この番組も半年に一回のペースに落ち着いている。
直近の話はコチラ
今回シリーズの詳細はこちら
1.さかさま少女のためのピアノソナタ
音楽大学に通う黒木(玉森裕太)はコンクールに落ち続け、自信をなくしている。同級生の吉野(黒島結菜)は常にトップ。
ある日古本屋で旧い楽譜集に挟んだ楽譜を見つける黒木。
余白に書いてあるドイツ語を訳すと「さかさま少女のためのピアノソナタ」となった。検索をかけると、この曲を弾き間違えると手を失うとあった。黒田が弾き始めると、その間周りのものが停止し、曲が終わると再び動き始める。
友人の野下(大内田悠平)がそれを聞いて自分もチャレンジするが、間違えて手に大ケガをした。
「羨ましい」と言う吉野。全てを犠牲にして、ピアノを強要されての今の地位。
誘惑に駆られてまたその曲を弾き始めた時、窓の外に逆さまになって落ちようとする吉野の姿。弾き始めたので止まっている。
「死のうとしたのに・・・」と吉野。
曲を弾き終わると再び動き始める吉野。
慌ててまた弾き始める黒木。何度もそれを続けるが、いつかは間違える。生きたいという思いが湧いて来る吉野。
無事に部屋に戻って来た吉野。
ベートーベンの逸話を思い出した黒木。曲が終わった瞬間、楽譜を逆さまにして終わりから弾き始めた。次第に体が上がって行く吉野。
無事に生還出来たので、自分も弾きたいとその曲を弾き始める吉野。外を見ると手をダメにした野下が・・・・
感想
弾いている間だけ時間が止まるというアイデアを膨らませた小品。まあシャレてるが、最後はまさに蛇足(自殺する雰囲気がまるでない)
2.しらず森
仕事優先の夫と不和の遥子(はるこ・吉田羊)は、小学校の同窓会に息子尚之(なおゆき・髙橋來)を連れて行く。30年振りに掘り返したタイムカプセル。
その帰りに子供の頃遊んだ森に行くが、ちょっと目を話したスキに尚之が姿を消す。
警察ざたになり、離婚調停中の夫昭彦(長谷川朝晴)も飛んで来る。
万策尽きた時、ふとタイムカプセルにあった缶詰を開けた遥子。
中にバッジと手紙。30年前を思い出す遥子。
迷子になった尚之は女の子に家まで連れて行かれる。そこはおばあちゃんの団地。若い顔のおばあちゃん。お姉ちゃんの名前を聞く尚之。
感じるものがあって森の寺に走る遥子と、それを追う昭彦。寺男が「神かくしだからもういいかい、もういいかいと呼び続けなさい」
30年前の遥子。迷子の子に手掛かりを与えるため、証拠になるバッジと手紙を書いて缶詰に入れる。
バッジを見て「これ、俺が買ってやったヤツ」と昭彦。
森で時空が交差する。もういいかい、の呼び声。
30年前の空間から尚之の身体が消えて行き、現在の空間に現れた。抱きしめる遥子。
感想
タイム・リープもの。家庭不和が、この事件をきっかけに修復されるという話のまとめ方はサワヤカ。
3.永遠のヒーロー
「怪人対策室」で戦隊ヒーローとして働く警部・大場博人(郷ひろみ)。肉体改造されてヒーロースーツで変身する。そして怪人たちと戦い、世界の平和を守っている。
妻に先立たれ単身赴任で働いており、娘の亜希(上白石萌音)とはTV電話での話だけ。だが来年で定年。そうしたら娘とゆっくり暮らせる。
ある日、ウイルスによる犯行声明を出した犯罪集団。今まで逮捕した怪人の解放が条件。
強敵を何とか倒した博人だが、彼に亜希が「だから何?そんな事して何になるのよ!」と言い放つ。
今までの多忙を反省し、娘に会いに行くためしばらくの休暇を上司に願い出る博人だが、拒否される。
固い決意で家まで帰るが、そこには家はなかった。
本当の事を話せ、と上司に迫る博人。上司は、娘はAIだと言う。博人だけではなく他の同僚の家族もバーチャルな家族設定。皆改造手術の時に記憶をすり替えられた。
我々がいなくなったら世界平和はどうなる、と言う上司。
亜希に電話をする博人。何のために戦っているか判らない、と嘆く博人は亜希に「AIなんだろう?」と聞く。
お前はニセモノなんだと言う博人に、そうだったら良かったのに、と亜希。明日手術を受けると言う亜希。成功しても完全に治ることはない。現実にはヒーローなんかいない。
実は博人らは「永遠のヒーロー」というスマホのアプリ。
