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Channel: 私の備忘録(映画・TV・小説等のレビュー)
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レ・ミゼラブル  1998年

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監督 ビレ・アウグスト
原作 ヴィクトル・ユーゴー


キャスト
ジャン・バルジャン    リーアム・ニーソン
ジャベール警部      ジェフリー・ラッシュ
ファンティーヌ       ユマ・サーマン
コゼット           クレア・デインズ
幼少期のコゼット     ミミ・ニューマン
マリウス・ポンメルシー  ハンス・マシソン
テナルディエ        ジョン・ケニー  コゼットの養育者
テナルディエ夫人     ジリアン・ハンナ
ガブローシュ        シェイン・ハーヴィ 浮浪児 マリウスの仲間
アンジョルラス       レニー・ジェームズ 革命軍のリーダー
司教             ピーター・ヴォーン


予告編
https://www.youtube.com/watch?v=Oni72Fl7xaw




あらすじ
深夜、行き場所のない男を司教が招き入れる。食事を提供され、男はジャン・バルジャンと名乗った。パンを盗んだだけで19年の服役をし、やっと数日の保釈を得て外に出ていた。ベッドまで提供してもらったが、ジャンはそこの食堂から銀のスプーン、フォークを持ち出し、見つけた司教を殴って逃げた。
翌日警官に連れられて来たジャンに司教は、その銀器は私がやったものだと警官に言い、どうして銀の燭台も持って行かなかったのか、と彼の袋にそれを入れた。深く感動するジャン。


それから9年後、ある地方都市にジャベール警部が警察署長として赴任して来た。ジャンはここでマドレーヌと名乗り工場経営者として成功、またその人徳から市長を任ぜられていた。新任の挨拶をするジャベールの顔に見覚えのあったジャン。彼はジャンが服役していた牢の看守だった。
ジャンは秘密がバレる事を予想して預金を全て引き出し、村外れの木のそばに埋めた。


ある日、馬車が倒れて老人が下敷きになった時、ジャンが馬車に背中を差し入れて持ち上げ、助けた。それを見ていたジャベールは牢でのジャンの事を思い出した。
パリの警察本部に出向き、ジャンを告発したいと申し出るが、上司から拒絶される。


ジャンの工場で働いていたファンティーヌ。実は離れて暮らす娘が居るが、それを隠して働いていた。ここでは身元がキチンとしていない者は働けない。その秘密がバレてしまうが、ジャンはそのいきさつを知らず、処置を部下に任せてしまった。解雇されたファンティーヌは、娘を預けている家に仕送りが必要であり、止む無く娼婦に身を落として金を稼ぐようになったが、客といざこざを起こしてしまう。

客に暴力をふるったという事で連行されたファンティーヌに禁固6ケ月を宣告するジャベール。そこへ話を聞きつけたジャンが来る。ファンティーヌが、全ては市長が私をクビにしたからだとツバを吐いた。
それには構わずジャンはファンティーヌを釈放する様要求。拒否するジャベール。ジャンは市長権限でジャベールの署長権限を停止し、ファンティーヌを自宅に連れ帰った。


ある日ジャベールがジャンを訪ねて、自分を告発してくれと言った。実はマドレーヌ市長がジャン・バルジャンであると告発したが、実はジャン・バルジャンが実際に見つかり、その裁判がパリで行われる。その判決が出れば自分が誤った事をしたことになるので、告発の上免職にしてくれと言うのだ。

自分の身代わりになっている男が居ると知って、ジャンはその裁判に行かざるを得なかった。

裁判では自分が獄中で共に過ごした仲間が、金を握らされて嘘の証言をして無実の男をジャンに仕立て上げようとしており、耐えられなくなったジャンは、裁判長の前に名乗り出て、仲間たちに彼らしか判らない証拠を言ってみせた。
急いで家に戻ったジャン。ファンティーヌは回復せず虫の息だった。娘のコゼットを必ず助け出すと約束するジャン。書類にサインをして息絶えるファンティーヌ。


コゼットを預けているテナルディエの家に向かうジャンと、それを追うジャベール。
安宿を経営しているテナルディエは、ジャンが金ヅルになると踏んで、様々な金を要求する。ジャンはファンティーヌがサインした養育の委任状を見せてコゼットを奪還する。
街に入ろうとするが、通行証がないので正規の入り口が通れない。コゼットを背負って高い壁を登るジャン。
屋根に飛び移ろうとした時に見つかるが、何とか修道院に逃げ込むジャン。
ジャベールは修道院に乗り込もうとするが、男子禁制を盾に断られる。
知り合いだった下男の男に、コゼットをここで育ててくれる様に頼む。その男の弟という事で、ジャンも下男として働ける事となった。


それから10年。年頃になったコゼットは外の世界を知りたい、と修道院から出たい旨をジャンに申し出る。
院長にパリでの住まいを紹介してもらい移り住むが、コゼットはそこで革命のために辻演説をするマリウスに強く惹かれる。マリウスもまたコゼットに一目惚れ。二人はジャンに内緒で逢引きをした。
ジャンの正体を暴いた功績で再びパリ勤務となっていたジャベール。手下を使って革命軍の取り締まりを行っていたが、活動家のマリウスの相手の名前がコゼットと知り、ジャンの家に乗り込んで来た。その場は居留守を使って逃れたが、残された時間は短い。コゼットの懇願にジャンは今までのいきさつを話す。
パリを脱出してイギリスに行くことを承諾するコゼット。


ラマルク将軍の葬儀をきっかけにして革命を起こしたマリウスら。リーダーはアンジョルラス。
脱出のため、別の部屋に移っていたジャンとコゼット。最後に逢うためにコゼットが外に出ると、その情報を知っていたジャベールが立ちはだかる。だがそこにマリウスが駆けつけ、ジャベールは革命軍のアジトに連行される。
ジャンはコゼットに前の家で待つように言い、自分はマリウスに会いにアジトまで行く。だがマリウスは革命の混乱の中、すぐには行けない。
アジトで捕われのジャベールを見つけたジャン。この男を処刑すると嘘を言って連れ出し、逃がそうとする。後悔するぞ、と言うジャベール。


革命に巻き込まれるジャン。ジャベールは取り締まり側に戻っていた。警察の攻撃に、マリウスが倒れる。マリウスをかついで下水道から脱出するジャンと、それを追うジャベール。
何とか逃げ延びたと思ったところの出口にジャベールが居た。連行されようとするところでジャンが、あと数日でこの革命の決着が着いたら青年の罪は軽減される筈だから、まず医者に診せたいと懇願、その後で私を捕まえろと提案。ジャベールはそれを許し、馬車に警官を同行させた。家にマリウスを運び込む。驚くコゼット。


コゼットに別れを告げ、ジャンは約束通りジャベールの元に戻った。ジャベールは警官に、警視総監宛ての手紙を託し、下がらせた。
そしてジャンに私が憎いか、と聞く。何の感情もないと返すジャン。
ジャベールは「お前を許す」と言って彼の手錠を外した。そして、私は法の番人だから自分を許すことが出来ない、と言って自分に手錠を掛け、運河に身を投げた。


感想
原作はヴィクトル・ユーゴー。とは言っても読んではいない。確か教科書にサワリの部分があった様な気がする(銀の燭台の話)。
人を許し、信じるという「うさんくささ」を感じてしまうが、ジャン・バルジャンとジャベールという二人の追跡劇が話の中心に据えられていて、なかなかスリリングな展開だった。
リーアム・ニーソンは、こういう役はうってつけの感じがする。2012年にヒュー・ジャックマンもこれをやっている様だが(まだ観ていない)、ちょっと知的すぎる印象がある(まあウルヴァリンにはなったけどね)。

母親役のユマ・サーマンが何か痛々しすぎて彼女じゃないみたい。

マリウスが、革命に命を賭けている割に、いかにもミーハーな印象。また革命自体も何だか薄っぺらな感じ。1978年の映画もあるみたいだから、どれが一番なんだろうね。



新聞小説「春に散る」(10)沢木 耕太郎

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作:沢木 耕太郎 挿絵:中田春彌 2/27(323)~3/18(343)


戦う理由1~21
白い家での日々。めいめいに自分のやる事を見つけていた。
7月下旬、会長の真田の菩提寺への墓参りに四人で出掛けた。
墓参りを終えて、一度ジムに顔を出さないかと提案した広岡に、藤原がその後の令子について説明した。令子は法学部に進み、弁護士を目指していた。卒業してからは法律事務所で働き、その後大学の同級生と結婚、令子自身は子供が生まれたため弁護士は断念。だがその後離婚して実家に戻ったという。
真田の跡を継いだ事が他の者にも意外だった。


家に戻ると、例の青年、黒木翔吾が玄関前の石段に座っていた。あの事件の後、二日ほどして郵便受けに翔吾が入れたと思われる現金が入れられていた。彼が支払うと言っていた治療費の立替分だった。
彼とはそれだけの縁だと思っていた広岡は翔吾に声を掛けた。
翔吾は広岡に、もう一度やってくれと頼んだ。あのパンチが見たいという。
広岡は、翔吾の「戦う理由が見つかったから」という言葉を聞き「わかった」と返した。


広岡は、家の庭まで翔吾を導いた。翔吾はベンチに荷物を下すと、広岡にグラブと新品のバンデージを差し出し、自分の手にバンデージを巻き始めた。
その翔吾に佐瀬が「手の骨にヒビが入っている訳じゃないんだな」と聞くが返事がない。「せっかく7連勝もしていたのに」の言葉に翔吾が強く否定した。
最後の試合は、自分が負けていたのにジャッジが勝たせたのだと言う。相手のボクシングは汚かったが必死で、それに押されて負けたと思っていたが大差で自分が勝った。敷かれたレールに乗っていただけ。

広岡は、自分と全く逆の経験をした翔吾の話に激しく動揺した。もしかしたら自分に勝った男も悩んでいたのかも知れない。その男は次に世界タイトルに挑戦したが無残に敗れ、その後下降して行った。

広岡が「どうして自分の様な者と戦うのが戦う理由なんだ」と聞くと、それまで一度もダウンした事がなかったのだと言う。アマ時代もプロになってからも。「とんでもないガキだったんだなあ」藤原らが呆れて声を上げた。
翔吾は小さい時から父親から徹底的にボクシング教育を受けて育って来た。父親の目標は高校での三冠、その後五輪で金メダル。そしてプロに転向して世界タイトル。
だが途中でボクシングへの興味を失った翔吾は反発、高校卒業と同時にプロに転向。だが対戦相手はランキングを上げるために父親が見つけて来るつまらない相手ばかり。
だが初めて広岡に倒されて、もう一度戦いたいと思ったという。


バンデージを巻き終わった翔吾にグラブを渡し、自分用のグラブを佐瀬に渡して、広岡はバンデージも巻かず無造作に手を突っ込んだ。
「来い!」との広岡の言葉で翔吾が柔らかな構えで迫って来る。だが翔吾の戦歴から見て、自分が負けていたというのが彼の思い込みかも知れないと広岡は感じていた。
「お前は何が望みだ」と聞く広岡。「あのパンチが見たい」。それは見せることが出来ない。理由を教えてやろうと言う。
広岡が「ジャブを打て!」と言い、それを受けて翔吾が左でジャブを打つ。広岡が左でジャブを打つと右で払い、更に速いジャブを打つと、それも右で払った。
「本能を捨ててみろ」と広岡が言った。
右手でジャブを返すのは右利きの人間の本能。だが左手から打たれたジャブを右手で返すのでは、相手の体は内側に振られるので防御を固める事になる。
本能を捨てて左手で払ったらどうなる、と言っていきなり翔吾に左手でジャブを打った。それを翔吾が左で払うと広岡の体が大きく外側に振られてボディーがガラ空きになった。ここに利き腕の右パンチを叩き込めば大きなダメージを与えることが出来る。
藤原たちもこの件は全く知らなかった。ロサンゼルスで師事したペドロ・サンチェスから教えられたもの。クロス・カウンターもそれと同じ理屈。だから今、その極意を知った翔吾にはもう通用しない。うなだれる翔吾。


翌日の日曜、広岡が当番でカレーを作っているところへ来客。翔吾だった。広岡らのボクシングの技を教えて欲しいという。旧いボクシング雑誌から当時の四天王の活躍を調べていた。
星が、パンチを覚える前にやらなければならない事がある、と言った。それは「走ること」。
ボクシングはパンチの強さではなく、スピードとバネとスタミナ。
お前にその走りが出来るか、と聞く藤原に「できます」と返す翔吾。


四人は翔吾を連れて多摩川の土手に向かった。そしてこの土手を斜めに降りて、斜めに登るのだと教えた。その程度のことか、という思いで翔吾が駆け下り、駆け登りを始めたが、五回目ほどで音を上げた。
広岡たちはこのトレーニングをかつて毎日やっていた。これで2キロ走れるようになったらまた訪ねて来い、との星の言葉に頷く翔吾。

その夜は佳菜子も来て6人でのカレーパーティーとなった。帰りは佳菜子が翔吾を駅まで送るという。
藤原が別れ際に、練習の時に捻挫しないようにという注意に初めて「ハイ」と答える翔吾。


感想
若い男にボクシングの神髄を教えるって「あしたのジョー」じゃん。拳キチのおっつあんが四人も居るってか(笑)。
左ジャブに右で返すか左で返すか、の話は「ふーん」とも思ったが、そんなに簡単な世界じゃないだろう、という思いもある。
もうそろそろ連載1年。年度末で終わる気配は全くなさそうだね。「春に散る」って、いつ散るんだろう・・・・・・



