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Channel: 私の備忘録(映画・TV・小説等のレビュー)
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サイエンスZERO「ナノサイズの粒子が世界を変える!“プラズモン共鳴”」NHK 8/13放送

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感想
プラズモンって「どらえもん」的な?(笑)
初めは水の色が変わるとか言う程度の話だったので、大して気合入れずに観ていたが、アンモニアから水素を取り出す時の触媒に使えるという辺りから真剣になり、結局番組を何回か観返した。
光をあてるだけで水素を分離出来る、それも鉄のナノ粒子でそれが出来るとなれば今後のエネルギー調達にとって画期的。
 

別情報で新たなアンモニア合成法の提案もあり、期待が持てる。

 

オマケ
「アンモニア」で以前読んだ「プロジェクト・ヘイル・メアリー」を思い出した。アンモニア代謝で生きる宇宙人とバディを組んで、銀河圏の惑星たちを救う小説・・・

 

 

内容
進行 井上咲良、浅井理
解説 立間徹 東京大学 生産技術研究所

江戸切子(ガラス製品)の赤は「プラズモン共鳴」の原理。


金のナノ粒子が水の中で分散。

粒子の大きさや形で色が変化する。カギとなるのは光の波長。

水色に見える例(赤の波長を吸収するため)

青、オレンジ、茶に見える例(粒子の大きさ、形が変わる)


これがプラズモン共鳴。
プラズマ→気体分子が陽イオンと電子に電離した状態
プラズモン→自由電子が金属からはみ出して振動する現象。
プラズモン共鳴→電子の振動が光の波と共鳴する現象。

ウィルス検査キット

→金のナノ粒子をウイルスに目印として付ける。


プラズモン共鳴の、光をたくさん集める能力のため見える。
考え方は光に引き算をして色を変える(江戸切子は青と緑を引き算して赤が残った)可視光の波長380~780nmより小さいナノ粒子がプラズモン共鳴を起こす。

プラズモン共鳴の違う性質
エネルギーの足し算が出来る。金が吸収するエネルギーは波長により異なる(赤方は吸収が悪い)


プラズモン共鳴で全部光を吸収出来たら?
プラズモン共鳴を起こす粉を水に溶かし光を当てる
3秒後ビーカーが曇る。30秒後湯気が出る。 

クイズ この水の温度は? 100℃  47℃  27℃ 

→正解は27℃ 
プラズモン共鳴で光の波長を吸収し、ナノ粒子周囲のみで熱を発生。この粉は何か?
見た目が金に似ているのがヒント

こたえ→窒化チタン(セラミックス)ナノ粒子は10~50nm。


広い波長のエネルギーを集めることが出来る(光熱変換)

がん細胞の焼灼、ナノスケールの材料合成等への応用
太陽電池の効率アップ等にも使える

他への応用
液体アンモニア(水素を取り込んでいる)
NH3→水素を取り出せるが化学反応にエネルギーが必要。
従来は触媒を使って反応を助けている。

プラズモン共鳴で触媒をパワーアップ
ライス大学 ナオミ・ハラス教授
ルテニウム(600℃に加熱が必要)→強化出来る
ルテニウムにプラズモン共鳴を起こす物質を混ぜる(新触媒)
10nmの銅のナノ粒子(ルテニウムは銅表面に分子で存在)

アンモニアを流し470nm波長の光を当てる

LEDの光だけで「ルテニウム+加熱」の10倍以上の反応量。

ナノ粒子の中の電子が光によって動かされる。


電子がエネルギーを失う代わりに、もっと高いエネルギーを持つ電子を生み出す→ホットエレクトロン

2018年「サイエンス」に発表された

次の課題はコストダウン(ルテニウムは希少金属で高価)
鉄を使うアイデア(学生が発案)バカげている(触媒性能劣る)
だが試させたらルテニウムより性能が高かった。


ルテニウム:1g¥2000   鉄:1g¥0.04
実証実験が進む。
プラズモン共鳴で他の金属もいい触媒になるかも知れない。
普通の状態よりも高いエネルギーを持つ電子

ホットエレクトロン

将来への展望
光を自由に曲げる事が出来る(将来的に)
光コンピューターの小型化
柱を半透明にする(物質の半透明化)
金属ナノ粒子と半導体の組み合わせ→赤外線を電気に変換



今日の一曲
邦題は「2人の天使」中・高時代の思い出・・・
Danielle Licari - Concerto pour une voix




 


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