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コズミックフロント「ナゾの巨大爆発 スーパーフレア」BSP 5/25放送

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初回放送:2022/5/12

感想
地球でも、太陽のフレア活動により電子機器が影響を受けるという話をたまに聞く。今回はよその星で起きているスーパーフレア現象を解き明かすことで「帰納的」に太陽でも同じ事が起こり得るという警鐘を与えるもの。
けっこう分かり辛かったが、レビューする事で何とか理解できた。


内容
太陽の表面温度は6,000℃。フレアにより太陽表面から爆発的なプラズマを放出→地球ではオーロラを作る。
巨大フレアが発生したら、その威力は水爆1億個分。
もし太陽がスーパーフレアを起こしたら、人類はどう立ち向かうのか・・・

CHAPTER 1 スーパーフレアを捕らえろ!
超巨大爆発(スーパーフレア)の存在は、星の観測から知られていた。ただスーパーフレアが発生すると何が起きるのか、あまり知られていなかった(詳しい観測データなし)
「りゅう座EK星」は太陽と同等サイズの恒星(110光年)


EK星は10日に1回フレアを起こすという(TESS衛星の情報)

 
観測に挑戦した行方宏介(国立天文台 特別研究員)
岡山天文台の「せいめい望遠鏡」による観測。


2020/3月に観測を開始した。
観測指標は星の水素成分から出るHα線。

3/14にスーパーフレアを捕らえる。TESS衛星の観測とも一致。(本当に起きるんだ、との印象)

次いで4/5に2回目を観測したが困惑。

明るくなった後、急に暗くなる。

太陽を参考にして原因を探った→太陽全体のHα線を観測出来る飛騨天文台のSMART望遠鏡を使用(世界でここだけ)

解析の結果→噴出した物質が地球に近付いているため光量が減少していると判明。フィラメントの噴出(世界初の発見)

大量のプラズマ。どれほどの威力か→最大級太陽フレアの10倍。
大規模なイベントが太陽に似た星で常に起きている。

CHAPTER 2 なぜスーパーフレアが起きるのか
関係あるのが黒点。特徴がある(フレアのそばに出来る)
黒点の表面温度は4,500℃(他より低い)

太陽表面を回転する黒点が磁力線を横切り、糸巻きの様になる。磁力線には密度にムラがあり、一部表面に浮かび出る。

その出口と入り口が黒点(N極とS極)出た円弧でフレアを起こす。

 

それをシミュレーションで解いた草野完也(名古屋大学 教授)
隣接する磁力線が近づくとSとNで繋がったフレア2組が繋ぎ替わ

る→リコネクション。

斜めにねじれているのが重要。エネルギーが不安定化。

噴き出してフレア爆発を起こす(X線を放出)



頻度のレベル(年の回数)
A  B  C  M      X    X10    X30    X50
       1     1/10   1/30   1/50


フレア発生3日後、コロナ質量放出が地球に届く。

最初の被害者は宇宙飛行士(被爆)
次いで爆風が地球の磁場を乱す(磁気嵐)オーロラ発生。
送電線に強い電流が流れる。

1989/3。X15クラスが発生。ケベック州で15時間停電。
2003/10。X17クラスが発生。NASA衛星の60%に障害発生他。
1859/9に起きたものが最大(X45)キャリントン・イベント

赤道でもオーロラが見えたが大きな被害なし(日本の江戸時代)

CHAPTER 3 太陽はスーパーフレアを起こすのか?
太陽でもスーパーフレアが起こり得ると主張する柴田一成氏(京都大学 名誉教授)
2010年。太陽型の恒星でも起こり得るとの前提で分析に取り組む。ケプラー衛星が集めた、白鳥座方向の16万個の星が対象。
太陽類似で83,000個抽出。色の変化でスーパーフレアを探す。
星の明るさは自転によって変化。

黒点側が来ると暗く、それが裏に回ると明るくなる。

この中から逸脱する明るさが出ればスーパーフレア。
半年の分析でそれが見つかった。10%の光量増。その後漸減。

最終的に、スーパーフレアが148の星で365回見つかった。
2012年。論文を発表。論文は受理された。
だが「太陽でも起きる可能性がある」の一文は削除された。
(世間に混乱を引き起こす・・・)

その研究を行方が引き継いだ。
最大級フレアの100倍クラスは5,000年に1回。10倍クラスは500年に1回程度と推定。
 

その影響はどの様なものか。
三好勉信氏談(九州大学 准教授)
高層大気の高密度化
2003年のX17クラスの結果をシミュレーション。


400km上空の大気密度変化→1時間で1.5倍。


太陽フレアのプラズマにより高層大気が温まり膨張するため。
X45クラス(キャリントン・イベント)では気圧が3倍になる。


X100クラスが来たら気圧は5倍、10倍に達するだろう。
影響を受ける人工衛星は7,000基(大気抵抗大で速度低下→落下)経験した事のない事態。世界規模の長期停電等。

地球を取り巻く人工衛星



CHAPTER 4 太陽フレアを予測せよ!
NICT(情報通信研究機構)
太陽を監視し宇宙天気予報を出す。米探査機SDO情報利用。
磁場の変化→急変時に情報を出す。
7割の確率で24時間以内の予報を目指す。
フレアの高精度予測。
2017/8/6。X9クラスのフレアを解析。予測点割り出し。
その検証により1日前に予測可能となった。

謎がある。フレアの発生は周期的に変わる。
カギは黒点。黒点の出現する周期→11年周期で増減。

フレアは黒点の多い時期に起きる。

2025年には次のピークが来る
なぜ11年周期か?
堀田英之(千葉大学 准教授)
スパコン「富岳」を使った太陽の内部構造解析。
白い部分が磁場の強いところ。小フレアも表現されている。




人類を脅かすスーパーフレアが、地球の生命誕生に寄与していた。
ウラジミール・アイラペティアン(NASA研究者)
40億年前の太陽は現在の7割程度の明るさ。
一方40億年前、地球に生命があった。なぜ凍っていなかったか。
当時太陽は3倍の速さで回っていた。磁場は10~20倍。

スーパーフレアを頻繁に起こしており、地球上に届くエネルギーが大きく温室効果ガスの効果もあり生命が生まれた。
私たちに恵みと脅威を与えてきた太陽。

いつスーパーフレアが起きるか分からないが、必ず起きる。
対策を進める事が求められている。

 

 

 

今日の一曲
これ聴くと深夜にMTVを観ていた頃を思い出す・・・
The Blow Monkeys - This Is Your Life 1988

 

 

オマケ 庭の花

アジサイはもうそろそろ終わりかけ(一部頑張ってる・・・)

 

アガパンサスだそうです(ゆき・ぷうさん情報)

 

 

 


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