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Channel: 私の備忘録(映画・TV・小説等のレビュー)
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コズミック フロント「雷 〜知られざる全貌に迫る〜」BSP12/1放送

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感想
毎回録画したものを観ているので「なんや、雷か」と思っていたが、意外にそそられるものがあった。
今までの説(氷分子の摩擦で帯電して雷になる)を信じていたので、ガンマ線にはじかれた電子なだれで起きると知りビックリ。
それから、雷のはるか上層に出来るTLEも印象深い。

内容
地球上で1日350万回も発生するという雷。何故起きるのか。
身近だが謎が多い現象。


CHAPTER 1 ストームチェイサーの挑戦
雷多発地帯を追い続けるハンク・シーマ。プロのストームチェイサー。その美しさを捉えたい。協力者のポール・スミス。
雷発生時、雲の上に現れる光 TLE(Transient Luminous Event:高々度発光現象)スプライト、ブルージェット等。

高度100キロほどで発生。なぜ発生するか分からない。
だが雷発生とリンクして発生するため、その同時撮影に挑戦。
落雷の高度が数キロなのに対しTLEは数十キロ→近くと遠くから同時に撮る。何度も失敗の後、オクラホマ州上空で撮影成功。
稲妻が出た0.03秒後にスプライトが出る。

その現象をライトニングマッピングアレイ(電場の広域観測)データから解析。雷が発生する前から上空に電場があり、それが降りて来て、まず雷が落ちる。

その後電場が横に広がり、スプライトが発生したところで雷雲の中のエネルギーが使われた(空間になっている)

電場の範囲は縦横各100キロほどにもなった。

雷は地上、雲の中、その遥か上空までひと繋がりの現象。

CHAPTER 2 最大のナゾ 雷はどうやって起きるのか?
雷の研究をする物理学者ジョセフ・ドワイヤー。
雷というのは火花のこと。電場から火花が出るためには1m^2当たり300万ボルトが必要だが、そのきっかけとなる電場は、その1/10のものでさえ見つからない。
今まで言われている「氷の粒同士の摩擦で静電気が発生する」ではそんな電気量は生まれない。様々な仮説があるが、宇宙線が雷雲に飛び込み電場を増強していると考える・・・


京都大准教授 榎本輝揚の研究。2021年に行った雷雲P/J。
雷雲から放出されるガンマ線を観測(宇宙線と雷の関係を追う)
使うのはコガモ(Compact Gamma-ray Moitor)

一般民家の56ケ所に設置させてもらい冬の一ヶ月間観測した(冬は雲が低くなる)


12/30の早朝、5地点で観測された。ピーク発生の時間がズレている(雲の移動と共に検出)雲はガンマ線を放出しながら移動。

ガンマ線が途絶えた瞬間落雷した(宇宙線が雷の引き金)


学者が考えるメカニズム
宇宙線が雷雲に到達→雲中の雲分子に衝突→電子をはじき出し、それが他に連鎖(電子なだれ)→雷発生。
稲妻が地上に到達して地上と繋がり、1億ボルトの大電撃が走る。

→雲の中の電離バランスが崩れる→雲の上の層にも影響を与える(TLEの発生)


CHAPTER 3 雷がもたらした生命誕生
2016/1月。シカゴ郊外で起きた落雷。地面に出来た穴から奇妙なものが掘り出された。フルグライト:土がガラス質に変化して雷放電の形になっている。瞬時に土や砂を溶かして固まった。


その中にあったシュライバーサイト:鉄とリン結合して出来る鉱物。通常の地表には存在しない。

リンは生命に必須の元素。

生命誕生にはリンが必要:DNA、RNA、細胞膜等

今まで、リンは外部からの隕石によってもたらされたと考えられていたが、雷によって生成された可能性も大きい。
38億年前の雷の量を推定。年間10~50億回(今の10倍)
その雷だ作られるリンは10億トン/年。隕石による量に匹敵。
リンの供給源として期待出来る。また、シュライバーサイトに含まれるリンは水に溶け易い(生命発生に有利)

 

今日の一曲
シカゴ/長い夜
Chicago - 25 or 6 to 4
 (Live at Tanglewood, July 21, 1970)


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