Quantcast
Channel: 私の備忘録(映画・TV・小説等のレビュー)
Viewing all 1566 articles
Browse latest View live

007 カジノ・ロワイヤル   2006年

$
0
0

監督 マーティン・キャンベル

 

キャスト
ジェームズ・ボンド       ダニエル・クレイグ
ヴェスパー・リンド       エヴァ・グリーン
ル・シッフル          マッツ・ミケルセン
M                ジュディ・デンチ
フィリックス・ライター     ジェフリー・ライト
ルネ・マティス         ジャンカルロ・ジャンニーニ
ソランジュ・ディミトリオス   カテリーナ・ムリーノ

 

予告編
https://www.youtube.com/watch?v=xK7PbujRUOk

 

あらすじ
イギリス諜報機関MI6に所属するジェームズ・ボンドは優秀さを認められ、007としての活動を始める。

 

マダガスカルでの初任務。情報を持った黒人の男を追跡する。列車も破壊しての壮絶な追跡。男は大使館に逃げ込むが、結局ボンドは男を殺した。やりすぎのボンドに怒るM。
男が持っていたケータイから「エリプシス」という情報を掴んだボンドはMのPCに接続して照会し、バハマに行く。
メッセージを出した武器商人から旅客機の爆破計画を知る。Mからこの計画に関わっているル・シッフルという名を知らされる。
旅客機の爆破はボンドが寸前で阻止。

 

計画の失敗による資金の損失でテロ組織から狙われるル・シッフル。カジノでの回収を目論んだ。
モンテネグロの「カジノ・ロワイヤル」で開催されるポーカー大会。財務省のヴェスパーから資金を調達してル・シッフルの計画を邪魔するもの。協力者のマティス。

 

 

ポーカーの席上、ル・シッフルが不利になった時の癖を見抜き、次の回で大金を賭けるボンド。だがそれの裏をかかれ、ボンドは持ち金を失う。
ヴェスパーに追加の金を出すよう頼むが拒否される。進退窮まったボンドに、黒人が声を掛けた、CIA職員のフィリックス。CIAでも同様にル・シッフルの邪魔をするために動いていたが、ポーカーの腕ではボンドが上と知り、資金提供を申し出た。

休憩後、賭けの続きをするため席に戻ったボンドだが、マティーニに毒が仕込まれていた。フラフラになりながらも自分の車に辿り着くボンド。本部に連絡し、指示を受けて解毒剤を注射、AEDをセットしようとするが、その前に意識を失った。そこへ駆けつけたヴェスパーがAEDのスイッチを入れ、危ないところでボンドは蘇生。

 

 

何事もなかった様に席に戻ったボンドを見て驚くル・シッフル。ゲームは進み、最後に全ての金を賭けた勝負を仕掛けるボンド。それを受けたル・シッフルは負けた。
電子決済で勝った金を銀行に振り込んだボンドだが、ヴェスパーが車でさらわれ、それを追うボンド。だが道に寝かされているヴェスパーを避けようとしてボンドは事故を起こす。実行したのはマティスだった。ボンドを捕らえて拷問にかけ、パスワードを聞き出そうとするル・シッフル。男の急所を攻撃する卑劣な拷問。
その拷問の最中に彼のボスであるミスター・ホワイトが現れ、ル・シッフルを射殺した。

 

窮地を脱したボンドは、療養施設でヴェスパーと穏やかな時間を過ごした。
傷の癒えたボンドは、MI6を辞めてヴェスパーと一緒に暮らす決心をし、療養施設を出た。
二人の甘い生活。だがある日ヴェスパーが街に出掛けたのを不審に思い、後をつけるが見失う。予感がして銀行に行ったボンド。ヴェスパーが金を全部引き出していた。パスワードは「VESPER」。彼女もそれを知っていた。
逃げるヴェスパーを見つけて追うボンド。だがその先にはミスター・ホワイトの姿が。

水上に建つビルに逃げ込んだホワイトらを追って中に入るボンド。激しい攻防の末、ボンドはビルを爆破するがホワイトに逃げられる。エレベーターに閉じ込められたヴェスパーが水没して行った。水中で動かなくなるヴェスパー。
何とかエレベーターから救い出すが、ヴェスパーは息絶えていた。

 

 

ある家の前で待つボンド。そこへ鞄を持って車から降りる男。ホワイトだった。電話をかけるボンド。ホワイトがそれに出ると「ジェームズ・ボンドだ」と名乗り、足を撃った。
ヴェスパーは死ぬ前、ケータイにホワイトの電話番号を残していた。

 

 

感想
元々、007モノは「ショーン・コネリー」以降、「これは」と思う者が出て来ない(ティモシー・ダルトンはひどかったし)。
そんな中でダニエル・クレイグの翳のあるイメージが、何かしっくり来る様になっている。初代ボンド(ショーン・コネリー)はけっこうお気楽なおっちゃんなんだけど、たまたまヒットしてこの路線になったのだろう。

 

今回はダニエルのデビュー作。映画館では観なかったが、TVで数回観ている。
冒頭の追跡シーンの派手なアクションは「お約束」だが、列車に積んだパワーショベルのアームで、切り離される列車を咥え込むなんて、すごい演出を考えるものだ。
あと急所への拷問シーンは、男なら居ても立ってもいられない気分。女との絡みが命のボンド、使えなくなったらどーするの?

 

なんと言ってもヴェスパーが素晴らしかった。最初はボンドを監視する役目だったが、それも元々恋人を救うためのもの。それがボンドを愛してしまい、彼を拷問から救うためにホワイトとの取引きまでした。
結局ホワイトの指示で金を持ち出すが、手掛かりを残してボンドに追跡させ、自らは覚悟の自殺。

 

良く練られたストーリーで、ショーン・コネリーの頃のお色気アクションとは一線を画す本格スパイ映画として、何回かの鑑賞に耐える。

 

 

 


告発の行方 1989年

$
0
0

監督  ジョナサン・カプラン

 

キャスト
サラ・トバイアス             ジョディ・フォスター
キャサリン・マーフィー       ケリー・マクギリス
ケン・ジョイス                バーニー・コールソン
クリフ                         レオ・ロッシ
サリー                         アン・ハーン
ポール・ルドルフ             カーメン・アルジェンツィアノ
ボブ                           スティーヴ・アンティン
ラリー                         トム・オブライエン
ポールセン                    ピーター・ヴァン・ノーデン
ダンカン保安官               テリー・デヴィッド・ミュリガン
ダニー                         ウッディ・ブラウン
ウェンライト弁護士           スコット・ポーリン
カート                         キム・コンドラショフ

 

予告編

 

 

あらすじ
夜の酒場「Mill」から飛び出して来た青年が公衆電話から警察へ「レイプされている」との通報。その直後に半裸の若い娘が店から飛び出して、通り掛かった車を止めて逃げる。
女性の名はサラ。病院に駆け込み、レイプ検査を受ける。女性検事補のキャサリンがこの事件を担当する事になった。

 

この晩サラと一緒に飲んでいた「Mill」で働くサリーの証言で、レイプを行ったボブ、カート、ダニーの三人が逮捕された。だがボブはすぐに保釈される。
レイプ当時にサラは酒と共にマリファナもやっており、裁判になった時に弱みとなる。キャサリンはその事をサラに説明するが納得しない。

 

キャサリンは勝てないと判断し、弁護側の取引に応じて強姦罪から過失傷害罪への格下げ。これによれば最高刑は5年だが、このケースだと一年足らずで出所出来る。
こうして出た判決をTVで知ったサラは、キャサリンの家に乗り込み怒りをぶちまける。だがキャサリンにはその心の傷が見えなかった。
サラは髪を切り、同棲していたラリーも追い出す。


ある日レコード屋で品定めをしているサラに声をかける男がいた。しつこくつきまとい、あの晩の事を話す。あの日野次馬として犯人たちをけしかけていた。
車で帰ろうとするサラの行先を自分の車で封鎖し、笑う男。逆上したサラは自分の車を何度も男の車に体当たりさせ、自らも怪我を負う。

 

サラを見舞ったキャサリンは初めてサラの心の傷を理解する。

その犯行現場には犯人をはやしたてて煽る野次馬たちが居た事は知られていた。サリーの証言でも腕にサソリの入れ墨をした男が居たとの話も。
キャサリンは、刑が確定してしまった者は仕方ないが、野次馬としてそそのかした者を罪に問う事が出来るとサラに話す。

サラはそれに同意し、裁判への出席も決心した。

 

事務所の上司は、勝っても負けても得にならないと忠告。だが告訴に突き進むキャサリン。
キャサリンは再度サリーに頼んで、あの晩野次馬として見物していた者たちを特定した。もちろんその中に、サラにつきまとった入れ墨男、クリフも入っていた。

 

サリーをサラ側の証人にしようとキャサリンが詳しい話を聞くと、あの晩酔ったサラが、店に入って来たボブを見掛け、寝てみたいと口走っていた。冗談だとサリーは言うが、被告側の証人にされかねず、キャサリンは怒る。逆ギレしたサラだが、その後もう嘘をつかないと謝る。

 

別の証言を引き出さなくてはならず、キャサリンはあの晩通報した青年を探そうと店に行く。そこで犯行現場近くにあったゲーム機のスコアに目をつける。犯行当日に最高のスコアを上げた者のニックネームが「KEN」。ボブと同じ大学と当たりをつけて生徒の名簿を繰っていくうちにケネス(ケン)・ジョイスという名前を見つける。
最初は知らないと言っていたケンだが、録音された通報の声を聞かされ、裁判で証言する事を了承する。

 

刑務所へボブの面会に行ったケン。ボブに裁判での証言の事を話すが、絶対証言するなと叫ぶボブ。次の裁判で強姦そのものが立証されれば、判決の出た刑の最高である五年がボブに課せられる。
サラとキャサリンの居る法律事務所で、証言は出来ないと言うケン。

サラとケンとの会話。

 

裁判が始まり、サラが証言するが、被告側の弁護士の巧みな話術で、不利な状況に。
次の証人としてケンが出廷した。ケンの客観的な証言で、事件の前にサラとボブが意気投合しており、サラがピンボール機の前で男たちに挑発的な行動をとっていた事も明らかに。
だがその後の強姦の状況はひどいもので、クリフらのはやし立てに乗せられて強姦を行った者もいた。

最終的に、はやし立てた者が有罪という判決が出され、勝訴を勝ち取ったサラとキャサリン。

 

感想
何度か観ているが、最近またTV放映された。
被害には遭ったが品行方正とは言い難いサラと、エリート検事補のキャサリン。職業上、オモテには出さないがサラを軽く見るキャサリン。その思い入れのなさが司法取引に向かわせる。
この辺りの後悔とその後の巻き返しは、このドラマの見どころ。

 

レイプは、される側にも落ち度がある、そんな当時の世の風潮に対し「犯罪は犯罪」と、本来難しいと言われる暴行教唆を立証したこの映画は貴重な存在。

 

ケリー・マクギリス。「トップガン」でとびきりのイイ女を演じたが、今回は色気を完全封印しての知的な演技。もっと活躍すると思っていたが、その後の代表作というのがあまり記憶にない。

 

 

ダンケルク   2017年

$
0
0

監督・脚本・製作  クリストファー・ノーラン
音楽 ハンス・ジマー

 

キャスト
トミー             フィン・ホワイトヘッド
ピーター           トム・グリン=カーニー
コリンズ                 ジャック・ロウデン
アレックス               ハリー・スタイルズ
ギブソン                 アナイリン・バーナード
ウィナント陸軍大佐     ジェームズ・ダーシー
ジョージ                 バリー・コーガン
ボルトン海軍中佐       ケネス・ブラナー
ミスター・ドーソン       マーク・ライランス
ファリア                  トム・ハーディ
救助された英国兵       キリアン・マーフィー

 

予告編

 

 

あらすじ
イントロのテロップで「防波堤 1週間」、「海 1日」、「空 1時間」と出る。
<陸>
フランスの港町ダンケルク。英、仏両国の兵士40万近くがドイツ軍に追われて海岸線まで押し込まれていた。

 

 

英国二等兵のトミーは数名の者と一緒に敵の砲火から逃れていた。背後から狙撃を受け、一人だけ助かったトミーは友軍の陣営に何とか逃げ込む。
海岸線に辿り着くと、おびただしい数の兵士が列を作って回収用の船を待っていた。その列の後ろに並ぶトミーだが、決まった部隊の専用であり排除される。
そんな中、ドイツ軍のユンカースJu87スツーカに襲われて、海岸にいた兵士が銃・爆撃で命を落とす。
用を足そうと草むらに行ったトミーは、兵士を埋葬しようとしている若い男に出会う。水筒を手渡す男(ギブソン)。まともな手段では船に乗れない。トミーと男は瀕死の兵士を担架に乗せて病院船に走る。途中で桟橋がメッサーシュミットに襲われ多数の兵が死ぬ。

 

 

その間をすり抜けて担架ごと辛くも乗船するが、ウソがばれて二人とも船から追われる。
だが諦め切れない二人は桟橋の足場に隠れて次の機会を待っていた。そんな時に次の敵攻撃があり、爆撃を受けた病院船は沈没。その船から脱出して来たアレックスを助け上げる。

 

桟橋から兵士たちを送り出す役目を担うボルトン海軍中佐とウィナント陸軍大佐。海軍の立場は英国兵のみの救助だが、陸軍の心情としては仏軍兵士も助けたい。
沈没した病院船からの乗り換えの船に乗る兵士たちに、何とか紛れ込むトミーとギブソン。

<海>
チャーチルの呼び掛けで、民間船も兵士の救助に駆り出される。ドーバー海峡を渡ってダンケルクまで。
自船を供出する準備を進めるドーソン。息子のピーターに救命胴衣の積み込みを指示。ピーターの友人のジョージも同行を申し出る。海軍の支配を受ける前に船を出すドーソン。

 

航行の途中で、転覆した船の上に座り込んでいる男を助けるドーソン。男は陸軍の服装をしていたが、一言も話さない。しばらくしてからこの船がどこに向かっているかと聞く。「ダンケルク」とドーソンが答えると、あそこはもうダメだから止めろと言った。だがドーソンの意思は固い。男はダンケルクからの避難船の指揮官だった。Uボートによる魚雷攻撃を異常に恐れていた。
男は船の梶を奪おうとドーソンにつかみかかる。それを止めようとしたジョージが階下の船室に突き落とされた。頭を打ち出血するジョージを介抱するピーター。

<空>
洋上を飛ぶ三機のスピットファイア。敵メッサーシュミットに遭遇し、空中戦の末撃退。だがそのために隊長機が墜落。生死が判らない。残る二機でダンケルク方面に飛ぶ。ファリアの操縦する機が燃料計の故障であり、コリンズ機の残量を聞きながらの飛行。
再び爆撃機とそれを護衛する二機のメッサーシュミットに遭遇しコリンズがメッサー一機を撃墜するが、自機も攻撃を受けて飛行を続行出来ない。眼下にドーソンの船が見える。海上に不時着したコリンズだが風防が開かず、銃で叩くが割れない。機体がどんどん沈む中、ピーターが棒で風防を割ってコリンズを救出する。


何とか乗り換えた船で一息つくトミー。アレックスが「ギブソンはどうした」と聞く。ギブソンは船外にいた。
そこへ一本の航跡が走って来る。魚雷の攻撃を受けて船は沈没。ギブソンが開けた扉を通ってトミーは辛くも脱出する。
夜の海でボートを見つけるが満員で乗船を拒否される。その船のリーダーだったのがドーソンの船に助けられた男。
海をさまよいながらも何とか海岸に辿り着いたトミー、ギブソンとアレックス。結局そこはダンケルクの海岸だった。

 

隊を組んで歩く数名の若者を見つけて駆け寄る三人。行く手にある座礁した小型船に向かっていた。満潮になれば動けるようになる。船に乗り込んで満潮を待つ者たち。物音がして、乗り込んで来た者を捕らえると、元々この船に乗っていたという船員。その船はオランダ船籍だった。
なおも待つうちに満ち潮が始まるが、船が銃撃を受け、船底に穴が開いて水が入って来る。ドイツ兵が標的として面白半分に撃っていた。誰かを外に出して浮力を上げ離岸しようという事で、一言も話さないギブソンが皆からスパイだ、と責められる。実はギブソンはフランス兵で、たまたま死んでいた英国兵の軍服と識別票を身に付けていた。いずれにしても後から来た三名が追い出される運命。その時に船が離岸して、船員がエンジンをかけた。
そこでドイツ兵からの集中攻撃。船はたちまち浸水して、皆は脱出。
その先に輸送船が見える。

兵士を多数乗せた輸送船から海に目を移した時、大小さまざまな民間船団の姿が。中にはヨットまで居る。感激する兵士たち。

 

