成層圏上空。アスカのエヴァ2号機とマリの8号機が十字型のコンテナを追っている。強奪するためにアスカが接近するが、コンテナから使徒が覚醒して妨害。
作戦は失敗するかに見えたが、コンテナが一部爆発して使徒を殲滅。
コンテナ内から光る眼。
目を覚ますシンジ。司令室らしきところに引き出されると、そこには軍服姿のミサト。葛城艦長と呼ばれていた。副長は赤木リツコ。2人を始めクルーたちの冷たい視線。
突然の敵からの攻撃。リツコは撤退を勧めるがミサトは「飛ぶわよ」。
EVA2号機を使って点火器をブチ込みシステム起動。機体は「ヴンダー」として発進。ヴンダーは使徒4体を引きずり出し殲滅。
シンジが「エヴァに乗る」と叫ぶが「あなたは何もしなくていい」と冷たく言い放つミサト。リツコは「初号機は本艦の主機として使用中のためパイロットは不要」という。だが初号機覚醒リスクの保険のため、シンジの首に首輪(DSSチョーカー)を付け、いざという時はシンジの命を以ってせき止めるという。
シンジの応対をしていたのは鈴原さくら。トウジの妹だった。どう見てもシンジより年上。
あれから14年経っているとミサト。そこへアスカ。怒りと悲しみ。体つきはシンジと同じ。エヴァの呪縛だと言う。
綾波の行方を聞くが、初号機からはシンジのみ回収されたという。
レイの声が聞こえる。MK9(外観は零号機類似)で迎えに来るレイ。ネルフのエヴァは全て殲滅するというミサト。ネルフ壊滅を目的とする組織「ヴィレ」。MK9に乗ってヴンダーを脱出するシンジ。
むきだしになっていたジオフロント。景色を見て14年の経過を知るシンジ。
ピアノを弾いている少年。シンジの前に現れるエヴァ。ゲンドウと対峙する。エヴァ13号機。「時が来たらその少年とこのエヴァに乗れ」。
レイに会うシンジ。募る違和感。助けた筈のレイとは違う?
ピアノを弾くカヲルに会うシンジ。連弾を持ちかけられ、少しづつ上達して行くシンジ。
様々なエピソードと共に親しくなっていく2人。
「僕は君と会うために生まれて来たんだね」とカヲル。
14年間眠っていた間にみんながどうなったか。
「知りたいかい?」長い階段を降りて行く2人。霧が晴れた先に広がる惨状の跡。君が初号機と同化して起こしたサード・インパクトの結果だという。
自己を人工的に進化させるための儀式。全てが太古よりプログラムされていた絶滅行動であり、ネルフではそれを「人類補完計画と呼んでいた」とカヲルは言う。
「父さんは何をやっているんだ」混乱するシンジ。
全てのきっかけはジンジだと言う。ガフの扉を開いたエヴァ初号機はサード・インパクトのトリガとなってしまった。リリンの言う「ニア・サード・インパクト」ショックを受けるシンジ。
冬月がシンジを将棋に誘い、その折りに母親の話をする。
綾波ユイ。今ではエヴァ初号機の制御システムとなっている。コアへのダイレクト・エントリーシを自らが被験者となって試みたが、ここで彼女は消え、彼女の情報だけが綾波シリーズに残された。君の知っている綾波レイはユイ君の複製品の1つだ。
その娘も母親同様初号機の中に保存されている。それが碇の計画。
ゲンドウは言う「最後の契約の時が来る。もうすぐ会えるな、ユイ」
エヴァ13号機の起動の時が来た。が、シンジは拒否する。エヴァにのると首のもので死ぬと言われていた。
「リリンの呪いとエヴァの覚醒リスクは僕は引き受ける」とそれをいとも簡単に外し、自分に装着するカヲル。
君の希望はドグマの爆心地にある2本の槍だけだ。それが人類補完計画のキーとなっている。その槍を手にすれば4thインパクトも防げるし、世界の修復も可能だ、と言われて搭乗を決めるシンジ。13号機はダブル・エントリーシステム。
ヴンターが13号機の起動を確認した。
MK9が援護につく。
降下の途中で巨大な人形の様な残骸。「全てインフィニティのなりそこない。君は気にしなくていい」
リリスの結界に到着。2人でテンポを合わせて結界を突き抜けて行く。
「これが、リリス」「だったものだ、そのむくろだよ」
近くにはエヴァが。「そう、MK6.リリス型に改造され、リリンに利用された機体のなれのはてだ」という。
