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Channel: 私の備忘録(映画・TV・小説等のレビュー)
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アリータ: バトル・エンジェル   2019年

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監督 ロバート・ロドリゲス
脚本 ジェームズ・キャメロン、レータ・カログリディス
原作 木城ゆきと 『銃夢(ガンム)』

 

キャスト
アリータ     - ローサ・サラザール
ダイソン・イド  - クリストフ・ヴァルツ
チレン      - ジェニファー・コネリー
ベクター     - マハーシャラ・アリ
ザパン      - エド・スクライン
グリュシカ    - ジャッキー・アール・ヘイリー
ヒューゴ     - キーアン・ジョンソン
タンジ      - ジョージ・レンデボーグ・Jr
ノヴァ      - エドワード・ノートン

 


予告編

メイキング映像

 

感想
日本の漫画家による原作とOVAが市場に出回っているが、いずれも知らない。予告編でのデカい瞳が気になったが、映画が始まってしまえば関係ないか。
オープニングで「20世紀FOX」が「26世紀FOX」になっているとか何とか、ネタバレブログで言われていた様だが見落とした。

 

女性サイボーグものとして、高度なVFX技術を楽しむ映画、と位置付ければ十分楽しいものだった。
確かに「アバター」や「猿の惑星 聖戦記」など観て、CGで表情のコントロールがかなり出来るのは認識しているが、生身の人間の顔でそれをやるというのがどういう事か、良く判った。

アリータ自身の、最初は普通の女の子という立ち位置から、戦士としての記憶を呼び戻すに従って、驚異的に強くなって行くところ、また次のボディでナノテクを使った自動修復システムとか、SF好きにはけっこうそそられる場面が満載。

 

その分背景作りの点では不満が残る。
あり得る、あり得ないというのは置いといて、ザレムと火星連邦共和国との争い、などとしれっと言われても困る。
やはりせめて「ガンダム」程度には火星移住者との確執がなぜ起きたのか、「ザレム」という空中都市だけが残ってノヴァが支配するいきさつなども一切判らない。
誰もがザレムに行きたがっていると言う割りに、実態も判らない。その願望はヒューゴのものであり、アリータにとっては必然ではない。
アリータの秘密がザレムにあるという事の理解が弱いまま「ザレムを目指す」と言われても共感しづらい。

 

練り込みが足らないというか、世界観を作るところが雑。

それは原作が負うべき責めか。
岡田斗司夫が、町に広告が一枚もなく世界観が薄っぺらいと言っていたが、それも確かにある(ブレードランナーほどには要らないが)。

モーターボールについても、あれだけ皆が熱狂するんだから、もう少し通常の試合をやってもいいのに、いきなりトライアウト。それも殺し合い前提で、確かにアクションシーンテンコ盛りではあるが、内容は薄い。
それにアリータは途中試合放棄してヒューゴを助けに行っちゃうし(笑)
しかしこの絵面は、遠い昔「ローラーゲーム」で東京ボンバーズとか、ロサンゼルス・サンダーバードに夢中になっていた頃を思い出す・・・・ 「ジャマーがいない!」とかね。

 

あと、金が欲しいというヒューゴに、自分の胸から心臓を取り出して「これを売ればいい」てなところはドン引き。超強力なエネルギー源なんだから、もう少しそれらしくして欲しかった。
ただ、これを繋いでヒューゴの命を助ける場面もあるから「心臓」の機能表現も必要だし・・・


しかしドラマは、終わり方があまりにも中途半端で、どうも印象悪い。
続編早く出さないと、客の興味を繋ぎ止められない。
「ネタバレ大王」としては、原作を漁って結末を知る衝動に駆られるかも・・・

 


あらすじ
空中都市「ザレム」から放出されるゴミの再生により維持されている「アイアンシティ」。
ゴミの山から部品取りを行っているサイボーグ技師のイドは、そこで少女のサイボーグの頭胸部を見つける。

 

奇跡的に脳の活性が維持されていた。
それを持ち帰り、ロボットのボディに組み込んだイド。


彼のところには、いつも体を損傷したサイボーグたちが駆け込み、治してもらっていた。
目覚めた少女はアリータと名付けられた。だが彼女に記憶はない。
女性と会うイド。それは元妻のチレン。ザレムに戻るためイドと別れた。

300年前に地球と火星連邦共和国(URM)との間で行われた没落戦争(ザ・フォール)。地球で唯一残ったザレムが「支配する側」として君臨し、アイアンシティは「支配される側」としてザレムを羨望した。

 

イドに機械部品を届ける少年ヒューゴに興味を抱くアリータは、彼に町へ連れて行ってもらう。
そこで知る「モーターボール」というゲーム。正式なものはスタジアムで行われる。噂になっている、町で市民が体の部品を奪われる事件。

 

