番組概要
http://www4.nhk.or.jp/P3452/x/2016-04-15/31/11461/1988002/
モーガン自身の経験。身近な人の死(若い人)。神に召されたというが、神の意思というものが理解できなかった。架空の存在に対する意識。
ジェシー・ベアリング(心理学者)。幼い頃の記憶。友達の家で色を塗った卵があり、その中の一つにヒビを入れてしまった。後でその母親が友達らに聞いて回った時「神に誓って違う」と否定。それは信じてもらえたが、それ以来罪の意識がずっと続き、何が起きても罰が当たったのだと感じた。
子供は超自然的なものを信じ易い。
実験→壁の的にボールを当てる。ルール①白線を超えない ②利き手以外を使う ③後ろ向き。注目するのはルールを破るかどうか。見られていないとルールを破る(6歳ぐらいでは良くあること)。
6歳より大きな子での実験→壁のところに透明人間が座っている(プリンセス・アリス)と教えた。数百人にテストしたが違反はなかった。
超自然的なものを直感的に受け入れる→心の動き。
なぜ人は超自然的なものを信じるか。
ブルース・フッド(心理学者)。自分の娘の行動→小さな布をいつも握っていた。布に話し掛ける(不思議なこと)。
子供たちの持ち込んだお気に入りのものの複製を機械で作る(演出)。持ち主は元のものを選ぶ→本質主義。大人になるとどうなる?
300人のスタッフ。アインシュタインが使った万年筆と言って手渡しで回す。もう一つ、連続殺人犯の着ていたセーターと言って回す→手にするのをイヤがる。いずれもそんな履歴はないもの。物には神聖さ、邪悪さが宿るという感覚→心の中のものに形を与えた。直感の知的な産物。
神を見たという主張に「体外離脱」がある。
オラフ・ブランケ(神経学者)。体外離脱経験(常識では説明がつかない)は人間が作り出したイメージ。
てんかん患者の脳に電流を加えて実験→体外離脱を経験。加える場所はTPJ(側頭葉と頭頂葉が接する領域)。この領域の役目は潜水艦のナビシステムに相当。電流を流すことにより体の向きに対する判断を誤らせる。
自分の後ろ姿をディスプレイで見ながら背中に刺激を受ける。自分の感覚が次第に変化して行く。TPJの部位が活発に動く。体外離脱は脳の中のまぼろし。
人生は問いに満ちている。テキサス大 ジェニファー・ウィットソン。きっかけはタロットカード(高校の時にハマった)。
人の脳の「ある傾向」。脳は常に意味を求める。
多くの宗教は、出来事がみな繋がっていると説く。災害についても神の意思を感じる。
被験者に意味のない画像を見せ、意味を考えさせる(評価はしない)→その後のノイズ画像見せても何も見えない。被験者に見せた画像の意味について否定し、心理的なストレスを与えた後、ノイズ画像を見せると「何かが見える」と言う者が増える(思い込み、錯覚)。
宗教は貧しい人に広がる傾向がある。人生について、自分にコントロール出来ない事があると宗教に拠り所を求める。
ルイジアナ大 ダニー・ホヴィネリ。チンパンジーで実験。棒を使っておやつを取る→長さに対する概念は持っている。
ブロックでナッツを割る。軽いブロックと重いブロック。子供には重さの概念が判るがチンパンジーには難しい。
相手からどう見えるか→心の理論。サングラスと黒塗りの眼鏡を使った実験。チンパンジーは、サングラスの人からお菓子をもらう事を理解しない。人間なら3~5歳で身に付く思考。
神の言葉はどうやって人に届くか。聖書では、祈る人にメッセージを送ると説いている。
2つの箱のどちらかにボールがあるのを見つける。間違いそうになると警告を出す(今回の場合はライトの点滅)。他者の考えを汲み取る力。7~9歳で判る思考。
成長につれて雷、駐車場で空きを見つけた時などを啓示として感じる→人間に役立った。
おいしい木の実。全部食べたいが神に見られている→少し残そう。理性的になる根拠。
信じる事は人が世界を知る第一歩。無神論者は「まぼろし」と感じる。実在とは何か。
脳の中に電気信号を生む。脳が神を感知したら神は存在する、と言えるのか。
アンディ・ニューバーグ。宗教が人間の脳に及ぼす影響について調べている。脳画像撮影。祈りを行う場面中に点滴で造影剤を入れる。祈る前と祈りの最中での血流の違い。
キリスト教徒。前頭葉と言語領域が活発になる(会話により働く部分)。
仏教徒。視覚野が活発になる。言葉より瞑想。
無神論者の瞑想では脳の活動が起きない。何も浮かばない。
宗教を信じる者の祈りでは、脳の活動として現実の体験と区別がつかない。
神の実在を感じ取るのは人間の脳。答えが見つからなくても、どちらも正しい。
神、宗教は世界を見るための窓。神は細部に宿る。人間らしい行動の基本にある。
感想
臨死体験が脳の作用の一部だというのは、過去のNHK番組でも良くやっていたので、さほど珍しい印象はない。
ただ、人類が生き延びる過程で必要により生まれたのが「神」の概念だったのだろう。そういう意味から行くと、特定の宗教に凝り固まらない日本人の「八百万の神」の思考は無神論者なりの信仰として一番しっくりする。