一人だけになったスピットファイアのファリア。爆撃機を追うか、帰投するかの迷い。その先には輸送船。決心してまず爆撃機を護衛するメッサーを攻撃して撃ち落とす。だが爆撃機による攻撃で輸送船は浸水して横倒しとなり、トミーらの前で沈没して行った。
その後爆撃機を撃墜したファリアだが、燃料切れでプロペラが停止する。

 

海岸に向かっていたドーソンの船は、輸送船からの脱出者を助け始めた。船室にも入るよう指示する時、ピーターがジョージを心配して「病人に気をつけて」と言うが兵士は「もう死んでいる」。
最初助けられた男も兵士たちの救助に手を貸すようになり、自分が傷付けたジョージの事をピーターに聞くが、ピーターは「大丈夫」と答えて父を見る。わずかに頷くドーソン。

 

新たな輸送船へ兵士たちを乗り込ませていたボルトンとウィナント。音が聞こえて空を見上げる。その前にドーソンたちもそのメッサーに気付いていた。ドーソンの船が目標の輸送船と同軌跡にあり、銃撃を避けるためには急降下の時点でかわさなくてはならない。タイミングを見計らって操舵の指示を出すドーソン。船はギリギリで銃撃を逃れたが、その先には輸送船があり、爆撃される。
万事休す、と思われた時、メッサーが唐突に撃墜された。滑空状態のファリアの機が撃ち落としたのだ。兵士らから大きな歓声が上がる。

 

ドーソンの船は兵士を回収しながらも、落下する機体を見て、全速でその場からの離脱を始める。回収寸前で船べりにへばりついているトミー。そのうちに敵メッサーが墜落して、海上に漂う重油に火がついた。あっという間に燃え広がる炎。ドーソンの船は辛くもその火から逃れた。その後やっと船上に引き上げられるトミー。

 

滑空状態のファリア機。油圧が効かないため、手動で脚を出して砂浜に着陸。敵の手に渡らないよう機体を燃やし、その後ドイツ兵に捕らえられる。

ダンケルクの桟橋。小型の船舶に乗り込もうとするウィナント陸軍大佐。この時点ではもう、階級、国籍などは問われなかった。桟橋の上からウィナントを見送るボルトン。今後はフランス兵を帰還させなくてはならない、と。

 

イギリスに戻り着いたトミーとアレックスは列車に乗っていた。アレックスは自分らが逃げ帰った者として市民から糾弾される事を恐れていたが、トミーが読む新聞記事には、チャーチルがその撤退作戦を称えていた。
ドーソン家でも新聞を読んでいた。ジョージの死を、民間人が関わった救助の中での名誉としてドーソンが知らせていた。


感想
最近観た戦争映画と言っても「硫黄島からの手紙」ぐらいか。もう10年以上経つ。こんな時期にWWⅡバリバリの戦争映画をクリストファー・ノーランが作ったのだから、ほんと驚き。
前評判も高く、デブヤマさんの「120bpm」も気になって日曜に視聴。

 

陸、海、空という三つの視点から次第に収斂していく人間模様、という組み立ては「インセプション」の夢の階層の描き方にも似て、ノーランお得意の手法。ただ、ネタバレサイトである程度承知していても「アレ?」と思う事があり、キチンと

理解するにはもう一回観る必要があるかも。
ハンス・ジマーの音楽は、本当に映像とマッチしているというか、緊張感、不安感を実にうまく引き出す。

 

物語全体を見渡した時の主人公はトミーだが、行く先々で乗った船が沈没し、全くかわいそうな事この上ない。瀕死の兵士を使って病院船に潜り込もうとするくだりは「卑怯やなー」とも思ったが、生き延びるために何でもやるという執念には共感出来る。

ドーソンの船で起きるドラマも痛々しい。ドーソン自身、徴用されたとはいえ自発的な行動だからこそ海軍関係者の同行を拒み、さっさと出発してしまう痛快さ。
せっかく助けた男に息子の友人を殺されてもなお、彼を許す心の広さ。いろんなエピソードが胸を打つ。

実写にこだわっているという事で、あのデカい病院船や輸送船を本当に沈めてしまうとこも、そうだったんだろうか・・・・
砲撃で桟橋が吹っ飛ばされる場面も、実写ならではの迫力。確かに観ていて息苦しくなるほど。


感心しているばかりでも私らしくないので多少突っ込みを

英国軍機のメッサーシュミット三機は本物だそうです。まあ、飛行機好きにとってはこの機体が実際に飛ぶ姿を観られるだけで金払う価値があるというものです。

 

不時着シーンのハリボテはイマイチ。着水時に一瞬翼端がバタついてニセモノ感がアリアリでした。

ユンカース・スツーカのアップのシーンがほとんどなかったので、これはさすがに実機はなかったのかな?
メッサーシュミットは実機ではないですね。イスパノ HA 1112の塗装変更でやっつけたみたいです(前が本物)。

 

 

しかし、最後にプロペラが止まってからも延々とグライドを続け、敵のメッサーまで撃ち落としてしまうのはいくらなんでもあり得ない。このテの機体でプロペラが止まったら、滑空比10も厳しいだろう。あの高度なら20秒もすれば落ちる。
従って不時着時にあの高度から脚出しを試みてそれが叶わず、手動で出してから着地・・・・なんてのはファンタジーでしかない。
あの絵がほしいのなら、最後までエンジンは生かしておかなければならない。

 

それから捕虜になる前にスピットファイアを火葬にするシーンがあるが、この機体は全金属製であり、あんな燃え方は絶対にしない。この辺の考証はしっかりやらないと(ハリボテをそのまま燃やしちゃったのね)。

 

まあ、そんな事は大した話ではないけど、総合評価としてはかなり上位に来る映画でした。
ダンケルクの撤退(ダイナモ作戦)の詳細はネット検索でいっぱい出て来るため割愛します。

 

出演者の覚え
ジェームズ・ダーシー  エージェント・カーターの執事ジャーヴィス
キリアン・マーフィー  インセプションの、社長の息子(ロバート)
トム・ハーディ      レヴェナント のフィッツジェラルド

 

 

 

NHK クローズアップ現代+「あなたのパソコンが危ない 追跡!謎の新型ウイルス」8/3放送

$
0
0

番組詳報

 

いささか旧聞に属するが、ちょっと重要であり備忘録としてアップ。
新型ウイルス「ワナクライ」。ネットに繋がっているだけで感染。
感染の秘密:Windows OS の脆弱性を狙ったもの(ポート445のバグに対するアタック)。
どこから来たのか:有力説はNSA(国家安全保障局)。世界中の市民パソコンに忍び込み監視を行う。この中で開発された攻撃ツールが流出したか。
Windows社はワナクライ攻撃の2ケ月前に更新プログラムを配布→対策洩れの機器が被害を受けた。

次世代の暗号開発→素数とベクトルの融合により解読計算量が飛躍的に増大。

 

感想
セキュリティソフトは、プロバイダ提供のものをそのまま使っており、今のところ脅威あるプログラムを検出した事は一度もない(軽いものはエッチサイト等で時々遭遇)。
最新のセキュリティを常にアップデート。これしかない。

 

 

エイリアンシリーズ

$
0
0

エイリアン コヴェナントが公開になるので、ちょっと「エイリアン」のおさらいを。

 

題名      公開年        年代設定(西暦)
エイリアン   1979年        2087年
エイリアン2   1986年        2144年
エイリアン3   1992年        2155年
エイリアン4   1997年        2355年
エイリアンVSプレデター 2004年    現代
AVP2エイリアンVSプレデター 2007年  現代
プロメテウス   2012年        2093年

 

プロメテウスは以前紹介済→こちら

 

 

エイリアン  1979年

 

監督 リドリー・スコット

 

キャスト
ダラス船長      トム・スケリット
リプリー       シガニー・ウィーバー
ランバート      ヴェロニカ・カートライト
ブレット       ハリー・ディーン・スタントン
ケイン        ジョン・ハート
アッシュ       イアン・ホルム 
ジョン        ギルバート・ケイン

 

予告編

あらすじ
西暦2087年、宇宙貨物船ノストロモ号。乗員7名。鉱石を積んで地球に帰還途中に電波信号を受け、貨物を切り離して発信源の小惑星に向かう。

 

船長を含む三名で調査に向かい、U字型の宇宙船と、その中に居た宇宙人の化石を発見する。その宇宙人の腹には穴が明いていた。
船底から下に続く穴を見つけケインが調査に入ると無数の子供の背丈ほどの卵。殻の中から透けて動くもの。ケインが覗き込むと何かが飛び出す。

 

調査の三名が戻る。リプリーが防疫上危険だと拒むが、アッシュがエアロックを開ける。ケインのヘルメットが割れ、彼の顔にカニの様なものが貼り付いてい

る。ケインの生体反応は異常なし。それを剥がそうとメスを当てると、液が飛び出し強烈な勢いで床を溶かし始める。慌てて階下に行くと、そこも突き抜けて

腐食が更に階下へ。三層目ぐらいでようやく腐食が止まる。
そのゴタゴタが一段落して戻ると、ケインの顔のカニは外れており、死んでいた。リプリーはその死骸の廃棄を主張したが、元々会社との契約では知的生命体に関する情報収集も含まれていた。

 

ノストロモ号は小惑星を離陸し、貨物とドッキング。その後ケインは意識を取り戻し、皆と一緒に食事を摂っていた。その時突然ケインが苦しみ出し、彼の腹

を食い破って短いヘビの様なものが飛び出して部屋の外に逃げ出す。

事態の深刻さを皆が認識し、手分けして捜索するが、脱皮を繰り返す事でより凶悪になったエイリアンは、一人ずつ乗員を襲って行く。
船長まで襲われて死亡した事で団結力を失ったチーム。そんな中でアッシュだけが冷静。リプリーはコンピューター室に籠ってAIの「マザー」に一連の質問を

投げた。
会社は最優先事項として生きているエイリアンの捕獲・回収を目的としていた。そこにアッシュが現れ、八つ当たりでリプリーが暴力をふるうと彼の額から白

い液が垂れた。アッシュはアンドロイドだった。回路に異常をきたし、リプリーに容赦ない攻撃を加えるアッシュ。クルーが駆け付け、アッシュをバットで何

回も殴ると、アッシュの首から上が外れて倒れる。

 

音声回路のみ修理されたアッシュが真相を語る。元々会社はエイリアンの捕獲と回収を目的としており、そのためにはいかなる犠牲も払うとしていた。
残ったクルーは三人。本船は爆破、脱出艇で逃れる計画を立てるが、リプリー以外の二人が餌食になった。

 

一人残されたリプリーは猫のジョーンズをケージに入れ、自爆装置を起動させて脱出艇に向かうが、その行く手にエイリアンが居た。自爆装置を解除しようと

するが、もう止められない。決死の覚悟で脱出艇に向かうと、幸いエイリアンは居なかった。ジョーンズと共に脱出艇に乗り込み発進。その後本船は爆発。

地球に帰還するためのコールドスリープをセットし、ジョーンズを入れ、ボタンを押そうとした時、エイリアンの手が伸びて来る。反射的に狭い部屋に逃げ込

むリプリー。そこは宇宙服を収納している部屋だった。リプリーは注意しながら宇宙服をセットし、ボウガンを手に部屋を出る。
エイリアンが隠れている所のバルブを操作してガスを噴射させ、外に誘い出しでエアロックを開く。真空に引かれてエイリアンが船外に出そうになるが、手足

でふんばり堪えている。そこにリプリーのボウガン。だが紐が絡まってエイリアンはまだ船外に。
リプリーは艇のエンジンを起動してエイリアンを吹き飛ばす。

全てが決着し、リプリーは状況説明のメッセージを録音して、ジョーンズと共にコールドスリープに入った。

 

感想
「エイリアン」という言葉が市民権を持った最初の映画だろう。その後のエイリアンものは多かれ少なかれ、この影響を受けている。
ノストロモ号の造形が好きだった。
ケインの腹からエイリアンが出て来た時には、本当にびっくりしたのを覚えている。

 

突っ込みどころとしては・・・
指令室の表現はそこそこ頑張っていたのに、コンピューター室は電球ビッシリの何とダサい事。「2001年宇宙の旅」のHAL9000だってもっとマシだった。
リプリーのショーツ姿に萌え~(コールドスリープ装置に入るため、下着姿になる演出がGOOD)。

 

 

エイリアン2(原題:ALIENS)  1986年

 

監督・脚本  ジェームズ・キャメロン

 

キャスト
リプリー   シガニー・ウィーバー
ニュート   キャリー・ヘン
ヒックス   マイケル・ビーン
ビショップ   ランス・ヘンリクセン 
バーク    ポール・ライザー
ゴーマン   ウィリアム・ホープ
バスクエス  ジェニット・ゴールドスタイン
ハドソン    ビル・パクストン

 

予告編
あらすじ
西暦2144年。脱出艇で宇宙を彷徨っていたリプリーと猫のジョーンズは地球圏の宇宙ステーションに回収される。あの事件から57年間も経っていた。ウェイラ

ンド・ユタニ社の社員バークがリプリーのサポート担当。
リプリーはノストロモ号と積荷を爆破した事の罪を問われていた。彼女は体験した事件の説明をするが信用されない。リプリーらが向かった小惑星(LV 426)

は20年ほど前から移住の対象として開発が進み、大気も作られ数十家族が生活しており、特に異常な報告がなかった。
結局リプリーは航海士の資格剥奪の上、精神科の治療、その後の荷役作業を命ぜられた。

 

小惑星(LV 426)に住むジョーダン一家。趣味の宝探しに出かけた先でU型の宇宙船を見つける。夫妻でその中に入った後、夫が顔をあのカニに覆われてしまう。車に帰った父親を見て悲鳴を上げる少女。
それからほどなくして小惑星からの通信が途絶えた。

 

バークが海兵隊のゴーマンを連れてリプリーを訪れる。連絡が途絶えた小惑星へ調査に出掛けるため、リプリーにアドバイザーとしての同行を求めた。条件は

航海士の資格復活。最初は断ったリプリーだが、毎夜腹からあの怪物の幼生が出て来る夢から逃れられず、エイリアンとの対峙を決心。

 

宇宙船のスラコ号。コールドスリープから目覚めるリプリー。周りは屈強な海兵隊員。女性も居るが男勝り。リプリーがエイリアンの恐ろしさを力説するが、

腕力に自信がある者ばかりで本気にしない。
クルーの中のビショップがアンドロイドと知ってアッシュを思い出し、毛嫌いするリプリー。
降下艇で小惑星に降り立った兵士たち。輸送車で住民棟に入るが人の気配がない。
隊の調査が進む中、移動物体が確認され、エイリアンかと思われたが少女ニュートだった。通風管を逃げ回って生き延びていた。
リプリーが床面の腐食を見てエイリアンの体液と気付き、皆を撤退させようとするが、聞き入れられない。リプリー他少数のみ車に残り、皆住居棟を先に進む。
更に進む隊の前に、住民たちが樹脂のようなもので塗り込められた壁が出現。エイリアンが作った繭だった。その中の女性の腹からエイリアンの幼生が飛び出す。驚いて火炎放射器で兵が焼き払うと、それをきっかけに周囲にいたエイリアンの成体が多数起き出して大パニックに。

リプリーが「撤収を!」と叫ぶがゴーマンはショックで指示が出せない。ゴーマンをどかしてリプリーが輸送車を操縦し、救援に向かう。隊は全滅状態で、や

っと三名を回収出来た。
救出のための降下艇が相次いで墜落し、逃げる手段を失ったクルーはいったん住居棟へ。

 

こんな状況でもバークはエイリアンを地球に持ち帰ろうとしていた。ウェイランド社の意思。
母艦にある降下艇を遠隔操作で呼び寄せる案をリプリーが出すが、それには電波塔まで行かなくてはならない、ビショップがその役を申し出る。

 

医務室で休んでいたリプリーとニュート。気付くと部屋がロックされていた。そして瓶詰めになっていた筈のカニ形態のエイリアンが遅いかかる。とっさにリ

プリーがスプリンクラーを作動させてクルーに知らせ、辛くも助けられる。
やったのはバーク。リプリーとニュートに卵を寄生させて持ち帰ろうとしていた。その追及をしている時に停電となり、次いでエイリアンが襲って来る。
通風管に詳しいニュートの案内で逃げ延びるクルーたち。だが途中で逃げ遅れたクルーが皆を助けるために自爆。そのあおりでニュートが下水道に落ちる。

ニュートはエイリアンに連れ去られたが、すぐには殺されないと判断したリプリーは、発信器を頼りにニュートを捜しに行く。途中、繭にされたバークが助け

を乞うが、自爆用の手榴弾を手渡すリプリー。
ニュートを何とか見つけてビショップが確保した降下艇に向かおうとしたが、エイリアンの卵がびっしり植え付けられたエリアを見つける。その先にはクイー