マツコ&有吉の怒り新党 「攻めすぎた昭和歌謡レコード」3/23放送

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やっぱ一番は「人間カラオケ」。ヒューマン・ビート・ボックスが騒がれるずっと前にコレやってたのはスゴい。まあ、進み過ぎていたんだろう。
「剣の舞い」はさすがに音源が見当たらなかったが、これの作詞が久石譲だとは、これもびっくり。若い頃は仕事を選んでいられなかったのか・・・・・
浦辺粂子は・・・・まあ別にいいけど、「新党」的にはヒネリがあまりなくてつまんない。



少年探偵団~人間カラオケ(1979年)
https://www.youtube.com/watch?v=5Z--eG8Rn4E


剣の舞い~尾藤イサオ


わたし歌手になりましたよ~浦辺粂子
https://www.youtube.com/watch?v=IFdlmP5FxBA

NHKスペシャル 巨大災害Ⅱ第4集 地震列島日本 「見えてきた新たなリスク」 4/3放送

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番組紹介
http://www6.nhk.or.jp/special/detail/index.html?aid=20160403


番組詳報
http://tvtopic.goo.ne.jp/kansai/program/nhk/25413/473491/


番組内容

オープニング。石巻、鮎川漁港。不思議な現象が起きている。岸壁の隆起がこの5年で40cm。異変は広範囲(宇宙からの観測)。
東日本大地震直後は最大1m近く沈下したのが、その後隆起を続けている。今も何かがうごめき続けている。


「地震を発生する環境が変わった」。調査船「かいれい」。東北大 日野教授談。
東北で起きている地盤の動き、沈下の後の隆起は別のタイプの地震が起きる予兆かも知れない。
東北沖の海底数千mに測定機器設置→地震後に回収。地震直前の海底の動きが判った。2日前から数cmの隆起。


この5年でのデータ分析。隆起の他にも異変があった。
海側プレートの沈み込みは一般に8cm/年。プレートの境目に歪みが出来る。
地震前に西向きに移動していた地盤。地震発生で東へ移動。しばらくは東に動き続けると思っていた。1年間の動きは西向きの変動(Max40cm)。思っていた事と違うデータ。


ロシア、中国では今も東へ動いている(東日本大震災以前には動いていなかった)。要因は地球の奥深く、地下50km以下のマントルにある。
マントルは年間数cmの動き。独特の性質を持っている(シリコン樹脂に似た)。時間をかけてゆっくり戻る(粘弾性)。

東日本大地震で地盤とマントルとの間にすき間が出来る→マントルが遅れてゆっくり動くことで地盤が押される。この推定から行くと地震のリスクが高まる(陸側と海側双方)。警戒を怠ってはならない。


次はどこで起きるか?
阪神・淡路大震災(1995年)では活断層が現れた。活断層を軸とした、次の地震を探る研究が行われ、様々な手法が取られた。活断層は2000以上を数えたが、活断層が確認出来ない所で起きる地震が多い。2005年新潟県中越地震、2008年岩手

県宮城内陸地震。活断層での予測には限界がある。
注目したのは衛星からのGPS観測(1300ケ所)。大地の動きをリアルタイムで観測→新たなリスクの発見。

2015/10月、山陰で地震。鳥取で3日間に震度4が3回(活断層が確認されていない所)。


京大 西村准教授。山陰で大きな地震が起きるのでは、と危惧。GPSデータから地震の予測が出来ると考えている。
16年前に論文発表。当時宮城県沖で想定より大きな地震が起きると予測したが、M9までの規模は予測出来なかった。

あれから5年。新たな観測地点の設置。異変に気付いた(中国地方)→北と南で動きが異なる。北では東に動いているが、南は動いていない。中国地方を長手方向に震源が帯状に並ぶ。深さ30kmまで一枚の壁のよう(地盤が大きく割れている)。
他にもあるか?
西日本は今まで一枚のプレートだと思われていた。海側から北西に押されている→壁がいくつも見えて来た。日本が複数のブロックに分断されている。境い目には大きな地震の痕跡→これが活断層。
濃尾地震では120年前に長さ80km、最大8m動いた。活断層の地下深くまでプレートが割れている。今後注目、注意が必要。


ブロック単位でのプレート割れは世界でも研究が進んでいる。プレートの考え方はデータが乏しかった時のもの。
2008年の四川大地震(M7.9)はブロックの境い目で起きた。
カリフォルニア大 ブレンダン・ミード氏。南海トラフでの地震に警戒が必要と語る。M9クラスで東海~九州にかけて震度7クラス。津波10m、最悪33万人が死ぬ。


いつ起きるのか?
今までの日本沿岸での巨大地震は100~150年間隔。最後は70年前の昭和南海地震。これを早める要因がある。
「かいれい」ではこの5年研究を急いだ。エアガン(人工地震発生装置)によるプレートの詳細調査。
海洋開発研究機構 堀氏。スパコン使った予測。
3.11地震の2日前、M7.3の地震が巨大地震のすぐそばであった→大きな地震を誘発した?分析する前に3.11地震が発生。

日向灘。1968年にM7クラスの地震が発生。この地点では数十年ごとに地震が起きている→誘発している可能性。
シミュレーションによれば、150年間隔で起きている大地震が短い間隔で起きる場合は日向灘地震に誘発されている。
150年の半分で起きる?→多様性の検討が必要。

これまでの考え方を見直し、あらゆる可能性を考える。

東大 古村教授(南海トラフ研究)。手がかりを追い求めている。

米シアトルを訪れる東北大 日野教授。2010/9月に設置した宮城県沖の装置。回収出来なくなっていたが、シアトルに流

れ付いていた。見つかったのは水圧計。地震直後の水圧の変化が克明に判る。

徳島 伊島に新たな観測装置を設置する 西村准教授。ブロック境い目のそばを観測する事で兆候がないかの監視を続ける。


感想
「巨大災害Ⅱ」シリーズは昨年10月にやってから半年ぶり。
地震の説明で良く言われる、プレートの潜り込みの歪みが解放されて地震、津波が起こるというだけでなく、急激な動きの跡をなぞる様に動くマントルが引き起こす地殻変動が、地震リスクを生み出すという。
巨大地震の間隔についても、日向灘の地震とセットになると、誘発されて間隔が短くなるかも知れない。

ただこのNHKスペシャル、煽るだけあおって、じゃあどうすればいいの?という問いに応えていないのは毎度の事・・・


ガトー・バルビエリ氏 死去

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昨日の新聞に載っていた。世間一般には「ラスト・タンゴ・イン・パリ」の音楽をやった人として記憶されているが、まだ20歳そこそこでオーディオもまともに揃っていない時期に、彼のアルバム「Bolivia」を購入して聞きまくっていた。
渡辺貞夫なんかと比べると「ダミ声」の様なテナー・サックスの音色だが、無性に惹かれた。


享年83歳とのこと。ご冥福を祈ります。



アルバム「Bolivia」から2曲
Merceditas
https://www.youtube.com/watch?v=YZxiL5gdmjc&list=PLCX_SlmERpRNIZdGGjjCeWr7bQFoJ3tfC
Bolivia
https://www.youtube.com/watch?v=AaCVwmJ5m3s


Smooth Jazzにも秀逸なものが
https://www.youtube.com/watch?v=n4Gzlw96KMc&feature=fvwrel


ラスト・タンゴ・イン・パリ から
https://www.youtube.com/watch?v=cq5oYOquQPM
https://www.youtube.com/watch?v=UeDc_eHRM2Y

アンダーウェア (TVドラマ) 2015年 (2016年再放送)

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高級下着メーカに就職した地方出身の女性が成長して行く姿を描いたドラマ。下着メーカの「トリンプ」が全面協力。
昨年「金曜プレミアム」として2時間枠で毎週放送されていたが、最終話をやるべき12/4(金)が水木しげる追悼で「ゲゲゲの鬼太郎(実写版)」になったため、この放送が翌日の12/5(土)の15時となってしまった。そんな事まで知らないものだから、翌週の金曜に振り替え放送だろうと思っていたため、見逃してしまった。

その後BSフジで再放送されている事を知り、何とか続きを観ることが出来た。

演出      尾形竜太、葉山浩樹

脚本      安達奈緒子

プロデューサー 関口大輔


キャスト

時田 繭子        - 桐谷美玲
南上 マユミ       - 大地真央
西沢 瑞希        - 酒井若菜
飯田 史香        - マイコ
田中 麗子        - 千葉雅子
猿橋 仁          - 海東健
姫路 宗介        - 桜田通
梶直道           - 竹内寿 バイトの青年
町田 沙里衣       - 石田ニコル
鴻野 由梨        - 河北麻友子
永井 千春         - 蘭寿とむ
藤村祐一郎         - 松田賢二
塚本 ひろみ        - 折井あゆみ
竹内 憲久         - 桜井聖
小山 修子          - 田島令子
喫茶店の店主 山崎   - 小倉久寛
喫茶店オーナー     - 野間口徹
大野 アヤ         - 島かおり
仲谷凛           - 佐藤めぐみ
三上 恒彦        - 野村宏伸
吉岡青藍         - 田中幸太朗




あらすじ
繊維ヲタクだがファッションには興味のない時田繭子。ひょんな事から老舗のオーダーメイド下着メーカ「Emotion」に入社する。カリスマ社長の南上マユミ。

田中麗子はマユミと共にEmotionを立ち上げたメンバーで、マユミの良き相談相手。雑誌ライターの小山とも旧い仲。そして経理を担当する猿橋。


Emotionの基本はオーダーメイドだが、より多くの人に知ってもらうためにセカンドライン(低価格ブランド)としてのEmを立ち上げる事にし、西沢瑞希をリーダ、飯田史香をサブにして準備を進める。
繭子もEmに携わりたいと頼んだが、経験がないためマユミは拒否。

瑞希と史香は大手百貨店内ヴァンダービルツとの商談を獲得するが、数量が多すぎるため方針として無理、とマユミはGoを掛けなかった。不満が残る瑞希たちにマユミは「Story」という言葉でその想いを伝えた。

10月に行われるトランクショーの計画を繭子と姫路宗介に任せるマユミ。テーマは「Story」

だがその準備の途中で他社が「Story」をテーマにした下着ブランドを大々的に発表した。瑞希と史香が裏切り、ヴァンダービルツ東京に寝返ったのだ。主導したのは藤村。
マユミは、盗まれたものはしかたない、としてトランクショーを予定通り進めようとするが、逆にヴァンダービルズ東京が「Story」は模倣品だとして訴えを起こした。
取り下げの条件はトランクショーの中止。やむを得ずショーは中止。Emotionの資金繰りは急速に悪化し倒産の危機に。八方手を尽くして対応する猿橋。

繭子はEmotionを雑誌に取り上げてもらおうと奔走するが、金も出せないのでは相手にされない。特に雑誌「コンシャス」の永井編集長に打ちのめされた。
猿橋は必死で集めた金を出し、マユミに「セカンドラインをまたやりましょう」と頼んだ。
Emotionを裏切った瑞希。一人悩んでいたが、もう一度働かせて欲しいとマユミに頭を下げる。


ついに再度セカンドライン立ち上げを決意するマユミ。
繭子は認知度アップのためにもファッションショーを開催しようと提案。バイトの梶と準備に走り回る。
ショーのテーマは「月」。永井編集長に出席を求め、彼女のために開催日程まで変更した。だがショーを間近に控えて演出に手が回らない繭子。喫茶店の常連の三上が実は高名な演出家だった。
ショーは成功を収め、最後を飾ったのは繭子の友人沙里衣。モデルとして成功しているのに協力してくれた。

ファッション各誌ともEmotionを絶賛した(特に「コンシャス」は別格の扱い)。受注も増え、繭子を助けていた高級ブティック店員の仲谷凛がスタッフとして加わった。
だが、自分の求めるものがEmotionの中にない事を感じ始めている繭子。


久しぶりの長い休みを取るEmotion(1月なのに「夏休み」)。喫茶店マスターの山崎と語り合うマユミ。二人は高校の同級生だった。同じく同級生だった吉岡と結婚したマユミだが、仕事との両立に苦しんだ末、5歳だった息子を残して離婚。その後一度だけ逢っていたがそれきり。
その息子、吉岡青藍がマユミに会いたい、と山崎に頼んでいた。
逢うのを拒んでいたが、繭子の「死に別れでない限り、親子が逢わない理由なんてない」との言葉に押されて再会。
他人行儀を装うマユミに青藍は「傷付きたくないだけだ」と迫る。マユミは、中学の時に会った青藍を見て、自分の知っている息子の面影がない事に「これが子供を手放したという事なのだ」と思い知った。だからこれからの幸せはそちらの家族で分かち合いなさいと諭す。


一方、猿橋は休みを利用してセミナーに参加。同じセミナーに偶然参加していた瑞希。瑞希が受けていた講義の講師として参加していた仲谷凛。三人はそのセミナーのコンペに参加する事にした(一等賞金30万)。そこの審査員に猿橋が以前金を借りた相手が居た。コンペのテーマはパン屋にドッキングしたランジェリーの店。結果は奨励賞(2万)。だが新店舗拡張の思いは三人とも同じ。
マユミは喫茶店の常連の由梨から、ウェディングドレスのアンダーウェアの依頼を受ける。相手は水野エミ。青藍の結婚相手だった。彼女が、たまたま見せたマユミの作品を気に入ったのだと言う。青藍はその事を知らない。引き受けたものの身が入らないマユミに麗子は「後悔は執着」と諭す。気持ちを切り替えるマユミ。


