66挿絵
聖痕(2)57~87(9/7~10/8)
小学校で立て続けに問題を起こす登希夫。
貴夫に群がる女生徒たち。教師たちまでもが貴夫の庇護者になろうとした。
家庭科の、料理の時間だけは女生徒と共に学べる様に頼んだことが、また彼女らに騒ぎのタネとなった。
家族も貴夫の料理を楽しみにした。貴夫のために家のキッチンまでどんどん改造されていく。
中学2年になった時、同級生だった亜実の危篤を知らされる貴夫。脳炎だった。
亜実の死により心の変容を感じる貴夫。
食への関心をどんどん深めて行く貴夫。貴夫は中3になり、登希夫は小3となっていた。
誕生会をしたいと言う登希夫。乱暴を理由に今まで祝った事がなかった両親もそれを許す。
だが乱暴な同級生と共に貴夫の菜園、温室をメチャクチャにしてしまう。
それを見て気落ちし、部屋に引きこもる貴夫。
祖父の猛夫は謝るよう命じるが、居直った登希夫は悪態の末に「男おんな」と叫ぶ。
激怒する猛夫。「お前を殺す。お爺ちゃんも一緒に死んでやる」と登希夫のを押さえつける。
背を向けて階段を降りようとする猛夫の腰を押し出す登希夫。階段を転げ落ち、意識不明となって救急車で運ばれた猛夫は、病院に着く前に絶命した。
現場を見ていた者は誰もおらず「僕がやったんじゃない」とわめく登希夫。祖母の朋子は直感で登希夫の仕業だと判っていた。
温順になった登希夫。だが家族の誰も彼を信じていなかった。
年が明けてすぐ叔母の計伊子が女子大生の娘麻衣子を連れて遊びに来た。春になったら貴夫の高校進学祝いに、麻衣子と共にパリへ連れて行くという。
春休みの2週間でのパリ旅行。
高等科に入ってからの貴夫は本格的に勉強を始める。
うーん。確かに毎日読み進んではいるが・・・
性器を失った貴夫。次第に成長して行くが、さほどの悲壮感はなく興味を持った料理、食を中心に話は進む。
どういう方向に進もうとしているのか、イマイチ掴めない。学校生活、家での料理、食の専門誌に、パリ旅行での食事、観光。毎日の積み重ねで読んではいるものの、何か心に残るものに乏しい。確かに登希夫が祖父を突き落とした場面では緊張感あったが、それもいっときで、この先貴夫が大学に入り、社会人になり、てな具合だと前回の小説とあまり変わらんかな~