ンが次々と卵を産んでいた。

 

卵を全て焼き払い、クイーンをマシンガンで銃撃するリプリー。だがクイーンは自分を拘束している産卵管を切り離して追ってくる。
エレベーターで上がる二人だが、クイーンも併設のエレベーターで後から追って来る。屋上に出ても降下艇がいない。
クイーンが出て来て万事休す、というところで降下艇が現れ、ようやく回収される二人。

 

スラコ号に戻ったリプリーたち。素直に礼を言うリプリー。だが降下艇のそばで一息ついている時、突然ビショップが吊り上げられた。エイリアンのクイーン

だった。ビショップが胴体から真っ二つにされて床に放り出された。
リプリーは、とっさに荷役用のロボット式ローダーに乗り込んで応戦。ほぼ互角の戦いの中で、エアロックのエリアに一緒に落ちる二体。何とか脱出して梯子

を上るリプリーの足をクイーンの腕がつかんだ。エアロックを開けて梯子にしがみつくリプリー。エアロックに引きずり込まれようとするニュートの体をを上

半身だけのビショップが支えた。
クイーンを振り切って船外に追い出し、エアロックを閉じるリプリー。

コールドスリープ装置をセットして生き残りの者たちを寝かせ、最後にニュートと共に眠りにつくリプリー。
エンドロールの後、カサカサいう音(例のカニが動く音?・・・・)

 

感想
「続編は駄作」と良く言われるが、そんな中でも健闘している方か。
前作からの連続性が高いが、実際には57年後の世界。前作のエンディングでは「絶対猫に感染している」と思っていたが、全く違う展開だったのに驚いた印象がある。
エイリアンがウジャウジャ出て来ていささか食傷気味になったが、今作のエンディングでもまた続編を思わせる映像・・・

 


エイリアン3  1992年

 

監督 デヴィッド・フィンチャー

 

キャスト
リプリー     シガニー・ウィーバー
ディロン     チャールズ・S・ダットン
クレメンス    チャールズ・ダンス
ビショップ    ランス・ヘンリクセン
アーロン     ラルフ・ブラウン

 

予告編

あらすじ
西暦2155年。コールドスリープ中のリプリーを乗せた宇宙船スラコ号内で火災が発生し、非常脱出機でリプリーらが自動的に排出される。
脱出機は囚人を収容している刑務所惑星フューリーに墜落。ここでは金属精錬、メタン精製を行っている。囚人はみな男性で、看守合わせて25名。
医務室で目覚めるリプリー。生存者は彼女一人。医務主任のクレメンスが状況を教えた。

死亡した乗員は囚人の手で回収され、所長のハロルドは治安の維持に腐心する。

 

リプリーは事故の原因がエイリアンのせいだと思い、遺体の確認をしたいと申し出る。遺体の中のニュートの体を細かく調べ、解剖を依頼する。クレメンスは

訝りながらもそれを実行し、最後には胸まで開いた。何も出ず安堵するリプリー。

 

外から死んだ牛が搬入され、吊るされていた。他方で死亡者たちの葬儀が行われ、ハロルドが聖書を朗読した。同じ頃、牛の体から這い出したエイリアン。四

つ足だった。

刑務所内にはシラミが蔓延しているため、リプリーも坊主頭にされる。事件を本社に連絡したハロルド所長。本社から最高レベルの機密を要求され、クレメン

スにリプリーの監視を命令。
そんな中で、所内に謎の不審死が散発。

 

リプリーはゴミ捨て場にあったアッシュの残骸を回収。最低限の修理をして何とか会話可能にし、脱出機のフライトレコーダー解析を頼む。火災の原因は電気

系統のトラブル。エイリアン的なものが居なかったかと聞くリプリーに「ずっと一緒だよ」。
船内で起きた事は全て本社(ウェイランド社)にデータとして送られていた。ビショップの願いを聞き入れ、電源を落とすリプリー。

 

その後も不審死は起き、リプリーがエイリアンの話を所長にするが、信じられず監禁される。リプリーに自分の身の上話をするクレメンス。だがその直後クレ

メンスがエイリアンに襲われる。牢が破られリプリーも襲われそうになるが、何故か素通り。

所長も襲われていなくなり、副官のフランシスが指揮を執ることになるが、結局リプリーを頼ることに。
防衛体制を築くが、少しづつメンバーが減って行く。
手にしびれを感じたリプリーは、検査をしようとX線スキャン台に乗る。フランシスがそれを手伝う。「寄生組織あり」との診断に愕然とする。前の船で既に

寄生されていた。それもクイーン。
その画像は本社にも送られていた。次いで2時間後に医務班が到着するとのメッセージ。

 

残ったメンバーでエイリアンたちを抹殺しようとするが、なかなかうまく行かない。おびき寄せて溶けた鉛のドブ漬けにしても出て来る。だがその直後に水を

掛けたら破壊された。
そんなところへ本社の医務班が現れる。その中にビショップがいた。リプリーはアンドロイドの複製と思ったが、設計者本人だった。エイリアンを手術で取り

出すと言うが信用しないリプリー。
本社の人間が護衛していた男の足を撃って脅すが、リプリーは溶鉱炉の上までクレーンを移動させ、そのまま落ちて行った。


感想
とにかく「暗い、きたない、色気ない」。なんせ男だけの刑務所だし。
ちょっと目新しいのは四つ足のエイリアンだが、これって寄生する個体の種類に左右されるという事?けっこう生体科学の深いところを突いているような気も

するが、そこまでは深く掘り下げていない。
「ウェイランド社」この会社、日系企業という設定らしい。

さすがにこの続編は「健闘している」とは言い難いナ・・・・・

 


エイリアン 4(原題:Resurrection) 1997年

 

監督 ジャン=ピエール・ジュネ

 

キャスト
リプリー(8号/7号)      シガニー・ウィーバー
コール            ウィノナ・ライダー
ジョーナー          ロン・パールマン
ブリース                    ドミニク・ピノン
ベレス                      ダン・ヘダヤ
ドクター・レン              J・E・フリーマン
ゲディマン                  ブラッド・ドゥーリフ
クリスティー                ゲイリー・ドゥーダン
エルジン                    マイケル・ウィンコット

 

予告編

あらすじ
3作目の事故から約200年後。連合軍の医療用宇宙船「オリガ」号内での手術。船長のペレス。リプリーの姿をした女の腹から取り出されるエイリアンの幼生。
女はその後腹を縫合されて別室に移された。目覚ましい回復力により、数日で普通の体に戻る。記憶はなく知能程度も低かったが、教育には良く適応してすぐ知識を身に付けた。肘裏に8の印字文字。

女はリプリーのクローンだった。前回溶鉱炉で投身自殺する前、彼女の血液が採取されており、それを使ってクローン再生の実験が繰り返されていた。彼女は

8体目にしてようやく成功した例。
当時のウェイランド社はもう存在していなかったが、エイリアンの情報は引き継がれ、エイリアン・クイーンを軍事だけでなく医療の面でも活用しようとして

いた。エイリアン・クイーンは育てられて卵を採取される。女はリプリーの記憶を一部継承しており、その後の学習との組み合わせで、悲惨な結末を予感して

いた(以後彼女をリプリーと表記)。

 

民間輸送船「ベティ」号がオリガ号に寄港。ある物体を積んで来た。
その物体はコールドスリープされた人間。12体が降ろされ、エイリアンのカニに寄生される宿主となった。
船体メンテのため二日間の滞在が必要であり、クルーの五人の一人が体育館でバスケをするリプリーに絡む。体力で負けていないリプリーだが、殴られて少し出血する。落ちた血で床が腐食。ベティ号の女性技師コールが立ち去るリプリーを追う。

 

部屋で寝ているリプリーをナイフで襲うコールだが、それに気付いて制止するリプリー。リプリーの胸の傷を見て、もう手遅れだと言う。ここで行われている

実験の事を知っていた。
コールが部屋を出たところで兵たちに拘束される。容疑はテロリスト。だがベティ号のクルーはこの研究所の秘密を知らない。

飼育されていたエイリアンは、学習により自らの血を使って檻を溶かして脱出。船内に飛び出した。兵士らはあっと言うまに全滅。

 

危機に陥ったメンバーをリプリーが助ける。脱出のためベティ号に向かう途中、リプリーが「7」と扉に書かれた部屋に入ると、一部リプリーの面影を残した

化け物の様なものがアルコール漬けにされていた。クローン実験の過程での失敗作。奥から声がしてリプリーが行くと、そこには下半身がエイリアンとなり、

腕も変形したリプリー(7号)が生命維持装置に繋がれていた。
「お願い、殺して」の言葉に泣きながら火炎放射器を向けるリプリー。その他の実験体も全て焼き払った。
リプリーはこの実験を行ったドクター・レンを責めるが、コールが止め、代わりに彼を殴りつける。

 

ベティ号に向かう途中でも続く攻防。水中を泳げるエイリアン。逃げる途中でレン博士がコールを撃つ。水面に落ちるコール。
なおも皆を率いて逃げるリプリー。行き止まりとなった先の扉が開いた。コールだった。彼女は撃たれても死なない→アンドロイドだった。
レンらの、エイリアンに関する政府と軍の取引を知って、計画を阻止しようとした設計者が、リプリーとエイリアンを抹殺するようプログラムされていた。
コールを通じてホストコンピューターに打ち手を尋ねるリプリーだが、自爆エネルギーが不足。また船体はプログラムにより地球への帰還コースを取っている。

ベティ号を前にしてリプリーがエイリアンの群れの中に落ちる。皆は諦めて前に進む。

 

リプリーはエイリアンに運ばれてクイーンのところまで届けられた。そこには繭にされたもう一人の学者ゲディマンも居た。リプリーとエイリアンのDNAが混じった事で、今後は宿主なしでもエイリアンを産み出す事が出来るという。今まさにその時だった。
生まれた者は、ヒトの顔だちに少し近く、血液は赤かった(新種)。
クイーンは新種に殺されたが、リプリーを母親と思い舐め回す。新種がゲディマンを殺すスキにリプリーは逃げ出す。

 

一方ベティ号に乗り込んだコール他のクルー。離陸体制に入るが、まともに操縦出来る者がいない。そこにリプリーがギリギリで飛び込む。
だがリプリーの後に新種も乗り込んだとの情報。
リプリーは最終決着をつけるため、新種に近づきハグをする。そして自分の血でガラスに穴を開け、新種の体をそこに押し付ける。吸い付けられ、穴から体液

が漏れ出す新種。飛ばされないよう梯子につかまるリプリー。どんどん体液、内臓も漏れ出し、ついにガラスが割れて本体ごと吸い出された。エアロックを閉

じるリプリー。
オリガ号は大気圏に入る前に大爆発して消滅。ベティ号は大気圏突入に成功しリプリーは山の緑、海の青を見る。リプリーにとっては初めての星。


感想
リプリーの残された血液でクローンを作る・・・・・iPS、幹細胞等考えればやれない事はないと思うが、あの当時のアイデアとしてはかなりの飛躍。脚本家

の頭が相当柔軟だったのだろう。ただ、エイリアンの卵→幼生まで再生出来るというアイデアがまた飛躍(何でもアリやね)。

 

ただ、新種の死に方があまりにもショボいというか。ちょっと吸われたぐらいで動けなかったり、ましてや体液が出てしまうなんて「お前、そんなにヤワじゃ

ないだろうっ!」とツッコミ入れたくなる。

エイリアンと人間が融合したリプリーが、実は一番危険な存在だな。

 


エイリアンVSプレデター 2004年

2004年。南極のある地点に、巨大な熱源を人工衛星が感知。調査隊が行くと大きな人工の竪穴が地下深くまで通っていた。
地下には遺跡があった。ここはプレデターがエイリアンと戦うための競技場であり、成人の儀式として100年に一度開かれ、それに伴いエイリアンも復活。
プレデター3体による成人のための戦いに調査隊が巻き込まれる。
プレデターは勝利するが1人は死亡。隊員の一人レックスはプレデターの勝利に貢献した感謝として槍を受け取る。
遺体を連れてプレデターは宇宙船で帰還。だがその遺体にはエイリアンの卵が産み付けられていた。


AVP2 エイリアンズVSプレデター  2007年

前作で産み付けられた卵が孵化し、プレデターとエイリアンの特徴を併せ持つ者として船内で暴れ、宇宙船はコロラドに墜落。
海軍とエイリアンとの戦い。最終的にエイリアンは核爆弾で退治される。街は消滅。


AVPの二作は今までの1~4とは別物。

 

プロメテウス(再レビュー)  2012年

$
0
0

前回のレビューでは細かい部分までの認識がなかったが、今回「エイリアン:コヴェナント」公開にあたって「プロメテウス」のおさらいが必要だという事で再レビュー。「コヴェナント」はまだ観てません・・・・・

 

監督  リドリー・スコット
脚本  デイモン・リンデロフ

出演
エリザベス・ショウ      ノオミ・ラパス 
メレディス・ヴィッカーズ   シャーリーズ・セロン
キャプテン・ジャネク     イドリス・エルバ
デヴィッド           マイケル・ファスベンダー
ピーター・ウェイランド    ガイ・ピアース
チャーリー・ホロウェイ    ローガン・マーシャル 

 

予告編

 

ある惑星に降り立った異星人。小さい容器に満たされた黒い液体を飲むと体が黒く変異し始め、滝に落ちる。そして体が溶解して海中にDNAがばら撒かれた。
→これは人類が発生する前の地球に異星人が自らの遺伝子を地球に持ち込んだ、という事らしい。

 

2089年、考古学者のエリザベス・ショウとチャーリー・ホロウェイが新たな古代遺跡を発見。今まで複数の遺跡で発見された遺跡と共通する表記があり、人類の種の起源に関する謎を解く鍵が、惑星「LV 223」にある事を示唆。
ウェイランド社の募集により集まった科学者たちにより編成された調査隊が「プロメテウス」号に乗って「LV 223」を目指す。目的地まで4年間の冷凍睡眠。
同乗のデヴィッド(アンドロイド)はその4年間で宇宙人との交信のための言語研究に取り組んでいた。

 

2093年、冷凍睡眠が解除。「LV 223」が目前に迫る。乗組員は全員集合させられ、エリザベスが目的を説明(詳細を知っているのはエリザベスとチャーリーだけ)。エンジニアという宇宙人が存在し、彼らにより人類が創造されたという説。
プロメテウス号が直陸。複数の巨大な岩山。日没が迫る中、即席の調査隊を編成して岩山に向かう。

デヴィッドが途中で装置を発見して起動させるとエンジニア数体のホログラム映像が出て、その行き先の部屋の向こうに首のないエンジニアの死体が。
更にその先の部屋にエンジニアの首、円筒形の容器、無数のミミズ様の生物。
エリザベスはエンジニアの頭のみ持ち帰る。デヴィッドも秘密で円筒を持ち帰る。

 

持ち帰った頭部は調査の途中で破裂。検体のDNA解析は人間のそれと完全に一致。
デヴィッドは持ち帰った容器の中にあった黒い液体を酒に混入してチャーリーに飲ませる。
チャーリーはエリザベスと夜を過ごす。
岩山で迷子になった二人の科学者は尻尾の長い生物と遭遇して襲われる。

 

翌朝目覚めたチャーリー。右目から生きた異物が出るのを見つけるが、そのまま岩山の調査に出向く。
迷子だった二人を調査隊の一行が見つけるが、一人だけの遺体が残されていた。その遺体の口から異生物が飛び出して逃げる。
次いでチャーリーが体調を崩したため船に戻る。それを聞きつけたウェイランド社の責任者が、入船する前のチャーリーを火炎放射器で焼き殺す。気を失うエリザベス。

 

目覚めたエリザベス。チャーリーの異常に思うところがあり、体内スキャンをすると妊娠していた(実はエリザベスは不妊症)。その生命体は人間ではなかった。
船内の医療ポッドで帝王切開手術を行うエリザベス。出て来た生物はイカの様な外観。生物を医療ポッドに閉じ込め、腹の縫合を自分でやったエリザベスはそこから逃げる。

船内を彷徨ううちに、ある部屋に辿り着いたエリザベスは、死んだと聞いていたウェイランド社の社長、ピーター・ウェイランドに出会う。
ピーターはエンジニアの力で自分の死から逃れようと考えていた。
単独行動をしていたデヴィッドが、冷凍睡眠中のエンジニアを発見しており、ピーターらも連れてそこへ向かう。
眠っていたエンジニアを起こし、古代語で話しかけるデヴィッド。そしてピーターの寿命延ばしてくれる様に頼む。
怒ったエンジニアはデヴィッドの体を引き裂き、その場に居た者を殺害。エリザベスだけが逃げ延びる。

