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Channel: 私の備忘録(映画・TV・小説等のレビュー)
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ギルバート・グレイプ  1993年

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監督:ラッセ・ハルストレム


キャスト

ギルバート・グレイプ    ジョニー・デップ
アーニー・グレイプ     レオナルド・ディカプリオ
ベッキー           ジュリエット・ルイス
ベディ・カーヴァー    メアリー・スティーンバーゲン)
ボニー・グレイプ(母親) ダーレン・ケイツ
エイミー・グレイプ      ローラ・ハリントン
エレン・グレイプ      メアリー・ケイト・シェルハード
ミスター・カーヴァー   ケヴィン・タイ
タッカー           ジョン・C・ライリー
ボビー・マックバーニー   クリスピン・グローヴァー




予告編
https://www.youtube.com/watch?v=X6sLIP3908w


あらすじと感想
BS録画。例によって何の基礎知識もなく観始めてしまったが、思いの外心に残る映画だった。
知的障害の弟と、夫に死なれてから引きこもり、過食症となった母親。ギルバートは大型スーパーの影響で売上げが落ちた食料品店で働いている。
店の客のベティは配達にかこつけてギルバートを誘い、不倫関係にある。


ドラマの冒頭で出て来る家の全景。屋根が赤黒く錆びて、何ともうら寂しい。「家」に縛られているという実感が湧いてくる。
ベティの亭主がビニールプールで溺死した時、町の者は他殺ではないかと妻のベティを疑う。そっと町を出て行くベティ。


トレーラー・ハウスのベッキーと知り合い、少しづつ明るさを取り戻すギルバート。年に一度開催される祭りに行く途中、車が故障してここへの滞在を余儀なくされている。ベッキーの話すカマキリの交尾の挿話。カマキリのメスは交尾が終わった後、オスの首を噛み切って殺し、食べてしまうという。

ちょっと目を離すと給水塔に登りたがるアーニー。以前から何度もやっている。ある時、ギルバートがベッキーと話しているスキに、今度は給水塔の屋根まで登ってしまう。クレーンで下ろされたアーニーはパトカーで連行され、拘留されてしまった。
それを聞いた母親は、7年間全く動かなかった体を起こし、アーニーを引き受けに出かける。母親の勢いに気おされてアーニーは釈放される。だがそれと引き換えに母親の巨体は町中の人の目に晒された。


店の主人のはからいでアーニーの誕生祝いが大規模に開催された。

その後、ギルバートはベッキーを母親に紹介する。
その晩、今まで全く居間の一角から動かなかった母親が立って、杖をつきながら2階の自分のベットに昇って行った。


夜、アーニーが母親の元に行くが反応がない。錯乱するアーニー。
医者が来るが、既に亡くなっていた。母親をどうやって降ろすか、町の者も心配する。
ギルバートは「母さんを見世物にはしない」と言って、家財道具を全て外に出し、家もろとも火葬にしてしまった。


1年後、妹はパン屋に住み込みの職を得た。ギルバートとアーニーはトレーラー・ハウスを待っていた。ベッキーらとの再会。そして2人は車に乗り込んだ。


ディカプリオの演ずる知的障害の弟が秀逸。
弟、母親に縛られてかわいそう、とも思えるが、一方でギルバート自身にも依存する気持ちがある様に感じられる。


いずれにしても、淡々と進められる日常生活と、これまたよくありそうなエピソードの中で、次第に煮詰まって来た末に来る家の焼却。消防車が飛んでくるだろう!なんて無粋な事は言うまい。


原題の「What's Eating Gilbert Grape」。はギルバート・グレイプを悩ませている事、と訳せるが、読んだまま、母親の過食症の事も指しているのだろう。





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