感想
最近はビル解体ばかりだったので、作業をしながらチラ見程度だったが、今回はちょっと毛色が変わっていたのでレビュー。
ウォータージェット切断は、話には聞いていたが実際に見たのは初めて。
厚さ2センチどころか、補強リブのある厚さ5センチ以上の部分も設定を変えて切断して行った。
鉄心が薄い鉄板の積層だという事は、現役時代モータも扱っていたため知っているが、巨大なものになると廃棄でこれだけの手間を要求するのだと痛感。
内容
レポーター:田中道子(女優、モデル)一級建築士の資格を持つ
山手線23.6万人が影響を受けたという2018年の大停電は、設備トラブル(変電所)が原因だった。
舞台は山口県周南市。重さ180トン、高さ3mの変圧器の解体。
変電所の役割り 発電の電圧は22~55万V。
そのままでは使えず。
今回の変圧器は11万Vを66,000Vに落とすもの。
利用側 オフィス:6,600V、家庭:100又は200V。
今日本で多くの解体需要がある(寿命を迎えている)
稼働期間:66年
一筋縄では行かない→特殊解体チームで対応。
分解にガス溶断は使えない。
→52トンの絶縁油が入っている(漏電防止、熱の放出)
油抜きはするが完全には抜けない。引火させずに切断。
ウォータージェット工法→水圧の力で鉄板を切断。
家庭用高圧洗浄機の30倍の圧力。
効率を上げるため工業用ガーネット(宝石)粒子が混ぜてある。
作業のため周辺機器を外し、本体を移動して準備。
切る厚さは2センチ。5センチ/分のスピードで切断。
この高圧噴射は太陽光パネルの表面ガラス除去にも使われる。
特許取得し、今後伸びる分野。
切断完了し、フタを外す。3つのコイルが出現。
コイルには設計図がなく、開けてみないと分からない。
側面を剥がし、リード線等を除去してコイルを外す。
難関は鉄心の解体。
鉄心はうず電流抑制のため薄い鉄板が積層されており、鉄心を左右に繋いでいる鉄板が交互に組まれていて、簡単には外れない。
鉄心本体の頭を動かして根元を緩めて行く。
鉄心下部の鉄板を重機で摘まもうとするが、66年の間に劣化してちぎれてしまう。
鉄心を大きなクレーンで吊り、もう一台で手前に曲げ、伸ばしを繰り返して崩して行く。
残りも同様の工法で撤去。
ここに再び新しい変圧器が設置されるという。
今日の一曲
邦題:小さな願い。子供の頃聴いた洋楽では一番かも知れない。
バート・バカラックとの掛け合いがちょっと入るのもオシャレ。
Dionne Warwick I Say A Little Prayer 1967