監督 フランシス・フォード・コッポラ
原作・脚本 マリオ・プーゾ
音楽 ニーノ・ロータ
キャスト
ドン・ヴィトー・コルレオーネ - マーロン・ブランド
マイケル・コルレオーネ - アル・パチーノ
ソニー・コルレオーネ - ジェームズ・カーン
フレド・コルレオーネ - ジョン・カザール
コニー・コルレオーネ - タリア・シャイア
トム・ヘイゲン - ロバート・デュヴァル
ケイ・アダムス - ダイアン・キートン
カルロ・リッツィ - ジャンニ・ルッソ
ルカ・ブラージ - レニー・モンタナ
ジョニー・フォンテーン - アル・マルティーノ
アポロニア - シモネッタ・ステファネッリ
感想
以前、ほくとさんのレビュー読んで、すぐ観ようと思いながら一年以上経ってしまった・・・・ 細部はウィキペディアに譲る
年末年始の、映画特集のためのスペース作りも兼ねて、録画を消化。
キーとなるのはヴィトーの、マイケルに対する思い。
ギャング稼業でのし上がったが、息子三人の中ではマイケルに一番目をかけていた。結婚式の記念写真でも「マイケル抜きでは撮れない」という言葉にそれが滲み出る。
ベッドの上で、マイケルが仇を取ったとソニーから聞いた時の、何とも言えない悲しい顔も心に迫った。
一方マイケルは、ギャングファミリーの中にあっても民間人的な空気を感じさせる。同じくケイも普通の人として彼に接する。
だが父が狙撃されて、次第に心に変化が生まれて行くマイケル。
その様子は画面からさほど強く現れるわけではなく、彼がソロッツォを討つと言った時にはちょっとびっくり。
ただ、病院でギャングが襲いに来た時に、護衛を装って敵をけん制したあたりから決意を持っていたのだなあ、と後になって再認識。
そして様々な出来事を経て、父親以上に冷酷になって行くマイケル。
ケイがいながら、あっさりとアポロニアと結婚したのも、根底の冷たさの象徴か。
ヤマ場はマイケルがソロッツォを殺す場面。彼らの車に乗せられて店に行く時、ニュージャージー方面から急にターンして「騙されたか?」と一瞬思ったが、情報通りルイスの店に着き「やれやれ・・・」
トイレの場面でも、水槽裏に手をやってもなかなか銃が出て来ずやきもき。
そういえば待ち合わせの場所に使われたジャック・デンプシーの店。
デンプシー・ロールといえば「はじめの一歩」の主人公の必殺技。なつかし~~(ちょっと脱線)。
もう一つ。コニー役のタリア・シャイアは先日レビューしたロッキーの「エイドリアン」。この時は少し若くて、ヒステリー気味の若妻を好演。
ラスベガスに転身する話から、他ファミリーのボスを次々に暗殺するところまで、終盤近くで少し走った感じがあった。バランスから行けば前半を少し整理して後半に回したかったか・・・
しかし三時間近い長編を、ほとんど飽きさせなかった。本当に名作。
最後に音楽。言う事なし。
あらすじ
華やかな結婚式。ドン・ヴィトー・コルレオーネの長女コニーとカルロとの結婚。
書斎で多くの面会人に会うヴィトー。チンピラに娘を暴行された葬儀屋のボナセーラ。歌手のジョニーはヴィトーが名付け親。人気回復のため映画に出たいが、社長のウォルツに嫌われていると泣きつく。
一緒に話を聞く、側近で弁護士のトム。トムにそれらの課題への指示を出すヴィトー。
ヴィトーの長男ソニーはヴィトーの後継ぎを認識しているが、考えが浅い。次男のフレドは無能。三男のマイケルは軍人で恋人はケイ。マイケルを堅気のままにしておきたいヴィトー。
ウォルツ・インターナショナル映画へ交渉に行くトムだが、ウォルツは育てて来た女優を誘惑して台無しにしたジョニーを許さず、トムを追い払う。自分が所有している馬を自慢するウォルツ。
ある朝、目覚めて違和感を覚え、寝具をめくるウォルツは、そこに血だらけの愛馬の首がころがっているのを見て絶叫する。
後日ジョニーは主役をゲット。
