感想
知らなかったが、この件を映画にした「13デイズ」があるそうな(ケヴィン・コスナー主演) 確かにドラマチックな内容。
ただ、一番の原因を作ったのはカストロに冷たくしたアイゼンハワーだったというのは「まったくモウ!」てな感じ。
しかしU2撃墜なんて話もあったとは、ほんとヤバかったんだ。
内容
1959年。キューバ首相カストロを米国民は英雄視。
訪米して友好を訴えるが、アイゼンハワー大統領は会談拒否(ゴルフを優先)
カストロが倒したのはアメリカが支援した政権。
その後カストロはソ連に接近。そしてあの13日間を迎える。
day1 1962.10.16
ケネディ大統領はその情報に凍り付く。
U2偵察機が撮影した、キューバにソ連が建設中のミサイル基地。
最高幹部会議(Ex Comm :エクスコム)が招集された。基地はまだ未完。完成すれば米主要都市の半分が射程に入る。
ソ連からの情報源はスパイ オレグ・ペンコフスキーによるもの。
母国への絶望。父は共産党員に殺された。
軍部からは先制攻撃論が出る。司法長官の弟ロバート・ケネディも空爆が唯一の手段と発言(真珠湾での東條の気持ちが分かった)
ケネディは平静を装って公務をこなす。
day2
フロリダの軍備確認。先制攻撃の準備。
day3
先制で何が起こるか。ソ連の侵攻→全面戦争。
米ソ対立の最前線 ドイツ。
NATOミサイルをソ連に向ける準備。
day4
軍部は即時攻撃を主張(特にカーティス・ルメイ)
ルメイは第二次世界大戦で活躍した司令官。ケネディを威圧。
「ミュンヘンの失敗の二の舞」と弱みを突く→1938年イギリス、フランスにナチス拡大を譲歩させた。その時の駐英大使ジョセフ・P・ケネディ(父)も決定に関与。ケネディ家の汚点。
day5
ケネディはシカゴに遊説中だったが、風邪を理由にホワイトハウスへ戻る。中間選挙前であり、メディアが食い付く。
ロバート・マクナマラが海上封鎖を提案(ソ連貨物船の阻止)
国際法上は問題あり。
day6(日曜)
ケネディは妻ジャクリーンと共に教会へ。
子供と共にここを離れる様にとの指示を拒む妻。
day7
新聞のスクープ「国家の緊急事態!」
そしてケネディの記者会見(午後7時)
キューバにミサイル基地建設の兆しがある。米への核攻撃を可能とするものであり、運搬船を隔離する(海上封鎖とは言わず)
KGBに監視されていたペンコフスキーが逮捕される。情報途絶。
day8
フルシチョフ反応。ワルシャワ条約機構として臨戦態勢に入る。
キューバは海上封鎖を宣戦布告と判断。地対空ミサイル配備。
アメリカ内はパニックになる(品物の買い占め)
対象地域の9,200万を核シェルターが守れるのは半数。
day9
海上封鎖開始(史上初) ソ連船の停船。
day10
国連本部からソ連に核配備の有無を確認→即答しないソ連
同日 モスクワでバレーボール世界選手権→日本初勝利
day11
ソ連大使館からABC特派員ジョン・スカリに「そちらが攻撃しないならミサイル撤去する」旨の連絡。
ケネディにもフルシチョフから書簡。
day12
書簡は驚くべきもの。トルコに配備のミサイル撤去要求。
次いで報告。U2がキューバ東部で撃墜された。フルシチョフは指令を出していないと態度を激化させる→現場の暴走と判明。
ルメイは反撃を叫ぶが、ロバート・マクナマラはそれを止める。
20年前の大戦時、マクナマラはルメイの部下だった。
当時日本への無差別爆撃を指示されて拒めなかった。
ケネディも時間稼ぎを行う「決断は明後日に行う」
ソ連では核のボタンに手をかけていた。核魚雷搭載の潜水艦に、停船命令のための演習用爆雷が投下された。艦長はそれを攻撃と判断し核魚雷発射を決定。だが副艦長と同時でなくては発動出来ない。
副艦長 ワシリー・アルヒーポフは浮上命令と判断し艦長を説得。
艦は浮上。
アメリカでもミサイル発射準備。沖縄基地の技師ジョン・ボードンの証言。巡航ミサイル メースBに発射命令が下った。4基中1基がソ連、残り3基が別の国。真偽の見極めが必要→誤報だった。
緊張は極限に到達していた。
ケネディはトルコのミサイル撤去を決断(個人の決断)
day13
午前9時。ソ連はミサイル撤去を放送。13日間の悪夢は終わる。
翌年アメリカもトルコからミサイル撤去。
モスクワで、ある男の裁判が行われた(ペンコフスキー)
死刑判決を受けた。残された手記。
私は失望などしていない この国の真実を語ること
それが私の生涯の目標なのだ
私が少しでもこの偉大な事業に貢献出来たなら この上ない満足だ
そして銃殺刑に消えた。コードネームは「HERO」だった。
ケネディはその後も核軍縮への道を探り続けた。
翌年、何者かの凶弾によってこの世を去った。(1963年11月22日)
今日の一曲
Captain Marvel (Original Take)
/ Chick Corea & Return to Forever