イドが夜中に出掛ける事を不審に思うアリータは、ある夜彼の後をつける。イドが女性の後をつける姿に、てっきり事件に関係していると思い、止めに入るアリータ。

だがそれは女性を襲う者を捕えるのが目的だった。
その相手は賞金首のグリュシュカ。全く歯が立たずピンチになったイドを助けるため立ち向かうアリータ。戦いの中で以前の記憶を少しづつ取り戻し、切れ味の鋭い技でグリュシュカの右腕を破壊したアリータ。だが自分もダメージを受ける。
イドは、犯罪者のサイボーグを退治する「ハンター・ウォリアー」だった。倒した事を届け出て得る賞金で生計を立てている。

 

今までの経緯含め、自分の娘アリータの話をするイド。車イス生活だった娘のためにあのボディを準備していたが、事故に巻き込まれ、娘は死んだ。
アリータの心臓は、反物質のマイクロリアクターで作動する大戦以前の技術。街全体を数年賄えるほどのパワーがある。

 

モーターボールのオーナー、ベクターの愛人になっているチレンは、競技に出場するサイボーグの調整技師(チューナー)でもあった。頼って来たグリュシュカのダメージを見て、相手がURMの戦士が使っていた格闘術「パンツァークンスト」によるものである事を見抜くチレン。
一方ヒューゴは、仲間と市民サイボーグを襲ってはパーツを奪う裏稼業に手を染めていた。商売の相手はベクター。100万クレジット溜めれば「ザレム」に行けると言われて励んでいる。

 

ある日ヒューゴと友人に誘われて、URMの宇宙戦闘艇が墜落して放棄されている現場を訪れるアリータ。自分がかつてURM戦士だった時の記憶が断片的に蘇える。そこで格納されていたサイボーグボディ「バーサーカー」を持ち帰るアリータ。


イドに、敵と戦うためこのボディと取り換えて、と頼むアリータだが拒否される。

反発したアリータは自らハンター・ウォリアーの登録を済ませ、ヒューゴと共にハンター・ウォリアーの溜まり場へ行き、グリュシュカを倒すための仲間を募る。
だが一匹狼の寄り合いでは話にならない。そのうちに乱闘が始まり、そこへパワーアップしたグリュシュカが現れる。
相手が得意とする地下に引き込まれて戦うアリータ。善戦するが、胴を切られ片腕となったアリータは絶体絶命。
その状態で片手だけで体を起こし、ジャンプしてグリュシュカの右目に一撃を加えて潰すアリータ。絶叫して去って行くグリュシュカ。
力尽き転がっているアリータを抱いて帰るイドは、バーサーカーにアリータを組み込んだ。

 

目覚めてイドに感謝するアリータ。ヒューゴともどんどん親しくなり、彼がザレムに行くため金を貯めている事を知り、賞金稼ぎで足しにしようとモーターボールのトライアウトに参加する。
だがそれはベクターの罠であり、参加メンバー全てがアリータを狙っている。競技スタート寸前にそれを伝えるイド。
目覚ましい活躍で敵を倒して行くアリータ。

 

一方ヒューゴは自分の仕事の辞め時を感じ、これが最後の仕事、と市民を襲った後仲間のタンジに抜けると宣言。だがそこへ以前アリータに負けて恨みを持っている、ハンターのザバンが来てヒューゴらの悪事を知る。タンジを殺し、ヒューゴを追い詰めて行くザバン。
ヒューゴからのSOSでスタジアムから出て救援に向かうアリータ。
何とか現場に着くも、ザバンにヒューゴの悪事を知らされ、そのヒューゴ自身ザバンに刺されて死ぬ。
またヒューゴは当局に悪事がバレて賞金首になっており、ハンターの立場のアリータは窮する。そこにチレンが助けに入る。

アリータが、切断されたヒューゴの首を抱えてザパンに見せる。ザパンは納得出来なかったが、公安局は認めた。

 

首をイドのところへ持ち帰るアリータ。彼女の生命維持システムをつないで脳だけは守られていた。チレンの施術のおかげ。
ヒューゴの首を手持ちのサイボーグボディに組み込むイド。そして目覚めるヒューゴ。

チレンの身を案じてベクターの元へ行くイドとアリータ。そこでベクターが、ザレムで全てを操るノヴァの傀儡として話し始める。チレンは各パーツに切り刻まれていた。
逆上したアリータがベクターを刺す。

だがノヴァの意識はそこから去って行った。

 

戻るとヒューゴがいない。ザレムに繋がっているチューブを登っているヒューゴ。
アリータが追い駆けるが、回転するリング「鼠返し」がチューブを通って落ちて来た。バラバラにされるヒューゴ。
辛くもそれをかわし、ナイフでチューブにぶら下がってヒューゴの手を掴むアリータ。
だが傷付いた腕は次第に千切れて行き、最後にヒューゴは微笑みながら落ちて行った。
絶叫するアリータ。

 

モーターボールのスタジアムでスタートを待つアリータ。

連戦連勝で一番人気。
この戦いで頂点に立てば、ザレムへ行く事が出来る。

 

 


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