リリスには2本の槍が刺さっていた。「ロンギヌスとカシウス。2本の槍を持ち帰るには魂が2つ必要なんだ」
だがカヲルが異常に気付く。「おかしい。形状が揃っている」
早く槍を抜こうと先走るシンジ。
そこへ到着したMK2のアスカ。またサード・インパクトを起こすつもりかと迫る。「本当にガキね」
「やめよう、シンジ君。いやな予感がする。あれは僕らの槍じゃない」
突っ走って槍を抜こうとするシンジ。追加の腕が更に2本出て、槍は引き抜かれた。
ガフの扉が開き、大きな渦の中心に引き上げられる13号機。
ゼーレのメンバーの電源を落とし、次々と抹殺して行くゲンドウ。「我々に文明を与えてくれた。人類を代表し、感謝します」
「何だこれ?僕が槍を抜いたから?」戸惑うシンジ。
「4thインパクトの始まりの儀式」とカヲル。
そこへヴンターが13号機めがけて突っ込む。
「何としても4thの発芽を食い止める」とミサト。
ヴンターにMK9が取り付く。「アダムスの器か」ヴンターの制御系を侵食。
そこへMK2のアスカ。ビーストモード等手をつくすが撃退出来ず、自爆してその目的を果たす(直前でアスカは脱出)。
4thインパクトに進みつつある状況。
「君のせいじゃない、僕が第13の使徒になってしまったからね。僕がトリガーだ」
「ごめん、これは君が望む幸せじゃなかった。ガフの扉は僕が閉じる」
カヲルが何を言っているのか理解出来ないシンジ。扉は閉じない。
マリのMK8がシンジのエントリープラグを射出させると、ガフの扉は次第に閉じる。「しっかりしろ、わんこ君」
「ひどい有り様だな」と冬月。
「だがゼーレの少年を排除し、第13号機を覚醒へと導いた。葛城大佐の動きも計算内だ。今はこれでいい」
副長のリツコ「誰のおかげか判らないけど、今夜は止まった。ミサト、今はそれで良しとしましょう」
エントリープラグの中でうずくまるシンジを引きずり出すアスカ。レイも近づいて来た。
「さっきのパイロットね。綾波タイプの初期ロットか」
「リリンが近づけるところまで移動するわよ」
3人がとぼとぼと歩く中でエンドロール。
感想
2009年の「破」から3年あまりを経て公開された「Q」。前2作はDVDになってから鑑賞していたが、公開直前のTV公開と「Q」の本編6分あまりの公開映像を見て一念発起。旅行のため休暇としていた11月22日の午前に観に行った。
さすがにエヴァを「50歳以上割引」で観るのは恥ずかしかったが、監督の庵野も50歳以上だし、まあいいか。
平日というのに、客の入りは50%近い。基本的に前の方にはみな座らないので、これは驚異的と言っていい。女性の姿はカップル片割れの数名だけで、けっこう「ヲタク臭」満載。
最初に出て来たのが「巨神兵東京に現わる」。
10分あまりの小品だが、パンフレットによると庵野秀明が館長を勤める「特撮博物館」の展示映像だったのを再調整したもの。ミニチュア特撮とアニメの合成技術を紹介したものとして興味深かったが、内容的には見るべきものはない。
さて本編。
実は、どうせ難解だろうとネットでネタバレ情報を仕込んでいた。ミサトがネルフに対抗した組織「ヴィレ」を立ち上げ、その旗艦となる「ヴンダー」。
ただ、難解な上に圧倒的に多い情報量。細かい言葉にこだわっていると置いてかれる。
観た後でネタバレで再確認してようやく理解した事の多いこと。
まず「ヴンダー」。最初多数のケーブルで繋がれていたのが、起動した後に一体化?てな感じで航空機形態となる。元々初号機は電池が切れても突然動くとか不可思議な行動が多かったけど、今度は動力源かよ。ヴンダー自体、なんかゴチャゴチャしてて、センスいまいち。初号機自体が周囲の艦船も含めて丸ごと移動させるパワーを持っているんだから、何も揚力発生を考慮した航空機構成なんかにする必要はないのに。またシンプルな構成で巨大さを演出するなら「USSエンタープライズ」みたいな手法もあるし、手をかけすぎて矮小になった印象。
ヴィレ対ネルフという構図でエヴァ同士の戦いが主体。でもその中で出てくる使徒の扱いって何?
