監督 ブラッドリー・クーパー
脚本 エリック・ロス
キャスト
ジャクソン・メイン - ブラッドリー・クーパー
アリー - レディー・ガガ
ボビー - サム・エリオット ジャクソンのマネージャー(兄)
ロレンツォ - アンドリュー・ダイス・クレイ アリーの父親
ヌードルズ - デイヴ・シャペル
ゲイル - レベッカ・フィールド
ウォルフ - マイケル・ハーネイ
レズ - ラフィ・ガヴロン アリーのマネージャー
トレイラー1
ロングトレイラー
感想
Blogサーフィンで意外に評価が低く、観るまで少し気になっていた。
レディ・ガガについては以前それほど興味なく、奇抜な衣装や化粧が注目されて、音楽自身はあまり聴いていなかった。
それが、東日本大震災の時、他の著名人に先駆けて支援チャリティ活動を開始したのに接して、注目する様になった。
さて本編。今まで映画化されたものについては観ていないので、比較は出来ないが自分的には「いいものを観た(聴いた)」と感じている。
ガガが強い人だから、強い人を演じなければならない、なーんて事はない。アリーのナイーブな感性、初めの頃のものおじする様子など、素直に受け入れる事が出来た。ネットで彼女の人となりを知れば、いかにこの役と同化した女性かという事が判る筈。
ジャクソンに対する真っ直ぐな愛にも感じるものがあった。
レストランでの態度に問題があるという声もあるが、あくまでもスタッフ間の事。客に無礼を働いたわけではない。話の端々で「仕事に行かなくてはならない」と言っていたので、それほど無責任な事をしていた訳でもなく、ゴミ捨てもブーたれながらもキチンとこなした。
レストレンを辞めた事も、ジャクソンのコンサートを蹴ってまで仕事に来たのに、経営者につらく当たられて我慢の限界になったと解釈すれば、それほど問題にせんでもいいだろう。
鼻のコンプレックスについてだが、ジャクソン自身はむしろ好ましいものとして捉え、中盤ではアリー自身も自分の鼻すじをなぞって笑う場面も出て来る。コンプレックスが次第に魅力になって行く様の演出が、映画の中でキチンとなされているという事。
ジャクソンについては、何も自殺せんでも、と思うが、幼い頃のトラウマから抜け出せなかったという事か。
自滅型ではあるが、それも愛。ベルトを持った後ろ姿が痛々しかった。
アリーは「さげまん」ではないだろう。「あげまん」でもないが・・・
もともとアル中気味だったジャクソンの人気は下降気味だった。そんな時にアリーの才能を見出して彼自身いっとき輝きを取り戻したが、自身の弱さを克服出来なかった。そういう事だと解釈している。
それにしても、彼女自身の歌をそれほど真剣に聞いて来なかったが、今回は本当に堪能した。
なお劇中の歌唱パフォーマンスは、全て生収録だったとの事。
圧倒的なリアリティ。
彼女の魅力を最大限に引き出したという点で、ソフィア・ローレンの「ひまわり」みたいなもんだなーという印象。
ちょっと特徴的な顔が、後半本当にかわいく見えた(惚れてまいそう・・・・)
オスカー取れるかも?と思うのは褒め過ぎかな・・・・
オマケ
彼女の入浴時、一瞬だがフルヌードが拝めた。
毛は少な目(まあいいけど・・・・)
あらすじ
レストランで働くアリー。経営者に文句を言われながら働いている。
満員のコンサートで歌う、歌手のジャクソン・メイン。ステージに上がる前にもウォッカをあおるアル中。
ある日の公演の帰り、マネージャーのボビーが運転する車で飲む場所を探していた。見つけたのはゲイ・バーの「ブルー・ブルー」。有名なジャクソンの来店に舞い上がる店員。
そこで出演しているアリーが歌う「ラ・ヴィアン・ローズ」を聞いて釘付けになるジャクソンは、楽屋まで押しかけてアリーと話をする。
話の続きをしたくてアリーに着替えさせ、一緒に外へ出るが、ファンがアリーの事を商売女と間違えて罵る。
その男にパンチを食わせるアリー。
人混みから逃れてスーパーに入る二人。ジャクソンはアリーが痛めた拳を冷やすために冷凍のビーンズを当てる。店で歌っているいきさつを聞くジャクソン。歌に希望を持って作曲もしているが芽が出ない。
今の店も本当はゲイでないと出られないが、好意で歌わせてもらっている。
作った曲を聴きたいというジャクソンに「シャロウ」のフレーズを聞かせるアリー。