 

エンジニアは自分の宇宙船に乗り込み、地球を壊滅させるために離陸を始める。エリザベスは船長に連絡してそれを止めさせる様頼む。
船長はプロメテウス号をぶつけて離陸を阻止。宇宙船は墜落し、エリザベスの下へ落ちて来るが、辛くも脱出。

酸素補給のため、墜落したプロメテウス号の居住スペースに入るエリザベスだが、そこで自分の体から取り出したイカ生物が巨大化して部屋の中に居るのを見つける。
それと同時に墜落で死ななかったエンジニアも襲って来る。すんでのところでドアを開け、イカ生物をエンジニアにぶつける。のたうちながら戦う二体。
そのうちに二体とも動かなくなった。

 

エリザベスは破壊されたデヴィッドを回収して話せるようにする。デヴィッドは、宇宙船はもう一機あって、それで地球に帰れる、と説明。
だがエリザベスはエンジニアの星へ行くという。何故彼らが人類を作って、その上滅ぼそうとするのか、理由が知りたい、と。
飛び立って行く宇宙船。

 

エンドロール後の映像
イカ生物に殺されたエンジニアの腹から人の形をした幼生が現れる。


感想
「コヴェナント」視聴にあたって、そもそも「プロメテウスが」「エイリアン」の前日譚だという部分に引っ掛かっていた。初代「エイリアン」の設定は2087年。それに対して「プロメテウス」は2089年。完全に被っている。だがその後様々なコメントで、オリジナルの「エイリアン」との関連性は弱められているようだ。

 

とりあえずその点を「よし」として「コヴェナント」に繋がる情報としては、エリザベスとデヴィッドがエンジニアの星へ向かう、という話がどう展開するかという事。
ネタバレサイトがいろいろあるから、50%ぐらいは中味を掌握しているが、まだガマン、ガマン。

 

”アンダー・ザ・スキン 種の捕食”

$
0
0

デブヤマさんのレビュー読んでついフラフラと視聴。
そういえば、同じスカヨハの作品でも、コレの公開された2014年は「ルーシー」の方が注目されてて、こっちは限定上映だったんだろう。

 

監督  ジョナサン・グレイザー
音楽  ミカ・レビ

 

キャスト
スカーレット・ヨハンソン
ポール・ブラニガン

 

あらすじ
地球人の皮膚(Skin)を身にまとって人間を捕食するエイリアンの女。
車に乗って男に声をかけ、家の中の異空間に誘い込んで捕食する。そのやり方は沈み込む漆黒の床に男を取り込むもの。肉体は取り込まれ、皮膚だけが残る。
何度か成功した後、障害のある男を誘い込むが、その心の純粋さのためか、捕食を途中で諦める。男はそこから逃れるが結局死ぬ。

 

精神面で多少人間に同化し始めた女。レストランでケーキなど食べようとするが、体が受け付けない。
その後紳士的な対応をする男と性的な関係になりかかるが、自分の体の異常に気が付いて、思わず下半身をライトで照らして確認する。

 

森林作業員の男と知り合いになり、山小屋に案内されるが、うとうとしている間に襲われそうになる。
山に逃げる女。戻ってからトラックで逃げようとするがキーがない。
追って来る男に掴まり、衣服を剥がされるが、男は途中でひるむ。女の背中から黒いものが染み出していた。慌てて小屋に戻る男。

 

女が、裂けた背中に指を掛けて引っ張ると、右半身の皮膚がズルリと剥ける。そして頭を両手で掴んで下げると、髪と顔が丸ごと外れた。
その顔を手前に向けると、まだ生きた表情の女がこちらを向いている。

男が、持って来たガソリンを女にかけて火を点けた。燃え上がりながら走る女。そして倒れ、煙が立ち上る。


感想
何の予備知識もなく観たら、多分わけが判らないだろう。
ある程度判った上でじっくり鑑賞すると、なかなかの作品。先日観た「エクス・マキナ」の香りもするし「惑星ソラリス」のエンディングにも似た雰囲気。
音楽(と言うか効果音?)の不協和音は「2001年宇宙の旅」のリゲティを思い出した。

確かに「種の捕食」はないわなー。

 


エイリアン: コヴェナント 2017年

$
0
0

感想・コメント
デブヤマさんじゃないけど「エイリアン」は既に40年弱の歴史があり、まあ「宗教活動」の一環として視聴。
とは言っても「プロメテウス」からはオリジナルの「エイリアン」とは離れている前提。その辺は理解した上で・・・・

 

元々「プロメテウス」で人類はどこから来たのか?と問いかけて、エンジニアの存在を明らかにし、そのラストでエンジニアの星を目指して飛び立ったのに、その星の生物を全て全滅させる話にしてしまうなんて、シナリオとしてはかなりもったいない事をしたなー、という印象。
その絶滅シーンも予告編でやっていた内容からほとんど追加もなく、人類に知恵を与えたエンジニアと、あの黒い液体との関係も。

病原体なんていうお手軽な説明では「プロメテウス」の時に黒い液体飲んだエンジニアが遺伝子レベルまで分解され、そして人類に知恵として寄与した事とどうつながるのか・・・

 

それにしてもデヴィッド君のオンパレードで、これにはちょっと食傷気味。ウォルター君も後期型なんだからもっと頑張らないと。
コヴェナント号に戻ってから、ジャネットがウォルターを信じ切っていない様なそぶりも見せていたので、ドンデン返しでデヴィッドをやっつけるのか、とも思っていたが、バッドエンドでちょっと後味はあまり良くない。

 

それから、ヒロインのキャサリン・ウォーターストン、何か近所のオバさん風で全くオーラがなく、ちょっとツラかった。
このシリーズ、三部作らしいが、どうやって続編作るのかな?2000体の人間を使って超トンデモエイリアンが出来ました~とか?


以下、作品情報


監督 リドリー・スコット

キャスト
デヴィッド                  マイケル・ファスベンダー
ウォルター          マイケル・ファスベンダー(二役)
ジャネット・ダニエルズ   キャサリン・ウォーターストン
クリス・オラム        ビリー・クラダップ
テネシー・ファリス      ダニー・マクブライド
ロープ軍曹          デミアン・ビチル
カリン・オラム        カルメン・イジョゴ
ピーター・ウェイランド   ガイ・ピアース

 

予告編

 

あらすじ
白い部屋で対峙する二人の男。一人はウェイランド社社長、ピーター・ウェイランド。もう一人は彼によって造られたアンドロイド。そのアンドロイドはデヴィッドと名付けられ、全ての知識はピーターから授けられた。

 

2104年。冷凍睡眠中の2千人の入植者と、千人以上のヒトの胎芽を収容した宇宙船「コヴェナント」号。アンドロイドのウォルターが日々の管理を任されている。目的地は惑星「オリガエ6」。

 

定期作業として船首のエネルギーチャージ用セイルを展幕して、電力チャージを行っていた。その時コンピューターのマザーが警告。ニュートリノのバーストを受けて壊滅的被害を受けると予測。その直後に大きな衝撃を受けてウォルターが倒れる。
船のクルーは強制的に冷凍睡眠を解除される。クルーは十数名。次々睡眠から目覚める中、船長のジェイクのカプセルから火災が発生し、中で焼死する。妻でこの人類移住計画の責任者であるジャネットは衝撃を受ける。入植という関係上、クルーも基本的にはカップルが選ばれていた(中には同性カップルも)。
副長のクリスが船長代理になってミッションは継続。だがチーム内での人望は厚くない。葬儀等はやらないとクリスが宣言。

遺体射出のため、ジャネットの下に集まる数名。ウォルターに、ジェイクがオリガエ6の居住区に本物の木で小屋を建てようとぢていた、との話をするジャネット。その者らで遺体射出時、献杯する。  

 

クルーの中の2名が船外に出て外れたセイルの修理を行った。そのうちの一人に通信異常が発生し、帰還後ヘルメットの解析から、音楽が聞こえて来る。クルーの一人が「ジョン・デンバーのカントリー・ロードだ」と言って驚く。
マザーにより、発信源の位置特定がされ、なおその惑星の詳細を調べると、オリガエ6よりも地球の環境に近い事が判明。クリスはこの惑星に立ち寄って調査しようと考えるがジャネットは反対。オリガエ6を見つけるまで10年かかった。こんなに都合よく惑星が見つかるのはオアシイ、と。
だがクリスは調査隊を編成して10名でその惑星に降下。ジャネットもやむなく同行。

 

惑星は緑豊かな環境で、巨大な小麦が実をつけていた。だが生物が生息している気配が全くない。
生物学者のカリンとレドワードが、調査のため途中で判れる。そこで何かを踏んだレドワードの耳に胞子が入り込む。
本隊が更に奥地へ入って行くと、信号発信源の行く手にU字形の宇宙船を発見する。なおも中の捜索をした結果、ジャネットが「エリザベス・ショウ」と書かれた認識票と写真を見つける。11年前に消息を絶った「プロメテウス」号の乗員。
捜索を行っていたハレットも何かを踏んだ時に出た胞子を鼻に吸い込む。

 

レドワードの体調が急速に悪化し、カリンが着陸船に連れて行く。クリスに無線で伝え、早く戻るように依頼。一方隊の方でもハレットが体調を崩し、皆で帰還を急ぐ。
レドワードは着陸船の医務室でカリンの手当てを受けるが、背中に何か動くものが。着陸船に居たファリスは恐怖のあまり二人を医務室に閉じ込める。レドワードの背中から怪物が現れ、カリンを襲う。ファリスは武器を取って医務室に行き、医務室を開けて怪物を撃つが、足をやられてしまう。迫る怪物を前に、ファリスが反撃するが、それが燃料に引火。
隊のみんなが到着する寸前に着陸船が爆発。

その直後、今度はファレットが苦しみ出し、口からまた怪物が現れ、草むらへ逃げて行った。

 

コヴェナント号との交信を試みるが、嵐のせいで通じない。そのうち夜を迎え、無線機に気をとられているジャネットに怪物が襲って来る。とっさにウォルターが左手を出してジャネットを庇うと、怪物はその手を引きちぎった。
怪物はその後次々とクルーを襲い始め、万事休すかと思われたが、そこへフードを被った男が閃光弾を撃つ。逃げ去る怪物。「ついて来たまえ」と言われ、皆あとに続く。

 

道中でおびただしい黒焦げの死体の間を通って行く。

石造りのドームに入り、男はフードを脱いで説明を始める。10年前、プロメテウス号の生き残りであるエリザベス・ショウ博士と自分:デヴィッドはこの星に来た。船には兵器:死の病原体を積んでいた。着陸時の事故で貨物室が開き、船がコントロールを失って博士は死亡。病原体がバラ撒かれて星の住民、動物全てが死滅。デヴィッドが一人取り残された。
納得がいかない、とウォルターに話すジャネット。兄弟同士、話してみます、とウォルター。

 

屋上で交信にトライするクルー。この嵐では通じない 

成層圏のコヴェナント号。チーフパイロットのテネシーがマザーに高度80kmまで下げるよう指示。
デヴィッドとウォルターの会話。人間的に、様々な思索をするデヴィッド。人間的になりすぎているという事で、以後に開発されたウォルターにはその機能はなく、違和感を持つウォルター。理解し合えないと解釈したデヴィッドは隙を見てウォルターの機能を停止させる。

 

女性隊員のローゼンタールが怪物に襲われる。彼女の不在を不審に思ったクリスが調べに行った先で、怪物に話しかけているデヴィッドを見る。全てデヴィッドの仕業と理解したクリスが怪物を銃で射殺。
デヴィッドの話す真相。
プロメテウス号の事件後、エンジニアの母星に向かったデヴィッドは、彼らの作り出した病原体(黒い液体)を大量にバラ撒き、エンジニアや全ての動物を絶滅させた。その後エンジニアの施設を流用して黒い液体を用いた遺伝子操作を繰り返し「完全な生命体」創造の研究を行った。
隊員が襲われた胞子もその産物。エリザベスも事故死ではなく、実験体として利用されていた。
その上で信号を発信して宿主が来るのを待っていた。

 

銃を向けながらもデヴィッドの案内されるままに卵の培養室に誘い込まれ、カニ生物の餌食になるクリス。そして宿主にされたクリスから怪物が誕生。
コヴェナント号との交信に成功したクルーだが、怪物に襲われる。
コヴェナント号から貨物運搬船でテネシーによる救助を確認して準備を始めるジャネットだが、そこにデヴィッドが襲いかかる。そこへ機能停止した筈のウォルターが助けに入る。改良タイプだったためバックアップを使って復旧。
二人が戦っている隙にジャネットは脱出。救出に来たテネシーの運搬船に乗り込む。デヴィッドを倒して来たというウォルターも合流。そこに怪物が乗り込んで来たが、皆の協力で撃退。

 

ようやくコヴェナント号に戻ったジャネット、ウォルターとクルー二人。だがマザーの警報により人間以外の生物の存在が知らされる。
救助されて手当を受けていたロープが死んでいた。彼の体から発生した怪物が船内を移動。途中シャワーを浴びていたカップルも襲う。
ジャネットとテネシーはウォルターに指示して怪物を機材室に追い込み、更に車両に誘い込んでから船外へ放出する事に成功する。

 

最後に残ったクルーのジャネットとテネシー。元の計画であるオリガエ6に向けて、まずテネシーを人工冬眠装置にセット。次いでウォルターの操作で人工冬眠に入るジャネット。以前話した木の小屋の話をウォルターにするが、何の反応もない。それがデヴィッドだったと気付きもがくジャネットだが、もう遅い。

入植者と胎芽の管理を行うデヴィッド。胎芽のケースを開けると、自分の口からカプセルを取り出し、カニ生物の胎芽をそこに納めた。

 

 

 


稲刈りの季節

$
0
0

春、ヤスミンさんにリブログ入れてから、もう半年近く経ち、今度は稲刈りかー。
時の~過ぎ行くまま~に~・・・(沢田研二風)

あの時はせっかくコメントもらったのに知らず、半年近く放置ゴメンなさい。
今はもう大丈夫(メール通知制に変更)。

 

大規模農家はコンバインが常識なんだろうね。

 

 

 

自分が子供の頃は、当然手刈りが主体で、そんな中でも男の人は手動の稲刈り機を使っていた。当時は一家に一台はあって、数軒が持ち寄って各家の稲刈りを順に行っていた。今でも販売されているみたいだけど(昔はもっと量産品っぽかった)。
稲何株目で止めるかがけっこう難しくて、束ねるのは別の人だから、太いだの細いだの、イロイロ言われながらやってた。

 

 

稲刈りが終わるとハザ掛け。掛ける人とペアになって、子供の頃の自分は束を渡す方。大人が掛ける時に稲穂が竹竿に当たって「ジャッ」という音を立てる。晴れている時に手早くやらなくてはならないから、暗くなるまで作業は続く。
夕暮れの中で「ジャッ、ジャッ・・・」という音だけが響き、子供心に「早く終わらんかなー」との思いだけが募った(観たいマンガを逃したり)。


農作業からの自由・・・・

 

 

 

007 サンダーボール作戦 1965年

$
0
0

この映画はリアルタイムでは観ておらず、この時分まだガキで、映画は「怪獣大戦争」なんか観てた頃。
何年か後にTVで観たのが最初だったんだろう。

 

監督 テレンス・ヤング

 

キャスト
ジェームズ・ボンド      ショーン・コネリー
ドミノ                       クローディーヌ・オージェ
エミリオ・ラルゴ        アドルフォ・チェリ
フォオナ                  ルチアナ・パルッツィ
ヴァルガス               フィリップ・ロック
フェリックス・ライター  リク・ヴァン・ヌッター
ポーラ・キャプラン      マルティーヌ・ベズウィック
M                            バーナード・リー
Q                            デスモンド・リュウェリン
マニーペニー            ロイス・マクスウェル

 

 

 

 


あらすじ
スペクター幹部の大佐に同僚を殺されたボンドは、死亡を偽装したその大佐の未亡人を家まで尾行する。未亡人に会うが、実は大佐本人が女装していた。戦いの末、その大佐を殺したボンドはジェットパックを使って逃走。

 

 

MOS型原爆2基を積んだバルカン爆撃機が奪われる。イギリス将校を殺し、彼に化けたスペクターの隊員アンジェロの手引きにより浅瀬に不時着。スペクターの潜水部隊により原爆と発射装置が回収される。アンジェロは安全ベルトの不具合があり、助けを求めたがスペクターは彼を殺した。

 

