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禁止フロン「中国で使用」の件

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オゾン層を破壊するため国際条約で製造が禁止されたフロンの一種CFC11が、中国東部で2013年以降に大量に放出されているとの分析結果を国立環境研究所(茨城県つくば市)などの国際チームが23

日、発表した。出典はコチラ

 

本件はusachanさんも取り上げており、覚えのために調べてみた。

 

CFC11は元々家庭用冷蔵庫用の冷媒として開発されたものであり、当初は「夢の化学物質」と言われた(詳細はコチラ)。その後改良が加えられ、空調用として「R22」が長く使われた。
だがそこに含まれる塩素がオゾン層破壊の原因とされ1987年「モントリオール議定書」により製造、輸入が禁止された。
だが塩素を含まない代替フロンも、温室効果ガスとして1997年の「京都議定書」により規制が進みつつある→「モントリオール議定書」もギガリ改正として進化。

 

家庭用エアコンの冷媒は、長く「R22」が使用されて来たが、これは塩素を含むHCFC冷媒であるため、代替冷媒である「R410A」に切り替えられたのが1990年代。
更に温暖化係数の低下を求めて「R32」冷媒による切換えが2013年頃から始まり、現時点では全メーカがこれに切り替わっている。ここ数年の動きであり、知らない人も多いだろう。

 

また冷凍の分野では、冷媒として温暖化係数が低いCO2がそこそこ効率的にも成立するため、ローソンが全店舗でCO2冷媒化する取り組みを行っている。
これは冷凍設備メインで考えているため成立するものであり(一部冷房にも流用)、空調専用としてCO2を全面展開するのにはまだ課題が多い。
いずれにしてもR32でさえも「代替冷媒」。空調用として一体どの方向に進むのか、規制が進む中でメーカの課題は多い。

 


話を戻して
今回中国が放出したとされるCFC11は、初期の冷蔵庫の冷媒や、ドライクリーニングの溶剤などに広く使われていたもので、未だにこの類の使用が行われているのか、もしくは別用途か、それとも廃棄か。
この辺りはもっと究明が必要だが、観測技術が進歩した現在「捨て逃げ」は必ず見つかる。

 


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