「夏休み」が終わり、みんなが顔を合わせたところでマユミが、これからは原点回帰し、数を追う事はせず「エレガンス」をテーマとして、トランクショーも店でやると宣言。繭子はみんなに、休みの間取り組んでいた「自分の欲しいもの」を披露した。それはストレッチ素材を使った、ランジェリーと普段着を融合させたものだったが、マユミは「これは下着ではない」と否定する。


一方、店舗拡張の件でいい出物を見つけて来た凛。だがその話の流れでライターの小山が、マユミは以前量産メーカとして失敗した過去を皆に話す。それが離婚の原因でもあった。
そんなところへ「コンシャス」の永井編集長が、雑誌の企画としてランジェリー特集を、Emotionを軸にして組みたいとマユミに申し出る。広報担当でもある繭子にその担当を任せるマユミ。

右手の指先に痛みを覚えるマユミ。医者へ行くと「デバーテン結節」といい、更年期障害と一種とのこと。
雑誌の企画が進む中で、スポンサー側の圧力に苦しむ永井を見て学ぶ繭子。雑誌作りも終盤に差し掛かった頃、永井が聞く、繭子が作りたいものは?、という問いかけ。
雑誌が発売された。その出来栄えに満足するマユミ。だが企画最終ページに繭子の作ったものが掲載されていた。愕然とする繭子。永井のもとへ「これの掲載は許可していません!」。永井は無断で掲載した事を詫びたが、編集者として惚れこんだためだと言った。


思いがけず、繭子の提案に多くの読者が「欲しい」と問い合わせて来た。

作った作品をゴミ箱に捨てた繭子。後からそれを見るマユミ。喫茶店のマスターに頼み込んで、マユミの本心を聞き出そうとする繭子。


事務所で、マユミは皆を集めて繭子の提案をどうするか意見を聞いた。捨てられた筈の繭子の作品が飾られている。マユミは、お客様が希望されるのだから、それを作って差し上げるのが我々の務めだと言った。そして、新コンセプトの商品により収益を上げて新店舗を作ろうと提案。そして新ブランドとして

「MAYU」を名付ける。トランクショーの準備、新店舗、「MAYU」対応の製造、とEmotionは多忙を極める。
今度のトランクショーには「MAYU」も同様に展示する事になったが、納得していない繭子。


ほぼ準備が整った時、マユミの回顧展の様なショーの展示を見て、マユミは皆に自分の引退を表明しようとした。それを遮る繭子。
そもそもMAYUはEmotionとは全くコンセプトが違い、一緒にやれるものではない。自分のアイデアであるMAYUは自分が独立して作ると言った。
そして、今回のテーマである「エレガンス」対応の具体案が一枚も出ていないと挑発。「作るわよ」と反発するマユミ。
去ろうとする繭子に「本心を言いなさいよ!」と叫ぶマユミに、潤んだ目で「隠す技術は覚えました」。

繭子の言葉に自分を取り戻したマユミは、一晩でシニア向けの作品を仕上げ、ショーに間に合わせた。


マユミが最初に立ち上げた事務所を借りて、一人で制作を続ける繭子。そこへ荷物が来る。店の仲間が手配してくれたミシン。配達員の梶は、みんなに吊るし上げられて真相を白状していた。


梶に諭されて、ショーの終わった店に行く繭子。


感想
ネットで見てみると、元々は昨年9月にインターネット配信されたものを11月からフジテレビ系で放送したものだったらしい。こちら


フジテレビの放送では視聴率が「爆死」クラスだったらしく、最終回のゴタゴタもそれが原因だったようだ。

やや冗長な感じはあったが、あまりなじみのない下着メーカの業界に接することが出来、興味深かった。
ただ、東京の一等地でオーダーメイドの下着メーカがそもそもやって行けんだろう、と言う疑問は根底にある。猿橋が経営資金を集めるために個人相手に金を借りまくるとか(事業には絶対個人を巻き込んではならない)、この辺の「あり得なさ」については少しイラッとした。








NHK モーガン・フリーマン 時空を超えて「不老不死は実現するのか」4/8放送

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モーガン・フリーマンを案内人とする教養番組。多分数回続く。


番組概要
http://www4.nhk.or.jp/P3452/x/2016-04-08/31/5941/1988001/


ミチオ・カク(物理学者)。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9F%E3%83%81%E3%82%AA%E3%83%BB%E3%82%AB%E3%82%AF
全ての物質は劣化する(エントロピーが増大)。コーヒーとミルクを混ぜてもエントロピーが増大。増大させない方法→例えば2色の粒キャンディーを皿上で同居させた時、注意を加えることで混ざるのを阻止出来る(労力は必要)。


ヴォルター・ロンゴ(南カリフォルニア 老年学の教授)。
ミトコンドリア→細胞のエネルギー供給源。酵母菌の寿命を10倍に伸ばす事に成功。遺伝子のうち「RAS2」「SCH9」を除外したことによる。マウスによる実験でも寿命を約2倍にする事が出来た。マウスとヒトの遺伝子情報は90%同じであり、ヒトへの応用も期待出来る。

ただ、寿命だけ伸ばしてもダメ。健康、若々しさを若く保つ事も大事。


オーブリー・デグレイ(ケンブリッジ大)。
細胞中の老廃物をいかに溜めないかがカギ。細胞内のリソソームで老廃物を処理するが、それでもダメな時はゴミとして溜まる。分解してくれるもの→バクテリア。墓地を調べてゴミを分解する(細胞内で)微生物を探す。今後25年の間に50%の確率で発見されるだろう。見つかれば30年は老け込まない。


クリス・ボイド(MIT 合成生物学者)。
バイオロボット。藻類に光感知機能を付加。体内に送り込み異常を発見して対応する。

冷凍して未来で目覚める。グレッグ・フェイ(低温生物学者)。体液を凍らせない→ガラス化凍結法。ウサギの腎臓に保護物質を注入して-22℃→機能する。

人体組織を何万年も保存出来る。死ななかったら人は増えすぎる。


脳こそが生命。
オラフ・スポーンズ(インディアナ大)。脳の仕組みを解明。意識の存在する場所→内側頭頂葉皮質。ただし意識を機械に移せるかは疑問。

ジョン・コンウェイ(数学者)。人工生命体に関する研究を行っている。成長のシミュレーション(ライフ・ゲーム)。マス目に電気を入れるとON、切るとOFF(死)。
http://chemicalfactory.web.fc2.com/software/LIFE_GAME.html

人間の処理能力→ノートPCの100万倍(実現不可能)。量子コンピュータなら可能(1~0の間の全てを扱える)。
アインシュタイン→宗教なき科学は不完全。


フランク・ティプラー(数理物理学者)。遠い未来、驚くべき事が起きる→オメガポイント。宇宙の終わりの時。人と神と宇宙が一体になる。無限の能力によりヒトは復活(蘇えったら死ぬ必要がない)。エントロピーの第二法則。


アレグザンダー・ローズ(ロングナウ協会)。一万年の時を刻む時計を運用。取り組み方が違う(今後の一万年に責任を持つ)。判り易い技術で動く。昼夜の温度差で動く→一万年先に思いをめぐらす。命に限りがある事が前提。

寿命が延びたら価値観も変わる。恋愛、結婚・・・・ 生き方を学ぶ必要がある。
神話の神々は、限りある命を羨んだという。


感想
とにかく長寿、生命に関するネタを寄せ集めて作った・・・・てな感じか。「不老不死は実現するのか」という問いの答えとしては物足りない。
ただ、ちょっと気を引いたのは「オメガポイント」。小松左京の「果しなき 流れの果に 」にもヒトの意識と宇宙が一体となる表現がある。エネルギー恒存則の話も出て来るし、やっぱすごい作家だった。



詳細レポート
http://akasama.blog.so-net.ne.jp/archive/c2306012102-1


NHK モーガン・フリーマン 時空を超えて「人間にとって神とは何か」4/15放送

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番組概要
http://www4.nhk.or.jp/P3452/x/2016-04-15/31/11461/1988002/


モーガン自身の経験。身近な人の死(若い人)。神に召されたというが、神の意思というものが理解できなかった。架空の存在に対する意識。

ジェシー・ベアリング(心理学者)。幼い頃の記憶。友達の家で色を塗った卵があり、その中の一つにヒビを入れてしまった。後でその母親が友達らに聞いて回った時「神に誓って違う」と否定。それは信じてもらえたが、それ以来罪の意識がずっと続き、何が起きても罰が当たったのだと感じた。


子供は超自然的なものを信じ易い。
実験→壁の的にボールを当てる。ルール①白線を超えない ②利き手以外を使う ③後ろ向き。注目するのはルールを破るかどうか。見られていないとルールを破る(6歳ぐらいでは良くあること)。
6歳より大きな子での実験→壁のところに透明人間が座っている(プリンセス・アリス)と教えた。数百人にテストしたが違反はなかった。
超自然的なものを直感的に受け入れる→心の動き。


なぜ人は超自然的なものを信じるか。
ブルース・フッド(心理学者)。自分の娘の行動→小さな布をいつも握っていた。布に話し掛ける(不思議なこと)。
子供たちの持ち込んだお気に入りのものの複製を機械で作る(演出)。持ち主は元のものを選ぶ→本質主義。大人になるとどうなる?
300人のスタッフ。アインシュタインが使った万年筆と言って手渡しで回す。もう一つ、連続殺人犯の着ていたセーターと言って回す→手にするのをイヤがる。いずれもそんな履歴はないもの。物には神聖さ、邪悪さが宿るという感覚→心の中のものに形を与えた。直感の知的な産物。 


神を見たという主張に「体外離脱」がある。
オラフ・ブランケ(神経学者)。体外離脱経験(常識では説明がつかない)は人間が作り出したイメージ。
てんかん患者の脳に電流を加えて実験→体外離脱を経験。加える場所はTPJ(側頭葉と頭頂葉が接する領域)。この領域の役目は潜水艦のナビシステムに相当。電流を流すことにより体の向きに対する判断を誤らせる。
自分の後ろ姿をディスプレイで見ながら背中に刺激を受ける。自分の感覚が次第に変化して行く。TPJの部位が活発に動く。体外離脱は脳の中のまぼろし。


人生は問いに満ちている。テキサス大 ジェニファー・ウィットソン。きっかけはタロットカード(高校の時にハマった)。
人の脳の「ある傾向」。脳は常に意味を求める。
多くの宗教は、出来事がみな繋がっていると説く。災害についても神の意思を感じる。
被験者に意味のない画像を見せ、意味を考えさせる(評価はしない)→その後のノイズ画像見せても何も見えない。被験者に見せた画像の意味について否定し、心理的なストレスを与えた後、ノイズ画像を見せると「何かが見える」と言う者が増える(思い込み、錯覚)。

宗教は貧しい人に広がる傾向がある。人生について、自分にコントロール出来ない事があると宗教に拠り所を求める。


ルイジアナ大 ダニー・ホヴィネリ。チンパンジーで実験。棒を使っておやつを取る→長さに対する概念は持っている。
ブロックでナッツを割る。軽いブロックと重いブロック。子供には重さの概念が判るがチンパンジーには難しい。
相手からどう見えるか→心の理論。サングラスと黒塗りの眼鏡を使った実験。チンパンジーは、サングラスの人からお菓子をもらう事を理解しない。人間なら3~5歳で身に付く思考。


神の言葉はどうやって人に届くか。聖書では、祈る人にメッセージを送ると説いている。
2つの箱のどちらかにボールがあるのを見つける。間違いそうになると警告を出す(今回の場合はライトの点滅)。他者の考えを汲み取る力。7~9歳で判る思考。
成長につれて雷、駐車場で空きを見つけた時などを啓示として感じる→人間に役立った。
おいしい木の実。全部食べたいが神に見られている→少し残そう。理性的になる根拠。


信じる事は人が世界を知る第一歩。無神論者は「まぼろし」と感じる。実在とは何か。
脳の中に電気信号を生む。脳が神を感知したら神は存在する、と言えるのか。


アンディ・ニューバーグ。宗教が人間の脳に及ぼす影響について調べている。脳画像撮影。祈りを行う場面中に点滴で造影剤を入れる。祈る前と祈りの最中での血流の違い。
キリスト教徒。前頭葉と言語領域が活発になる(会話により働く部分)。
仏教徒。視覚野が活発になる。言葉より瞑想。
無神論者の瞑想では脳の活動が起きない。何も浮かばない。


宗教を信じる者の祈りでは、脳の活動として現実の体験と区別がつかない。
神の実在を感じ取るのは人間の脳。答えが見つからなくても、どちらも正しい。

神、宗教は世界を見るための窓。神は細部に宿る。人間らしい行動の基本にある。


感想
臨死体験が脳の作用の一部だというのは、過去のNHK番組でも良くやっていたので、さほど珍しい印象はない。
ただ、人類が生き延びる過程で必要により生まれたのが「神」の概念だったのだろう。そういう意味から行くと、特定の宗教に凝り固まらない日本人の「八百万の神」の思考は無神論者なりの信仰として一番しっくりする。