でもお父さんがいたから諦めずにがんばって来れた。私のヒーロー。今までありがとう。
署に顔を出す博人。「ご迷惑をおかけしました。またよろしくお願いします」 「よし、全員出動だ!」
感想
娘がAIだと悲観していたら、実は自分がアプリだったというオチ。
しかし郷ひろみ、これで還暦過ぎてるんだからスゴイ。
4.人間の種
OLの緑(みどり・木村文乃)は同じ会社の恋人遠藤太一(笠原秀幸)からプロポーズされるが返事出来ず。
仕事帰りに寄った花屋で「幸せの種」を買って花壇に植える緑。
数日してそこから子供の腕が出て来てびっくり。それは少女・希(のぞみ6歳:粟野咲莉)。頭に芽が生え、自分をあなたの母親だと言う。慌てて袋を見ると「種類:人間。あなたにとって必要な花が咲きます」彼女が作ったロールキャベツは母親が作った味とそっくり。
シャワーを浴びたら成長した(15歳:山田杏奈)。緑がプロポーズの返事をしていない事を知り、会社にまで押しかけて太一に面会。怒る緑。
覚えてる?と希。緑が6歳の誕生日。おめかしセットをもらったが、本当は魔法の指輪がほしかったのを我慢して喜んだ。母は本当の事を言ってと言った。その話はしたくない、とさえぎる緑。
ある日二階で勝手に部屋を捜し回る希。あの指輪捨てちゃった? 机からそれを出す緑。喜ぶ希。緑が自分に素直になった証し。
こんなもの欲しがらなければ良かった、と叫ぶ緑。
母に言われて、本当は魔法の指輪が欲しいと言った緑。それで品物を交換に行って事故に遭い死んだ母。残された指輪の箱。
指輪なんていらない。お母さんに帰って欲しかった。私は幸せになっちゃいけない。
それで結婚を迷ってるの? 窓から指輪を捨てる緑。
しばらくして希を探すがいない。もう一度袋を見ると「花の命は一週間です。水をやると成長が早くなる・・・」
希は外にいた。雨に打たれて成長し、母親(31歳:岡本玲)の姿。
緑が捨てた指輪を見つけた。
指輪を買いに行った事は後悔していない。もっと早く言いたかった。
私、幸せになりたい。 幸せになる!と緑。
太一との結婚式を挙げる緑。
感想
種を植えたら人間が生えてくるというのはいい「つかみ」。
木村文乃は若く見えるがもう31歳。既に結婚しているらしい。
5.大根侍
立川樹(いつき/浜辺美波)は高校バスケ部のマネージャー。憧れている先輩の翔(かける:井上瑞稀)が好物のブリ大根を作ろうとスーパーで買った食材を下げて歩いていると、浪人風の男(小手伸也)とすれ違いざまに大根同士が当たった。
鞘当てか、と言って大根を抜き構える男が切りかかると、実際に樹の腕が切られ血が出る。
土下座して命乞いをする樹に、決闘は一ケ月後と言って立ち去る男。
生徒手帳を取り上げられ、中に挟んであった翔の写真を見せて「来なかったらこやつを斬る」
途方に暮れる樹に話しかける老人。弟子にならんか、必ず勝てると持ちかける。怪しむ樹に、大根でポストを一刀両断。
始まった特訓。最初は長ネギ。次いでヘチマ・・・・
どんな野菜も武器で出来る、と老人。
私が先輩を守る、と励む樹。いつしか大根で巻き藁が切れるまでになった。
時は過ぎてアスパラに巻かれた果たし状が飛んで来た。
決闘は6月30日。
そして決闘当日。形勢は樹に不利。男は新技の円月殺法で迫る。
自分の大根が真っ二つに切られる樹。
万事休す、という時に樹が二本に分かれた大根を交差させて男の刀を受け止める。動きを封じられる男。
そして両手の大根で切り付け、男を倒す樹。
樹の作ったブリ大根をおいしそうに食べる先輩。
別の日、また買い物をして歩く樹に、すれ違いざまにぶつかった男。
怒ったマカロニウェスタン調の男が、腰から抜いたのはブリの頭。
そこから弾が飛び出す・・・・
感想
ブリ大根をネタにしたナンセンス。今回5編の中では一番安直。
演技も大根だし、まあいいか・・・・
全体感想
5編中3編が親子ものであり、シナリオ的にもほっこりするエピソードで、概ね好感が持てた。
ストーリーテラーのタモリに絡んで、佐藤二朗が強盗犯として各話の幕間に現れるが、本編にも全く絡まず意味不明でオチもあいまい。
ない方が良かった。
「雨の特別編」とあるが、はっきりと雨を意識したのは「人間の種」だけ。