スペクターは英国に対し1週間以内に1億ポンドの支払いを要求し、さもなければ原爆を米国に落とすと脅迫した。
英諜報部は00エージェントを集め、この問題の解決を指示した(サンダーボール作戦)。

スペクターNo.2のラルゴがこの作戦の実行者であり、彼が保有する高速船に原爆を保管していた。

 

船に乗り込んだボンドは、ラルゴの愛人ドミノ(殺されたイギリス将校の妹)に真相を話し、協力させる。

 

感想
冒頭のシーンで出て来たジェットパック。ストーリー的にはわざわざ出す必要はないと思ったが、これベル社が開発したホンモノ。スーツ姿で乗っていたのが実にシュール。このメカは1984年の、ロス五輪の開会式にも出ていた。

 

潜水によるアクションは、当時の映画では画期的との事だが、どうしても動きとしてはスローなので、緊迫感の点ではイマイチ。

 

ラルゴの船が、胴体の前半分が別れ、身軽になって逃げるところはけっこう意外性があって面白かった(手下は後ろの船に取り残される・・・・)

 

テーマ曲はあの「トム・ジョーンズ」。圧倒的な歌唱力。

 

 

そういえば、プラモが出ていたのは知っていた。海底バギー(映画では水中戦車とか言ってた?)と水中スクーター。
水中スクーターは駄菓子と一緒にブラさがって\50ぐらいだったか。

 

 

 

 

 

サチのお寺ごはん (メーテレ、BS12系)  2017年

$
0
0

名古屋TV系で放送 2017.7.18~9.26  全国版ではBS12で1週遅れとして放送

 

番組サイト

 

 

 

概要
27歳のOL、臼井 幸。両親の思いだけて付けられた「幸」の名が「さちがうすい」と言われて幼い頃から、からかいの対象にされて来た。就職してもその目立たない性格から、常に「幸薄い」生活を送っている彼女が、お寺で作る精進料理に接する事で、少しづつ前向きな生き方をつかんで行く。

 

原作:かねもりあやみ・久住昌之(原案協力)

キャスト
谷村美月               臼井幸
水野勝                  源導 
田村侑久               唐丸 篤
清水天規               小木 武徳
久保晶                  龍源


一の膳「茄子の利休汁 サチウス娘のお寺ごはん入門」
イベント会社のOL、臼井幸。一人暮らしでコンビニ飯の毎日。ある日残業の帰りに、コンビニでビールとつまみを買って、店から出るところで軽いノリの青年、唐丸とぶつかる。
お詫びに、と連れて行かれたのは「縁泉寺」というお寺。唐丸はここで住職の修行をしていた。
住職の源導が「利休汁」を材料の説明もしながら作ってくれた。料理見習いで来ている小林が精進料理の説明をしてくれる。
家に戻って、久しぶりに料理をしてみようと思う幸。

 

二の膳「もろこし尽くし ムクミと焦りにさようなら!」
友人二人とランチをしている幸。一人は子持ち。その息子から何故結婚しないと聞かれ絶句。更にもう一人から彼氏が出来たと聞かされ落ち込む。
利休汁のお礼にと、手拭いを買ってお寺の源導を訪ねると、檀家からもらったというとうもろこしで料理を作るところだった。料理は「とうもろこしご飯」「とうもろこしのすり流し」。「誰かと比べることはない、出来る事からやればいい」と諭される幸。

 

三の膳「お母さんのじゃがいも 心のカドを取りましょう」
幸の母親が、大量のじゃがいもを持って訪ねて来たが、目的はスケートショー。だが途中でいさかいを起こし、母親は勝手に観に行ってしまう。
じゃがいもの処理をお願いしに源導を訪れる幸。源導は肉の代わりにお麩を使った「お麩じゃがいも」を教える。
姿勢の良さを褒められ、母のおかげだと気付いた幸は、母のためにお麩じゃがを作り、その夜は母と一つふとんで寝る。

 

四の膳「お寺スイーツ カンペキ女子などいなかった!?」
会社の同僚、笑子。美しく、身だしなみも完璧。そんな笑子が、最近の幸がキレイになっている事に気付く。
合コンに誘われた笑子と幸。そこで倒れてしまう笑子。彼女を家まで送った幸は、その汚部屋に驚く。相当な無理を重ねていた笑子。
笑子を源導の下に連れて行く幸。源導はいつものように材料の説明をし、ていねいに料理を作って行く。
今回は「水ようかん」と「スイカのフラッペ」。スタイル維持のために甘いものを一切断っていた笑子に、少しは自分にごほうびをあげていいと諭す源導。

 

五の膳「飛龍頭 男の胃袋つかみ隊」 
先日の合コンで知り合った有村から、昼のメニューを聞かれて悩む幸。カレーの匂いにつられてお寺へ行き、素直になればいいと言われ「カレーだった」と返信。
親友のまっちゃんに誘われて食事をしに行く幸。彼氏が手作りの料理を食べてくれない、と悩む彼女を連れてお寺へ。
作ってくれた料理は「飛竜頭」。彼の気持ちを全部理解するなんて無理だと諭す。

 

六の膳「癒しの豆乳鍋 夏風邪、お盆、源導さん」
有村とデートの約束をする幸。デートは実に12年振り。だがその日はお寺の手伝いを約束していた日。その上風邪を引いて寝込む。それを知った源導が豆乳鍋を持って幸を訪れる。
一晩寝て回復した幸は、有村の方を断ってお寺の手伝いに行く。寺でお客に出された料理が「巻きいなり」。
疲れて寝入ってしまった幸を抱き上げて寝所まで運ぶ源導。
目覚めた幸は「源導さんは豆乳みたいな人」という。いろいろ形を変えて私を助けてくれる。

 

七の膳「不思議な透明スープと雷豆腐 源導の父帰る」
コインランドリーでボーっとしている幸を見つける源導。有村とのデートでアイスを服にベッタリ付けてしまい、その場から逃げてしまった。
お寺まで幸を連れて来た源導は、薄い黄緑のスープを出す。何か判らなかったが、実はトマト。先入観を捨てて人とも付き合うよう諭す源導。
そんな時、縁泉寺に源導の父が帰って来た。ミュージシャンになり寺を出て行った父。そのせいで源導の母も離れて行った。

平常心で対応出来ない源導に、先入観を捨てるべきだと言って父親のライブに引っ張り出す幸。

 

八の膳「お餅つき コネて叩いて仲良しに!」
源導が幸を思う気持ちを勝手に解釈している唐丸。有村が幸にデートの日を約束する場に割り込んで、お寺の用事があると妨害。お寺で口論する幸と唐丸。幸は思わず唐丸にビンタ。
見かねた源導が、二人で餅をついて料理を作るよう指示。最初は険悪だったが、次第に息も合ってくる。
餅をつくのは大変で、協力し合わなくては作れない、と諭す。

 

九の膳「酢飯の天ぷら 残り物にも幸がある」
有村とのデートで思い切って告白した幸だが、有村は連れて来た女性を「彼女」と紹介した。落ち込んで会社も休み、部屋に引きこもっていると知った唐丸は、幸を寺まで引っ張り出す。
源導が出した料理は「酢飯の天ぷら」と「そばスナック」。どちらも檀家へ出した食事の残り物を活用したもの。残り物でもおいしく活用出来る、活躍のチャンスがある。微妙な気持ちながらもそれを食べて元気を少し取り戻す幸。
一方源導は、檀家のたっての願いで見合いをさせられそうになっていた。幼い頃両親の離婚を経験し、普通の家庭生活をイメージ出来ないでいる。
源導さんならいい家庭を作る事が出来ます、と励ます幸。

 

十の膳「ふたたびの利休汁 幸せはきっと届く」
唐丸から、源導さんがお見合いをしてもいいのか、と言われて「いいに決まってる」と返す幸。そんなの「モドキ」だと嘆く唐丸。そして見合いをした源導。
友達とお茶しているところへ唐丸からTEL。あわてて寺に行くと、源導が檀家の寄り合いもすっぽかして居なくなったという。

探し回って、公園で座っている源導を見つける幸。ここは両親かまだ仲良かった頃の数少ない記憶がある場所だという。
見合いを断り、相手にも迷惑をかけたと落ち込む源導。唐丸たちの話ではお経をあげるばかりで、食事もロクに摂っていないという。
何かしてあげたい「自分にしか出来ないこと」を考えた幸は、材料を買い、以前教えてもらった「利休汁」に取り組む。だがどうしても味が決まらない。思いついて豆乳をそこに足し入れる。
鍋を持って寺へ走る幸。そして源導に食べさせる。豆乳を入れてある事に気付き「やさしい味です」と礼を言う源導。
様子を見ていた唐丸、小木、龍源がガマン出来ずに出て来て、皆で乾杯。

 


感想
いつも報道ステーションから「橋下×羽鳥の番組」と、そのまま観続けているので、その次の番組として毎回観ていた。

 

運が悪い(幸薄い)OLを演ずる谷村美月は、朝ドラ「べっぴんさん」で準主役級の演技を見せた人。
「源導」役の水野勝は音楽グループBOYS AND MENのリーダー。ボイメンは愛知出身という事で名前は良く知っているが、こんな人だったっけ?と思うほどイメージが違った。

 

まあ深夜枠で地味といえば地味だが、あまり数字を狙わない「孤独のグルメ」的なノリが心地よくて、結局全話観ることに。
人に生き方を説く住職でも、自分自身の事になると冷静ではいられない。そんな弱さも含めて各話が穏やかに展開して行く。
いいとか、悪いとか特に意識せず身を委ねる事が出来る番組も、大切。

 

 

ボイメンリーダーとしての水野(チャラいなー)

 

 

新聞小説 「国宝」 (10)  吉田 修一

$
0
0

新聞小説 「国宝」(10)   8/20(226)~9/14(250)

作:吉田 修一  画:束 芋
              ( )() () () () () () () (

 

第十章  怪描 1~25
雑然とした店内で飲んでいる竹野。かつて三友の社員で、喜久雄と取っ組み合いをした男。三友の梅木社長に引っ張られて大阪の大国TVに出向中。もう一人は同僚の松浪。企画の打合せだが、素人参加番組でゲテモノ趣味。
そんな話の折りに松浪が、最近気色の悪い劇団が人気らしいとの事。見世物小屋で化け猫を演じるとか。今は鳥取の三朝温泉で公演中。

 

 

ほろ酔いで三朝の温泉街をフラ付く竹野。いかがわしさの漂う温泉劇場で切符を買う。第一部「有馬の猫騒動 化け猫伝説」、第二部「お色気マジックストリップ」。
最後列で缶ビール片手に座ったとたん開演のブザー。本格芝居どころか目もあてられない田舎芝居。だがその中で召使いのお仲を演じる者が出た瞬間、舞台の空気が張り詰める。
その中で見事に化け猫への早替わりを見せるお仲。目の肥えた竹野が見ても素晴らしい化け猫と女の演じ分け。
舞台に釘付けになっていた竹野、我に返ってビールを口にするが、その手が震えている。

楽屋に行きたいと受付に顔を出す竹野。だがそんな気のきいたものはない。横の暖簾の先へ案内されると、そこで化粧を落としている男と目が合う。
奥の間から「俊ちゃん」と女の声がかかる。

 

若狭の海水浴場で綾乃と遊ぶ喜久雄。喜久雄が東京から京都に惑ったのが、俊介が三朝温泉で見つかる前年の夏。
長逗留する父親に、次第に慣れる綾乃。喜久雄の心も回復して来る。
海の家で和む喜久雄、市駒、綾乃の三人。そんなところへフラリと訪ねて来る徳次。
はしゃぎ疲れた綾乃を寝かせて、大人三人で飲み交わす。顔色の良くなった喜久雄を見て喜ぶ徳次。
徳ちゃんにいい人おらんのやろか、という綾乃の話でからかう喜久雄。
ここしばらく京都で暮らして、頭も体も若返ったと話す喜久雄は、そろそろ東京に戻ろうかと話し始める。

 

別府行きの特急列車に乗る竹野と小野川万菊。竹野の画策で、万菊に俊介の芸を見せようとしている。
本件を上司の梅木に話した竹野。一連の説明をして、俊介の復活劇を、うちのTV局で特集すれば一大ブームになると売り込む。梅木は、俊介が生きていた事にまず安堵し、その後を竹野に任せた。
竹野のアイデアは、喜久雄を完全な悪役に仕立てること。そのために後ろ盾となるべき万菊に相談した。
「そう、丹波屋の半弥さん、やっぱり死ねなかったのねぇ」と言い、会いに行く事を快諾。

 

別府の高級ホテルからタクシーで、鉄輪温泉郷まで行き、芝居小屋の前で降りる万菊と竹野。あらかた埋まった席の中でようやく空席を見つけて万菊を座らせる竹野。
開演し、例によって最初は稚拙な踊り。苦痛に歪む万菊の顔を見て祈る思いの竹野。その場も過ぎて召使いお仲の出番となり、前のように見事な化け猫の早替わり。観ているうちに、次第に手が動き出す万菊。

「楽屋へまいりましょう」芝居が終わり、万菊が言う後に続く竹野。土間を抜け、背中を向けて化粧を落としている俊介に声をかける万菊。
「ほんとにあなた、生きててくれてありがと」

 

三友本社から、俊介が見つかったという知らせを受け、急いで車を走らせる俊介。徳次は風呂敷に包んだ白虎の位牌を持っている。
「もう十年やで」と徳次。喜久雄の苦しみは俊介のせいでもあり、複雑な気持ち。

 

三友本社で、俊介との対面。この十年の思いがお互いの心を熱くする。
「遅刻や」と言って俊介のおでこに思い切りデコピンをする喜久雄。

再会の十五分ほどの後、俊介が春江に会ってくれないかと言う「ガキ、おんねん」
男の子を遊ばせている母親がじっとこちらを見つめている。
もうすぐ三歳だという。名前は一豊(かずとよ)。立派な名前だと言って子供を抱きしめる喜久雄。

 

 

再会してから二週間ほど経ったが、俊介とは二度しか逢わず、空白を埋めることが出来ない。この間に喜久雄が肩代わりした借金は自分が引き受けるとの俊介の言葉もあったが、喜久雄の意地もあり進まず。
ただ借金は膨れ上がるばかりで、舞台のためという事もあり、大部屋俳優を切ることも出来ず、年の瀬には辻村から援助をしてもらって何とか繋いでいる始末。

 

手伝いの花代が三友からのファックスを喜久雄らに見せる。俊介の復帰公演を明治座でやるという。万菊と絡む大役。徳次としては、結局この世界、血筋なのかと腹を立てる。徳次を制止しながらも、その思いが心に沁み込んで来る喜久雄。

 

喜久雄が、出演している劇場の楽屋で化粧を落としているところへ俊介が訪ねて来た。春江らを住まわせる家が決まった事の報告だが、この後上階の稽古場で万菊から直接稽古をつけてもらうという。
早々に出て行く俊介を見送りながら、自分がそれをひどく羨んでいる事に気付く喜久雄。

帰り支度をしたものの、上階が気になる喜久雄は、そっと稽古場に近づく。厳しくも心のこもった指導に、胸を締め付けられる喜久雄。悔しさで壁に押し付けた拳から血が滲む。
力なく帰路についている喜久雄の前に、ふいに若い女が飛び出して来た「喜久雄お兄ちゃん!」
江戸歌舞伎の大看板、吾妻千五郎の次女、章子だった。現在大学生。


感想
出奔して生死も定かでなかった俊介の出現で、ちょっとダレていたドラマに流れが戻って来た。

 

必死で丹波屋を支えて来た喜久雄とは裏腹に、俊介の復活劇演出のため、喜久雄を悪役に仕立てる計画が着々と進む。
しかし章子って、前に出てないよな?

