FRONTIERS その先に見える世界
「新発見 火星のオパール」 NHKBS 12/20放送
感想
生命の痕跡探査のカギとなっているのは「水」
月も氷の存在が認識され始めて、俄然注目を浴びている。
そんな中、火星で発見されたオパールの意味。
ただ、ネタの薄さを補うためか水分とは関係ない宝石としての説明が冗長で、もう少し化学的な詰め(水分がどう化合しているか)とか、もっと違うアプローチがあった筈。
また、豊富な水分があったという推測との食い付きが良くない。
内容
Chapter 1 新説 火星のオパール
火星は地球に良く似ており「兄弟星」とも言われている(大きさは地球より10~20%小さい)
火星の探査車「キュリオシティ」がゲイル・クレーターに着陸して稼働を開始したのは2012年。
そして2022年12月にオパールを発見。
解析に4年かかった。
これが何を意味するか。
Chapter 2 オパール大国 オーストラリア
世界のオパールの90%はオーストラリアで採掘される。
オパールがどの様にできるか、当初は謎だった。
地下深くに潜って採掘。ミョウバン石の中にある(基本粘土)
ウランを微量含むため、ブラックライトで探し出す。
オパールには「コモンオパール」と「プレシャスオパール」があり、宝石になるのは後者(虹色に輝く)成分はシリカ。
見つかったのはコモンオパール。
Chapter 3 火星のオパール 誕生の秘密
宝石の中でも特異なオパール。
博物館。
実験:オパールと石英をそれぞれ粉にしてビーカーに入れ加熱する(上には水を入れたフラスコを設置)
アルコールランプの火を当てるとオパールの方から水が出た(凝縮水)石英からは出ない。オパールは重量の5%程水を含む。
それは火星のオパールにも(形成に水が必要)
火星のオパールの水分量は分析の結果5.09%。
直径100kmのゲイル・クレーターには水が貯まっていた。広い範囲で見つかっており、地下水脈があった。
シリカが溶け出して沈殿→固まって出来た。水脈があった証拠。
Chapter 4 オパールから見た地球の環境
オーストラリアの出土地には黄鉄鉱が含まれていた。
これが酸素に触れると硫酸が発生。
→シリカが分離してオパールが出来た。
火星の場合は火山ガスが要因。
二酸化硫黄(SO2)が硫酸の霧を作り酸性雨を降らせた。
Chapter 5 火星のオパール 新たな可能性
オパールは水のある環境でしか作られない。
生命が発生する環境と重なるのではないか?
それを究明するカギがこの石にある。地球が熱水活動をしていた頃に出来たもの。
2021年に投入された火星探査機「パーシビアランス」はジェゼロ・クレーターを探査中。地球の当該岩石が搭載されている。
それと火星で採取した石との比較をする事で類似点、相違点を見つける事が出来る。
期待されるのは火星移住の可能性。
水を取り出して使えれば実現の可能性が高くなる。
また、地下であれば放射線の影響も回避できる。