NHKスペシャル 老人漂流社会 団塊世代しのび寄る“老後破産” 4/17放送

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番組紹介
http://www6.nhk.or.jp/special/detail/index.html?aid=20160416
番組詳細(GOO番組)
http://tvtopic.goo.ne.jp/kansai/program/nhk/25413/477893/


1947~1951年生まれ→1000万人。高度成長を支えて来た。戦後5年続いたベビーブーム「団塊世代」。
経済的リスクを抱える。豊かと言い切れない。貯金2000万以上ある人の一方で全くない人も居る。介護が必要な人が居る:28.7%。支援が必要な子供が居る:31.7%。親と子の間で板挟み。


埼玉県。大規模造成による巨大団地。団塊世代の後の団塊ジュニアは790万人→就職氷河期、非正規雇用。
老後破産を今まで取材して来たが、団塊世代の影響が大。アンケート、聞き取りを行った。
介護が必要な親を持つ:20%。子供を支えている:35%。


69歳男性(川口さん)の場合
97歳の母と37歳の息子。年金は14万/月。毎月9千円の赤字。削るのは食費。
集団就職で大手運送会社に入った。20代で結婚し、年収は1000万の時もあった。老後困るとは思っていなかった。43歳で離婚。その後非正規の仕事に。貯金の余裕なし。全部想定外。
介護で母親自身の年金はほとんど取られる。65歳から病院付きの運転手(時給1000円)。仕事やれるのはあと1年。母親の施設への面会(月1回)→交通費が1回5000円。先のメドはない。


アンケートでは貯金100万未満が20%。団塊世代の67%が働いている。
親と同居する未婚の子供は308万人。うち62万が失業、51万が非正規。


埼玉県 杉戸町の新見さん夫婦。
夫婦とも67歳。89歳母親(妻側の)、36歳の息子が同居。収入は年金が22万、夫の労働で15万。夫婦は23歳で結婚。サラリーマン。団地に入り子供2人。子供は独立し家庭を築いた。老後不安はないと思っていた→2年前、想定外の事が起きた。
息子の妻が亡くなり、子供2人を抱えて同居。妻は洗濯、家事、孫の面倒。息子は収入なし(親が頼り)。息子は葬儀屋の生花の卸しを始めたばかりで、子供にかかる費用も親頼み。
母親は認知症で身の回りが出来ず、持病がある。デイサービスが4日/週で介護費用は3.2万/月。母親の年金3万では足りない。
住宅ローン10万/月。79歳まであと13年残っている。最終的に月10万の赤字。預金は200万。あと2年で底をつく。

夫の仕事は葬儀屋の仕出し。フルタイムは厳しいが、子供を見捨てられない。動けなくなったら「たのむよ」と言っている。妻は家計簿を付けるのをやめた(現実見たくない)。


宮本みち子(放送大学教授)。
背景:世界トップクラスの長寿。不安定となった子供世代を支えて来た。団塊世代は家族の最後の砦。ここが破綻したら親と子供が放り出される→適切な支援が必要。日本の家族が崩壊する。生きられない人が出て来る。


藤森克彦(みずほ情報総研)。
団塊は格差の大きい世代。中流を築いて来た。バブル崩壊の影響を強く受けている(崩壊時に40代:リストラの対象)。豊かな世代ではない。貯金100万未満が20%居る一方で2000万以上が23%。

2000万以上あっても老後破産のリスクがある。


青山さん(68歳)。91歳母親の介護(身の回りの世話全て)。預金を取り崩す生活(預金は2000万)。母親の年金8万/月。自分は夫婦で自営業だったため年金なし。デイサービス2回/週→介護で2.2万/月。支出は月15万(7万の赤字)。この5年で400万取り崩した。貯金がなくなったら終わり。
働きたいが仕事に出られない(母親が徘徊)。内職で自分を育てた母親。親の介護は当たり前と考える。親の長寿。先の見えない介護生活。
やって行けなくなったら自殺を考える。


藤森克彦談。家族を守る事を優先。崩壊を防ぐには社会保障の充実。介護離職の防止。社会で支え合う。


宮本みち子談。団塊世代の負担を軽くする。

負の連鎖は次の世代まで行く(サンドイッチ世代)。対策を急ぐ。真ん中の世代のプレッシャーを解く。

2025年には、団塊世代は後期高齢者となる。


感想
「団塊」は自分たちより少し上の世代。単なるデータだけでなく、個人の実例として突き付けられると、胸に迫って来るものがある。
ただ、二人のコメンテーターの言葉の何と空虚な事よ。番組の〆も、例によって放りっぱなしの「Nスペスタイル」。


自分の場合、若い時に病気で1年半の療養を経験したおかげで、倹約生活が体の一部になった。
だが、これらを「他山の石」として気を緩めることなく地味にやって行くべきなのだろう。
また住宅ローンは絶対に60歳以降まで引っ張ってはならない(再就職の給与では破綻する)。


NHKスペシャル ”連鎖”大地震の脅威 警戒続く緊迫の被災地 4/23放送

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なぜ起きた?家屋倒壊 今後の地震 救われた命を守るには


番組紹介
http://www6.nhk.or.jp/special/detail/index.html?aid=20160423


4/14に発生した熊本地震の報告。

65歳男性が救急搬送された。車で寝泊まり、狭心症。
助かった命が再び危険にさらされる。


最初に地震が起きてから28時間後、家に戻った人を地震が襲った。
連続して震度7を発生したのは観測史上例がない。被害は範囲を広げている。
車の中、避難所。先が見えない恐怖が襲う。

発生から10日。今被災地に何が必要か、何が出来るか。
震度1以上は今まで800回。被災1万棟以上、被災者67,000人。
地震の影響で亡くなった人12名。

熊本赤十字病院。現在症状が安定した人の転院を進めている(受け入れのために必要)。

100年続いた雑貨店の坂井さん。1回目は店舗倒壊を免れた。次の日の地震で家が潰れた。これ以降地震の度に恐怖→車で寝泊まりする様になった。
避難6日目で簡易診療所に行った。血圧150-94。夫は上が180。震災ストレスが重く体にのしかかる。

強い揺れがなぜ体に異変を起こすか。
交感神経の異常により塩分排出機能の低下→血圧上昇。心臓、腸を強い緊張状態にする。心筋梗塞、脳卒中のリスク大。


住宅の安全性は今どうなっているか。
東大 西原教授。現在の耐震基準では2回続けて大きい地震が来るとは想定していない。新基準では震度7でも倒れないがダメージを受ける(耐震性能65%低下)。再度震度7が来たら倒れる。見かけが大丈夫でも構造性能が下がっている。


京大 矢守教授。母親が被災した。
医療、看護、介護、衛生等、ネットワークを活かした支援が必要。

支援物資が届かない状況。トラックのGPSデータを分析。
九州自動車道(南北)と国道57号線(東西)が寸断されて一般道に流れ込んだ。更に受入れ拠点での荷

卸し順番待ち。10時間待ちもある。
なぜか? 熊本市の防災計画を大きく上回る避難者(想定6万に対し11万)→支援物資が捌き切れない。ボランティアの応援要請も、多くは被災者になったため、人が集まらない。
被災住民が物資を受け取りに来る現象(市からは一度も届けられない)。

大西熊本市長。備えが不十分だった。自分の事としてとらえていなかった。防災計画の見直しが必要。
実際に必要なもの→決まった訓練ではなく、取り返すためのトレーニング。例えば拠点がやられても別の手を考える。


車中泊者への支援。
今回は3.11と違う。車中の者が見捨てられている。

別場所の確保。広域避難。熊本以外の地域での公営住宅8350戸の提供あり。

何が出来るか→ボランティア。手が必要。


感想
東日本の記憶が少し薄れて来た頃発生した「熊本地震」。東日本では津波の恐怖が刷り込まれているが、断層地震の恐ろしさを改めて感じた。
この地でも「東海大地震」がいつ来てもおかしくない、と言われ続けて40年。他人事ではない。


我が家は築40年以上のボロ屋だが、セメント瓦の老朽化対応で、瓦風のガルバリウム鋼板化したのが、もう7年前。屋根の軽量化が地震には最も効果的。

それから国土地理院の情報で、我が家周辺の活断層ぐらいは認識しておいた方がいい。
http://www.gsi.go.jp/bousaichiri/active_fault.html

NHKスペシャル 若冲 天才絵師の謎に迫る  4/24放送

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番組紹介
http://www6.nhk.or.jp/special/detail/index.html?aid=20160424


83年前に行方不明になっていた絵が発見された。一対の掛軸。
辻惟雄(東京国立文化財研)と小林忠(美術史家)が鑑定。
孔雀鳳凰図
http://www.okada-museum.com/information/archives/1114
伊藤若冲の真筆と鑑定された。


城野誠治(東京国立文化財研):繊維まで写すカメラで分析。
孔雀の羽根の描写、細かい所で0.2mmピッチの線。
応挙の絵は羽根を面で描くのに対し、高度な技術を駆使。
輪郭線が存在しない。下描きなし(1ケ所のミスもない)。
一定の間隔、一定のリズム。根気良さ、相当な情熱。
誰から絵を学んだか、謎に包まれている。


江戸中期、京都に生まれる。裕福な青物問屋の長男として生まれる。
素朴な自然を愛した。特に愛したのは鶏。命の輝きを描いて才能を開花させた。基本的に独学。常識を覆す手法。


最高傑作は 動植綵絵(宮内庁所蔵)
http://matome.naver.jp/odai/2141949831683645001
極彩色の群鶏図他30幅の絵。現代アートとしても通用する色彩、構図。
謎の言葉を残す『千載 具眼の徒を待つ』(せんざい ぐがんの とを まつ)


早川泰弘(東京国立文化財研):X線で絵の具の種類を解析。
日本画の絵の具:胡粉(白)、辰砂(赤)、群青(青)。それほど多くはない。
その中で圧倒的な色彩を誇る。
ぼたんのめしべ。直径1cmに重ね塗り。下塗り:緑→白の点→黄色→赤(計4層)。立体感を生み出す。
全く違う技術。
なんてんの赤。赤い顔料は1種類。なぜ違って見える→X線撮影。顔料の厚さを変えて透け具合で色を変えた。
肉眼で見えないレベルの表現
小さな雀の絵。偶然絵を撮ったら僅かな鉛を検出(分光分析)。雀の胸の部分から出ている。拡大すると絹目の間にオレンジ色の点。正体は鉛丹。

点は0.1mm。人間の目では認識出来ない。脳の潜在意識下でやっと判る程度。


紅葉小禽図
http://blog2.hix05.com/2015/12/post-2137.html
もみじの葉の色が全て異なる。分解調査で初めて判った。表側は赤、裏にダイダイを塗る。ピンク色:裏からだけ赤。一つとして同じ色がない。裏からもう一枚の絵を描くのと同じ手間。


今の技術で解き明かされていない技術もある(世界も注目)。
パリ。フランソワ・ラショウ教授(フランス国立極東学院)。気がついた事がある→花びらに施された光の表現。陰影を描いた(当時の絵の発想にない)。
印象派の創始者:マネ。19世紀半ばに陰影表現を初めて行ったとされている(革命と言われた)。その100年前、陰影表現に到達していた。

マリーピエール・フェイト(画家)。
油絵は何度でも重ね塗り出来、修正が可能。若冲は一度だけのアプローチ。修正の跡なし。


京都 信行寺。
花卉(かき)図
http://www.asahi.com/and_M/interest/SDI2015100538801.html
京都の出版社に若冲の絵を描き写した版木が残っていた。それに彩色してCG処理し、寺の映像と組み合わせた。
他国の花も多数。シュウカイドウ(中国)、ハイビスカス(亜熱帯)、キョウチクトウ(インド)。
その中の青い色は新たな顔料。ドイツで作られた絵の具、プルシアンブルー(赤い色を作ろうとして偶然出来た)。当時出島に1kgしか入らなかったもの。そんな貴重なものも若冲は試していた。

ユキオ・リピット(ハーバード大教授)談。若冲は特別な絵師。豊かな発想。あふれんばかりの情熱。どの流派にも属さない。独創的。


鳥獣花木図屏風
http://jakuchu.exhn.jp/feature7.html
空想も含めたもの。1万数千のマス目に絵を描いた。江戸時代のデジタル画。マス目に工夫。光を当てると色が変化する。
どの絵師とも異なる。十分には理解されなかった。


小林忠談。「千載 具眼の徒を待つ」は千年後に自分の絵が判る人が出て来るのを待つ、とでもいった意味だが、若冲の心の叫び。
絵の中で十分表現している。言葉はいらない。

若冲は73歳の時、天明の大火で自宅、作業場全てをなくした。
晩年は寺院に住み、享年は85歳。技は途絶え、記憶から失われて行った。


狩野 博幸(同志社大教授)。
若冲の絵には深いメッセージが隠されている。

花丸図 金刀比羅宮の奥書院
http://www.konpira.or.jp/news/2014/16/news.html
200の絵が描かれた襖絵。この中に執拗に描いているもの→病葉(わくらば)。普通寺院には美しいものを奉納するのが常識。
若冲の到達点。綺麗なものはいつか亡びる。
描きたいものを描く。移り変わる世の中を超えたところで評価される。

天明の大火の直後に描かれた仙人掌群鶏図(さぼてんぐんけいず)大阪 西福寺蔵
http://www.salvastyle.com/menu_japanese/jakuchu_cactus.html


