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Channel: 私の備忘録(映画・TV・小説等のレビュー)
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コズミック フロント「恒星間天体 異世界からの訪問者」BSP 9/28放送

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初回放送 2021/10/7

感想
観始めて「確か前に観たな」と思い出したが、どうして前回レビューしなかったんだろうと思うぐらい「面白い」
太陽系外から到来した小惑星が初めて観察された。
そしてその正体に関する様々なアプローチ。
結局、今まで見つからなかったのは見落としだったのだろう。
宇宙船などという憶測も飛び交う中、その正体に迫って行った経緯にはワクワクした。
「コメットインターセプター」とは実に魅惑的なことば。

内容
2017年。全く新しい天体が見つかった。特別な軌道を持つ。

Chapter1  天文学の歴史を変えた2日
恐竜が絶滅した小惑星衝突。
2013/2/15にはロシアに小惑星が落下(千人以上が負傷)


NASAによる事前監視→惑星防衛
その中心を担うハワイ マウイ島のパンスターズ望遠鏡(探索専用:広い視野)事前に警告を与えるのが目的。
2017/10/19。ある画像をハワイ大で分析(地球に衝突する危険度の高いものを抽出)その一つが細長く伸びていた。


1日前の画像をチェック。かすかな線を確認。

軌道計算したがプログラムがうまく働かず→仲間にメール。
地球の反対側にあるカナリア諸島の小惑星監視望遠鏡で確認。
こちらでも確認出来た。普通の小惑星ではない(高速度)


太陽系外から来たと思われる。恒星間天体の可能性大。
その後公式に認められた。命名:C/2017 U1
彗星(Comet)と判断。史上初の恒星間彗星。

Chapter2  相次ぐ想定外
恒星の数が1000億個を越す銀河系。
VLT(世界最大級の望遠鏡)で当該天体を観測。今までの常識では小惑星か彗星かのどちらか。
結果に戸惑う→ガス、塵の痕跡見つからず。彗星ですらない。
彗星でなければ小惑星→分類変更
C→A(Asteroid)→A/2017 U1
長期の観測により形が分かる(球でない場合光が変化)
口径大の望遠鏡での観測→明るさの変化が7時間周期で現れる。その差は10倍。


形の推定→長さと幅の比が10倍→想像図を作成。


ハワイ大での命名「Ou Mua Mua(オウムアムア)」
恒星間天体として1I/2017 U1と再改名(Interstellar)
だが軌道計算と実際が微妙にズレる→太陽の重力を計算に入れても何らかの力を受けている(彗星だったらロケット効果あり)


その後ハッブルでの観測が認められる→謎の力を受けている。
エイリアンが作った宇宙船か?との議論も出る。


信号が出ているか電波望遠鏡を向けたが反応なし。
そして宇宙の闇に消えて行った。



Chapter3 新たなシナリオ
発見から3年後の2021/3月。オウムアムアの新しい説の発表。
謎が積み上がりスティーブン・デッシュとアラン・ジャクソンは自分たちでエイリアンに頼らない説明を試みた。

論文を全て読み込み、形はパンケーキ状の方が近いと判断。


サイズが800mとされたのはアルベド(反射率)から。
一般的な小惑星から導き出した。
アルベドがもっと大きければ小さくて良いと推定。
そこに一酸化炭素やメタンなどの物質の氷塊をオウムアムアの軌道に置き計算。物質によってロケット効果を受けると判明。


中でもロケット効果が外から見えにくい窒素に注目。
ロケット効果を生み出す時のオウムアムアのアルベドは0.1と0.64。その0.64の数字に見覚えがあった。


2015/7月、ニューホライズンズが冥王星を映した白いハート。


その白は窒素。アルベド0.64。オウムアムアは窒素の塊。

オウムアムアがどう生まれ、地球に辿り着いたかのシナリオ。
かつて誕生した惑星系。冥王星に似た天体が破壊されて氷が飛び散った。その破片がルーツ→恒星間空間に放出された。
それが銀河系をさまよい太陽に引き寄せられた。太陽で熱せられ氷がガスとなって吹き出す。だが反対側で冷却されるため容積変化は少ない。そして地球に最接近し、離れて行った。
オウムアムアは小さくなった石鹸だとすればスンナリ説明出来る。ガス化するうちに薄っぺらくなった・・・

系外惑星の破片が地球近くに到達していた事の重要な意味。
新しい宇宙観への扉を開いた。

Chapter4 異世界からの訪問者 再び
2019/8/30。再び異変が起きる。
アマ天文家ゲナティ・ボリソフが発見。
2I/Borisov と命名された。
これから近づいて来る。長期観測が可能。ガスを噴き出す彗星。


ガス成分が太陽系の彗星と驚くほど似ていた。

重要なのは、はるかかなたから来ても太陽系彗星と似ていること。太陽系は宇宙の中で普遍的な存在。

第3の恒星間天体を見つけるため、南米チリで新たな望遠鏡の建設が進む(ベラ・ルービン天文台)2024年の稼働を目指す。


 

ある計画が進められている。
2029年の探査計画→「コメットインターセプター」
新天体に探査機を近づける。

ターゲットを決めずに打ち上げ、短期間でインターセプト。


日本でも計画がある。超小型衛星。
メイン衛星1、子機2。

ダストの雲の中に突っ込んでも生き残る。

地球生命のルーツを探る。

 

 

 


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