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Channel: 私の備忘録(映画・TV・小説等のレビュー)
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花とアリス殺人事件(アニメ)   2015年

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監督・脚本・原作 岩井俊二

 

キャスト
有栖川徹子(アリス)       :蒼井優

荒井花(花)              :鈴木杏

宮本雅志               :郭智博
黒柳健次(アリスの父)     :平泉成
初老の社員              〃 (二役)
堤ユキ(バレエ教室講師)  :木村多江
有栖川加代(アリスの母)   :相田翔子
荒井友美(花の母)        :キムラ緑子
矢上風子(アリスの同級生) :清水由紀
湯田光太郎                      :勝地涼
萩野里美(アリスの担任)   :黒木華
陸奥睦美(むつむつみ)       :鈴木蘭々
朝長(ともなが)先生            :郭智博

 

 

予告編

 

感想
2004年の映画「花とアリス」の前日譚となる内容のアニメ。
声の出演はほとんどが映画のメンバーだが、11年も経っているのだから、さすがに実写はムリか。
だが別の役者が実写で撮ったものをトレースして作ったみたいで、微妙にリアリティのある絵面。
母親が離婚して間もないアリス。クラスの自己紹介でも黒柳と書きかける。 でも黒柳徹子って、何やねん・・・
そもそも実写版でも、手塚治虫にゆかりの地名とか出ていたが、今回それに輪をかけて黎明線「火乃鳥」駅などと趣味全開・・・・

ホント他愛のない話。これで「殺人事件」の題を付けるのはほとんど詐欺だ(笑)
そんな事で不登校になるなんてと思うが、そもそも不登校は何でなるかか判らない方が多いから、理由があるだけマシか。
アリスの性格は、実写版よりもかなり強い感じ。絡んで来た男子生徒を苦もなくやっつける所などは小気味よかった。

 

だが本当に蒼井優は何やらせてもうまい。
それに引き換え鈴木杏のもったり感がひどい。感情移入する部分の表現はそれなりにやってるが、そもそもフツーの会話が棒読みすぎて耐えられない(引き込もり少女の表現だとしても)。

設定自体ちょっと無理がある感じだが、思春期特有の甘酸っぱい感じや、冒険をしたい気持ちとか、中年の岩井にしては(だからこそ?)ホントうまい脚本。

 

しかしそもそも、花から婚姻届をプレゼントされた光太郎が、なんでああいうネジの外れ方をしたのか、その辺の回収がもう少しあると良かった。再会の場面はサラリとし過ぎて少しもの足りない。
ただ映画版で、花が宮本先輩を記憶喪失と決め付けてつき合い始める様な性格になった伏線としては「イイ線行ってる」。
そのココロは、どっちも将来に望みを託してタネを撒く・・・・か

 

 

 

あらすじ
母親と共に田舎へ引っ越して来た、中三の有栖川徹子(アリス)。旧姓は黒柳。親が離婚。
引越し早々、隣りの家から覗かれる気配を感じる。その家は「花屋敷」と呼ばれている。


ゴミ出しでそこのおばさんから苦情を言われるアリス。
母親と、転入する中学に行くアリスだが、まず市役所への手続きが先だと言われる。応対した朝長先生に色目を使う母親。
通学を始めるアリスだが、制服が間に合わないので前の学校のブレザー。


クラスの雰囲気が微妙なのに気付くアリス。

学校で、子供の頃一緒にバレエを習っていた友人風子に偶然会い、彼女が通うバレエ教室に通うようになったアリス。
風子から、昨年のクラスで殺人事件があったと聞かされる。男子のユダが四人のユダに殺された。
クラスメイト全員から吊し上げを食うアリス。何でもアリスが結界を破ったという。二つある空席の一つにアリスが座ったのが原因。
前の席の男子は魔界に飛ばされた、と説明する「陸奥睦美」が行うお祓いに全員が従っている。

アナフィラキシー・・・ という意味不明の呪文。
アリスのためのお祓いと言って睦美が行う動作。持たされた紙が十字架になり驚くアリス。


家に帰って母の加代に話すと、小説家としての手持ち情報でそのトリックを解く加代。

クラスの男子に絡まれるアリスだが、反撃の上情報を引き出した。
消えたユダの霊が睦美に取り憑いたという。以来ロングスカートを履き、髪もいきなり長くなった。それまでイジメに遭っていた睦美は、それ以降ユダを封印したとしてクラスに君臨。

