年とも言われている→何を意味するか。

 

今回豊島区を取材。池袋を抱える人口28万都市。高野区長→そんなこと(人口減少)ってあるの?と思っていた。
区の対策チーム立上げ(人口データの分析)。
今までは転入者による人口増に支えられて来た。詳細の調べ。20代の転入単身者収入:240万。区内同年代より40万低い。将来人口が減少する要因→解決が難しい。
最新情報では25歳以上の転入増加。人手不足(特に警備の仕事)。

 

ある警備会社。60名/年雇う7割が地方出身者。地方で職を失って東京に来る。単身者の寮を増やした。6帖に4人(2段ベッド2組)\1,350/日。一時的のつもりが長期間になる。
新潟出身の37歳。ここに来て3年。仕事は安定していない。日給8,000円。年収200万。地元に戻っても仕事がない。気付いたら何年も居た。雇い側もどうしていいか判らない。

東京に現実が見えて来た。
豊島区役所。現在人口の多い20~30代は25年後に3割減少。税収は減り、社会保障費は増加。
未来図:2020年五輪開催→2028年税収減少が始まる→2035年社会保障-50億→2060年-100億。区民サービスカットが必要。大変な行政経営。豊島区は東京全体の縮図。2045年には全区が税収減少に転じる。

今まで国の発展を支えて来た東京。人口増加を前提とした社会システムの見直し。

 

夕張市。10年前に財政破綻した。住民が11万→9千人以下に激減。人口に合せた行政サービスの撤退。空き部屋が増えた市営住宅。インフラをどうするか→予算次第(我慢する)。
夕張へは全国から視察が相次ぐ。どこまで切り詰められるかのお手本(確かめたい)。市民から希望を聞かない。当たり前にやっている事が出来ない。図書館廃止、医療機関の縮小。最低限の行政サービスを見直す。
10年前の財政破綻。借金350億。効率化の推進。鈴木直道市長(5年前に東京都職員から転身)。35歳。手取り月収15.8万。

その中でも公費は自腹負担。人口が残っているのなら、ある程度の行政サービスは必要。

 

課題:清陵団地。1200世帯の容量に現在260世帯しかいない。1世帯でも住んでいれば維持しなくてはならない。
4ケ所の橋:560万/年。浄化槽:2300万/年→水道管、道路等含めた市全体のインフラ維持コスト17億。
当団地では「政策空家」の方針を進める。将来の取り壊しを前提に棟単位で空家になるよう誘導→団地内の住み替え禁止。

雨漏り、上層階等の不満あっても対応なし→出るしかない。
市の方針→最終的に清陵団地は4棟程度に縮小。町内会長に打診。移転した者→環境変化で早死にした。市としては少しづつでも進めたい。
直視しなければならない現実。

 

人口減少している自治体179ケ所のアンケート。道路等の維持不可→6割。住民の意識改革が必要→住民に委ねる。

島根県飯南町。巡回バス。運転するのは農家の男性。町の運営を住民に委託。交代で運転(スケジュール管理)。
雲南市。12年前に6町村が合併。収支悪化し、2005年に財政非常事態宣言発令。職員2割減。
住民組織の立上げ。市内を30に区分け、活動資金を配分。行政サービスを住民が代行。
鍋山地区。400世帯を7人で回る。水道検針、高齢者見守り等。だが組織活動は岐路に。メンバーが相次いで死亡。ある程度の人口の土台がないと維持出来ない。
雲南市の住民組織は始めて10年→悲鳴が聞こえ始めている。人口が減る中でのサービス維持はきつい。入る者は100%ない。
市の幹部は「消滅も選択しとしてあり得る」。

 

島根大の作野教授。20年に亘って人口減少集落を支援。人口に見合った規模に生活圏を縮小する提言。今動きださないと集落維持が困難になる。

夕張市。市内の中3生へのアンケート。地元高校への進学希望は3割。町の将来に希望が持てない。
対応が必要だが、他にも必要な事がある。市内の保育園3ケ所全てが耐震基準を満たしていない。毎月の避難訓練で代用。
苦しい中でも鈴木市長は夕張高校に、資格取得、進学支援と予算を付けた。財源は「ふるさと納税」。


