「映像の世紀」はNHKが1995年に放送した人気シリーズであり、先日弊ブログでも第3集のカラー復元版の記事をアップ。
今回NHKとして新シリーズ「映像の世紀 バタフライエフェクト」を4/4から放送している（毎週月曜22時～）
第１回目は「モハメド・アリ 勇気の連鎖」 視聴可コチラ
ゆきぷうさんの記事参照（兵役拒否でタイトルはく奪された過去）
今回は第２回目「アインシュタイン」 視聴可コチラ
感想
大天才という認識しかなかったアインシュタインだが、その彼が論文を出すまでの経緯、亡命から原爆開発をルーズベルトに進言した事など、頭から抜けていたもの含め再認識させてもらった。
また粒子の運動予測が金融システムとして利用されるとは。
またそれがとてつもなく大きな金を動かして恐慌まで生んだ。
科学の功罪、と簡単に片づけられない。
内容
1896年、スイスの理系大学に通い物理学を学ぶ青年 アルバート・アインシュタイン。すこぶる生意気。
性格が災いして仕事に就けず困窮。友人の配慮でスイスの特許局に就職し、様々な発明の特許申請書類に刺激を受けた。
楽しかった。多様な内容、理論概念をどう活かすか。
自宅リビングで思索・研究に没頭。2～3時間で仕事を済ませ、あとは研究。
1905年に相対性理論の論文を発表。原子に莫大なエネルギーがある事を明らかにした。理解出来たのは10名にも満たず。
その後実用化研究が進み原子力開発が開始された。
1914年、第一次世界大戦の勃発と共にドイツへ戻りベルリン大で研究。1931年、ノーベル物理学賞受賞。名声を得た。
1930年に訪米。1922年に訪日。日本の旅は素晴らしいと後述。
ドイツでは不穏な空気。世界恐慌後ナチスが台頭。
ゲルマン民族復興のためのユダヤ人弾圧（公職追放）
アインシュタインにも矛先が向けられる。
焚書も始まる（彼の本も）法の平等は満たされない。
1933年、米アリゾナを訪れた時、自宅をナチスが強制捜査
→そのままアメリカに亡命。
1939年/9月、ドイツがポーランドに侵攻（第二次世界大戦開戦）
注目されたのは原子爆弾。Ｅ＝ｍｃ＾2。世界で開発が本格化。
アインシュタインはルーズベルトに書簡を送り、核開発を政府と連携して加速する様進言。それを受けて開発が着手される。
ドイツがその時行っていたのはＶ2ロケット。原子力はユダヤ的科学として嫌った。
1943年テネシーに巨大な町が出現（原爆開発が目的）
10万の科学者が集められた（ユダヤ人も）
リーダーはロバート・オッペンハイマー。
1945年/5月、ドイツ降伏。1945/7/6、初の核実験（トリニティ）
その3週間後にB-29が日本に向かう。
広島14万、長崎7万の死者。
ドイツが核開発を行っていなかったと知り、アメリカに核開発を進言した事を後悔するアインシュタイン。
世界はもう元に戻らない。
1949年、ソ連も核実験に成功。核廃絶を訴えるが、アメリカ国民は核武装を支持。監視下に置かれるアインシュタイン。
オッペンハイマーも核開発に反対→赤狩りの対象になった。
1955年、76歳でアインシュタイン他界。
1905年、もう一つ世界が一変したもの。ブラウン運動の数式。
水に落としたインキの広がり（粒子の運動）が予測可能になる。
MIT（マサチューセッツ工科大学）マイロン・ショールズが1973年に論文発表。株価変動を予測するブラックショールズ方程式（アインシュタインの数式がベース）
これにより最適な投資額を決める。金融市場のあり方を根本的に変えた。自動化加速。、マネー革命。
金融商品開発。利回り40%（年間）だが繁栄は続かず。
1998年ロシア財政破綻。多大な損失発生。
2008年リーマンショック。リスクコントロール出来ず。
同じ光景の繰り返し。現在の世界金融資産250兆ドル。
アインシュタインが残した言葉
「真理と知識を探求することは、人間性の中で最も価値あるものの一つです。しかし、私たちは、知性を神格化しないよう十分に注意しなければなりません。知性はもちろん強大な力を持っていますが、人格を持っているわけではありません。知性は人間を導くことはできず、あくまで人間に仕えるものなのです。人間が存在するために最も重要なことは、破滅的な本能を遠ざけるようたゆまぬ努力を続けることです。」