自分の身の上話をするジャクソン。少年期に、アル中の父の気を引くためにベルトで自殺未遂した事もあった(シーリングファンが丸ごと落ちて死を免れた)。
家まで送る時、コンサートを是非聞きに来て欲しいというジャクソンに、仕事があるから無理、と言って断るアリー。
家に帰ると、仲間と部屋を汚し放題にしている父。ジャクソンの話を聞いて行くべきだと言うが、アリーは聞かない。
翌日もジャクソンの迎えの車が待っていた。それに構わず出勤のアリー。だが行ったはいいが、経営者から遅刻を咎められ、とうとうプッツン。店を辞めると宣言して迎えの車に乗り込む。
そこからプライベート・ジェットに乗せられて舞い上がる。
満員の野外コンサート。アリーは舞台袖に案内されて楽しんでいた。
コンサートも佳境に達した時、ジャクソンが、アニーをステージに引っ張り出して、彼女の作った曲を弾き始める。
そして一緒に歌うようプッシュ。
最初は逃げたアリーだが、次第に気持ちが乗って来て、最後にはジャクソンとデュエット。
Shallow
アリーが歌った事はYouTubeで拡散され、父親も「200回観た」と上機嫌。それ以後、アリーはジャクソンのコンサートの常連となり、急速に知名度が上がって行く。
作曲の共同作業。流れで愛し合うようになる二人。
だがジャクソンは耳に障害を抱えており、補聴器を付けないとどんどん悪化する。ボビーの忠告にも耳を貸さない。
そんな時、レズが声を掛けてアリーのマネージメントを申し出る。
ジャクソンに相談するアリーに快く転身を勧めるジャクソン。
少し距離が離れたアリーに対し、酒量も増して次第にステージのパフォーマンスも落ちて行くジャクソン。
ジャクソンの故郷を訪れるアリー。だがそこの牧場はボビーによって売却されていた。逆上してボビーを殴るジャクソン。あんな父親を慕っていたのか、と返すボビー。実は彼はジャクソンの実兄だった。
今まで行って来た後始末はもうしない、とボビーは去って行った。
そんな時、アリーのレコーディングが行われた。レズに任せてはいたが、不安定なアリーを見て助け船を出すジャクソン。アリーの希望を聞いてレコーディングルームにピアノを入れさせ、彼女が弾く事でリラックス出来るようにした。レコーディングは大成功。
旧友ヌードルズの家で寛ぐジャクソンとアリー。ジャクソンはヌードルズからペンチを借りてギター弦の余りを切り取る。それを使って工作。
皆の前で、ジャクソンが弦を加工して作った指輪をアリーの左手薬指に挿した。そして結婚式。皆の祝福。
アリーはレコードセールスの成功もあって、どんどん人気が出る。
一方で人気アップのためのダンス練習を要求されるアリー。レズからの指示だった。
君は歌だけでやって行ける、とそれを疑問に思うジャクソン。
ジャクソンは、ボビーが去った事もあって、コンサートでの失態も増え、麻薬にまで手を出していた。アリーとも関係がギクシャクする。
Always Remember Us This Way
Look What I Found
Heal Me
そんな時、アリーがグラミー賞にノミネートされている事が伝えられる。皆が喜び、それはジャクソンも一緒だった。
だが栄えある受賞式の当日、アリーの元にやって来たジャクソンは泥酔状態。受賞を受けての、アリーのスピーチ最中に壇上で酔いつぶれるジャクソン。
ミーティングの席上。遅刻したジャクソンが着席する。アルコール中毒患者のための治療施設。
プログラムに従って回復中のジャクソン。面会に訪れるアリー。
だが次に面会に来たレズが全てを暴露する。
ジャクソンの失態の後始末がどれだけ大変だったか、アリーは君に全てを捧げているから何も言わない。
今ここで飲んでいるドリンクも、いずれ酒に変わるだろう。その時は彼女と別れてくれ。
療養施設を退院したジャクソン。アリーと犬のチャーリーとの、いっときの平穏。
だがアリーの受賞を台無しにした悔恨から逃れられないジャクソン。
アリーがコンサートでデュエットしようという提案をした。先に出掛けたアリー。だがジャクソンは残された家でベルトを片手に持ち佇む。
コンサートでのアリー。ジャクソンが来ないのにやきもき。
彼が来ることを信じてステージに立つ。
ジャクソンの追悼公演で一人歌うアリー。
曲は、彼が入院する前に詩を書き、退院してからアリーと共同で作曲していた「I'll Never Love Again 」