ヒューマニエンス 40億年のたくらみ
「“免疫” 曖昧な“わたし”をめぐるドラマ」BSP 8/29放送
感想
題名見て「ああ、前回観たな」と録画消そうとしたが、前回とは違うとの言葉で視聴。T細胞にこんな種類があるとは驚いた。
生き物が広範囲に食を広げることで、自己と非自己の区別が必要になったというのは、実にナットク感がある。
そしてTレグが妊娠-出産まで胎児を守っている事にも驚いた。
げに人体メカニズムの素晴らしさよ・・・
しかしドラマ仕立ては・・・・要らんテ。
内容
司会:織田裕二、藤井彩子
解説:濱崎洋子(京都大学iPS研究所教授)
堀昌平(東京大学教授)
森本亮(マックスプランク研究所プロジェクトリーダー)
ゲスト 太刀川英輔(デザイナー)
免疫は前にもやりましたよね(コチラ)
今回は免疫システムそのものに迫る。
基本は「非自己」と「自己」を見分ける。
免疫には①自然免疫(バクバク食べる)
②獲得免疫(T細胞を代表とするもの)
獲得免疫は胸腺で作られる(T細胞を作るためだけの臓器)
幼児期から思春期まで機能し、次第に退縮する。
ドラマ仕立てでの展開
免疫のスパルタ教室”胸腺”
「T細胞候補生」がたんぱく質を作るための全ての遺伝子を学ぶ。(18,000種)最終的に残るのは全体の1割。
T細胞は三つに分類される(T3) T:Thymus(胸腺)
①ヘルパーT 司令官
②キラーT 実行部隊
③Tレグ これが特殊
人体学園に来た転校生(異物)
樹状細胞がトラブルを検知し報告(T3案件)
→ヘルパーTが照合しキラーTに指令
T細胞は作るのに多くのエネルギーを使う。
教育というより選別。
T細胞の受容体の種類は1000億個→「こういう病原体」という特定が難しい。適当に作る(適当が大事)
パーフォリンは自殺を促すもの(積極的な攻撃ではない)
樹状細胞がギャル生徒を見つけてヘルパーTに通報しようとする→それを止めて対応したのがTレグ。
異物ではなかった(卒業後ギャル化)
卒業識別用のキーホルダーを持っていた。
ヘルパーT、キラーTで9割を占め、Tレグは1割しかない。
Tレグこそが生命誕生の決め手
赤ちゃんの半分は異物(父親の遺伝子)なぜ攻撃が起きないか。
2回目に同じ父の精子を受け入れる時は妊娠し易い。
(免疫の記憶)
Tレグの性格を決める遺伝子
Foxp3。働かないと免疫の異常な攻撃で重い遺伝病を発症する
これがTレグのために必須である事が判明(堀が発見)
制御スイッチ判明によりTレグの存在が判明。
「何でも食べる」が免疫を進化させた
ゾウギンザメ→下アゴを初めて持った生物。食べるものが増え、免疫として戦うか、エネルギーとして取り込むかの判別が必要になった。ゾウギンザメは4億年前から同じ形。
胸腺を除去したマウスにゾウギンザメの遺伝子を移植→作られた
胸腺のシステムが4億年前にはほぼ完成していた事を証明。
ビッグバンの様に多くのことが一気に起こった。
獲得免疫システム→たくさんの受容体を作っている。
学校の様なものがないと成り立たない。
我々の獲得免疫の形は最良ではない?(多くトライされた)
イカ、タコ、昆虫等は自然免疫だけで生きている。
人類は何でも食べるからこうなった?
老化と免疫の深い関係
細胞老化→がん化を防ぐため細胞分裂を止める
細胞老化が進むと変異した自己が溢れる→キラーT細胞が壊す。
ただし制約がかけられている。
免疫は外敵が居なくなれば不要になる(ブレーキが必要になる)
ブレーキ状態を「疲弊」と言う。
キラーT細胞が活発に働かない。
長時間攻撃すると疲弊するよう設計されている。
遺伝子NR4A。老化細胞にブレーキを掛ける役。エネルギーの使い過ぎを検知。老化細胞がスイッチを押す→攻撃をやめる。
機能として矛盾しているが、穏やかに年老いる助けになっている。ウィルスと妥協して体を壊し過ぎない、。
胸腺で習う自己は若い時のもの。
若いキラーT細胞(ナイーブT)→記憶型に変化。
高齢者ではナイーブTは減る。
今の自分のための胸腺を新たに作って再教育出来るといい。
iPS細胞で胸腺を作る話は?(藤井が前回のフォロー)
*前回5年で作ると濱崎が言っていた(あと4年半)
研究の審査みたい・・・・・