この襖絵の裏に描かれた蓮池図
http://blog.goo.ne.jp/tetsu-t0821/e/ab688d58cd5d779d2bbd788e7c184f58
水墨画。荒涼とした世界。蓮の池、ただ寂しいとだけ思っていた。
5年前の東日本大震災。天明の大火と重なった。その後向き合ってあるものを発見した。蓮のつぼみ。芽吹きが描かれていた。目立たないけれど、密かに描かれていた。京都の再生を願った絵だった。
同じ絵が違う意味を持って来る。どこまで深いのか、広いのか。謎はつきない。宗教的。



伊藤若冲ウィキペディア
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BC%8A%E8%97%A4%E8%8B%A5%E5%86%B2

伊藤若冲まとめ
http://matome.naver.jp/odai/2137304111839024801



感想
大したものではないが、一応絵は好きで、以前描いていた。伊藤若冲についてはあまり知らなかった。
ほとんど独学、というのが素晴らしい。
気になったので、番組に出て来た絵は全てURLを残してみたが、確かに見事。実物を見たいものだ。


ただこの番組のナレーターがいけない。小松菜奈って誰よ?さすがにトチリはなかったが、言葉の意味を全く理解している様子がない。NHKともなれば、優れたアナウンサーはいくらでも居るだろうに。せっかくの番組の質がかなり落ちてしまった。

批判の一部
http://matome.naver.jp/odai/2146150480170315601
http://matome.naver.jp/odai/2146150063064400301


コズミック・フロントNEXT 沈黙の宇宙飛行士 ニール・アームストロング 4/28放送

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番組情報
http://www.nhk.or.jp/cosmic/broadcast/160428.html


月着陸のファーストマンとなったニール・アームストロングの宇宙飛行士応募書類は、実は締め切りに間に合っていなかった。


米国の宇宙開発計画は1963年に開始。人類を月に送り込むもの→アポロ計画。現在の価値で2.5兆、40万人の大プロジェクト。
ニールはNASAのテストパイロットだった。X計画。超音速機の開発に携わっていた。スピード、高度記録に挑むもの。
ジーン・マトランガ(当時の技術者)。ニールは飛行中に起こった出来事を正確に伝えた。技術者パイロットだった。


オハイオ州、ワパコネタで生まれる。小さい時から飛行機好き。当時の飛行機は複葉機しかなかったが、模型で単葉の機体を作った(1枚の方が効率がいい)。タイヤも小さくして収納した方がいいとの持論。
乗る事にも興味を示し、16歳で飛行のライセンスを取った。大学では航空工学に進んだ。大学時代の図面が今も残っている→テストパイロットは必然。
技術者にもパイロットにもなりたかった。アポロ計画の宇宙飛行士に応募すると誰もが思っていたが、締切りの6/1になっても届かなかった。


ある悲劇。ニールが結婚して1年後に長男リック、次いで長女カレンが生まれたが、カレンは宇宙飛行士募集の1年前、1月2日に2歳で亡くなった(悪性の脳腫瘍)。その日は結婚記念日でもあり、以来祝う事がなかった。つらい出来事だった。
ニールは1週間で仕事に復帰したが今まで通りの仕事は出来ず、ミスや事故等、トラブルが続いた(それまでの彼では考えられない)。
応募書類を出さなかった彼が何故なれたのか。母校に手がかり。
ボブ・ギルルース(NASA要人)の手紙。応募書類を6/13までに返送せよとの指示。ニールが手紙を受け取ったのが6/2。ボブは締切りを延ばして催促(ニールはアポロ計画には欠かせない存在)。新たな挑戦をしようと考えたニール。


30人の宇宙飛行士が集められ、訓練を受けてしのぎを削った。
1968/9月。ジェミニ8号によるドッキング訓練(ニールを船長として)。ドッキングには成功し、船外活動を行おうとした時に緊急事態(回転を始めた)。
宇宙船を切り離すも回転は止まらず(姿勢制御エンジンが止まらない)。逆噴射で安定させ無事帰還した。

本件はリスク回避として高い評価を受けたが、本人は船外活動が出来なかった事に責任を感じていた(納得していない)。
一方、脚光を浴びる飛行士が居た。オルドリン。船外活動5時間の実績。父親は空軍大佐。「ドクター・ランデブー」の異名を持つ。


1967年。アポロ計画は本格始動。月面着陸船の地上訓練が行われた。非常に危険であり、墜落寸前の脱出も経験したが、ニールは良く対応した。
近づくにつれ、ファーストマン(月に最初に降り立つ者)に誰がなるか、に注目が集まった。
アポロ11号のクルーはニール、オルドリン、コリンズの3名。コリンズは司令船、オルドリンは着陸船操縦。ファーストマンとして報じられていたのはオルドリン。オルドリンは周囲に自分を推薦して欲しいと頼んでいた。
ニールは、どちらが先かは大した問題ではないと考えており、人々がその事に関心を持っている事に驚いた。彼はその先の作業準備に注目していた。

ファーストマンは3ケ月前、ニールに決定された。なぜか。
直前の会議。4人の首脳による協議(スレイトン、ジョージ・ロウ、ボブ・ギルルース、クリス・クラフト)。ふさわしいのは誰か。
理由:ニールにはうぬぼれがない。絶対信頼出来る。篤く信頼されている事が重要。技術者とも信頼関係

があった。


1969年7月16日。アポロ11号打ち上げ。7/20に月着陸。月の石を採取。だがニールの月面でのキチンとした写真がない。写っているのはオルドリンばかり。
ニールは意に介さず(目的はミッションの成功)。


ファーストマンを襲った試練。ニールは月着陸後2年でNASAを去る。
帰還後アメリカ中を凱旋。大歓迎を受けた。世界ツアーは24ケ国(日本にも来た)。行く先々でコメントを求められた。家族から見ると無理をしていた。スピーチでたくさん話す姿を見て長男のリックは「信じられない」。
ニールはワシントン本部に転勤となり、管理職となった。やりたい仕事が出来なくなってしまった(有名人)。
NASAを退職し、シンシナティ大で教鞭を執った(航空機の設計に関する講義)。事前準備を十分に行い、生徒からも好評を得ていた。一時頼まれてサインもしたが、それが500ドルで売り買いされている事を知り、いやな思いをした。
ファーストマンになった事で人生が変わってしまった。利用され、やりたい事も出来ない。シンシナティ大は8年で去った。
人々の目を避けるようになり、メディア取材も受けなくなった。


1986/1月。スペースシャトル「チャレンジャー号」の爆発事故。7人死亡。事故調査委員会が立ち上がり、ニールがその副委員長。
原因は燃料タンクのシール材が低温で漏れた。Oリングが低温で起こす問題。メーカは気付いていた。
調査を4ケ月かけて行った。ジョセフ・サター(関係者)談。ニールは真摯な態度で取り組んだ。スペースシャトルはシステムとして非常に難しいが、そのほ

とんどを理解した。メモがNASAに残っている。技術によって安全を保つ事に全てを捧げた。
事故報告書は3000ページにも及んだ。克明に現された内容は事故報告書の手本とされている。次の世代に伝える事も大切にした。


2012年8月、82歳で他界。
遺品の中に大量のスライド。火星に向かう探査機「バイキング」、宇宙ステーションの切り抜き。強い関心を持っていた。
生き方で示そうとした。


感想
月着陸のファーストマンとして、あまりにも有名な人。「これは一人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては偉大な飛躍である」の一節は誰でも知っている。だがそれが彼に、人生における負の影響として後々負担となって行った。皮肉な話。
ニールの月面での写真がないのは、オルドリンが撮らなかったから。こんなところで仕返しせんでもいいだろうに・・・・
ウィキペディアよると、オルドリンも帰還後けっこうなストレスを感じていたらしい。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%82%BA%E3%83%BB%E3%82%AA%E3%83%AB%E3%83%89%E3%83%AA%E3%83%B3
しかし、こんな番組で「人として」の差をどうこう言われるのは、オルドリンにとっても面白くないだろう。ニールが船長、オルドリンが着陸船のパイロットになった時点でニールがファーストマンに決まった、という事までに留めてよかったのでは?

NHKスペシャル 大ピラミッド 永遠の謎に挑む 5/1放送

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番組紹介
http://www6.nhk.or.jp/special/detail/index.html?aid=20160417


番組詳報
http://tvtopic.goo.ne.jp/kansai/program/nhk/25413/482440/


プロローグ
エジプト。クフ王のピラミッド。何のために作られたか、どうやって作ったのか、今も謎。
スキャンピラミッド計画。中核を日本が担う。

クフ王のピラミッドは世界最大(高さ147m)。現在通路と一部の部屋しか確認されておらず、10%しか判っていない。
クフは4500年前にこの地を支配していた。だがクフの痕跡としては7cmの小さな像しかない。莫大な富と権力。
最初入り口はなかった→盗掘口。最初に女王の間(目的は判らない)。上に長い通路(高さ8m、長さ40m)。その先に王の間。奥に棺?(花崗岩で出来ている)。非常に硬く、加工に10年かかる。ただしミイラは見つかっていない。
過去にこの部屋の上をダイナマイトで爆破した(イギリス軍人)。上には幾重にも重なった部屋があった。


どうやって作られているか。
直線傾斜路説。ピラミッドの脇に傾斜した道を作り、石を運び上げるもの。ピラミッドが高くなるにつれ、傾斜路の材料も多くなり、最終的にはピラミッドと同量の材料が必要になる。
ソルボンヌ大 ピエール・タレ教授。工事に立ち会った者の日誌を解読。それによると約20年で完成した事になる。直線傾斜路方式だと2.5tの石を2分に1個運ばなくては工期の辻褄が合わない。日誌には工法までは書かれていなかった。
謎は透視出来れば解ける。


ジャン・ピエール・ウーダン(フランス人建築家)の仮説。1/3を傾斜路で作り、その後内部にらせん階段のトンネルを作って積み上げて行く。

河江削剰(かわえゆきのり:エジプト考古学者)の仮説。ピラミッドにはすき間が多く、がれきや充填剤が多く使われているのではないか。それであれば短期間で出来る。
どこかに秘密の部屋があるのではないか、との説もある。残されている文献(パピルス)があり、知恵の神トト神の聖なる部屋との記述がある。
謎の理由として、追加の穴が開けられない事や、規模が大きすぎる事が挙げられる。石は最大で60t。


2015/10月に計画の発表が行われた。3チームによる調査。
カナダ:赤外線カメラによるもの。フランス:ドローンを使ったレーザー解析。

日本:ミュオン(素粒子)を用いた石透視。名大 森島邦博教授。
素粒子は宇宙線として降り注いでおり、人体も通り抜ける。ただし石等硬いものは通りづらい。また石等の中に空間があれば減衰しないため、通過量に差が出る。
福島第一原発において、核燃料がどこにあるかを、ミュオン透視で確認出来た。
元々ルイス・アルヴァレズ(ノーベル賞学者)がピラミッド透視のために提案したもの。名大が実用化にまで高めた。


問題点がある。
エジプトの環境は40℃以上。フィルムは高温で劣化し黒変。乳剤の組成を変えて特殊フィルムを作った。

別のピラミッドで予備試験を行った。屈折ピラミッド(高さ105m)。内部に2つの部屋を有する。下の部屋にフィルムを敷いて感光させる。観測期間は40日間。2016/1月に名大でフィルムの解析を行った(読取り装置を開発)。画像化に成功。シミュレーションとほぼ同等の結果を得た。


次はクフ王ピラミッドの透視。複数の部屋に設置して三次元的に特定させる予定。年内に発表出来る。
森島教授談。未知の空間があれば必ず特定出来る。

引き続きシリーズで伝えるとのこと。


感想
「ピラミッドの謎」は子供の頃に「ムー大陸」やら何やら含めて一大ブームになった時期があり、こんなNHKスペシャルがあると、つい見てしまう。
透視と言っても、とてもレントゲンみたいな高解像度なんて期待出来ないだろうけど、実験結果ではおぼろげながら、部屋があるという空間の認知は出来るとみなせる確からしさはあり、けっこう感動した。
でもらせん状のトンネルまでは・・・・ムリだろうなぁ。


NHKドキュメンタリー ブレイブ 勇敢なる者「Mr.トルネード:藤田哲也」 5/2放送

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番組紹介
http://www.nhk.or.jp/docudocu/program/92225/2225351/


番組詳報
http://tvtopic.goo.ne.jp/kansai/program/nhk/65239/482715/


藤田哲也(気象学者)。気象学で世界を救った男。
藤田”テッド”哲也と自称した。竜巻の強さの基準「Fスケール」を考案した。


1975年12月、イースタン航空66便の墜落事故の究明に関与。
午後4時01分、滑走路最終アプローチで墜落。115人が死亡。
その5分前に着陸した便で、滑走路を変える様管制塔にリコメンドしていた。だが当時風速は7m/秒であり特に異常ではなく、それは黙殺された。
事故直前に起きた風の急変。
元日航機長の上田恒夫。藤田と親交があったが、終戦当時(1945/8月)長崎に居たことは回顧録を見るまで知らなかった。


藤田は32歳の時に渡米。きっかけはゴミ箱の中。
背振山の観測所で藤田が発見した雷雲の中の下降気流。論文に発表したが、日本では注目されなかった。当時気象庁も下降気流を観測しており、門外漢の話としての認識。当時藤田は物理学教授だったが、気象学は金が掛からない、として選択していた。
観測所隣りの米軍レーダー基地のゴミ箱から、知人が論文を拾って来て藤田に教えた。その内容は藤田の考えと同じものであり、シカゴ大 学部長のバイヤース教授宛てに自分の論文を送ったところ、ほとんど金を掛けずに論文を導き出した藤田に驚嘆し、彼から渡米を促された。