感想
国勢調査、確かちょっと前に何か出したナー、と記憶している。どうせ大したデータはないやろ、と思っていたら、日本の人口減少という事実を突き付けられてしまった。予想は出ていたんだけどね。 

人口減少の影響はボディーブローの様にジワジワと効いて来る。
4年先の五輪に浮かれているうちに、突然経済がおかしくなる、なんて事も起きるかも。

しかし、行政サービスも工夫次第でコストカット出来そうな気はする。水道料金なんかは自己申告でメール送信にすれば人手かけなくていいし(エビデンスはメーターの写真をJPEGで送付)。ただ困るのは、対応出来ない人が一人でも居るとやれないって事か・・・・

 

人口関係サイト
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hokabunya/shakaihoshou/dl/07.pdf
http://www.recruit-ms.co.jp/research/2030/report/trend1.html
http://www.recruit-ms.co.jp/research/2030/report/trend1.html

 

 

NHK あさイチ「持たないくらし」 ミニマルライフ 9/26

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番組詳報

録画チェックでの確認。
日頃荷物の多さには閉口しているので、この話題に、つい食い付いてしまった。

 

第一のケースはアフロ記者の稲垣えみ子。
主に家電品を持たない生活を実践。ただ、カーテン不要というのは睡眠時間確保の点ではマズいだろう。エアコン不要も地域によりけり。
また、月の電気代が158円と言っていたが、東電の場合10A契約でも基本料金が280円となる。この辺ちょっと突っ込みどころ。

 

第二のケース、廣瀬さん一家。子供1人の3人家族。冷蔵庫と洗濯機を1週間使用禁止にした。
家電品の有り難さを感じる点では役に立つが、この生活をいいとは思わない。

 

第三のケース、尾崎さん一家。子供3人の5人家族。ソファーの撤去。
これについては参考になった。我が家でもフローリングの割りに床で座る生活であり、ソファーがあまり生きていない。思い切って処分してもいいか(古いし)。

 

第四のケース、増村さん一家。妻の仕事はライター。仕事減らして長野に移住し、自給自足の生活。
生き方の問題であり、まあ共感が持てる。

 

第五のケース、音楽プロデューサー。家を持たない生活。バッグに生活用品一式を持つ。住民票を抜いている。
きっかけは東日本大震災。トラック3台分の荷物を捨てた。
まあ、これは論外・・・・

 

感想
この内容では、我が家のガラクタ類をどうやって減らすか、というための参考にはならなかった。

 

追記
上記の158円について、NHKに聞いてみたところ、返信が来てびっくり。


返信内容

ヤ シ マ 様

NHKの番組をご視聴いただき、ありがとうございます。
お問い合わせの件についてご連絡いたします。

電気代については、東電の従量電灯Aという契約になります。
5Aで使用電力8kw以下の設定で、231円55銭になります。
そこから、口座振替割引54円と、燃料費調整額が37円36銭が割引になります。
さらに再生エネルギー発電賦課金が18円加算され158円という金額になります。

今後とも、NHKをご支援いただきますようお願いいたします。
お便りありがとうございました。

あさイチ 担当
NHKふれあいセンター(放送)


東電のHPには10A契約までしか記載がなかったのでビックリ。
それに割引や調整額なんてあるのね。
基本料金で8kWまで使えるとなると、266W/日。これだと電灯ぐらいなら十分
範囲内に収まるかも。
稲垣さんにもNHKにも敬意を表します。

 

ハドソン川の奇跡  2016年

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観るべき映画です。

 

監督 クリント・イーストウッド

 

キャスト
チェズレイ・サレンバーガー  トム・ハンクス
ジェフ・スカイルズ      アーロン・エッカート
ローリー・サレンバーガー   ローラ・リニー

 

