NHKスペシャル 2030 未来への分岐点
第二回「飽食の悪夢~水・食料クライシス~」BSP2/7放送
感想
今回は水・食料がテーマ。
肉=穀物の意識はあったが、水までワンセットとなっているとは、今まで思っていなかった。川が多い日本では、それほど水不足を気にしない(水に流すなんて言葉もある)
また、一番深刻なのは日本の食料自給率。38%では危う過ぎる。
食料の自由化を押し進めた結果、重大局面で食料がショートした時には取り返しがつかない。
今、コロナ危機で多少これらの危うさが見え隠れしている。一つのチャンスと考えて方向性を見直す提案をする政治家が出ないものか。
そういえば「ソイレント・グリーン」なんてあったナー(ぞわッ)
第三回 プラスチック汚染の脅威 は2/28放送
内容
2021年。ナナ19歳(大学一年)へのメッセージ
「きっと君たちは後悔する。飽食が食料システムを崩壊させる」
日本は世界一の飽食国。
食品廃棄物処理工場へ、毎日35トン持ち込み。
スーパーやコンビニから(まだ食べられるもの)
365日「いつでも、何でも」の裏側。年間612万トンの食品ロス。
昨年作られた全世界の穀物26.7億トン。人口で割ると2350kcal/人/日。カロリーとしては足りてるが、世界の飢餓人口は8億。
カンザス州にいる肉牛650万頭。年280万頭を出荷(とうもろこしで育てる) 肉1kgを得るのに穀物6~7kg必要。
世界の穀物の1/3が肉の生産に使われる。
穀物栽培には大量の水が必要。今、穀倉地帯に異変。
とうもろこし畑は地下水に頼っている。近年枯渇。
井戸はあと10年で涸れる。
全世界に広がる水不足。
水がいつまでもつかのシミュレーション。
2030年から使用量が急増。2050年に世界の7割で枯渇。
これは2010年基準での計算であり、実際にはもっと悪くなる。
バーチャルウォーター
食料品を輸入した時に、資源国の水をどれだけ使ったかの指標
牛肉1kg→穀物6~20kg→水15,415ℓ
食料資源の偏りが激化
ケープタウン。ワインの産地。記録的な干ばつが起きた。
生産者は水確保のために溜め池を作った。水の囲い込みに投資。
自分の貯水池は自分のもの。
スラム街での水不足。一人一日バケツ二杯。
輸出されるワイン1本に水650リットル必要。
日本の食料自給率38%
なぜ歪みが大きくなったか。
「緑の変革」 農薬、化学肥料による大規模農業。
穀物輸出の80%を20ケ国で独占。
とうもろこしは75%を5ケ国で生産。新興国の消費で拍車がかかる。
ウガンダ コーヒー農園拡大。
小規模農家が追われる→新たな農地を求めて森林伐採
温室効果ガス拡大に対し1/4の要因。
歪みに拍車(先進国の飽食)
おいしいものを、安く食べたい。食料の1/3が廃棄される。
危機回避には複雑な課題克服が必要。
「緑の革命」は成功したが、壁にぶつかっている。
4つの点でシステム改善が必要
①既存農地での改善
②生態系(熱帯雨林)を守る
③食品ロスを減らす
④劣化農地の回復
分岐点は2030年。食料もあと10年で改善しなくてはならない。
先進国が奪い続けて来た。2050年には人口が100億に。
バッタの大発生も温暖化と関係がある。
フードショックの報告
穀物供給国も、食料不安が起きれば輸出停止。
連鎖で暴動が起きる(日本でも起き得る)
必要量の10~20%減るだけで暴動は起きる(不安の増幅)
ベイルートで危機が起きた。レバノンの自給率40%
二年前、財政悪化でインフレ。備蓄庫爆発で食料高騰。
多くの家庭で瀬戸際まで行った。
メリーランド大 サファ・モーテ博士。
破滅へのシミュレーション(資源の偏りを放置した場合)
天然資源の枯渇に遅れて富が最大化しその後減少。
この時急増するのが一般の人々だが資源枯渇により減少。
先進国は危機に気付かずピークを迎え衰退。
人類の未来は、資源の偏りを理解し、コントロールする事にかかっている。日本の食料自給率低い→危機に無力。食料高騰。
変革への一歩
EAT財団のフォーラム
どうやって100億を養うか→責任ある消費と生産
システムの脆弱性改善。健康的な食事。
半分は野菜。肉は牛・豚98g、鶏200g。
不足タンパクは豆、ナッツで補充。→穀物は貧困層に回す。
国連食料サミットで初会合。
肉消費の大幅削減のため、人工肉の開発。
大豆、ココナッツオイルを使う。CO2 89%減、水 87%減
日本でも人工肉の商品化(バーガーキング)
生産現場の改善 アフリカ、ガーナ。
小規模農家がカギ。カカオ生産で化学肥料により土地荒廃。
「不耕起栽培」深く耕さず、下草を生やしたまま栽培。
湿度が保たれ水の使用量が減る。
化学肥料、農薬を使わずに収量30%アップ。
食品ロス改善のネットワーク
廃棄情報を受けて回収。まずアメリカで行い外国に展開。
この半世紀の歪みをあと10年で解消出来るのか?
若い世代にどう伝えるか。先進国が食生活を変える。
持続可能なシステムを探求する。
危機を前にしても、勇気持って一歩踏み出して。
2030年まであと10年