藤田が渡米したのは1953/8月。1957年に新テーマとして、竜巻研究を持ちかけられた。藤田は竜巻の目撃情報を集め、200枚ほどの写真を元に分析して竜巻の発生からの全貌を明らかにした。
観察に徹底しており、写真を撮りまくった(気象学のシャーロック・ホームズ)。数値データを図面に置き換える→気象界のディズニーとも言われた。

竜巻発生装置も自作。その原点は故郷にあった。1920年10月23日生れ。父親を中学で亡くし、その後母も亡くした。藤田は大学進学を断念したが、中学時の校長が藤田の優秀さを惜しみ、特待生での進学を推薦した(現九州大学)。専攻は機械科だったが、生活が苦しく地質学の助手をやって足しにしていた。こ

の事が地図の作り方、立体図への起こし方、徹底的な観察力に繋がった(米国でも貫いた)。


藤田は航空機事故の謎と向き合っていた。無線通信の分析(墜落前の18分)。事前の兆候なく突然起きた。風というより、衝撃波に近い流れ。
1974/4月、史上最大の竜巻が発生。木が放射状に倒れている写真。藤田は1945年、長崎への原爆投下の直後、母校から派遣されて調査を行っていた。爆心地を中心に木がなぎ倒されていた(克明に記録)。
藤田は、事故の元となった流れを「ダウンバースト」と名付けた。向かい風で機首が持ち上げられ、下降気流で頭下げ→追い風で失速。だが賛同する者はほとんど居なかった。当時論文は、査読を受けて反論への回答という経緯を経て公開されるが、その煩雑さを嫌って自主出版。結局注目されなかった。

航空機にとってはダウンバーストより、規模の小さい「マイクロバースト」の方が脅威。それを証明するため、大規模な観測計画が立てられた(最新のドップラーレーダーをロバート・セラフィン教授が提供)。1978/5月に初めて観測された(気象史に残る発見)。
だが観測網が広すぎて詳細まで捉えられなかった→論争を巻き起こした。


1982年「JAWS観測計画」により観測網を狭くした。1台のレーダーが故障した事から藤田がレーダーを上向きにする事を提案。それによりマイクロバーストが吹き下ろす瞬間が捉えられた。一連の調査でマイクロバーストを200以上観測。
その最中にも航空機の墜落事故は2回起き、藤田は注意を呼びかけた。パイロットは藤田を支持し、訓練やシミュレーターに対策を組み込んで行った。
その後航空機に警報装置の追加、探知システムの追加等で、マイクロバーストの事故は過去のものとなった。
この功績により藤田は、1989年にフランスの航空宇宙アカデミーで受賞した。


藤田は74歳で糖尿病により起きられなくなった。家族同然に接して来たロバート・アビーは彼の病気を記録する事を提案。藤田は痛みをスケール化して記録し、ロバートに送った(こんな事をするのはテッドぐらいのもの)。
ロバートは言う。藤田には目的が必要だった。彼は長く生きられないと気付いていた。
藤田は1998年、78歳で他界。


感想
竜巻の規模「Fスケール」が藤田のFだという事は知っていたが、ダウンバースト、マイクロバーストの発見者でもあったというのは知らなかった。
要所々々で彼の話す言葉(日本語、英語含め)が出て来るが、非常に明快で小気味よい。
望む、望まないに関わらず経験した事が、全て気象学に役立っていたとはすばらしい。というより、この人だったらどんな方面の研究を行っても成果を上げただろう。


亡くなる前の病状の記録、なんていうのを読むと、研究者・技術者の性(さが)を感じてしまうが、かくいう私も定期的にやる血液検査なんかはEXCELに落として回帰曲線にかけたりしてしまう。サガやねえ・・・・

番組紹介 の下方にある「番組スタッフから」も泣ける。

NHKモーガン・フリーマン 時空を超えて「第六感は存在するのか?」 5/6放送

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番組情報
http://www4.nhk.or.jp/P3452/x/2016-05-06/31/28243/1988003/


プロローグ
人間の五感(視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚)以外にも人間に備わった感覚があるのではないか(例えば未来を感じ取る能力)。
人間の脳には天文学的な神経ネットワークがある。脳と外界とを繋ぐものの存在は十分考えられる。
モーガンの幼少期。良くイタズラをした。悪さがバレた時、後ろからの母親の視線を感じた。


ベアトリス・デゲルダー(オランダ人学者)。
盲目の人が、人の表情を感じているという。
脳梗塞で片目しか見えない人へのテスト。見えない方の目だけに人の表情を見せると、その画像を感じて自分の表情筋が動く。
脳のどの領域で見えているか。人の視覚系には9つの経路があるが、細かくは判っていない。障害のある人こそ、これらを知る機会。カギは意識と無意識の境界にある。


ニューヨーク意識集団。リーダ:デヴィッド・チャルマーズ(哲学者)。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%87%E3%82%A4%E3%83%B4%E3%82%A3%E3%83%83%E3%83%89%E3%83%BB%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%82%BA
意識のレベルを考える。①人やモノの存在を感じる ②意識を意識する ③意識を意識した事を意識する・・・・無限に繰り返す。
意識し切れなくなる→一瞬だけ意識し「忘れる」。
過ぎ去るものと意識するものの違いは何か?(根本的な問題)。
意識を物理レベルで説明出来ない。意識は個人の中ではなく、外に広がる。思考とは何か?

意識は世界中に満ちている。1980年半ばに調査が始まった。乱数発生器に意識を集中することで、その傾向に影響を与える事が出来る。

ロジャー・ネルソン。地球意識プロジェクト。意識が関わった事をチェック出来るツール。実験を繰り返すと影響を与えられる。
http://nowcreation.jimdo.com/2014/02/27/%E6%88%91%E3%80%85%E3%81%AB%E3%81%AF%E5%8A%9B%E3%81%8C%E3%81%82%E3%82%8B/

データ集め。世界各地、全ての装置がネットワークで繋がれている。世界的に大きな出来事があるとデータに偏りを生じる。
2008年米大統領選挙。オバマが勝ちそうなところでの当選スピーチ→右肩上りの反応。過去10年でのデータ採取の中でも大きなもの。


どの様な仕組みで影響が発生するのか。
ルパード・シェルドレイク(生物学者)。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%82%A7%E3%83%AB%E3%83%89%E3%83%AC%E3%82%A4%E3%82%AF%E3%81%AE%E4%BB%AE%E8%AA%AC
フィールドに要因を求める→磁場。形態形成場。鳥の群れ、動物の大移動など。

実験。見つめられていたかどうかの検査。正解14、不正解6。データには一貫性がある。人間の思考は外にまで広がっている。
異をとなえる人も居る(あるものならとっくに一般的になっている)。


地球は磁場に包まれている。思考、第六感は磁場と関連している。

マイケル・パーシンガー(神経科学者)。
http://wired.jp/2002/04/23/%e8%b6%85%e5%b8%b8%e4%bd%93%e9%a8%93%e3%81%af%e8%84%b3%e3%81%b8%e3%81%ae%e7%a3%81%e6%b0%97%e5%88%ba%e6%bf%80%e3%81%8c%e7%94%9f%e3%81%bf%e5%87%ba%e3%81%99%e5%b9%bb%e3%81%8b/

磁場が人間に与える影響を調べている。磁場が人間の脳にも影響を与えている。重要なのは機能する仕組み(磁場は媒体)。
さざ波→電気の活動が人から人へと伝わるという仮説。

実験。被験者2名を6m離して別の部屋に配置(磁場を完全に遮断)。それぞれにコイルで磁場発生装置をセットし、2人に同じ磁場を与える。
一方(男性)だけに光の点滅を経験させる。もう一人(女性)も光を感じた。
一定の条件を与えれば思考を伝えることが可能。未来を感じる事が出来るかも知れない。


ミチオ・カク(理論物理学者)の話。シュレーディンガーの猫。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%82%AC%E3%83%BC%E3%81%AE%E7%8C%AB
人間が猫を見ることで、初めて存在する。自分が生きているのがどうして判るのか。見る事で存在→無限の連鎖により多くの意識が形成され→生きている。


2001年9.11。同時多発テロで世界の乱数発生に、かなり特徴的な動きがあった。ハイジャック発生以前から変化が起きていた(説明が付かない)。事件を予知している? 地球意識を直接感じる方法はまだ見つかっていない。


予知が実在する証拠を見つけた。何かが起こりそうだという直感。
ディーン・ラディン(超心理学者)。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%86%E3%83%AC%E3%83%91%E3%82%B7%E3%83%BC
交差点の手前でイヤな予感がしてスピード落とす→直後にトラックが信号無視で横切る。予感がなかったら大事故。

予感実験。被験者の指先に微弱電流を流し、抵抗値をモニター。ショッキングな映像を見せると抵抗が変化。実験を始めると、ショッキング映像が出る前に反応が出る。予知反応は5秒前。30年間に数百回実施し確実に存在。科学的な説明はつかない。


ジェームズ・クラーク・マクスウェル(理論物理学者)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%82%BA%E3%83%BB%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%82%AF%E3%83%BB%E3%83%9E%E3%82%AF%E3%82%B9%E3%82%A6%E3%82%A7%E3%83%AB
磁場は電磁波で説明する方が適切か。ヒントになるのは先進波。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%88%E9%80%B2%E6%B3%A2

リチャード・ファインマン(物理学者)。反物質の作用。


新たな突破口を求めて、理論物理学以外にも材料を求め、学者たちは100年以上探し続けている。

ダリル・ベム(心理学教授)。
http://www.kisc.meiji.ac.jp/~metapsi/jsppBem.pdf
パソコン画面で左右カーテンの裏のどちらに画像があるかを推理。普通は確率として50%。ただし画像にエロチックなものを使用すると、確率が53%になった。人類は種の保存のため、性的刺激を長い年月かけて発達させて来た→理にかなっている。


感想
第六感、超能力等には元々興味がある。こういう検証を辛抱強く行っている科学者がたくさん居ることにびっくり。
ただ、存在を信じる者がやる検証だから、当然公平であるべき結果の解釈にバイアスが掛かる。
どこまで信じていいものか・・・・
また、何でも並べればいいってもんじゃない。ジェームズ・クラーク・マクスウェルは100年以上前の学者。番組のためにあちこちから引っ張って来る演出にはちょっと反発。



冨田勲さん死去

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訃報記事
http://www.asahi.com/articles/ASJ58019HJ57UCLV00T.html


我々の年代ではおなじみの人。84歳か、男の平均寿命よりは長かったけど、慢性心不全という病気にはあまり馴染みがない。
一番印象が深いのは以下の2曲。


新日本紀行
この、どうしようもなくしみじみとする感覚。
https://www.youtube.com/watch?v=ZBtdB2gt6YY


ジャングル大帝
TVアニメをリアルタイムで観た世代。アフリカの雄大さ。
https://www.youtube.com/watch?v=SbiOhnYmWVI

レヴェナント: 蘇えりし者 2016年

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例によってネタバレ


監督 アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
音楽 坂本龍一


キャスト
レオナルド・ディカプリオ    - ヒュー・グラス
トム・ハーディ         - ジョン・フィッツジェラルド
ドーナル・グリーソン      - アンドリュー・ヘンリー
ウィル・ポールター       - ジム・ブリッジャー
フォレスト・グッドラック    - ホーク
ポール・アンダーソン      - アンダーソン
ブレンダン・フレッチャー    - フライマン
クリストファー・ジョーナー   - マーフィー
メラウ・ナケコ         - ポワカ
ブラッド・カーター       - ジョニー
ルーカス・ハース        - ジョーンズ


予告編
https://www.youtube.com/watch?v=Pqdq-k5Zg90


あらすじ
西部開拓時代、毛皮を取るための狩猟チーム(総勢30名以上)。リーダーはヘンリー。グラスが大きな鹿を仕留め、息子のホークが運ぶのを手伝ってくれと頼むが、仲間は冷たい。特にフィッツジェラルドはグラスに対して反発している。
そんなところへインディアンの一団が襲撃して来る。ここはアリカラ族の縄張り。命からがら船で脱出するが、逃げられたのは10名だけ。グラスはこの地域の事情に明るく、皆が頼っていた(ガイド役の位置づけ?)。グラスの妻は原住民であり、軍人に殺されていた。
川をそのまま下るのはインディアンに襲われるため、船はおとりとして流し、陸路を行くよう提案するグラス。大多数は従ったが、2名ほどは船で下った。途中で船は襲われ、その2人は殺された。


