監督スコット・デリクソン
ベネディクト・カンバーバッチ ドクター・ストレンジ
キウェテル・イジョフォー バロン・モルド
レイチェル・マクアダムス クリスティーン・パーマー
ベネディクト・ウォン ウォン
マイケル・スタールバーグ ニコデマス・ウエスト
ベンジャミン・ブラット ジョナサン・パンクボーン
スコット・アドキンス ストロング・ゼロッツ
マッツ・ミケルセン カエシリウス
ティルダ・スウィントン エンシェント・ワン
予告編
https://www.youtube.com/watch?v=SXS78ZivzE8
医師のクリスティーン。撃たれて脳内に弾が入っている患者の手術を、天才外科医ストレンジに依頼。余裕で手術をするストレンジは手術室で音楽を流させる。手術は成功した。
その夜、晩餐会に出席するため車で向かっていたストレンジは、ちょっとわき見をした隙に対向車と衝突して瀕死の重傷を負う。
同僚のウエストが手術したが、ストレンジの両手はやっと動く程度で、とても手術の執刀は無理。最先端の医療を試し、手を尽くすストレンジだが回復しない。寄り添っていたクリスティーンも離れて行った。
ある日。脊椎損傷の患者が歩ける様になったという話を聞いて、本人に会いに行くストレンジ。バスケをしているジョナサン・パンクボーンがその本人。
ネパール、カトマンズのカマー・タージに行けという言葉だけを聞く。
カトマンズに着くも、誰もカマー・タージを知らず手掛かりはない。そんな彼の後を追う男。ストレンジは物盗りに遭い、時計や荷物を奪われそうになる。そこをつけて来た男に助けられる。
カマー・タージを捜している、と言うと男は、ある建物の扉を開けて案内する。
そこで皆を指導するエンシャント・ワン。男は弟子の一人モルドだった。
手の治療を期待していたストレンジは、エンシェント・ワンの言う、精神によるコントロールを信用しない。そんなストレンジに手荒い方法で多元宇宙のイメージを見せつけるエンシェント・ワン(アストラル照射という、幽体離脱)。
傲慢な性格のため、追い返されるが、何時間でも入り口で待つストレンジに、モルドが助け船を出す。何とか入門を許される。ストレンジにカマー・タージを教えたジョナサンは、かつての弟子だったが、自分が歩けるようになったところで道場を退き、普通の生活に戻っていた。
この道場にはかつてカエシリウスという弟子が居たが、禁断の書から重要なページを盗み出していた。
修行に励むストレンジ。基本技の、呪文によりリングを出現させ、任意の場所に瞬間移動するものが、なかなか出来ない。エンシェント・ワンは、その技でストレンジをエベレスト山頂に置き去りにする。30分以内に呪文を使って戻れないと凍死。
何とか生還するストレンジ。技をマスターした。
カマー・タージで熱心に勉強するストレンジ。書庫係のウォンの目を盗んで、高度な技についても知識を積んで行く。
ある日、ウォンが不在の時に禁断の書「カリオストロ」を読み進める。アガモットの眼というブローチを首から掛け、書の通りにすると、食べかけのリンゴが元に戻った(時間の巻き戻し)。その技を使ってカエシリウスに持ち去られたページを呼び戻す。その内容を読むストレンジ。
戻って来たウォンは、ストレンジの行為を戒める。アベンジャーズが実世界の脅威から世界を守る一方、この道場の役目は魔法の脅威から世界を守っていると説明。
またウォンはストレンジに、この世界のニューヨーク、ロンドン、香港の三ヶ所に「サンクタム」という時空間のゲートがあり、それを魔術師のマスターが守っていると教える。
そこにカエシリウスが部下らと突然乱入。加勢に来たモルドと共にストレンジはロンドンのサンクタムに押し出される。
慣れないながらも部下らを倒し、カエシリウスとの一騎打ちに持ち込むストレンジだが、戦いに慣れておらず劣勢に。その危機を展示物だったマントが救う。
マントのアドバイスで、カエシリウスを拘束具で捕らえるが、彼の話を聞かされる。
時間を超越する暗黒次元こそが、人類を幸福に導く事だと言う。そのため暗黒次元からドルマムゥを召喚するのがカエシリウスの目的。
またカエシリウスは。エンシェント・ワンが不老長寿を維持しているのも、彼女が暗黒次元から力を得ているからだと断言した。
話につられている隙に、カエシリウスの弟子に胸を突き刺されるストレンジ。とっさにリングを作ってニューヨークの自分の病院に移動。クリスティーンに「心タンポナーデだ」と言って倒れ込む。心膜から血液を抜き取るために胸を刺そうとするクリスティーンに、離脱した体が「もう少し上」とアドバイス。仰天するクリスティーン。