 

 

 

 

 

NHKスペシャル シリーズ 人体 プロローグ「神秘の巨大ネットワーク」9/30放送

$
0
0

司会・進行役 タモリ、山中伸弥  ゲスト:石原さとみ、博多大丸
シリーズ全7集による、人体を取り上げた特集。タモリの司会で28年前にも人体のNHK特集が行われていた。
今回はそのプロローグとしてダイジェスト的な紹介を行う。

 

 

番組詳報

 

プロローグとしての紹介
・大腸の壁の絨毛からのホルモン放出→全身に作用(脳、胃、膵臓)
・心臓から出されるANPが腎臓に作用し、尿を増やして血圧を下げる
・ANPは血管の修復にも作用→ガン転移の抑制
・ほとんどの病気にはメッセージ物質が関わっている
・ガン細胞が持つメッセージ物質エクソソーム→脳のバリアをすり抜ける
・関節リウマチの原因物質TNF-α→生化学的製剤でブロック
ANP:心房性ナトリウム利尿ペプチド(Atrial Natriuretic Peptide、ANP)ホルモンとして作用する。

 

最後にタモリが、昔やった(受けなかった)ネタを披露。大腸がしゃべる話。大腸は肛門が付いているせいかバカにされる。特に脳からは上から目線でやられる。これはある講演会。カメラが引きでその講演会の看板を画角に入れると「大腸カタル(語る)」。


感想

細かくは詳報に譲るが、各臓器から全身に信号がバラ撒かれ、相互に関係し合っている事にまず驚く。

これから始まる7集分の情報のダイジェストという事で、少しはしょった感はあるが、最新の医療技術の開示と言う事で、NHKスペシャルらしい題材であり、期待している。

 

 

 

NHKスペシャル 「人体」 第1集「腎臓が寿命を決める」 10/1放送

$
0
0

番組詳報

 

司会・進行 タモリ、山中伸弥   ゲスト 石原さとみ、北島康介
腎臓は脳にヒケを取らない、たくさんの仕事をしている(スーパースター)。

 

腎臓を鍛える
米フラッグスタッフ。日本水泳チームの高地トレーニング(標高2100m)。通常の酸素飽和度(体内酸素量)96~99%が高地だと89%。それが2週間後には96%まで向上(高地順応)。
これは肺でも心臓でもなく「腎臓」が適応。
腎臓がEPOというメッセージ物質を出して「酸素が欲しい」というメッセージを出す→受け取るのは「骨」。赤血球を増産→持久力がアップ。
情報のネットワークは血管網。体内でも密なのは腎臓。数多くのメッセージ物質を出している。

 

ライプチヒ腎臓センター(ドイツ)。どんな薬を使っても血圧が下がらない患者に対して外科手術による治療。
腎臓では血圧を上げるためのメッセージ物質「レニン」を放出。太ももからカテーテルを入れて腎臓まで到達し、神経の一部を焼き切る。レニンの放出を抑制→血圧が正常に戻った。

 

血液を取り仕切る
体の血液の1/4は腎臓を通る(血液の管理者)。塩分、カルシウム、カリウム、リン、水素イオン、尿酸の調整。
バナナはカリウムが多いため腎不全患者には禁忌(調整能力がない)。高カリウム→不整脈。

 

腎臓の構造
糸球体(直径0.1mm)100万個存在。腎臓には太い血管が通っている(大量の血液を通す)。尿と同時に調整した血液も出す。
糸球体はフィルター。原尿を出し(1日180ℓ)尿細菅の微絨毛で成分を回収。微絨毛表面はポンプ装置。ポンプ毎に仕様か異なり各成分を選択的に回収。
成分調節は他の臓器からのメッセージも反映する。例えば心臓が弱っていると塩分の再吸収を減らす。骨、副甲状腺等の情報でも調整→ネットワークの要が腎臓。原尿の99%が再吸収され、実際の尿は1%。

 

一つの成分が動物の寿命に関与している。動物は、体の大きさに比例して寿命が長くなるが、それに当てはまらない例もある。例えば人間。リンの量でグラフ化すると整理出来る。リンが少ないほど長寿(多いと老化)。
日本人が見つけた老化加速マウス。腎臓の遺伝子が壊れ、リンの調節が出来ない→寿命が通常の1/10。過大なリンは血管の石灰化を招く。
骨はリンの貯蔵庫。足りていれば腎臓での再吸収を減らす。腎臓監視の大切さ。

 

腎臓以外の病気でも急性腎障害となるケースが多い。例えば心臓が弱って腎臓への血流が減ると腎臓にダメージを与える。
どこが悪くなっても腎臓が悪化する(心腎連環、肝腎連環等)。腎臓が悪くなって全身に波及→多臓器不全。
腎臓を守れば救えた命→欧州で20万人。

 

どうすれば守れるか
薬を止める事が劇的効果を現す。薬が弱った腎臓を痛める。腎臓は最も多くの薬にさらされる。
腎臓を見守る判定システム導入。

腎臓は一度やられると回復しない。多臓器不全のきっかけ。
胃は痛くなってメッセージが出せるが、腎臓は出さない(沈黙の臓器)。

 

以降の放送予定
第2集「脂肪」             11/5 
第3集「骨」                12/3        
第4集「アレルギー」      1/7
第5集「脳」                 2/4 
第6集「ミクロの会話」  3/18 
第7集「エクソソーム」  3/25

 


感想
高校の時尿タンパクが出て、以来ン十年。途中では1年以上の入院生活も経験し、立派(?)な腎臓病患者。
今回改めて腎臓が、老廃物の排出だけの機能ではない事を思い知らされた。
透析に入る人の条件として、クレアチニン値の指標があるが、リンの調整が出来ないという事の方が深刻らしい。

 

ただ「腎臓」として特集するからには、最新の研究で先日記事アップした「Muse細胞による腎臓修復」等についても突っ込んだ情報が欲しかった。

「大切ダー、大切ダー」と連呼されても、腎臓に障害を持ち、このテの情報を渇望している者にとっては、宣告を受けているだけのような気もする。

 

 

 

アウトレイジシリーズ 「最終章」公開前のおさらい

$
0
0

「アウトレイジ 最終章」封切りの前に、ちょっとおさらい(超あらすじ)。
過去レビュー   アウトレイジ   アウトレイジビヨンド

 


アウトレイジ 2010年

 

 

関東最大の暴力団・山王会(関内会長:北村総一朗)の傘下である池元組が、麻薬シンジケートに絡む村瀬組と接近。それを締めるために池元(國村隼)に対し、村瀬(石橋蓮司)を締めるよう指示される。池元はその仕事を配下の大友組組長(ビートたけし)に命令。

 

汚い手を使いながらも大友は村瀬組を解散させ、そのシマを継承する。
その後村瀬、池元を次々と殺した大友だが、今度はカジノの利権を狙う関内に命を狙われる。それまで各組を渡り歩いて利権を掠め取っていたマル暴・片岡刑事(小日向文世)が助言して、刑務所に入って逃れる事にした大友。

 

刑務所で、かつて頬にカッターナイフでバッテンをつけた、村瀬組の若頭だった木村(中野英雄)に、ナイフで刺される大友。
一方、落ち着いたと思われた大友組で、右腕だった加藤(三浦友和)が関内会長を殺害し、次の会長に収まる。

 

後日、片岡が後任の刑事を連れて加藤を訪ね、大友は刑務所で刺されて死んだと告げた。

 


アウトレイジビヨンド 2014年

 

 

加藤が山王会を継いでから5年。政界に影響を与えるほどの組織になっていた。かつての金庫番石原(加瀬亮)は、若頭まで出世。古参との間で軋轢を生んでいた。
警察は山王会の弱体化を狙って、同幹部の富田(中尾彬)と関西最大の暴力団・花菱会(西野会頭:西田敏行)を繋げようとするが、あえなく失敗し、富田は殺される。

 

片岡は次の手段として、死んだと言っていた大友の利用を考える。

刑務所内で木村と和解し、出所した大友だが、片岡の策略で山王会に恨みを抱くよう煽動される。木村の協力で石原を殺害、加藤を引退(後に殺される)に追い込んだ大友。

 

山王会の弱体化に成功し、更に花菱会との対立を狙って木村を殺した片岡だが、その裏に気付いた大友は、木村の葬儀で片岡を撃ち殺す。

 

 

感想
ざっくりと言えば暴力団の抗争に、下部組織の組長・大友が絡め取られて行く話。底辺の者の悲哀も感じるが、大友の行動にはほとんどためらいがない。
ビヨンドの最後で片岡を撃ち殺した時の顔、あれが「たけし映画」の全てという事なのだろう。
賛否イロイロあるが、結局観てしまう・・・・

 

今回まで、良くも悪くも片岡が物語をドライブしていたのが、次でどういう展開が準備されているのか、「最終章」にも期待を持っている。
自分としては、インテリの石原がポイントと思っているが。

 

 

詳細レビュー(hmhm) アウトレイジ  アウトレイジビヨンド

 


オマケ 今だと、ちょっとメンバー替えたい気もするけど・・・・

 

 

 

 

 

 


トム・ジョーンズとフンパーディンク TV番組 1970~71年

$
0
0

先日「サンダーボール作戦」でちょっとトム・ジョーンズの事を書いた。
そういえば1970年頃に、あるTV番組があったと思い出した。


「トム・ジョーンズとフンパーディンク」
FMで洋楽も良く聴いていたので、中高生ながらも、この番組は大体観ていたように思う。

 

エンゲルベルト・フンパーディンク。この人かなりバタ臭いが、トム・ジョーンズと組むと何だかサワヤカ系に見えた。
トムが「デライラ」を唄うと、それに続いてエンゲルベルトが別の曲を引き継いで階段を降りて来る。
ゲストもけっこう多彩だったような・・・・
ただこの題名、キーワードで検索してもほとんど出て来ない。よっぽどマイナーだったのか。

 

こういう映像が残っているのが驚き。昭和46年だから、ビデオ機器は相当高価だっただろう。
それからCMは「JUN & ROPE」。かすかに記憶がある。

 

 

 

 

ついでに旧い映像探してて見つけたのがコレ。
Bobby Hebb - Sunny
1965年頃か。とにかく曲は好きだったが、歌手の顔なんて全く知らず、初めて見つけた時はけっこう感動。いつまで経ってもいい曲は、イイ

 

 

 

 

 

 

ブレードランナー(ファイナル・カット) 2007年

$
0
0

本作品については以前にもレビューしているが(オリジナルは1982年公開)、今年公開の「ブレードランナー2049」に向けて再視聴。

今回は字幕のセリフを重点的に。


監督 リドリー・スコット
音楽 ヴァンゲリス

 

キャスト
リック・デッカード    ハリソン・フォード
ロイ・バッティ       ルトガー・ハウアー
レイチェル         ショーン・ヤング
ガフ             エドワード・ジェームズ・オルモス
H・ブライアント       M・エメット・ウォルシュ
プリス                      ダリル・ハンナ
J・F・セバスチャン       ウィリアム・サンダーソン
リオン                       ブライオン・ジェームズ
エルドン・タイレル       ジョー・ターケル
ゾーラ                       ジョアンナ・キャシディ
ハンニバル・チュウ       ジェームズ・ホン
ホールデン                モーガン・ポール
スシバーの店主           ロバート・オカザキ

 

 

予告編

 

超あらすじVer.+エンディング(エンディングは通常Ver.)

 

あらすじ
冒頭テロップ
21世紀始め。タイレル社はロボット開発を”ネクサス段階”へと進めた。彼らは人間そっくりで”レプリカント”と呼ばれた。ネクサス6型は体力、敏しょう性に優れ、知能も彼らを作った遺伝子技術者に匹敵した。レプリカントは宇宙での奴隷労働や、植民地建設に使われていたが、反乱を起こしたため、地球上での存在は非合法とされ、死刑が宣告された。
そして特別捜査班ブレードランナーには、発見したら殺せとの命令が下った。それは処刑ではなく、解任と呼ばれた。

 

2019年のロサンゼルス。取調室でレオン・コワルスキーが聴取を受けていた。職業は廃棄物処理技術者。取調官が質問を始める。レオンの前には瞳孔の動きを調べる装置が。
たわいもない質問が続く中、トータス(tortoise)の話題が出る。聞き返すレオン。カメ(turtle)の事だという返しに「見たことはないが」と続けるレオン。そこでまず疑いを持った取調官は質問を続ける。母親の話などして少し感情的にさせると、男の態度がだんだんおかしくなり、突然机の下から銃を撃つ。飛ばされる取調官。

 

 

宇宙植民地があなたを待っている。チャンスと冒険に満ちた夢の世界へ出かけよう(移動広告のメッセージ)。
雨の市街、日本食の屋台で食事をしようとしているデッカード。二人の男に尋問される(警官と私服)。店主の話だとデッカードを逮捕するという。人違いだと返すと、私服の男はブライアント署長の名を出した。

 

 

エアカーに乗り込む三人、そして離陸。署でブライアントから状況を聞くデッカード。レプリカントが4匹街に入り込んだという。私服はガフ(ブライアントの部下)
シャトルを奪って乗客全員を殺した。やっかいだと言うデッカードに、お前が殺すから地球に来たことはバレないさ、とブライアント。もう引退したと言うデッカードに「辞めれば、ただの人だ」。

 

レオンの尋問映像を確認するデッカード。その間にブライアントが事件を説明。2週間前に男女3体づつのレプリカントがシャトルを奪って23人を殺した。
3日前にタイレル社に侵入し、2匹が感電死。残りは行方不明。
社員全員に「ヴォイド・カンプフ」テストを実施。それで見つけたのがレオン。核兵器の運搬作業に従事していた。殺すしかない。
「なぜ危険を冒してまで地球へ戻った?」との問いに「それを探るんだ」。

 

他に逃げた者のリスト。ロイ・バッディ。完全自立型戦闘ロボット。ゾーラ(女)、プリス(女)。製造後数年で感情を示すという。憎悪、恐怖等への対応で、安全対策として4年の寿命を設定した。
タイレル社にも1匹紛れ込んでいるから、テストで暴いてくれ、とブライアント。

 

調べのためタイレル社に向かうデッカード。そこで「テストを見たい」と言うタイレル社長に請われるまま、秘書のレイチェルに対して「ヴォイド・カンプフ」テストを行う。
ごく一般的な会話の中にキーワードを埋めて行く。かなり会話が進んだところで最後に、劇の一幕の質問。宴会の場面で前菜に生ガキが出た後、主菜で犬が出た。虹彩の反応はなく、レイチェルは沈黙。タイレルはレイチェルを下がらせた。
レイチェルをレプリカントだと見破ったデッカードを高く評価するタイレル。彼女には自分がレプリカントだとは教えていなかった。

 

ガフに送られてレオンの居たホテルに行くデッカード。浴槽で鱗のようなものを見つける。暇つぶしにどこでも折り紙を作るガフ。その後引き出しから数枚の写真を見つけたデッカード。
バッディとレオンの会話。写真を取りに行こうとしたが、人が居て出来なかったと言う。

 

レプリカントの目を作っている職人。そこに現れるバッディとレオン。寿命、製造年月日等を聞くが、職人は知らない。タイレル社長が知っていると言った。だが彼には簡単には会えない。J・Fセバスチャンなら会える、と職人。

 

自宅に帰ったデッカード。そのエレベータで待っていたレイチェル。
私はレプリカントね、と言うレイチェル。母と自分が写った写真を出す。レイチェルの子供の頃のエピソードを話し始めるデッカード。それらはタイレルの姪の記憶だと宣告する。
だがショックを受けたレイチェルに、悪い冗談だと訂正し、酒を作りにキッチンへ。戻った時にレイチェルは居なかった。

 

夜の街を歩く女。ゴミ捨て場で横になり仮眠。そこへ気弱そうな男が来て女を見つける。女は逃げ出すが、男に声を掛けられて戻る。名前を聞かれて「プリス」と答える。男はJ・Fセバスチャンと名乗り、迷子だと言う女を自宅まで連れて行く。
家にはロボットがたくさんおり、皆セバセバスチャンが作ったもの。

 

うたた寝をして、ユニコーンの夢を見ていたデッカード。我に返ってレオンの部屋から持って来た写真の一枚を分析にかける。数度の拡大を繰り返して、手配の一人の女(ゾーラ)の顔を抽出した。

 

鱗を街の業者に見せるデッカード。多分作り物だという。顕微鏡映像で9906947-XB71という製造番号が現れる。蛇の鱗らしい。
作ったと言われるアブドゥル・ハサンを訪ね、人工蛇の売り先、チャイナタウンのタフィ・ルイスを聞き出す。タフィに蛇の場所を聞くがはぐらかされる。デッカードはレイチェルにTV電話を掛けて、出てこないかと誘うが、断られる。

店内アナウンスで「ミス・サロメのスネーク・ショーです」とのアナウンス。楽屋前で踊り子のチェックをするデッカード。一人の女に声をかける。芸能人組合の者だと言って彼女の控室まで入り込む。
虐待されていないか、とか様々な質問をするが、怪しんだ女はシャワー室で身支度をした上でそこを逃げ出した。追うデッカード。
何度もまかれそうになるが、ショーウィンドウの前で射殺。ガラスの飛び散る中で息絶える女。その始終を見ていたレオン。

 

デッカードの前に現れるガフ。ブライアントが同行していた。レイチェルが、自分をレプリカントだと知って姿を消したという。彼女も始末しろとの指令。
ガフらと別れた後、レオンに捕まるデッカード。わき道に引きずり込まれ殴られる。銃も吹き飛ばされた。「死の恐怖がわかるか?」と強烈な暴行。
とどめを刺される寸前、銃声と共に、レオンの額に穴があく。レイチェルがデッカードの銃で撃った。

 