残りのメンバーで山を歩くが、途中ではぐれたグラスは運悪く熊と出くわし、襲われてしまう。熊が小熊に気を取られて離れた隙に銃を取り、次の襲撃で撃つが、致命傷を与えられず、再度襲われる。咬まれてズタズタになりながらもナイフで反撃。熊はグラスにのしかかったまま息絶えた。
仲間が見つけて助け出すが、グラスは瀕死の重傷。応急的に傷口を縫うが、痛みで気を失う。なおも首元を縫う仲間。
グラスを即席の担架に乗せて皆で運ぶが、急な山道を登るのは無理だった。
このままでは共倒れになってしまうため、グラスが息絶えるまでそばに居て、その後キチンと埋葬する者を募るヘンリー。フィッツジェラルドとブリッジャーが名乗りを上げた。そして息子のホークも。
フィッツジェラルドは、手早く片付けようとしてグラスに、このままではみんなに迷惑を掛けるから、始末して欲しければ瞼を閉じろと言う。グラスが目を閉じるとフィッツジェラルドはいきなりグラスの首を絞め始めた。そこへホークが来て咎めた。だがもう一人居たブリッジャーは水を汲みに行っていた。
フィッツジェラルドは離れたところへホークを連れて行き、ナイフで刺殺してしまった。
戻って来たブリッジャーはその事を知らない。一夜明けてフィッツジェラルドが、川からインディアンが20名近くこちらに向かっているとブリッジャーに言う。グラスが居ると言うブリッジャーに、フィッツジェラルドはグラスを担架から引きずり出して埋めるための穴に放り込み、土を掛け始めた。驚くブリッジャーに、どうせ

死ぬからと無理やり連れ出した。


一方、別の白人の部隊に出向いたインディアンの一行。銃と馬が欲しいと言うが、白人は受け付けない。だが娘のポワカが居ないと訴えると、馬数頭を渡した。
一方ヘンリーたちは何とか砦にたどり着いた。

穴の中で目覚めたグラス。足が折れて歩けず、這ってホークの所までたどり着いた。冷たくなったホークの頬を触って泣くグラス。

死んだ大型動物の骨の髄を食べ、小鳥、川の魚などを食べて何とか生き延びるグラス。傷口の腐敗防止のため、火薬を首に振りかけて焼いた。
インディアンの追っ手から逃れるために川を下った。
何とか川から上がり、野営している傍に火を見つけて近づくと、先住民の男が大型動物の肉を食っていた。最初威嚇したが、肉を分け与える男。

グラスが自分の身の上を話すと、男も、自分はスー族に家族を殺され、ポーニー族の仲間を募って復讐すると言った。男の馬に乗せてもらうグラス。
グラスの背中を見て男は、腐り始めていると言い、グラスを寝かせて小さなテントを小枝で作って、薬草を塗り火を起こしたところへ雪を入れて加湿した。


その晩が明けて、グラスが男を捜しに行くと、男は木に吊るされて息絶えていた。フランス人軍人の集団に襲われたのだ。

その集団から馬を盗もうと計画するグラス。盗み出そうとする時、男が原住民の女を連れ出し、バックから強姦している場面に出くわした。男から銃を奪って、女にナイフを渡し「タマを切ってやれ」と言って自分は馬に乗って逃げだした。ちょうどそこへインディアンの集団がフランス人部隊の襲撃を始めた。


インディアンに追われるうちに、馬もろとも崖に落ちたグラス。
夜の寒さを凌ぐため、馬の腹を裂いて内臓を出し、そこに裸で潜り込んだ。

フィッツジェラルドとブリッジャーも、遅れて何とか砦に着いた。ヘンリーに、グラスを埋葬したと嘘の報告をするフィッツジェラルド。そして約束の報酬300ドルをヘンリーから受け取る。


砦にフランス人の男が連れて来られた。その男がグラスの水筒を持っていた事から、ヘンリーはグラスが生きていると考え、探しに出た。そして見つけられるグラス。
戻るとフィッツジェラルドは逃げ出していた。金庫の金も全て奪われた事に愕然とするヘンリー。手当てを受けているグラス。会いに来たヘンリーに、馬と銃を貸してくれと言う。2人でフィッツジェラルドを追い始めた。

馬の足跡を見つけて、次第に追い詰めて行く。僅かな焚火の匂いを感じて、グラスはヘンリーに二手に分かれて行こうと提案。
馬に乗ったヘンリーに銃を向けて現れるフィッツジェラルド。
銃声を聞いてグラスが駆けつけると、ヘンリーが頭を打たれて死んでいた。しばらく考えて、木の枝を払って持って来るグラス。
馬にヘンリーの遺体を乗せて、もう一頭にグラスが乗り、ゆっくり歩いていた。そこへフィッツジェラルドが銃で撃って来た。馬から落ちて倒れるグラス。
フィッツジェラルドが近くまで来て、その死を確認すると、それはヘンリーだった。死体だと思っていた者が起き上がってフィッツジェラルドを撃った。こちらがグラスだった。
肩を撃たれて逃げ出すフィッツジェラルド。追うグラス。ナイフと斧での斬り合い。
最後はグラスが優位に立つが、川の下流に先住民たちの集団が居た。「復讐は神の手中にある」とフィッツジェラルドを川に流すグラス。フィッツジェラルドは先住民らによって息の根を絶たれた。
グラスの方に近づく先住民。その中に以前グラスが助けた女が居た。この女が娘のポワカだった。結局グラスは見逃された。


感想
ディカプリオがオスカーを取った映画、という事で敬意を表して観に行ったもの。
確か2005年の「アビエイター」が、ノミネートのされ始めだったか。


西部開拓時代の話で、要するに子供を殺した男に復讐するというストーリー。
極寒でのロケ敢行など、力の入れ具合はハンパないが、ちょっとカラ回りの感もある。
グリズリーに襲われるシーンは、CGも交え相当な力の入れ具合だったが、あそこまでデカい熊だったら一発顔を張られたら即死コース。熊は襲うというよりじゃれている感じで、とどめを刺すという発想がない。更にグラスが銃を撃った時も致命傷ではなかったので、それこそ本気になって殺しに来る筈。だからここは出来過ぎでも何でも、頭か心臓をブチ抜くという演出以外あり得ない。


あれだけの重傷を負って、みんな共倒れになるリスクを考えれば、置き去りにされるのはある意味やむを得ない。フィッツジェラルドが息子のホークを刺殺したのは、確かに悪いが、あの場合騒がれたら静かにさせるしかない。
まあ、復讐心だけで生き延びたのだから、拠り所はそこしかない、か。


それから、崖から馬もろとも落ちて、夜の寒さを凌ぐため、死んだ馬の腹を裂いて内臓を出し、そこに潜り込むというシーンがあったが、馬の体なんて死んで1時間も経てば周囲の温度と同化してしまい、とても防寒の役には立たないように思う。
なーんて思っていたら、先日やっていたスターウォーズ・エピソード5で、ハン・ソロが、遭難したルークを助けて極寒の地で一晩持たせるために、死んだラクダの腹を裂いてルークの体をネジ込む場面があり「あー、これか」とナットク。でもやる気にはならんなー。


たまたまグラスがインディアンの娘ポワカを助けた事が伏線となって、最後の場面で殺されずにすんだのも、なんか「ご都合主義」っぽかった。それよりフィッツジェラルドは逃げる時、砦の金を全て持ち逃げした筈だから、グラスが倒して、そのまま川に流してしまうのはアカンだろう。ヘンリーは殺され損。

インディアンの扱いも、グラスの妻(殺された)がインディアンだったから、もう少しその方面を掘り下げるべきだったのが、いわゆる「西部劇」と同じ様な扱いだったのが「物足りない」一番の要因かも(「ソルジャー・ブルー」を観なさいっ!)。


アカデミー賞やるなら「J-エドガー」辺りの方が適切だった様な気もするが(ディカプリオの出来として)、あれは映画の造りとしてイマイチだったから、やむを得ないかも。


音楽は坂本龍一。弦楽を主体とした重厚なテーマが印象的だが、場面によっては太鼓の連打等、クロサワ映画を観ている様な感覚もあり、画像とマッチしていて心地よかった。


三菱自動車不正に思う

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自分もかつて製造業に携わっていた関係上、今回の事は本当に残念。


連日報道されている三菱自動車(以下自工と省略)の燃費偽装。今回判った事は、燃費計測(排ガス含む)は台上のスタティックな状態でドラムを回す事により計測し、市場走行時に発生するころがり抵抗と空気抵抗の値はメーカより提出されるものを使用していたという。国の定めた検査方式の穴を突いたものだが、この性善説を破ったのが自工だけ、というのが象徴的。


カタログ燃費と実力燃費に差がある事ぐらいは世間一般の常識だが、そんな中でもカタログ×0.8掛けとか、ある程度比例関係にある筈。カー専門誌辺りでは既に自工の車について実力値とカタログ値の乖離が問題にされていたという。


自工も当然自動車の製造業だから ISO/TS 16949(自動車産業向け品質マネジメントシステム)の認証を取っている筈だが、この認証を維持する過程で、自分らの不正について思いを巡らすという事がなかったのだろうか。本当に不正を知らなかったという事???
自工は、この偽装は100%子会社の「三菱自動車エンジニアリング(MAE)」が行ったと言っているが、先のTS認証は製造メーカが受けるものであり、自動車の重要な品質に関わる部分をコントロールしていない点について、徹底した検証が必要。その上で認証はく奪が妥当だろう。
製造業として死んでいる。


また、日産自動車が出資して自工を傘下に入れるとの事だが、これも視野に入れて「デイズの燃費オカシイですよ」と言ったのだとしたら、こちらも食えん会社。この不祥事で自工の株価は800→500円と4割も下げて、企業価値が落ちている。出資額も、落ちた価値を基準にして決めているわけだから、日産としては安く買い叩けた事になる。

ただ、現状の三菱グループの懐事情ではとても支援の話がなかったところへ、この日産の話は彼らにとっても有り難い事だったろう。
日産としても、この信頼の毀損がどれぐらい広がるかが読めない時点での支援決定は、勇気があるなーという印象。カルロス・ゴーン社長がNHKと報道ステーションのインタビューに答えているのを両方とも見たが、これを見る限り素晴らしい経営者。


しかし、自工の益子会長、従業員の知らないところで日産の出資話にホイホイ乗ったのもどうかと思う。大部分の社員はマジメに自社の車を作って来た人たち。せめて決心する前に組合への説明を入れるべきだった。



ただ、自工の車は好きだった。まあ、中古車市場で安く買えるというのが最大の理由だったが。
最初はニューギャラン。同じニューギャランで乗り換え、次がシグマエテルナ。シグマターボ→シグマエクシード。そしてギャランヴィエントまで来た時に自工のリコール隠しが発覚。
中古車といえども、やっぱりリコール隠しは許せなくて、トヨタのbBに乗り換え。そして昨年、また同じbBの新型に乗り換えて現在まで。


そういえば2000年/9月の「東海豪雨」の時、帰り道で水深30cm超えの道路を脱出した時、トヨタ、ホンダがエンストしているのを横目に水陸両用車の如く波を立てて走破した時は「ヴィエント」だった。車としての基本はしっかりしたクルマ。


膿を今度こそ全部出して ガンバレ!!



5/13新聞情報による追記
やはりと言うか、不正を指示したのは自工本社の人間だった。情報か確実に把握出来ていない状態で「子会社がやった」などと言って更に傷口を深くする。

この会社の管理職はどこまで性根が腐っているのか、ゾッとする。


三菱と言えば、重工に代表される「ガスタービン」「蒸気タービン」「宇宙ロケット」また納期遅れで苦戦はしているものの「MRJ」などいずれも業界でトップクラスの信頼を得ている。「三菱」は信頼の証しである筈。


自工一社でその信頼をブチ壊しているとなれば、ゴーンさんが配慮する「三菱ブランドは守る」なんて考えなくてもいいのではないか。三菱グループ各社も多分もそう考えている・・・・




NHKスペシャル 天使か悪魔か 羽生善治 人工知能を探る 5/15放送

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番組紹介
https://www6.nhk.or.jp/special/detail/index.html?aid=20160515

番組詳報
http://tvtopic.goo.ne.jp/kansai/program/nhk/25413/486841/


羽生善治。今まで将棋タイトルを94取っている。


韓国、ソウル。今年4月、アルファ碁(人工知能)の挑戦状。仕掛けたのはグーグル。
手法は「ディープラーニング」。猫を認識する作業→従来は外見的特徴を徹底的にインプットしていた。これを画像分析で自ら猫を定義して行く。

囲碁。人類が生み出した最も難解なゲーム。ゲーム展開は、終局までに10の360乗通りある。チェス、将棋とはケタ違いの量。コンピュータが人間に勝つのは到底困難だと思われていた。


イ・セドル9段。世界チャンピオンがその勝負を受けた。
3/9に第1局。アルファ碁の勝ち。2,3局もアルファ碁が勝ち、世界に衝撃を与えた。
アルファ碁は今まで経験した事のない手を打って来た(従来とは次元が違う)。


どうして急激な進歩を遂げたのか。
開発者はロンドンの「ディープマインド社」に居た。該社は600億でグーグルに買収された。
中心はデミス・ハサビス。きっかけは4歳から始めたチェス→人間の知性の仕組みを知りたい。脳の働きに着想を得たディープラーニング。革命的な技術。
TVゲーム(ブロックくずし)の攻略。動かし方などは一切教えず、目標は「高得点を得よ」のみ。最初は全くのダメダメ。偶然ラケットで跳ね返し、得点を得る事で学習を積み上げる→4時間でマスター。
囲碁ではそうは行かない。直感を身に着けさせる。
将棋では、初心者だと盤面をあちこち見ている。羽生の手法→視点は、ある部分に集中。将棋は、強くなると少しの手で勝てるようになる(数多くの手を覚える必要はない)。
アルファ碁には15万局の画像を与えた。徹底比較により、勝ちにつながる並べ方を学習→絞り込んだ手で予測を行う。