何とか助かり、去って行くストレンジを見送るクリスティーン。
戻ったストレンジ。カエシリウスは逃げていた。その元に合流するエンシェント・ワンとモルド。マントを使いこなしているストレンジを見て、マスターの称号を与える。そしてロンドンと香港のサンクタムを守るよう指示。
そこにカエシリウスが戻って来た。ストレンジは全員を実世界に影響のない「ミラー空間」に引き込む。ねじれ、回転する街の景色の中で繰り広げられる戦い。
最後にエンシャント・ワンがやられ、実世界へ転落した時に瀕死の重傷を負った。ストレンジの病院に担ぎ込み、緊急手術。だがストレンジの指は思うように動かない。
エンシェント・ワンが体から離脱し、ストレンジもそれを追う。エンシェント・ワンが暗黒次元からパワーを得ているのは事実。未来を救うためにやっている事だが、状況は良くならないと嘆く。
最後に、闇の支配者、ドルマムゥを阻止するよう遺言するエンシェント・ワン。
香港のサンクタム。ウォンが守りを固めていたが、カエシリウスがドルマムゥの力を使って暗黒次元を開こうとしていた。そこへ救援に駆け付けたストレンジとモルド。
開かれ始めた暗黒次元に飛び込んだストレンジだが、ドルマムゥの前に全く歯が立たずあっさりと殺されてしまった。だが再び現れるストレンジ。アガモットの眼を使って「カリオストロの書」の時間巻き戻しループの中にドルマムゥを取り込んでいた。何度殺されても復活するストレンジ。
ストレンジは、この無限ループを解除する条件としてカエシリウス(含む部下)の永久追放を求めた。そして香港は時間巻き戻しにより復元された。ドルマムゥに取り込まれるカエシリウスたち。
平和が戻ったが、モルドはエンシェント・ワンが暗黒次元を使っていた事が許せず、仲間からは離れて行った。
久々に自宅へ戻ったストレンジ。魔術師としての自分の運命を受け入れようとしていた。ふと気が付くと指が自由に動くようになっていた。
エンドロール(その1)
「マイティソー」のソーと語り合うストレンジ。弟のロキと共に父親を探しに来たと言う。喜んでサポートすると言うストレンジ。
エンドロール(その2)
かつての同僚、ジョナサンを訪れるモルド。ジョナサンが魔術により歩けている状態を、再び魔術で奪い去った。「この世界には魔法使いが多すぎる」との言葉を残して去って行く。
感想
「アベンジャーズ」関連は、「アイアンマン」のシリーズと、TVでやっている「エージェント・オブ・シールド」ぐらいしか知らないが、予告動画が面白そうだったんで、ついフラフラと・・・
ストレンジが手術の時にかけていた音楽が、チャック・マンジョーネの
「Feels so Good」。手術でキモチい~、は確かに不謹慎だわ。
自分の腕に自信満々だった男が不慮の事故で技術を失い、一縷の望みをかけてネパールまで行く。話の持って行き方としては自然で、印象は悪くない。モルドとの出会いのわざとらしさも、まあ許そう。
エンシェント・ワン役のティルダ・スウィントン。ナルニア国では、ちょっと逝っちゃってる系の魔女やってたが、本当にスキンヘッドになって、体当たりの演技。
ストレンジに見せる多元宇宙は、最近の天文学で言われている
「パラレルワールド」。この辺りはなかなか面白かった。
リングを作って、くぐると別の場所、ってのは「どこでもドア」かい。
カエシリウスとの戦いの中、劣勢のストレンジを助けるマントがイイ。要するに徳の高い魔術師でないと使いこなせないと言われていたものが、勝手にストレンジを助ける、そのやり方が人間っぽい。
「ミラー空間」の中での戦いは、見ている時はけっこうダイナミックで面白かった。CGと実写の組み合わせも、そこそこうまく行っている。そこそこ、というのは、建物などがどんどん巻き込まれて行く時のエッジで、空のかけらが残っていたり、部分的に白く抜けていたり、とか。
その点で行くと「インセプション」でのビル群がぐにゃりと曲がる描写と比べれば少し劣る。
だがスピード感でそれを補っており、これはこれで好感が持てるか。
無限ループの繰り返しは「ルーパー」とか「オール・ユー・ニード・イズ・キル」で繰り返し使われているから、さほど目新しくはないが、そんな話に乗って来る暗黒次元のボスがイマイチ、かな。
アベンジャーズの世界とは違う次元での話、という事で、これからもシリーズが続いて行く前提。
このテの映画であんまりツッコミ入れてけなすよりは、どっぷりと楽しむのがよろしいようで。
しかし「心タンポナーデで心膜から血液を抜き取らないと死ぬ」なんて、Dlifeで「緊急救命室(ER)」観ていたから、サクっと理解出来たのが良かった。