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Channel: 私の備忘録(映画・TV・小説等のレビュー)
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千と千尋の神隠し 2001年

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監督・原案・脚本  宮崎駿
音楽 久石譲

 

キャスト
千尋(ちひろ) / 千(せん)   柊瑠美
ハク                  入野自由
湯婆婆(ゆばーば)             夏木マリ
銭婆(ぜにーば)                 〃
坊(ぼう)/ネズミ        神木隆之介
釜爺(かまじい)         菅原文太
リン                             玉井夕海
青蛙(あおがえる)             我修院達也
カオナシ                         中村彰男

 

 

予告

 

感想
興業収入300億超えのすごい映画。ジブリ映画の絶頂期と言える。
興収が多ければイイというわけではないが・・・

迷い込んだ地で、豚になってしまった両親を助けるために奮闘する娘を描いた、成長物語。

 

最初車の中でグズっていた、わがままそうな千尋。油屋のボイラー室に降りるのさえもおっかなびっくりだったのが、厳しい仕事環境にさらされていくうちに、どんどん逞しくなって行く。

そして千を助けてくれるハクの存在。なぜ湯婆婆に言われるままに銭婆の契約印を盗んだのか。また千が幼い時に助けてくれた神だったというが、そこからの経緯も不明。
マンガとはいえ、もう少し腑に落ちる背景構築が欲しい・・・

 

坊の存在は、なかなか良かった。湯婆婆の溺愛のせいでワガママ一杯に育てられたのが、ネズミの姿にされて自分が通用しない出来事に直面する。一体どういういきさつでここの子供になったのか、これまた微妙だが。

 

バブル崩壊後に打ち捨てられたテーマパーク。日本全国のあちこちに見られるだろう。そんなところを舞台に、こういう話を作るという発想は好感が持てる。
舞台となる「油屋」は和風とも中国風とも言えず、地下にはボイラー室があり、基礎はコンクリートで固めてあって、俗悪とも言える建物。
こういう場所で神様をもてなすという俗っぽさが、けっこう潔くて好き。


まあ、いろいろケチをつけたが、不条理な設定の中で、少女の成長をただ追う。そして確実に両親を見出して救い、元の世界に戻って行くという千尋の成功体験は、人の心に何らかの浄化をもたらす、のだろう。

 

 

 

あらすじ
父親の仕事の都合で郊外に引っ越した一人娘の千尋。親子三人で引越し先に向かう途中、道に迷う。
短いトンネルを抜けた先に、廃業したような東洋系のテーマパークがあり、父親先導でそちらに向かう。
人気のない飲食街の中で、一軒だけ食べ物を満載した店があり、父と母が食べ始める。

千尋が止めるが、後で金を払えばいいと無視する父。

 

あたりが薄暗くなり、川べりに行くと明かりを点けた船が来る。接岸されて出て来たのは、様々ないでたちの神々たち。皆、大きな建物の「油屋」に向かっていた。

 

あわてて父母のところに戻った千尋だが、両親はいつの間にか豚の姿になってガツガツ食料を食い続けている。

 

自分の姿が消え始めた時、ハクという少年に助けられた千尋。油屋で働いているという。
この世界で生きるためには働かなくてはならない。ハクに言われたように、川沿いの建物最下層にあるボイラー室に入り込んだ千尋は、そこで薬湯作りをしている釜爺に「仕事がしたい」と頼み込む。

 

リンという先輩の仲居に助けられて、何とか油屋に潜り込んだ千尋は、ここの経営者である湯婆婆に会いに行く。契約書に名前を書かされると、そのうちの大部分が奪われ、これからは千と名乗れと命じられる。自分の名前を忘れると元に戻れない、とはハクの言葉。

 

湯婆婆には巨大な体の坊がおり、溺愛していた。湯婆婆の手下の湯バード。千は一番下っ端で、神たちの入浴の世話が仕事。
訪れたオクサレ様。強烈な臭気で皆が逃げ出す。千はその客の応対を懸命にやりこなす。その客の体に異物が刺さっており、千がそれを取ったことで本来の体となった河の神は、店に多くの砂金と、千にはニガダンゴを授けた。

 

その一方で千は外に佇んでいた者(カオナシ)を知らずに部屋に招き入れてしまう。接客係のカエルがカオナシに飲み込まれ、客として振る舞い始める。粒金をバラ撒くので、みな上客としてもてはやす。
カオナシの要求はどんどんエスカレート。

 

空を舞いながらのたうつ竜を見つける千。部屋に飛び込んだ竜を見て、それがハクだと気付く。

 

苦しむ竜は結局釜爺のところまで落ちて気絶。千は河の神からもらったニガダンゴをかじらせ、腹の中のものを吐きださせる。

出て来たのはハンコと虫。その虫を踏み潰す千。
ハンコは魔女の契約印。ハクが湯婆婆の命令で、姉の銭婆から盗んだものだろう、と釜爺。

竜になったハクの体にくっついて来た紙人形が、湯婆婆の部屋に入り込み、銭婆の姿に(分身)。そして坊をネズミ、湯バードをハエに変えてしまう。身代わりとして三ツ頭が坊に変身させられた。

 

油屋ではカオナシが暴れ回り、手がつけられない。千を出せという要求に、引っ張り出される千。逃げ回る千を追うカオナシ。
千が残ったニガダンゴを食わせて、中のものと一緒に青蛙が吐きだされると、カオナシは正気に戻る。
ハンコを銭婆に返すため、電車に乗る千。

お供はネズミとハエとカオナシ。

 

一方目を覚ましたハクは湯婆婆に、坊はニセ者だと言う。元の体に戻って逃げ出す三つ頭。

自分が取り戻す代わりに、千の両親を元に戻してくれるよう頼むハク。

 

電車に乗って銭婆のもとに辿り着いた千は銭婆にハンコを返す。
竜の姿で追い駆けて来たハク。皆は銭婆から許され、帰路につく。
帰る途中で千は、自分が小さい頃、川で溺れた事を思い出す。

助けてくれたのはハク。

本当の名前はニギハヤミコハクヌシ。その川を司る神だった。
名前を取り戻したハクの姿は人に戻り、そのまま油屋まで千と手をつないで飛んだ。

 

魔法が解けて元の姿になった坊と湯バード。

坊はたくましくなっていた。

湯婆婆は最後の課題として、無数にいる豚の中から両親を探し出せ、と千に言う。
その豚たちを見つめ「ここにはいない」と返す千。それが正解だった。

 

何事もなかったように来た道を戻る三人。トンネルを出るまでは振り向いてはいけない、というハクの言葉を守った千尋。

 

 


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