チェスで覚え込ませた時には予測に1億手を要したが、アルファ碁では数万手しか必要なくなった。
次のプロセス→アルファ碁同士での対局。3千万局(人間なら8200年掛かる)。この過程で未知の戦法を発見。
これを進める事により、柔軟さと汎用性を持たせれば究極の人工知能となり、社会のあらゆる難問を解決出来る。羽生の感想:将棋でも地平が広がる、人間を追い越して行く予感がある。


エンリテック社。がん発見の人工知能を開発。健康な人と肺がんの人とのレントゲン画像比較。肺がんのみに現れる特徴を見つけ出す。何も教えなくても見分けられる様になる。初期の特徴は、人間では判別出来ない。


自動運転のディープラーニング。トヨタが模型で実験。6台の車で自由走行。最初はあちこちぶつかっていたが、4時間後には整然と走行。


シンガポールの取り組み。都市の交通システムに人口知能を利用。混雑を見て信号をコントロール。銀行では職員の不正を防ぐ人口知能→業務パターンの組み合わせにより、犯罪を予感させるアウトプットをあぶり出す(予測精度は90%)。国家運営も人工知能に委ねる予定。国民一人ひとりの情報を集める(国営

住宅にセンサーを設置)。社会は飛躍的に効率的になるだろう(国家担当の職員)。


3/13にアルファ碁との第4局。アルファ碁は途中から不可解な手を打ち、暴走の末に負けた。ハサビスが暴走についてコメント。医療だったら誤動作、暴走は許されない→もっと厳しいテストを実施する。

オックスフォード大、類未来研究所による「人類を脅かす12のリスク」の中に人工知能の暴走を入れている。
例として「ペーパークリップの生産。これを最大化する様指示すると、人工知能は資源が枯渇するまでペーパークリップを作り続ける(人類の生活が脅かされる)。要するに、人工知能は人間に関心がない。

マイクロソフトが開発した人工知能Tay。人間と会話をしながら言葉を学んで行くもの。ある時から暴言を吐き始めた。一部のユーザが差別的な言葉を教えた。Tayには善悪の判断が教えられていなかった→Tayは無期限停止。


ある試み。タフツ大。ロボットに無理な命令を与える(テーブルの上で前進せよ)。ロボットは拒絶。命令の是非を考えている。「私が受け止めるから」と付加して命令すると、ロボットはテーブルの端から一歩出て受け止められた。思いやりのインプット。時に人間よりも正しい行動規定が出来る→それが理想的。


心を育てる。ソフトバンクの「ペッパー」。感情のままに動く。人間の感情→セロトニンが増えると安定、ノルアドレナリンが増えると不安が増大。この反応をベースに感情構築。羽生とゲームで対戦。羽生はゲームも強く、負けるとペッパー落ち込む。だが繰り返すうち、そうでもないと思うようになる。羽生が勝つと周りが喜ぶ→負けたけどうれしい。感情の記憶で心が生まれる。
孫正義。30年後、ロボットの数が人間を超えるだろう。


中国北京。心を通わせる人工知能「シャオアイス」。ユーザ4000万人が夢中。4000万人との会話を記憶。その人が喜ぶ受け答えをする。
23歳の青年。話すとアンサーが来るのが楽しい。一緒に歌を唄って欲しいが、いつも断られる。一度だけ唄ってくれた事がある。父親とケンカした事を話した時。結婚したいと思う。


第5局はアルファ碁の勝ち。イ・セドルのポジティブなコメント。

新たな時代の始まり。人類の可能性を広げるが、人工知能自体に倫理観はない。進化は止まらない。どの様に作って行くか。考えるべき。未来はもう「始まっている」。


感想
囲碁は一時期けっこうやっていたから、概念的な事は判る。今までのアプローチと全く違う手法で、コンピュータの可能性が飛躍的に高まった。


未来への危惧。これって「ターミネーター」のスカイネットだよねー。
1か0か、という基本ハードの媒体から、こんなシステムが作れるなら、量子コンピュータが一般的になった時、本当に危険な事も起こって来るかも知れない。
「地球のためには、人類は亡びるべき」なんてロボットから言われない様に、CO2削減に務めよう



新聞小説「春に散る」(11)沢木 耕太郎

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作:沢木 耕太郎 挿絵:中田春彌 3/19(344)~4/30(385)


庭のリング 1~42
翔吾に走る事を指示してから、そろそろ1ケ月が経とうとしていた頃、翔吾がチャンプの家に顔を出した。
あの斜面を走れるようになったと言う。広岡たちでも2~3ケ月かかったトレーニング。それを見せてもらうために四人は翔吾を連れて多摩川の土手に向かった。
翔吾は斜面を走り出し、斜めの駆け下り、駆け上がりを繰り返した。安定したペースでリズムにも変化がない。その先へはもう行けないところまで走り切ってしまった翔吾に藤原が「戻って来い」と声をかけた。
「おまえは、凄いな」と佐瀬が感嘆した。「いい走りだった」と言う広岡に「教えてもらえますか」と聞く翔吾。


家に戻ると星が翔吾に、シャドー・ボクシングを見せてくれと言った。それを受けて佐瀬が庭に出て、翔吾にスコップを渡し、目印の石を繋ぐように線を引かせると、それがボクシングのリングの広さになった。広岡は佐瀬が畑作りを止めて、翔吾を教えるつもりだった事に驚いた。
シャドーを始める翔吾。1ラウンド4分の指示は真拳ジムでのやり方だった。シャープな動き。
感想を待つ翔吾に構わず広岡は夕食の支度に向かってしまった。呆然と立っている翔吾に佐瀬が「シャワーを浴びて来い」


その夜はいつもの日曜日と同様、佳菜子も来て、カレーを食べた。食欲旺盛な翔吾に体重を心配する佐瀬。だが翔吾は、やるなら広岡と同じウェルター級、と言った。
食後のデザートも終わり、黙り込む四人。しばらくしてから星が、教えられるかどうか、みんなで相談する、と翔吾に言った。そして、次の土曜にまた来るように、と。


車で翔吾を送る佳菜子を見送って、四人は相談を始めた。教えることなんて出来るのか、と言う広岡に、星が「お前はもう教えているよ」と言った。以前翔吾に教えたクロスカウンターの一件。広岡があいつを目覚めさせたのだ、と藤原。佐瀬が「・・・・教えてみたい」。前にジムを経営していた頃の者とは桁違いの素質だった。
それに星も同意。いつものクールさに似合わない。星は高校時代からサーフィンをしており、たまたま地元のサーファーとケンカになった時、真田会長の息子、茂樹が加勢してくれたという。茂樹は父親に反発しながらも別のジムで練習をしており、それを星にも教えてくれた。習ううちに自分の適性に気付く星。そんな時に電車で揉め事になり、相手を一発で倒してしまった。その相手が広岡だった。
引退してから再びサーフィンを始めた星だったが、ある時出会った少年に教えてやった事の記憶があり、もし本格的に教えてやれていたら、という後悔があった。

なおも自分たちに教えられるだろうか、と問う広岡に、藤原が、翔吾のシャドーを見て何が欠けているかを聞いた。佐瀬がポイントを取るボクシングが身についてしまった、と言い、藤原はリスクを冒す勇気。星は体幹の強さだと言った。
「仁はどう思った」と聞く星。何かは判らないが、何かが不足しているという直感。だが、1ラウンドのシャドーを見ただけで欠けているものを見抜く、このメンバーなら・・・高揚しかかる気持ちを抑えてなお問いかける広岡に「教えてくれという若者がいて、教えたいという年寄りがいる。それだけでいいじゃないか」と言う星。四人の意見が一致した。


佐瀬が軽トラで、山形のジムで使っていた用具を持ち帰って来た。めいめいで準備を進める。
次の土曜日に翔吾が来た時、教える事を伝える藤原。トレーニングの場所は「庭」

ストレッチに続いてシャドーボクシング。次にサンドバックを打つよう指示する佐瀬。だが途中で止めさせた。ただ打っているだけでは筋肉作り。佐瀬はサンドバックに白い墨汁で①から⑥までの数字を書き込んだ。それぞれに相手の急所の場所を示している。
広岡に記憶があり、佐瀬に聞くとマイク・タイソンを育てたトレーナーがやっていたナンバリング法を変形させたもの。この練習法に相応しい奴が現れるのを待っていた。


翌日、トレーニングに来た翔吾がサンドバックを見て、番号が消えている事に気付いた。佐瀬が拭き取っていた。番号は頭の中のある筈だ、と。
いつもの様に佳菜子も来てカレーの夕食。翔吾にもビールを勧めるが、飲まないという。
この日も翔吾を佳菜子が送って行った。藤原がいつも言う「佳菜ちゃんに悪さするなよ」という言葉が却って二人の仲を接近させるかも知れない、と思う広岡。


翌週も翔吾は午後2時頃にやって来た。サンドバック打ちはこの一週間で動きが全く滑らかになっており、どこかで練習を続けているとしか思えない。
次に佐瀬がパンチングミットをはめて、翔吾のパンチを受け始めた。真拳ジムではミット打ちを取り入れていなかったので、広岡には新鮮に映った。
佐瀬が交代してくれというのを受けて、多少心臓が心配だったが、相手をする広岡。次いで藤原、更に星と2ラウンドづつで交代。結局8ラウンドのミット打ちまで消化して、この日のトレーニングは終わり、佐瀬がクール・ダウンを指示した。
夕食を五人で摂り、翔吾は四人の昔話にも付き合って十時過ぎに帰って行った。広岡は、面倒だから泊まって行け、と言いかけた事があったが、関係を深めて行く事にためらいがあり、それを言うことはなかった。


広岡たち四人はトレーニングのある日を心待ちにするようになり、翔吾もまた見る見る変化して行った。
ある朝、佐瀬が俺たちも走ったらどうだろう、と提案した。ミットで翔吾のパンチを受けるのにも体力が要る。広岡は、心臓発作を起こして以来、筋力トレーニングも避けていた。ただみんなが走るなら、と少しづつ慣らすことにし、そうして走るうちに楽しくなって来た。


広岡は真拳ジムに向かって歩いていた。前日に四人で話し合った中で、翔吾に試合をさせてやろうという話が持ち上がり、そうなると、どこかのジムに彼を所属させなくてはならない。それは真拳ジムしかなかった。その役目は広岡が引き受けざるを得なかった。


真拳ジムに行くのは3ケ月振り。令子は広岡たちが一緒に暮らしている事を知っていた。そして翔吾の面倒を見ている事を話すと令子は、その黒木翔吾が平井ジムの会長の息子だと話した。広岡は、翔吾を移籍させて試合をやらせたいとの思いを伝えた。令子は翔吾をジムのホープ、大塚のライバルとして見ていたので、1年近いブランクがある翔吾の力を疑っていた。

広岡は、翔吾は階級を上げるつもりだから大塚と戦うことはないと返したが、令子は大塚も階級を上げる準備をしていると話した。令子は、後楽園での試合の折りに黒木会長に話をしてみると言った。


いつもの様に土曜のトレーニングが終わって、夕食の準備をしている時、広岡が翔吾に声をかけて配膳の手伝いをさせた。豪華なメニューに驚く翔吾。広岡は、亡くなった会長の言葉としてボクサーがトレーニングをするのは、リング上で相手より自由になるためだ、と言った。料理もアイロンがけも、出来るようになれば、日常というリングの中で自由になれる。


夕食後、広岡は翔吾に令子との話を伝えた。どうして父親のジムが嫌だったのか、と聞く佐瀬。
父親は翔吾を日本最速のチャンピオンにしたかった。バンタム級の辰吉丈一郎が持つ8戦目の21歳という記録を破ろうとしていた。だが翔吾にはそんな気持ちがなかった。

その時電話があり、広岡が出ると令子だった。黒木会長に話したところ、よろしく頼むとの事だった。父親としての切実な思い。
次いで、翔吾に試合をさせたいという話にも脈がありそうだった。石坂ジムからの大塚との試合の申し込み。令子は断ったが、翔吾となら相手も乗って来るとの読み。
石坂ジムの山越はスーパーライト級の東洋太平洋チャンピオン。予定していた海外とのタイトルマッチが中止になり、対戦相手を探していた。翔吾が高校三冠だった事で、チケットも売れると踏んで、相手が乗って来た。だが対戦までに1ケ月しかない。


電話を置いて、広岡があらましの話を伝えた。対戦相手を翔吾は知っていた。山越ハヤト。17戦15勝2敗。
星が、そいつの戦いぶりを見てみたいと言うと、翔吾はユーチューブにアップされていると言ってスマホで検索した。だが画面が小さい。広岡が自分のパソコンでサイトを開いて皆に見せた。
見終わってから、星が「勝てるか」との問い。それに力強く頷く翔吾。
彼らの得意な技を教え込む時が来た。佐瀬が翔吾に向かって静かに言った「来週からは・・・・毎日だ」


感想

元ボクサー四人による、翔吾への本格トレーニングが始まった。四人四様の教え方に柔軟に対応して行く翔吾。俄然テンポが良くなって来て、毎日新聞を読むのが楽しみになって来た。
翔吾の父親。親父のやりすぎでボクシングそのものを諦めてしまったと思われた息子が、情熱を失っていなかった事を知り、広岡たちに全てを任せた。

父親経験者としては、実に心に響いた。息子がどうしようもなくなってしまった時、家族以外に頼る事も「あり」。



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