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Channel: 私の備忘録(映画・TV・小説等のレビュー)
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サイエンスzero「免疫でがんに挑め 最新報告!CAR-T細胞療法」NHK Eテレ 9/11放送

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感想
先日ヒューマニエンスの「ゲノム編集」でT細胞の遺伝子組み換えの話があり注目していたが、その件の細かいバージョンが本番組。
血液がんにしか効かないCAR-Tの改良版としてのPRIME CAR-Tのアイデアがいい。サイトカインは、免疫系の病気ではけっこう悪者にされているが、今回の場合は仲間を呼び寄せてがん細胞をやっつける役割りをする。
早くヒトでの治験を進めて欲しいものだ。

内容
司会  井上咲楽、浅井理
ゲスト 玉田耕治(山口大医学部 免疫学教授)

日本人の2人に1人がかかると言われる「がん」
がん治療の三本柱 ①手術 ②抗がん剤 ③放射線
4番目の治療として注目される「免疫療法」
重要なのはT細胞(免疫の中心)

その中でもCAR-T細胞療法が注目されている。

エミリー・ホワイトヘッドさん。5歳で白血病発症。

治療したが7歳で再発。抗がん剤が効かず余命1~2ケ月と宣告されCAR-T細胞の治験に参加(小児として世界初)
3週間の治療で回復→寛解となる。以来10年。再発、転移なし。

CAR-T細胞療法は日本でも2019年から標準治療として採用。
患者のT細胞を取り出して遺伝子組み換えによりパワーアップし、また元に戻す。免疫強化による副作用も強い。
薬価は3千万するが保険適用により自己負担は少ない。
標準治療で効果のなかった患者の7~8割で効果あり。

T細胞の役割り
①病原体の認識。アンテナが相手の抗原に嵌る
②相手を攻撃する
だがアンテナは100万種もあり、がんと戦えるものは少ない。
これをがんに特化して増やす。
なぜ注目されたか。
2018年 ノーベル医学・生理学賞(本庶 佑)の「免疫チェックポイント阻害薬」でがんに対する免疫療法の効果が証明された。
ただし有効性は1~3割。

そこで出て来たのがCAR-T細胞療法。
2014年に発表。血液系のがん患者30名の9割で寛解となった。
この療法のカギは遺伝子操作。アンテナとなるCARを取付け。
がん細胞を見つけると共に攻撃にも作用。
再発、転移にも予防効果が期待出来る。
ただし今のところは血液がんに限定される。血液ガンの病原は一種類だが、固形がんの種類は雑多であり一部しか効かない。
がんの9割が固形がん。


新たな治療法の模索
複数の免疫細胞にによる総攻撃→PRIME CAR-T
CAR-T細胞にサイトカイン、ケモカインを追加。

人体内ではサイトカイン、ケモカインがT細胞を集めたり移動させたりしている。それで集められるのが「リンパ節」(T細胞の軍隊)
PRIME CAR-Tががん細胞を攻撃する事により周囲のT細胞が集まって加勢→攻撃力が高まる(新しい発想)

マウス実験では肺、皮膚、膵臓がんなどが消滅。
ヒトでの臨床試験は現在検討中。

 

 

今日の一曲
Early In The Morning / Cliff Richard
しあわせの朝 / クリフ・リチャード

1969年12月、日本国内1位になった曲。


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