ヒューマニエンス 40億年のたくらみ
「“歯” 進化を続ける人体の先兵」 BSP 9/12放送
感想
歯がなくなると認知症になるというのは、なんとなく分かる。
歯に芽があるなんて知らなかった。
確かに虫歯治療で苦労するよりちょこっと薬塗って「一本いっとく?」なんて(笑)
内容
【司会】 織田裕二、藤井彩子
【出演】 為末大(元陸上選手)
【解説】 田畑純 東京医科歯科大学 准教授
小林琢也 岩手医科大学 歯学部教授
高橋克 北野病院 歯科口腔外科 主任部長
ヒトの歯の機能は4つ
捕食 咀嚼 審美(見せること) 喉音(音を整える)
動物の歯
イタチザメ 同型歯性:みな同じ形の歯
トラ 裂肉歯:肉を切り裂く(牙は刺すだけ)
カピバラ 奥歯が平ら(嚙み合わせですり潰す)
ウマ 無歯根歯:伸び続ける
歯は脳を育てるセンサー
ダイヤモンド1-チョーク10とした時の比較10段階
歯は4(水晶なみ) 骨は7
歯の奥には歯髄があり神経が通っている(感度いい)
髪の毛1本噛んだだけで気付く。
歯を抜くと刺激が止まり記憶のネットワークも止まる。
マウス実験。8ケ所のルートでエサを食べさせる時の所要時間。
最初 2Week後
健常 136秒 90秒
歯がない 190秒 181秒
歯がないマウスは海馬の神経細胞が減っている。
ヒトではどうか
歯がなくなって10年経った者と健常者の比較
→海馬の容積が減る(10%)
入れ歯を入れるとある程度回復する→咬筋への刺激
認知症の人は歯が少ない→リスク2.4倍
年齢と共に歯は減る
歯髄に痛みの神経がある→歯根膜にセンサーが集まっている。
ものの硬さで咬む力を調節。
歯を遅く生やすという進化
人の歯が生えるのは生まれて7ケ月後(生物界では少数派)
歯が遅く生えるのは哺乳類だけ。
歯がないのは母乳を飲むため。
乳児の口はおっぱいを飲むために特化している。
口輪筋で口から漏れないようにホールド→のちに表情筋になる
ほっぺたがぷっくりしているのは口腔内の容積を減らすため(飲みやすくする)
今まさに大変化の最中にあるヒトの歯
永久歯の生える順が60年前と現在では違う。
4万人を調査(2018年)
1960年→前歯が先に生えるのは少数派
2018年→前歯が先に生えるのが多数派
古代では奥歯から先に生える。200万年変わっていなかったものがここ50年で変化した。私たちに何が起こったのか?
永久歯が生える順
アゴが小さくなり臼歯が生えるのが遅くなった。
1988年で逆転。欧米の方が早く変化している。
犬歯:完成するのに時間がかかる
→犬歯は太古から次第に小さくなって来ている。
犬歯が大きいと歯が動かせない→咀嚼のために退化。
親知らずの退化→硬いものを食べないから。
ヒトの歯は何度でもよみがえる?
生え変わりに制限があるのは哺乳類だけ。
魚は何度でも生え変わる(サメは次に生える歯を準備)
ヒトでも更に生えるポテンシャルを持っている
歯の芽がある。
歯の芽を破壊する遺伝子(USAG-1)が抑制。外すと歯が育つ。
2024年からヒトでの臨床試験開始。
第3、第4の歯を生やすことも可能か。