 

意外に足が速いことで体育祭のリレー選手に選ばれたアリスは、父に会って学校の事などを話す。
ランニング中に担任が「花屋敷」のおばさんと話しているのを見て、後で聞くアリス。その家で引きこもりになっているのが、昨年同じクラスで留年のまま休学中の荒井花だと知る。

体育祭当日。少女趣味の衣装で応援に来る加代。一方睦美の母親も負けずに浮いている。お互い親で苦労しているのを認識し合い、気を許した睦美がユダのいきさつを話す。
イジメを受けていた睦美は、ユダの事件を利用して演技によりクラスを牛耳る立場になった。
睦美自身四人のユダの事は知らず、花なら何か知っているかも、と言った。

ユダの言葉に何かを思い出し、家の天袋にあったテスト用紙を引っ張り出すアリス。「湯田光太郎」の名で相当悪い点数。

花とユダは隣同士だった。

 

話を聞くために花の家へ行くアリス。母親は不在で未施錠の玄関から侵入したが、花に見つかり階段を転がり落ちる。


花は湯田の事を知っていたが、転校したのか死んだのかは不明だと言う。
湯田の父が勤める会社「コバルト商事」が判っており、そこで父親を呼び出す事で湯田光太郎の生死も判る筈、と花。
その仕事を押し付けられるアリス。

 

花によるケータイの指示でコバルト商事に行き、湯田父に面会しようとしたアリスだが、当人は会議で留守であり、同僚が待ち合わせの喫茶店に来た。
他人を装い逃げるが、その初老の男性が乗ったタクシーの後を追って後続のタクシーに乗るアリス。
一方アリスの後をつけて様子を見ていた花だが、途中でケータイ電源が切れアリスも見失う。
タクシーに乗ったものの金がなく追跡を諦めようとしたアリス。タクシー運転手に事情を聞かれとっさに「生き別れた父です!」

 

病院に着いたタクシー。運転手が勝手に男性と話をつけてアリスを引き合わせ、金は取らずに去って行った。
男性は「嘘はいけないな」と言っただけで病院の診察を受け、再びアリスの前に。金がなくて身動きが取れないと察して、一緒に歩く男性。
結局最寄りの駅まで歩いてその男性と別れ、花に連絡するといきなり、黎明線「火乃鳥」駅まで来いと言われるアリス。

 

再会すると、黙々と歩き出す花。そしてアパート群を前にして止まる。湯田父が退社するのを見つけて尾行し、住まいの棟までは判ったがオートロックで入れない。
だが光太郎を待っても、その性格から早く帰る当てはなく、出直す事で駅に向かうがタッチの差で終電を逃す。

 

湯田について話し始める花。
幼なじみだった湯田光太郎。小さい頃からバレンタインデーにチョコを渡していたが、中二の時チョコに婚姻届を添えて渡した。

冗談半分だったがドン引きされる。
そして三年になり、光太郎と同クラスになった花。喜んだが、クラスで婚姻届を持っている女子が見つかり、光太郎が、告白して来た女子四人に渡していたものだと判明。
父の関係で転校が決まった光太郎。花は花びらに閉じ込めた蜂を光太郎の背中に入れる。
転校の挨拶中に絶叫して倒れる光太郎。クラスメイトの言う「アナフィラキシーショックで死ぬ時もある」の言葉を聞いて、警察に連行される夢を見るようになった花。
それ以来学校に行けなくなった花は、光太郎がその後どうなったか(生死含め)判らない。

 

アイドリング中のトラックの下で寒さをしのいだ二人。
トラックが動き出したが、運よく轢かれずにすんだアリス。だが先に起きていた花が巻き込まれたと勘違いしてトラックを追う。
何とか追い付き、騒ぎになりかける中アリスの手を引いて逃げる花。その時偶然光太郎とすれ違った。「生きていた・・・・」
事情を知ったアリスは、逃げる花を無理やり光太郎に引き合わせる。
光太郎は「蜂入れたのお前だろ、一生忘れねぇ」と言う。

 

走って逃げる花。

帰りの電車で「一生忘れないってのは一番の愛情表現」と余韻に浸る花に呆れるアリス。

 

待っていた制服が届いたアリス。一方花も登校しようとしていた。
玄関先でセーラー服を見せ合う二人。お互い「似合わねえーー」

 

実写版の同じシーン

 

 


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