認知症関連で2週続けて放送された。
1週目は最近良くいわれている治療薬「レカネマブ」を軸にアルツハイマー型認知症の内容を知るもの。認知機能チェックがオススメ。
2週目の超音波治療にはびっくり。
脳血管障害との見地からのアプローチ。
「レカネマブ」より圧倒的に安価で効果も高い。
全力を上げて取り組むべきだろう。
内容
5/28放送
「認知症の転換点#1 “新薬”がアルツハイマー病の常識を変える!?」
まとめ記事
発見から120年とも言われるアルツハイマー病。
1906年、ドイツのアロイス・アルツハイマー博士が発見。
物質が特定されたのは1980年代に入ってから。
昨年発表されたアルツハイマー型認知症の新薬「レカネマブ」がアメリカで今年1月に迅速承認され、日本でも承認申請が進む。
日本の患者約600万。2025年には65歳以上の1/5が認知症に。
治療効果→2週に1度投薬1年半で27%の抑制。
アルツハイマー病のメカニズムと新薬の働き
原因物質「アミロイドβ」の排出が衰え蓄積→神経細胞が死滅。
レカネマブはアミロイドβの塊に取り付き、免疫細胞に除去させる。
この薬の効果により、原因物質がアミロイドβだと確証できた。
薬の開発には困難が伴った(重い副作用)
2つのブレークスルー
1:短期評価は無理→アミロイドβは発症の20年前から蓄積
2:遺伝的にアルツハイマー病の多い一族の発見
集合体プロトフィブリルを標的にした新薬開発。
副作用と費用
まれに重い副作用が出るため、定期的なMRI検査を併用。
アメリカでは年間約350万円の設定。
早期発見の最新研究
1:アミロイドβを画像化するPET検査
2:脳脊髄液(腰から採取)での検査
3:血液バイオマーカー検査→血中アミロイドβの量を分析
アミロイドβ42とAPP669-711の検出割合で判断
認知機能チェック(ゲーム感覚で楽しめる)
6/4放送
「認知症の転換点#2 アルツハイマー病は“脳血管障害”!?」
まとめ記事
アルツハイマー病を脳神経の障害というより「脳血管障害」として捉える研究が進んでいる。
脳の重さは体重の2%ほどだが血流量は15%。
脳は血管網のかたまり。
光シート顕微鏡による奥行方向の血管撮影(3D映像化)
アルツハイマー病患者の血管はブツ切れ状態→その先への血流を阻害
血管壁の「血管平滑筋」が収縮して血流を確保
→アミロイドβは血管壁も通る。働きが低下すると壁に溜まる。
その要因は加齢や生活習慣病。
アルツハイマー病への超音波治療の研究最前線
低出力パルス波超音波(LIPUS)→元々狭心症の治療システム。
弱い超音波を当て脳血管の細胞を刺激→血管拡張効果のある「NO(一酸化窒素)」が分泌され細い血管が修復される。
マウスモデルでの結果
治験の結果
85歳男性。4年前に軽度の認知症と診断され治験に参加。
1年半実施。診断から4年経ったが進行は抑えられている。
承認までの流れ
現在治験の第二段階。国の「先駆的医療機器」第1号に指定。
アミロイドβを増やさないために
・睡眠は大事。若い人でも徹夜をするとアミロイドβは増える。
・体の運動も大事(血流増加は脳にも作用)
今日の一曲
ピンク・フロイド「狂気」から
まあ、認知症も「ブレイン・ダメージ」・・・
Pink Floyd - Brain Damage / Eclipse 1972