ある日、ヴィトーに面会し商売を持ちかける麻薬密売人のソロッツォ。バックにタッタリア・ファミリーが居る。麻薬は汚い商売だと断るヴィトーだが、金になるのでソニーは不満を持つ。
側近のルカに指示してタッタリアから情報を取ろうとするヴィトー。
その企みがばれ、ルカは殺される。
相前後してトムがドン・フィリップ・タッタリアに誘拐される。
街中で襲撃されて倒れるヴィトー。
新聞でそれを知って駆け付けるマイケル。
トムに「ボスは死んだ。ソニーとの仲を取り持ってくれ」と頼むソロッツォ。だが弾を五発食らってもヴィトーは生きていた。
ソニーたちの元に死んだ魚が送り込まれる。ルカは海の底で眠っているとのメッセージ。
父が入院する病院を訪れるマイケル。警備が誰もおらず、看護婦が居るだけ。このままでは刺客にやられると考え、看護婦に手伝わせてヴィトーを他へ移す。涙を流すヴィトー。
その直後に男が来たが、彼はパン屋のエンゾで無関係。彼を利用して次に襲ってこようとする連中をけん制するマイケル。
その後警察がやって来る。ボスはマクラスキー警部。父を殺すためにここをカラにしたと言うマイケルは殴られる。ソニーがフィリップの息子ブルーノを殺した事が伝えられる。
ソロッツォとの会見がセットされる。その場に出向いて相手を殺すとソニーに言うマイケル。会見の場所を探り出し、そこのトイレに銃を仕込む側近のクレメンザ。
会見の相手はソロッツォとマクラスキー。ジャック・デンプシーの店の前で拾われて、ブロンクスのルイスの店へ運ばれる。
休戦協定を申し出るソロッツォ。計画通りトイレで銃を手にして二人を射殺し立ち去るマイケル。
意識を取り戻し、マイケルが仇を討った事をソニーから聞いて落胆するヴィトー。
ヴィトーの故郷シチリア島に身を隠すマイケル。そこで島の娘アポロニアを見染め結婚。
ケイがマイケルの行方を聞きにトムを訪ねるが、真相は話してもらえない。
コニーから夫カルロの暴力を聞かされて、カルロを時々痛めつけていたソニー。行動する時にはいつも護衛を付けていたソニーだが、コニーからまた暴力を受けたとの電話を受け、逆上して一人で車に乗る。
そこでタッタリアの待ち伏せを受けて惨殺されるソニー。
次いでマイケルも狙われる。ボディガードのファブリッツォの裏切りで殺されそうになるが、アポロニアが身代わりで死ぬ(自動車による爆死)。
何とか傷が癒えたヴィトーは五大ファミリー(タッタリア、バルジーニ、クネオ、ストラッチ)としてボスを集めて休戦を宣言し、マイケルに後を譲る。その時にファミリーの一つバルジーニが黒幕だと知るヴィトー。
マイケルはケイに会い、この先五年でコルレオーネ・ファミリーは合法組織になると言って結婚を申し出る。
迷いつつもそれを受けるケイ。
ラスベガスへの転身を考えるマイケル。こちらにはカジノ・ホテルを経営するモー・グリーンがフレドの面倒を見ていた。高圧的なマイケルに逆上するグリーンはホテル売却の話を蹴る。
マイケルに話すヴィトー。お前にはやらせたくなかった。お前なら人を操れる立場になれると思っていた。州知事とか・・・
今になれるよ、とマイケル。バルジーニとの会見を手配する者が裏切者だ、とヴィトー。
孫と遊んでいるうちに心臓発作を起こして死んだヴィトー。
ヴィトーの葬式。集まる各ファミリー。古参幹部のテッシオが、バルジーニに言われて会見を持ちかけて来た。
コニーが産んだ子の洗礼式に出席して名付け親となるマイケル。
その同じ時刻に指示を受けて他ファミリーの幹部を殺害する部下たち。テッシオ、グリーンも同時に殺される。
そしてコニーの夫カルロがソニー殺害の手引きを行っている事も判っていた。カルロに白状させるマイケルは、許すふりをして彼をクレメンザに託す。車の中でカルロを絞殺するクレメンザ。
亭主を殺したと言ってマイケルに怒りをぶつけるコニー。それを見て苦しむケイ。
マイケルに「それは本当の事なの?」と聞くケイ。
「嘘だ」と一言返すマイケル。書斎のドアが閉じられた。