レイチェルを部屋まで連れて来るデッカード。私が逃げたら追って来る?と聞くレイチェルに、いいや、借りがある、と返す。そして「でも誰かが追う」と。
自分の生年月日や寿命の記録を見たかを聞くレイチェル。見ていないとデッカード。
あのテストを自分で受けたことは?それには答えない。
部屋のピアノを弾くレイチェル。これもタイレルの姪の記憶かも知れないと言うレイチェルに「上手だった」と言ってキスしようとするが、彼女は急に部屋を出ようとする。
その行く手を阻み、強引にキスする。そして「キスしてと言え」と。「キスして」「離さないで」と言うレイチェル。

 

セバスチャンの家。顔をメイキングして遊ぶプリス。そこに向かうバッディ。セバスチャンは老けた外見だが25歳。「長命症候群」であり地球外には行けない。リンパ腺が急激に老化する。
バッディが部屋に来てセバスチャンに、タイレル社長に会えるよう頼む。

 

タイレル社のエレベータに乗っているセバスチャンとバッディ。セバスチャンの深夜面会に訝るタイレルだが、対戦中のチェスの手を言われて熱くなり、上がって良いとの指示を出す。
部屋に入ったセバスチャンのすぐ後ろのバッディを見て状況を知り「やけに遅かったな」。

長生きしたいと言うバッディに、それは私の管轄外だと逃げるタイレル。有機体のシステムを変えれば命取り。コード配列は変えられない。外部から干渉を受けた細胞は、ネズミが沈没寸前の船から逃げ出すようにパニックを起こして命を絶つ。
EMS組み換えは?EMSは毒性のある化学薬品で、有害なウイルスを作り出し、被験者は即死した。
細胞活動を抑えるたんぱく質は? やはり細胞複製の際に突然変異を誘発する。変異したDNAはウイルスを作り出す。

明るい炎は早く燃え尽きる。君は輝かしく生きて来た。君はすばらしい。
大いに楽しめ、というタイレルにバッディは「生物工学の神が呼んでいるぞ」と言って、彼の頭を両手で挟み、口づけをしてから押し潰した。

 

車でタイレルの死亡を聞くデッカード。同じく死亡していたJ・Fセバスチャンのアパートに向かった。
部屋に入るデッカード。プリスは人形に化けている。彼女の目の前に立ち、調べようとするところで蹴り倒される。バク転を繰り返し、デッカードの首にまたがるプリスは、その首を力づくでひねる。たまらず倒れるデッカードに向かってバク転で迫るプリス。銃で腹を撃つと、その場でバタバタとケイレンを起こす。続けて二度発砲し、ようやく絶命するプリス。

 

そこに駆け付けたバッディ。迎え撃つデッカードに「無防備の相手を撃つのか」と非難。
壁越しに腕を引きずり込まれ、右手の指を数本折られる。その後、手は放されるが利き腕でないため銃を撃っても当たらず、弾がなくなりデッカードは逃げ回る。
追うバッディにも寿命が近づくにつれての副作用が出始め、痛みで抑えるために手の平に釘を突き刺す。
なお逃げるデッカードは雨の降る屋上まで追い詰められた。

 

向かいのビルに飛び移ったが、足りずに鉄骨にしがみつく。バッディは楽々向かいのビルに飛び移り、デッカードを見下ろす。「怯えて生きる気分はどうだ」「それが奴隷の一生だ」握力が落ちて来て、もう支えきれない。
デッカードが落ちる寸前、バッディがその手を掴んだ。そしてデッカードを屋上へ。
へたり込むデッカードの前に座るバッディ。

俺は、貴様ら人間が想像も出来ないものを見て来た。オリオン座の近くで炎に包まれた戦艦、タンホイザー・ゲート近くで輝くCビーム。それらの瞬間もすべて失われる。時が来れば、それは涙のように雨に洗われる。

 

死ぬ時間だ。

そしてバッディは動かなくなる。彼の手から白い鳩が飛び立った。
警察からの応援。ガフが「やりましたね、これで片付いた」。そして「彼女も短い命、でも誰もが死ぬ」と。

 

自分の部屋に戻ったデッカード。眠るレイチェルを見つける。
「愛してるか」    「愛してるわ」
「信じてるか」    「信じてる」
そして身支度をさせてから、警戒しながら外へ。そこで床に落ちているものを拾い上げる。ユニコーンの折り紙。ガフの「彼女も短い命、でも誰もが死ぬ」との言葉を思い出す。
何度も頷きながらその折り紙を握り潰し、エレベータに向かうデッカード。

 

 

感想
本作が初めて公開された時は、えらいものを観てしまったなー、という印象。特にヴァンゲリスの音楽に圧倒された。ヴァンゲリスはこの前年に「炎のランナー」でFM番組でもその映画音楽がガンガン流されていたが、同じ”ランナー”でもずいぶん趣きが異なる。

 

Soundtrack

 

スピナー(飛行する乗り物)からの航空映像と音楽がマッチして、一種独特の浮遊感があり、これはやはり大スクリーンで追体験したいところ。

 

世界観としては、環境破壊によって地球が住みづらくなり、多くは宇宙に進出。地表は酸性雨に晒される劣悪な環境の中、貧富の差が激しい。セバスチャンの様な病気を持った者も宇宙に行けない。
そうした中、宇宙開拓のために開発されたのがレプリカント。

 

オリジナルでは、ラストでデッカードとレイチェルが逃げ延び「彼女には4年の寿命が設定されていない」的なナレーションが付いてハッピーエンドを思わせるが、ファイナルカットでは部屋を出るところでスパっと切れている。
またユニコーンの夢をデッカードが見る場面が追加されており、エンディングでガフが作ったユニコーンと絡めて、デッカードだけの記憶である筈のユニコーンをガフが知っていた→デッカードもレプリカントではないか?との謎を加えている。

 

ただ「ブレードランナー2049」でのデッカードは、キッチリ30年分歳を食っており、老化の再現まではせんだろう、という事で、ハリソン・フォードを再出馬させた時点でこのアイデアはボツ。


次の段階では「ブレードランナー2049」の事前情報集めか。楽しいような、辛いような・・・・・

 

 

アウトレイジ 最終章  2017年

$
0
0

監督 北野武
脚本 北野武
製作 森昌行
音楽 鈴木慶一

 

キャスト

張グループ
大友(元大友組組長)           - ビートたけし
張大成(チャン、張グループ会長) - 金田時男
李(リ、張グループ幹部)         - 白竜
崔(チェ、張グループ幹部)       - 津田寛治
市川(張グループ幹部)        - 大森南朋
バーテン                                 - 仁科貴

花菱会
野村(花菱会会長)                   - 大杉漣
西野 一雄(花菱会若頭)            - 西田敏行
中田 勝久(花菱会若頭補佐)      - 塩見三省
森島(花菱会若頭補佐)             - 岸部一徳
花田(花菱会幹部)                   - ピエール瀧
河野
原田泰造                                 - 花田の手下

山王会
白山 広(山王会会長)                - 名高達男
五味 英二郎(山王会若頭)          - 光石研
吉岡(木村組組長)                    - 池内博之

警察
平山(刑事)                             - 中村育二
繁田(刑事)                             - 松重豊

 

 

アウトレイジシリーズダイジェスト&最終章予告

 

あらすじ
韓国・済州島の海岸で釣りをしている市川と大友。張会長の計らいで、このシマの仕切りを任されていた。そこに部下が来て、系列のホテルで揉め事があると知らせて来る。

 

 

ホテルでは女二人が顔を傷付けられて泣いていた。相手はヤクザだと言う。部屋に押し込む大友。男は花菱会の花田。SMプレイでやりたい放題していた。最初は威勢が良かったが、大友の喝で、金は明日支払うと折れる。金の回収を若い者に任せて去る大友。
翌日、金を回収する筈の男が撃ち殺され、海に捨てられていた。顔を見合わせる大友と市川。

 

花菱会の幹部室。出て来ない花田に怒る会長の野村。反抗的な態度を取る西野や、それに同調する中田の事が面白くない。野村は前会長・布施(神山繁)の娘婿。
西野が、近く出所して来る幹部の河野の話を始め、野村は十分な手当てを指示。西野、中田が退室してから、残った幹部へ、中田に跡目を取らせて二人を揉めさせ、後は二人まとめて捨てちまえと話す。

 

レストランで花田が中田に、済州島での顛末を話す。バーテンが来てワインをサービス。張グループと揉めるのはまずい、と中田。花田に2~3千万用意しておけと指示。バーテンが李に電話をして、先ほどの話を伝える。その話はすぐ張会長に伝えられた。会長は、大友に動かないように、と李に指示。その後、部下から尹(ユン)会長の奥さんの死が李に伝えられる。

 

中田と花田が3千万を持って張グループを訪れる。一応詫びを入れるが、日本語を話すのが李と崔だけで、張会長には韓国語ばかり。李、崔が不在のスキに中田が悪態をつくと、会長が日本語で「何言うた、コラぁ」と凄む。結局金は逆に3千万上乗せして返された。
帰りの車で中田は、指詰めた上で会長と若頭に一億づつ持っていけと指示。

 

花菱の幹部室。野村会長と西野に顛末を話す中田と花田。ネチこく追及する西野に花田が「迷惑かけたくなかったんで」と言うと「迷惑もハローワークもあるかい!!」。
西野が、自分が話をつけたる、と言って花田を連れて外に出る。残された中田に迫る野村。西野が次の会長の座を狙っていると決めつけ、幹部の森島もそれに同調。中田に、跡目を継ぐ気があるか、と誘い込む野村。

 

一方西野は花田に2億用意させ、一億は張会長、もう一億は自分に回せと指示。だが既に一億づつ野村と西野には届けてある。どこまでも強欲な西野は、自分か会長になったら若頭にしてやると話す。

幹部室での話の続き。西野を殺れという事か?と聞く中田に森島が、西野と花田が張グループへ挨拶に行くから、その帰り、話がうまく行こうが行くまいが、張グループにやられた事にすればいい、と。

 

張グループを訪れる西野と花田。仕事を優先して西野を無視する張会長。一段落して李が、ウチはヤクザじゃないと言って、持参された一億のうち、先に出した3千万だけ受け取って残りを突き返した。

張グループからの帰り、ドライバーは中田が宴席を用意している、との指示に従って車の後を走っていた。前の車が止まり、降りた男が後ろまで歩いて来て、ドライバーを射殺する。ひきつる花田を置いて西野が車を降りる。そこには中田の姿が。
西野が話す、野村の計略。西野は花田に、どっちに付く?と迫る。選択の余地はない。

 

ずぶ濡れの状態で花菱会に戻った花田。野村の「西野は?」の問いに「判りません、死んでもうたんちゃいますか」。張会長の始末を花田に押し付ける野村。

 

張会長行きつけの喫茶店。チンピラ数人が銃を持って喫茶店に押し込む。部下らと撃ち合いになり、最後に残った男が張会長に銃を向けた。急を聞いて駆けつけた李が、その男の胸を撃ち抜いた。
失敗を聞いて花田を罵る野村。

 

済州島。日本に帰ろうとする大友に、自分も連れて行ってくれと頼む市川。どうしたいと聞く大友に「花菱に突っ込みます」 「お前、死ぬぞ」と言って笑う大友。つられて市川も。

 

張会長が襲われた件は警察にも情報が入っていた。担当の平山と繁田。韓国フィクサーVS花菱の構図。国際問題を気にする。張グループの事務所へ聴取に行くが、剣もほろろに扱われる。

空港に降り立った大友。李が出迎えに来ていた。それをたまたま見つける平山と繁田。途中で止めて大友を連行。

 

そんな折り、事務所に帰る途中の野村がバイクに乗った男に銃撃される。野村は無事だったが、あたりにわめき散らす。男は張グループの若いモン。
出所して来た河野が挨拶に来ており、ドタバタの中、何とか威厳を保とうとする野村。中田に、木村組を使ってでも何とかしろと再度指示。
山王会へ指示に行った中田だが、西野が死んだと思っている白山と五味は鼻で笑う。そこに現れた西野。

 

警察の幹部に圧力を掛ける張グループ。二日間拘留されていた大友はあっけなく釈放された。逆上する繁田。
出迎えた李は、市川たちが向かっている事も知っていて、会長は揉め事をするなと言っている、と伝えるが大友は聞き流す。

 

空港そばで市川ら三名を迎える大友。例のバーテンが手引きをしてくれた。「まずは東京の花菱」と大友。

花菱傘下の木村組・吉岡らと山王組の白山、五味が一緒にバーで飲んでいる。そこに乗り込んだ大友と市川が吉岡とその手下を射殺。白山と五味は手引きした側。

 

 

自動車修理工場を訪ねる繁田。以前山王組で加藤の側近だった男。もう今は足を洗っている。木村組襲撃の疑いでの調べ。堅気になった加藤会長を殺した犯人さえ捕まっていないと言い返す男。

 

署に戻った繁田。平山から、二課に替わったので捜査から外れろと指示される。上からの命令。
張グループ、花菱会とも襲撃が大友であるとの情報が浸透して行く。

市川が、三名の韓国人助っ人を連れて来る。大友が何気なく尹会長の奥さんの様子を聞くと、元気だと言う。そこですかさず大友はその男たちを撃った。最初に市川が連れて来た手下も巻き添えとなり大友、市川の二人だけになってしまった。

 

大友、市川と、花菱・西野との話し合い。西野は、刺客を向けたのは野村だと焚き付ける。そして元はと言えば、この花田が余計な事をしたから、と詫びを入れさせる。
そこで元凶は野村だと決め付け、今度河野の出所パーティーがあるから、そこで始末してくれと頼む。やれたら木村組のジマはやる、とも。「そんなもんいらねえ」と大友。

 

河野の出所祝いパーティー。野村は言い訳を作って欠席。大友も来ていないと聞いて西野は舌打ち。河野がお礼の挨拶をしている時に、西野が現れて自分が野村に殺されかけた事を組員の前でブチまけ、野村には引退してもらうと宣言。
そこへマシンガンを持った大友と市川が乱入し、組員をことごとく銃殺。西野ら幹部は辛くも逃れる。大友のやりすぎに手を焼く西野。

 

花菱の幹部室。組員の多くを殺されて怒る野村。中田を責めて破門だ!と叫ぶ。そこへ現れた西野が「破門はお前だ」。モンモンもない、部屋詰めもした事がない野村をヤクザとは最初から思っていなかった。
森島に、何とかしろと指図するが「おどれなんか、子分がいてへんかったら、ただの定年迎えたサラリーマン」と簡単に寝返った。他の幹部もそれに続く。
そして野村を連れ出して大友に引き渡す。

 

雨の降る田舎道の真ん中に、首だけ出して埋められた野村。すぐそばを軽トラが走り去って行く。次に大友と市川の乗った車が通り過ぎる。鈍い音。

 

 

花菱幹部室。西野が会長就任の挨拶。若頭は中田。その補佐が花田。会議の後、電話を受ける花田。森島が聞くと、会長と頭がお祝いに女と遊ばせてくれるという。
ホテルに乗り込む大友と市川。中に女と居るのは花田。扉を開けて女二人を逃がすと、そこにはSMプレイで手足を広げて縛られている花田。
口に爆薬を押し込み、長い導火線に火を点けて立ち去る二人。廊下を歩く途中で「ボン!」という破裂音。

 

昼飯を食いながら、事件の顛末を平山に聞く繁田。うまく立ち回り出世した平山にお祝いを言ってから、テーブルに辞表を置いて店を出る繁田。

山王会の事務所。花田がやられた事を聞いて、ここもヤバいよな、と五味に話しかける白山。五味がおもむろに銃を出し、白山と側近の男を射殺。そして電話をし「ウチの事務所も大友に襲われました」。

 

西野と森島の会話。大友がみんなやってくれた。大友は、張に手は出さないと言えば、何でもやる。

 

済州島に帰る市川を見送る大友。いつ帰るんです?と聞く市川に「まだやる事がある」。
大友を連れて例の自動車修理工場を訪れる李。ここの二人が木村を殺した奴だと言った。二人を射殺する大友。「これで終わりですよね」と李。

海沿いに車を停めて李が「大友さん、これ以上会長に迷惑かけないで下さい」と銃を向ける。
「李さん、あんたがそんな事しなくったっていいよ、ケジメは自分でつけるから」「会長によろしく」と言って銃を口に咥えて発砲。

張会長に報告する李。「大友さん、死にました。会長に、よろしくと言ってました。

 


感想
二作目の「ビヨンド」の出来が良かったので、ちょっと期待値が大きく、その点で言えば少し物足りなかった。「ビヨンド」では力を付けて来た山王会に対して片岡が画策して、その弱体化を図るという基本軸に、様々な要因が積層的に構築され、見応えがあった。

 

