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ヒューマニエンス「“遺伝子” その多様性はガラクタから」BRP 8/16放送

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ヒューマニエンス40億年のたくらみ

「“遺伝子” その多様性はガラクタから」BRP 8/16放送

 

感想
遺伝子と聞いて「ああ、ヒトゲノムか」と過去の焼き直しかな?と思っていたら、けっこうホットな情報だった。
ヒトゲノム解析の中で、遺伝子として作用していない「ガラクタ」と思われたものに重大な役割りが見つかったという。
それに「ガラクタ」だとしてもメインの遺伝子を保護するバリヤーとしての機能もある。久し振りにこのテの番組で興奮した。


内容
進行役:織田裕二、藤井彩子
ゲスト:いとうせいこう
解説 :小林武彦(東大教授)

20年前にヒトゲノムの解読に成功したとの報告。

大イベント(クリントン大統領が発表)ただしそれはラフドラフト。
細かな作業は残っており、完全に終わったのが2022年。

遺伝子とは何か? →設計図?(織田)
核→DNAを収納する袋。DNA:デオキシリボ核酸
遺伝子はDNAの一部(たんぱく質を作る情報)

核の大きさは10μm(1/100mm) 長さは2m!
DNAは目に見える。口をゆすいだ水を遠心分離器にかけてアルコールを加えると、モヤモヤしたものが抽出される。
遺伝子は原子間力顕微鏡で見ることが出来る。


A,T,G,Cの塩基配列で二重らぜん構造になっている。


分裂時にらせんの端部が開き、コピーが行われる。

塩基は化学物質。生物全てがA,T,G,Cののデジタル情報。
染色体はDNAと同様。細胞分裂の前に縮む→コピー後に分裂。
(長いといつまでも終わらないから)コンパクトな状態で移す。

ただし時々間違った組合せになる事もある。



親から子への受け渡し→遺伝こそが変化の受け渡し


狂言「茂山千五郎家」兄弟が受け継いだが微妙に違う。
違いを生み出す仕組みが「受精」
遺伝情報の受け渡し方に特徴がある。
父の半分、母の半分が受け渡される。DNA 2本づつが23組。

全く同じDNAとなる確率は1/64兆。
それが多様性を生む。似ているけど違う。素材は同じ。


ガラクタこそが多様性の源
遺伝子の重要な働きはたんぱく質を作ること。
たんぱく質は最も基本的な材料(肉体から酵素、ホルモンまで)


ヒトゲノムが解明されて科学者は失望。いわゆるたんぱく質を作る指示書は全体の2%(30億)しかない。それ以外は作らず。
ヒトと線虫で、作る遺伝子の数は大差ない(約2万)


注目したのが98%の「ガラクタ」
例えば「ヒュー マ ニ エン ス」というDNAがある。間に挿入されているガラクタが「イントロン」情報は「エクソン」


まず全体コピー。イントロンの作用により1つの遺伝子から数種のたんぱく質が作られる→「ヒマン」や「マス」


線虫での実験 青:喉、赤:腸、緑:筋肉

 

新たなナゾの出発点。体に求められるもの。細胞をいつ作るのか、どのくらい作るのか・・体を作る時の順番。
筋肉、臓器、脳の構造、神経、神経伝達物質全てたんぱく質。
ガラクタはたんぱく質を作る時の調節を行っている。
遺伝子の定義も変わる。

イントロンにも情報がある。その後の解析でガラクタ98→70%

 

制御部位:プロモーター、エンハンサー。残りの70%も「宝箱」


その中にはウイルス感染履歴も入っている。使われなかった遺伝子情報もココに。言ってみれば「パーツ取り」
ガラクタは「宝の山」→何かに使える。

敵の攻撃を外す防御にも使えるか。
大切なものを隠す(紫外線等から) がんに対しても。

イントロンが体の中で一番働くもの。
ガラクタが体の進化を左右した。遺伝子の大きさに注目。
小さいものは数十。大きいものは数百万。
大きいものほど不安定。新しい組合せ。それが「脳」

それが何を示すのか。
 

遺伝子はイントロンとエクソンの組合せ。
複製開始点は遺伝子の外側(端)にある。遺伝子が大きいほど他のものを作り易い→新たなアイデアを求める?

ヒトとサルの違いは何? 600万年前、進化の道が分かれた。
ただしDNA配列はほとんど同じ。
違いは何によるのか。生命創成探求センターでの研究。
海馬、視覚野にヒトで使われ、サルで使われていないエクソンがある(約700)多様なエクソンの使い方が知性を生んだ?

DNAの構造の違い。
チンパンジーはDNAの端にStSat(サテライトDNA:次端部反復配列(ガラクタ))が付いている(ヒトにはない)ゴリラにはある

→ヒトになった時なくした。


ガラクタが進化のあとおしをした?
ヒトに起きた進化は一見マイナスに思えるものもある。
運動能力→使わなくなったら退化する。
知識、文明。退化という名の進化をした。
チンパンジーのみが持つStSat。それを捨ててヒトになった。
StSatは固い構造を作り易い(ただし固定化)
進化のためには使い勝手が悪い(新しいものの創出には)
チンパンジーは変わらない方が良かった。

一方でチンパンジーのStSatを除去する試みが始まっている。
正体を知るためには覗くのが一番。

ゲノム編集「クリスパー・キャス9」で可能。
ゲノム編集したチンパンジー、危険はない?
周りの遺伝子にどう影響を与えるかを見るだけ。大丈夫。
ヒトは作ったり壊したりの「やらかす」動物。
これ以上地球に負荷をかけるのはダメ・・・・

ガラクタこそに進化のナゾがある。未来の設計図も。

 

 

今日の一曲
Shakatak - Nightbirds (Official Music Video) 


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