ヴィレにはアスカのMK2、マリのMK8がつき、ネルフ側はレイのMK9と起動を待つ13号機。でも元々全世界でエヴァ製造していたんじゃないの?
世界展開していた話が、結局日本だけの、というかユイ、ゲンドウ、レイ、シンジという「碇一家」の非常にドメスティックな話にシュリンクしている感じ。宇宙を題材にした家族の物語、か。
14年間眠っていて、突然引きずり出されてパニックになるシンジは全くいいとこなし。カヲル君との関係も濃密すぎてほとんど「同性愛」の物語。ただこの辺はTV版を意識している感じはあり、シンジとの関係性においてはさほど違和感ない。
カヲルの言う「リリン」は狭義のアスカたちの意味か?、人類を指す事もある様だ。アスカも「リリンが迎えに来る」と言っているから、ミサトたちの事かな?
レイについては、ユイの遺伝子を受け継いだクローン的存在だという事は「お約束」の設定であり、今さら「助けたよね」で引張るのは陳腐。TV版を知らない者たちへのサービスか?
ミサトねえ・・・・ポジティブなおねいさんキャラから冷徹な司令官に激変。長い闘いの間に変わったという事なんだろうが、ちょっと違和感。でもチョーカーの作動ボタンを押せなかったところはまだ冷たくなり切れていない?
リツコは短髪になって、場末のバーのマダムみたい。従順な副長のポジションだが、最後にミサトに声をかけるところでは以前の関係に戻っている。
でもネルフ組織の中ではリツコの母親が構築した「マギ・システム」もかなり重要な位置を占めていたはず。影も形もなくなって、この辺は庵野の組み立てにちょっと失望。各キャラクターの外観にとらわれて、精神性の深さに届いていない。ゲンドウの言うイミシンな言葉がいかにも軽い。
今回意外だったのが「音楽」。いつも担当は鷺巣詩郎だが、Qでは全くその気配が感じられなかった。エヴァの肝は音楽にあると言っても過言ではない。TVシリーズで数々のメロディーに親しんで来た者としては、何とも食い足りない気分。
第9の「歓喜の歌」はいかにもありがちな場面でありがちな選曲。
さて、この先はどうなっていくのか
TV版の人類補完計画は 日常の中にある「ここにいてもいいんだ」という精神的な補完。
「Air/まごころを君に」では全人類の融合という決断がシンジ一人に委ねられ、結局シンジはアスカの声を聞いて補完を拒否。最後に残された2人。
「序」オリジナルのTV版のトレース。総集編的存在
「破」序の延長線上。ただし使徒に飲み込まれたレイを助ける事でサード・インパクトのトリガとなった。
「Q」凍結されていたリリスの槍を抜くことで4thインパクトを引き起こしかけたシンジとカヲル。だが使徒となったカヲルは身を以ってそれを食い止める。
「まごころを君に」で全人類の融合にまで手を付けてしまったから、壮大さという点ではこれ以上には持ってこれないだろう。
映画の予告(次回作:シン・エヴァンゲリオン劇場版:||)では相変わらずMK8の戦闘シーンがあったので、ロボットアニメ路線で通すつもりなのか?
いずれにせよ、良くも悪くも話題作としての長寿を保っているのは「ガンダム」とは別の方向性で成功している(興行的に?)。
以下ウィキペからの転載
今回の新劇場版は、前回のTVシリーズ及び劇場版を「旧世紀版」と呼称したいという庵野の意向により製作され、前作では明かされなかった「新たな真実」が描かれる。プロデューサーの大月俊倫によれば、時間軸はTVシリーズと同一だが、前編から後編までは旧作のフィルム映像は一切使用せず、現存する原画から新たに撮り直し、それに新画像を大幅に付け加えた作品になる。また新設定や新キャラクターも登場する[4]。完結編は完全新作となり、その終わりは企画段階の構想に近い、大団円となるエンターテイメント志向の作品になるという。また、タイトルから「新世紀」の文字が消えたのは、すでに21世紀(つまり「新世紀」)になってしまったからという理由である。
以下最新のウィキペ(読んでから観るか、観てから読むか・・・・・・)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%B1%E3%83%B4%E3%82%A1%E3%83%B3%E3%82%B2%E3%83%AA%E3%83%B2%E3%83%B3%E6%96%B0%E5%8A%87%E5%A0%B4%E7%89%88:Q