今回は、その山王会が弱くなりすぎて、権力抗争というより花菱会のドメスティックな争いに大友が振り回されただけという印象。
まあ、それを言えば①も②も、大友が振り回される事に違いはないのだが、今回は図式が単純過ぎる。

 

大友については、張会長に恩義を感じているのは「ビヨンド」で十分認識されているが、出来事としては張グループの若いモンが一人殺されただけの話(だけ、というのは失礼か)。わざわざ逮捕の危険を冒してまで日本に来る動機付けに、もっと深いものが欲しかった(例えば張会長の親族がやられるとか)。

 

木村組への殴り込み、出所パーティーへの襲撃、野村会長殺害、これら全て大友が、西野のお膳立て通りに動かされているだけの話。
それは西野自身「大友は張に手は出さないと言ったら何でもやりよる」との言葉でも明白。
大友の行動を規定しているのが何か、というのが今回見え難かった。のかわざと見え難くしたのか。

最後の仕事として「ビヨンド」で木村を殺した時の二人組を殺したのも、ちょっと「今さら」感ありあり。これを出すならもっと「ビヨンド」と繋がるシナリオを作らなくては・・・

 

ただ、今回観ていて一番感じたのは李の、大友に対する愛情。「ビヨンド」では加藤を殺す時にも協力しているし、木村を殺した者の事も今回教えている。張会長の思いやりも感じられ、大友の行動規範は、要するにココ。
もう少しそれが判り易い構成になっていると、よりいいと感じたが、それがタケシ独特の「照れ」なのかも知れない。
そういう意味では十分、アウトレイジの「最終章」になっていると言えるかも。

 

今回中田役の塩見三省。病み上がりとかで、声に全く迫力がなく見ていて辛かったが、実際大変だったようだ。西田敏行も首の故障で大変だったらしい。また「ビヨンド」で花菱会の布施会長をやった神山繁は、今年の初めに亡くなっており、たけしとしても予定外だっただろう。シリーズものにはいろいろと苦労がある。

 

鉄砲玉役の原田泰造が本当にチョイ役で「出る必要あんの?」てな感じ。「ビヨンド」の時の高橋克典みたいなサプライズ感は皆無。それにひきかえバーテン役の仁科貴(川谷拓三の息子)が好演。


音楽は鈴木慶一。ピアノ系の非常にきれいなメロディーで、映画の格調をアップさせていた。

 

猿の惑星(リブート・シリーズ) 2011年~

$
0
0

猿の惑星: 聖戦記(グレート・ウォー)が公開になるので、こちらもちょっとおさらい。

1968年の「猿の惑星」以降全5作作られ(1973年まで)、次にリメイク作品として2001年「PLANET OF THE APES/猿の惑星」が作られた。
その後、設定が異なる新たなものとしてリブート(再起動)企画されたのが今回のシリーズ。


猿の惑星: 創世記(ジェネシス)  2011年

監督 ルパート・ワイアット

 

あらすじ
製薬会社ジェネシス社で働くウィルは、ウイルスを用いたアルツハイマー遺伝子治療薬ALZ112を開発、メスチンパンジーのブライトアイズに投与して実験を進める。劇的に知能を向上させる結果となった。更なる試験の追加を申請している時にプライトアイズが暴れ、射殺されてしまう。
ブライトアイズは狂ったのではなく、身籠っていた子猿を守ろうとしていただけ。

 

研究を凍結されたウィルは、残された子猿を引き取り、シーザーと名付けて育てる。シーザーは目覚ましい知能の向上を示し、手話まで使えるようになる。父親のアルツハイマーを改善させる誘惑に駆られ、ALZ112を投与するウィル。父の認知症は著しく改善。

 

だが5年の月日の後、父の症状は戻り、却って悪化。父が近隣とトラブルを起こしたのを助けようと、相手を傷付けた事から、シーザーは霊長類保護施設に送られる。優れた知能を生かして、シーザーは施設内の猿たちのリーダーとなる。

 

一方ウィルは父親の実験結果を社長に報告し、治療薬の開発が再開される。より強力に改良されたALZ113が完成。社長は慎重論のウィルを無視してALZ113の量産を進める。

ウィルはシーザーを引き取ろうと施設に行くが、人間不信のシーザーはそれを拒絶。
施設の人間との対決で初めて「ノー!」と叫ぶシーザー。職員を倒して逃げ出したシーザーは、ウィルの自宅からALZ113を盗み出して仲間の猿に与える。実験で知能が向上したボノボのコバたちも施設から脱走。

 

ゴールデンゲートブリッジでの攻防も制して、シーザーたちは、橋を渡ってミュアウッズ国定公園に向かった。
後を追って来たウィルとの再会。ウィルが説得するが、シーザーはウィルとハグした後、仲間を率いて森に去って行った。


4分あらすじ版

 

猿の惑星: 新世紀(ライジング)  2014年

監督 マット・リーヴス

 

あらすじ
シーザーがミュアウッズ国定公園に逃げ込んでから10年後。
治療薬ALZ113は、猿には副作用がなかったが、ヒトにとってはそのウイルス因子により通称「猿インフルエンザ」を発症した。人類は大幅に数を減らし、文明は崩壊した。

シーザーは「猿は猿を殺さない」という掟を作って、平和な集落を統率していた。教育の整備により狩りの大規模化、手話・言葉によるコミュニケーションも発達。

 

そんなある日、集落に武装した人間が侵入して猿に怪我を負わせる事件が発生。シーザーは、ゴールデンゲートブリッジの向こうの人間の集落に軍隊を派遣して、猿の領域を侵すなと宣言。言葉を話す猿に驚愕する人間たち。

再び侵入した人間の一人マルコムを捕まえて事情を聞くシーザー。人間たちは燃料が尽きかけており、電力を使えるようにするため、猿の集落内の水力発電設備を使えるようにしたかった。仲間のドレイファスは猿を倒したいとの思いがあるが、それを制して作業の許可を求めるマルコム。人間の殲滅を進言するコバの言葉に悩みつつも作業を許可するシーザー。

 

数々のトラブルを経ながらも何とか作業が終わり、電力の供給が成功した。

自分の意見が通らなかったコバは、シーザーの息子ブルーアイズらも煽動して、人間から奪った銃を使い、シーザーを撃つ。そして自分が実権を握って人間の集落を攻撃。数で勝る猿に制圧される人間たち。

 

マルコムらに助けられたシーザーは、かつてウィルと住んでいた家に運び込まれ、そこで手術を受けた。一命を取り止めるシーザー。
ブルーアイズはコバから離反して戻り、人間の囚人を解放。
シーダーたちは苦戦しながらもコバたちを制圧。粛清されるコバ。

人間の軍隊が迫る中、猿と人間との全面戦争は避けられない。マルコムに別れを告げるシーザー。


4分あらすじ版

 

感想
オリジナルのシリーズは5話全て鑑賞済み。リメイク版も観た。
ただリブート版は「ジェネシス」しか観ておらず、今回の4分あらすじで何となく把握。
リブート版は最初「なんだフルCGか」と軽く思っていたが、実際に俳優が全く同じ動きをし、表情も顔面専用のカメラで撮って、それをデータ化してDGに落としており、実物感がハンパない。

 

メイキング映像

 

 

猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)

物語の中心は、薬物で知能を高められた母親から生まれたシーザー。一作目はその誕生と成長。二作目でリーダーとしてのシーザーの確立。
今回の三作目で、人類対猿の最終決戦という展開。予告編で出て来る少女がそのカギになる、という事か。

 

予告編

 

 

 

 

猿の惑星: 聖戦記(グレート・ウォー) 2017年

$
0
0

監督 マット・リーヴス

 

キャスト

 

猿(エイプ)

シーザー        - アンディ・サーキス(小原雅人)
バッド・エイプ     - スティーヴ・ザーン(柳沢慎吾)
モーリス        - カリン・コノヴァル(斉藤次郎) オランウータン(側近)
ロケット         - テリー・ノタリー
レッド・ドンキー    - タイ・オルソン(白熊寛嗣)
ルカ            - マイケル・アダムスウェイト
コバ            - トビー・ケベル(三宅健太) 
コーネリア       - ジュディ・グリア シーザーの妻
レイク           - サラ・カニング ブルーアイズの恋人
ブルーアイズ      - マックス・ロイド=ジョーンズ シーザーの息子
コーネリウス      - デヴィン・ダルトン シーザーの息子
ウィンター        - アレクス・ポーノヴィッチ アルビノのゴリラ

 

人間
マカロック大佐     - ウディ・ハレルソン(大川透)
ノヴァ            - アミア・ミラー
プリーチャー      - ガブリエル・チャバリア(阪口周平)

 

 

あらすじ
前作から2年後の世界。国定公園で猿たちを襲う人間の軍隊(アルファ・オメガ)。人間に協力するゴリラの存在。
大きな被害を受けた猿たち。数名の捕虜と協力者のゴリラ:レッドがシーザーの前に引き出される。レッドは元々コバの信奉者(コバは前作で粛清された)。
シーザーは、平和的解決を望む印に、捕虜を無傷で返す。また捕獲していたレッドは脱走。

 

そこへ新天地探しから戻って来た息子のブルーアイズとロケット。砂漠の向こうにいい土地があると報告。早い移動を進言する

ウィンターに対し、多くの仲間を抱えるシーザーは躊躇する。
その晩、軍隊の少数部隊が猿たちの集落を襲う。シーザーは無事だったが、妻とブルーアイズが殺された。ロープで脱出する大佐に掴みかかるが、逃げられる。

 

仲間が皆新天地に向かう中、復讐と、仲間の安全な移動のため、軍隊の襲撃を考えるシーザー。モーリス、ルカ、ロケットが同行。
途中で人の気配がする民家を見つける。そこで男と対峙。男が銃を出したためシーザーが射殺。その家には少女が居た。モーリスが会話しようとするが喋れない。置いていけと言うシーザーを気遣いながらも、その少女を馬に乗せるモーリス。
なおも先に進み、軍隊のベースキャンプを見つける。そこで雑用をしていたウィンター。レッドに利用されていた。

 

ウィンターの得た情報では、軍隊は国境を目指しているという。

翌朝軍隊が出発した後の現場に行くと、銃で撃たれた兵士が数名。まだ息のある者に、モーリスが事情を聞こうとしたが、少女同様喋れない。瀕死の男はとどめを撃ってくれと手振りで頼む。

 

鉄塔に昇って軍隊の行先を調べている時に、馬が一頭奪われた。急いで追いかけると、乗り捨てられた馬の先に大きな家。
出て来たのは小柄なチンパンジー。言葉が喋れたが、それを仕込まれたのは動物園。仲間は皆死んだという。その時に付けられた「バッドエイプ」を名乗っていた。
バッドエイプの話から、軍隊の大きな基地がある事を知る。最初は怖くて案内を拒んだバッドエイプだが、結局案内する事に。

 

基地を前にして偵察を行っている時にシーザーが襲われ、それを助けるためにルカが死ぬ。涙を流しながら、ルカからもらった花を手向ける少女。

 

 

復讐に捉われている姿に意見をしたモーリスに激怒して、単身基地に乗り込むシーザー。途中で磔にされている猿から、新天地に向かった仲間が軍に捕まっている事を知るが、突然現れたレッドに襲われ、捕まってしまう。

 

シーザーが目を覚ましたのは基地の中。大佐とレッド、そして最初襲われた時に釈放した兵士プリーチャーが居る。妻と息子の命を奪った大佐は謝罪する。大佐の案内した先の檻。猿は大人と子供別々に入れられ、自分の息子、コーネリウス、ブルーアイズの恋人レイクも居た。
猿たちは、大佐の進める巨大な壁の建設のため、強制労働させられていた。過酷な労働のため、猿が施設の一部を壊し、レッドがその猿を折檻する。「やめろ」と声を上げるシーザー。折檻はシーザーに移ったが、それにじっと耐える姿に感化されて、働いていた猿たちが作業を止める。
大佐がシーザーの頭に銃を突き付けると、レイクはシーザーを助けるため、皆に呼び掛けて作業を再開。

 

 

磔にされ、その晩大佐のもとに連れられたシーザー。来る途中で殺された兵士の事を思い出して「自分の兵士も殺すのか」と聞いた。
猿インフルエンザの二次症状として言葉を失うという事があり、大佐はこれを退行と考え、感染予防のために兵士であっても殺して消毒する事を徹底して来た。それは自分の息子にも行った。
あの少女もそうして発症したが、兵士がその少女を助けて脱走していた。
大佐のそうした先鋭的な行動が、軍の中でも否定されており、他の軍隊からも狙われている大佐。壁はそれに対抗するために作られているもの。

 

大佐は猿たちの統率を要請するが断られ、再びシーザーを磔にする。一方モーリスたちは基地の下に地下道を見つける。
弱り切ったシーザーは個室の檻に入れられて倒れている。そんな姿を見て、少女が水と食料を届けに行く。向かいの檻でそれを見て、手振りで「がんばれ」と励ます仲間たち。
だがそこに兵士たちが戻って来て、少女を逃がすため、ロケットが囮となって捕まる。檻に入れられたロケットが脱出の計画を皆に伝える。

 

朝になって、シーザーは望遠鏡で観察しているモーリスたちに、檻までの距離(何歩か)を伝える。モーリスらは地下道から檻の直下に繋がる部分に穴を開ける。少女が手話でモーリスに「私はエイプ?」と聞くとモーリスは、彼女がバッドエイプからもらった飾り物に書いてある言葉を読んで「君はノヴァだ」と伝え、その勇気を称えた。

 

脱出が始められ、シーザーは息子のコーネリウスを抱きしめる。
脱出が軌道に乗り始めた頃、反対勢力の軍からミサイル攻撃が始まった。
シーザーは大佐の居る部屋に向かう。だが部屋は静か。大佐を見つけた時、彼はほとんど動けなかった。シーザーが近くにあった銃を手に取り、大佐に向けるが、彼は言葉も話せない。感染したようだ。
苦悩の末、銃をテーブルに置くシーザー。大佐はやっと動く手でその銃をつかみ、自らにの頭に向けた。

 

猿たちの脱走を大佐の軍の者が見つけ、襲撃を開始する。レッドもその仲間。それを見て、巨大なガソリンタンクを爆発させるため、手榴弾を投げようとしたシーザーだが、プリーチャーにボウガンで撃たれてしまう。
絶体絶命の中、レッドがプリーチャーを射殺。レッドはそばの兵士に殺される。ガソリンタンクを爆破したシーザー。

 

 

爆破が基地全体に及び、軍は壊滅した。その後到着する敵対軍。一人残されたシーザーは、一斉に銃口を向けられるが、そこに大雪崩が襲いかかる。
兵士が全て飲み込まれたが、猿たちは木に登って大部分が助かった。

新天地に向かう猿たちの長い行列。目的地を間近にしての小休止。モーリスと話すシーザーだが、ボウガンに撃たれたのが深手だった。静かに目を閉じるシーザー。


感想
洋画の場合、字幕版を選ぶ事が多いが、今回は箱が大きい吹替え版を選択。
人類対猿の最終決戦、てな感じで予告編が表現されていたが、人類側の先鋭化した軍隊が、シーザーをターゲットとして集中的に狙う場面から始まる。
口のきけない少女、同じく喋れない瀕死の兵士、と重ねる事で、人類側に何かが起きているという表現が上手く行われている。

 

今回のシーザーは、優れたリーダーというより、怒りに任せた復讐者というところか。ただ、軍の基地でのカリスマ性を感じさせるエピソードもあり、それなりの見せ場があった。
バッドエイプ役の吹替えをやった柳沢慎吾。そのまんまのキャラだったら嫌味だが、セリフ棒読み的な要素もあって、それが適度に薄められ、程良い感じにまとまった。

 

オリジナルの「猿の惑星」に対するオマージュも随所に見られた。まず猿たちを磔にする木がX状に組まれていたり、少女の名前のノヴァは、テイラーが助けた人間の女性の名前。妻のコーネリアと、息子のコーネリウスの名前、とか。
内容的にもオリジナルでヒトが知能退行し、口がきけない事の説明にもなっていて、前日譚を意識している。

 

とにかく人物CGは以前「デス・ノート」のリュークを見てまず驚いたものだが、このシリーズではそれをはるかに上回る実物感で、ジュラシックパークとも違う表現力に脱帽。今回は心情を現す表現の自然さに、CGである事を半ば忘れていた。
ただ、大佐がシーザーに言った「目は本当に人と一緒だな」はネタバレもいいところで、これだけはCGではなく役者本人の目。

 

このシリーズも一段落、こういったCGを使ったテクスチャー表現が活かせる映画に、今後も期待したい。

 

 

 

 

Viewing all 1566 articles
Browse latest View live