予告編
https://www.youtube.com/watch?v=4Ctk1tZa320

 

あらすじ
事故の経緯は実話通り(世界仰天ニュース)。

管制室では1549便に近くの空港へ着陸するための情報を出すが、返事は「ハドゾン川に降りる」。
事故直後から機長の飲酒、精神状態に関する確認を進める空港関係者。
NTSB(国家運輸安全委員会)に呼び出されるサレンバーガーとスカイルズ。NTSB側の情報では、左エンジンは完全に死んでおらず、その低下した推力でも、コンピューターによるシミュレーションでは最寄りの空港に降りる事が可能だと指摘。サレンバーガーの行為を、乗客に死の危険を負わせたものだと言った。保険会社も事態の動向を注視。

 

包囲網がだんだん狭められて行く中で、サレンバーガーは、次第に最悪の状況まで覚悟する。業務外でコンサルタント会社を立ち上げ、また不動産売却も思うように進んでいない。
そんな中、事件をレポートするコメンテーターの話す「全てのタイミングが合ってこの救出劇が起きた」との話に「タイミング・・・」と呟く。
2日後に行われるNTSBの公聴会の場で、実際のパイロットを使った事故のシミュレーションも同時中継出来るよう、関係者である友人に依頼する。

 

公聴会当日。出廷するサレンバーガーとスカイルズ。サレンバーガーの希望により披露されるシミュレーション。コンピューター同様、パイロットによるシミュレーションでも帰港が可能だった。
その結果についてサレンバーガーは、シミュレーションには「人的要因」が考慮されていないと指摘。そのパイロットは事故の内容を既に知っており、何をどうすればどうなる、という事も承知している。
自分たちが直面したのは全く前例の無い事故。トライした事とその結果、全ての事象を繋ぐタイミングとしての所要時間が全く考慮されていないのはおかしい。
その声を受け、NTSB側は人的要因として35秒を考慮し、再度シミュレーションを行った。その結果、機体は空港の手前で墜落した。
サレンバーガーが、このシミュレーションは何回行われたかを聞くと、担当官は17回行っていたと答えた。
そこで公聴会は一時中断。

 

しばらくして再開された公聴会。事故当時の機内の会話が再生される。
再生が終わってから話される委員会の見解。この事故が人的損害なく済むための要因「X」にはサレンバーガー機長が必須だった。
それに答える機長。この事件に関わった副長、客室乗務員、救助してくれた人、また全ての関わった人たちの力で1人の犠牲者もなく助かることが出来た。

最後に副機長のスカイルズにコメントを求める担当官。もう一度この経験をするとしたら?
「今度は1月でなく7月がいい」。場内に笑いが起きる。


感想
映画で涙を流したのは、相当久しぶり(機長が述べた最後のコメントでやられた)。
与えられた危機、計算するヒマなどない状況で決断し、実行した結果を、調査官が執拗に調べ上げる。追い詰められる中で示した「人的要因」の35秒。この辺のロジックの追い込み方が素晴らしい。

 

事実としては、このサレンバーガー氏が罪に問われたなどという事はなく、左エンジンは電源供給程度の出力しか出せない状態で、最初から帰港は無理だったとの事。ただしそこに至るまでの、プロセスとしてのシミュレーションは確かに行われており、機長のストレスも多くあったのだろう。

トム・ハンクス、アーロン・エッカートとも、抑制した演技で非常に好感が持てた。特にアーロン・エッカートはバットマンの時の検事(悪役)、幸せのレシピでの主役に絡む役(ニック)と、結構アクの強い役者というイメージだったが、今回は徹底して普通の人を演じ、それがいかに普通でないか、という事なのだろう。

 

飛行機、公聴会というキーワードで「アビエイター」を思い出した。もう11年も経つのね・・・・

 

原題の「SULLY(サリー)」はサレンバーガー機長のニックネーム。邦題がベタすぎるのは、まあしゃーないか。

 

 


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