Quantcast
Channel: 私の備忘録(映画・TV・小説等のレビュー)
Viewing all articles
Browse latest Browse all 1566

サイエンスZERO「究極の謎!?“動物の睡眠”徹底解明SP」NHK 9/3放送

$
0
0

 

感想
元々「動物の睡眠」とあったので大して期待もせずに観始めたが、進むうちにヒトも含めた話に発展して行き興奮した。
ヒトに限らず生物は活動により不良たんぱく質を生成し、それを解消するために睡眠をとるという。
認知症の元と言われるアミロイドβもタンパク質。

だが今回の先生は「アミロイドβ」の言葉を使わなかった。

何か研究ごとの障壁でもあるのか?
この内容は、30分ではちと短いな・・・

内容
進行 井上咲良、浅井理
解説 林悠 東京大学 教授

睡眠中何が起きているのか、何のために睡眠があるのか。
その本質に迫るため動物の睡眠が研究されている。

キリンは首を畳んで寝る。寝る単位は30分(天敵対策)
ハゲブダイは寝る時に粘液に包まれる(寝袋)天敵、寄生虫対策

キタゾウアザラシ
1年のうち7ケ月はエサを取る(1日20H食べ、睡眠は2H)
繁殖期の5ケ月は毎日10H寝る。

みな何らかの形で睡眠を取っている(リスクに代えても必要)
ラットを、寝たら動かして起こす事を繰り返す→3週間で死んだ
2017年、大変な報告があった。脳がないクラゲでも睡眠する。
日本におけるエダアシクラゲ研究
睡眠を判断する行動条件 
・活動期と休止期の周期性 活発と休止が12Hおきに訪れる
・感覚応答性の低下 寝ている時、弱い振動では起きない
・活動期と休止期の可逆性 強い刺激では起きる
・リバウンド 睡眠妨害すると次の応答が悪くなる
以上よりクラゲは眠っていると判断

脳以外でも睡眠は大事。本当の睡眠のベースは何か?
同じルーツか、途中で獲得したものか?

ヒドラ(多細胞動物:脳はない)

観察していると、止まっている時間がある。

ヒトの睡眠との共通点を探る
メラトニン:ヒト等動物の眠りを促すホルモン
それをヒドラに与えると眠った→遺伝子解析を行った
睡眠制御の遺伝子が見つかった→共通祖先がある可能性


睡眠と「ある行動」との関係→食事との関係
マウス、ヒト等は空腹だと睡眠時間が短くなる
ヒドラは睡眠時間が長くなる(無駄なエネルギーを使わない)
エネルギー効率利用のON-OFFスイッチのために生まれた?
行動は逆だがやりたい事は同じ(冬眠、休眠と根は同じ)

線虫:脳は持っているが単純→ある発見
遺伝子にランダムに傷を付けた6,000匹の観察。
睡眠が2倍になるものの調査。Sel-11遺伝子に異常あり
Sel-11→細胞内の小胞体(たんぱく質の工場)で機能する
→疲労すると不良品が溜まる(小胞体ストレス)
小胞体ストレスを食い止めるのがSel-11。

分解が間に合わなくなるとeIF2αが脳に「眠れ!」と指示。
→強制的に睡眠を誘導。

Sel-11が異常の線虫は不良品を分解出来ず、eIF2αを出して眠り続けていた。

Sel-11はマウスにもある。妨げると睡眠は長くなる。

全身の細胞に小胞体ストレスが溜まると、脳にSOSシグナルを送り睡眠を促す(仮説)
Sel-11やeIF2αは、単細胞生物や酵母にも遺伝子が保存されている。またそれらは線虫では皮膚に集まっている。
ヒトの筋肉でそういうものが出ていないかの研究を進める予定。
筑波大学の研究内容


ハエでは寝ないと腸に活性酸素が溜まる→それで死ぬが、別の手段で活性酸素を減らしてやると寝なくても死なない。

生きる限りは疲労的なものが溜まって行く。
それを解消するのが睡眠なのではないか。
不良品たんぱく質は認知症の原因物質でもあり、睡眠がその解消に寄与する可能性がある。

 

 

 

 

今日の一曲
邦題「笑って! ローズ・マリーちゃん」1969年
Smile A Little Smile For Me/The Flying Machine

 

 


Viewing all articles
Browse latest Browse all 1566

Trending Articles