監督・脚本 ゲイリー・ロス
音楽 ニコラス・ブリテル
キャスト
デビー・オーシャン - サンドラ・ブロック
ルー・ミラー - ケイト・ブランシェット
ダフネ・クルーガー - アン・ハサウェイ
アミータ - ミンディ・カリング
タミー - サラ・ポールソン
コンスタンス - オークワフィナ
ナインボール - リアーナ
ローズ - ヘレナ・ボナム=カーター
クロード・ベッカー - リチャード・アーミティッジ
ジョン・フレイジャー - ジェームズ・コーデン
イエン - チン・シャオポー
予告編
感想
レビューしているブロ友さんがけっこう居たので視聴。
オーシャンズシリーズは「11」だけしか観ていないが、あまり印象に残っていない(だから続編も観なかったのだが)。
五年服役していたデビーが、その間に練り上げた計画を実行に移すというのが基本ストーリー。
長年の相棒だったルーを起点として、順にメンバーを集めて行く過程が楽しかった。それからハッカーのナインボールを活用して、セキュリティに穴を仕掛けて行く手順もなかなかイイ。
そういう予定調和がつまらないという人も居るが、技系の人間は、キチンと計画された事が手順通りに進む事にけっこう快感を感じるところがあって、これはこれでいいと思う。
逆に「ミッション・インポッシブル」シリーズは、予定外のトラブルとか裏切りとかがテンコ盛りで、スパイ物としてのミッション遂行過程をじっくり見せる、という点がおろそかにされている。
トゥーサンは、3キロものダイヤモンドが使われている超ド級のネックレスだが、ちょっとダサい感じではある。
五十年地下で保管されていたという事で、まあそれもナットクか。
だが、あの止め金具の構造は最新式だったから、そこだけはリニューアルされていたという事?でも特殊な工具を使わないと外す事が出来ないんだったら、走ったぐらいで外れる筈がない。見つかった時点でそれが本物でない事を疑うのが普通。この辺はちょっと甘いか。
うまく行き過ぎた事に、さすがにちょっと抵抗はあるかも。
しかし、アン・ハサウェイの艶やかさは、こういう場面ではピカイチ。
かわいい顔してワルがやれるのも彼女のいいところ(キャットウーマンとか)。
それにしてもサンドラ・ブロックの顔。マイケル・ジャクソンやね。
映画の中で流れる曲のセンスが非常に良かった。中でもテーマ曲の様に使われているのがナンシー・シナトラの「にくい貴方(These Boots Are Made for Walkin')」 原題と似ても似つかない邦題が笑えるが。
続編はあるかな?
あらすじ
出所前の面接を受けるデビー・オーシャン。つきあった男が悪かった。これからは地味に生きる、と殊勝な事を話す。
高級ドレスを着てブティックの化粧品を次々と手にするデビー。そのままサービスカウンターへ行き、それらの化粧品の返品を告げる。店員がレシートの提示を求めるが、そんなものはない。
愚痴を言いながらも、持って帰るから、と袋を要求。
その後もホテルに入り客を装って、運搬途中の客の荷物、コートを失敬。
美術ギャラリーを訪れ、そこの店主をしている男に声をかけるデビー。驚く男の胸元のボタンをナイフで切り取る。
安酒場を訪ねるデビー。そこのママ、ルー・ミラーはかつての仲間。
デビーが男に会いに行った話を聞く。
相手の男はクロード・ベッカー。数年のつきあいで相手を信じ込んでいたが、絵画の詐欺をした時、彼に嵌められた。彼女が逮捕された時、クロードは全て彼女の計画だと言って裏切った。
一切黙秘して服役したデビー。
次の仕事のアイデアを話すデビー。獄中で5年間練った計画。
それは世界最大のファッションの祭典「メットガラ」で、カルティエの所蔵する超高級ネックレス「トゥーサン」を奪うこと。
そのためには根回しが必要。
まずデザイナーのローズの引き込み。実力はあるが、ショーの運営がヘタで大きな借金を抱えている。
メットガラで宝石を身に付ける女優はダフネ・クルーガーに決まっており、まず彼女のライバル「ペネロピー」とローズが組む記事をバラ撒き、ダフネの嫉妬心を煽る。
その上でダフネに、今度のショーのプロデュースがローズになる様仕向ける。
ローズはダフネに、メットガラで「トゥーサン」を身に付けるのが必須と吹き込む。
一方、街頭で巧みにカード捌きをして客を騙しているコンスタンスもスカウトされた。
次いで天才ハッカーの「ナインボール」を引き込む。
ダフネの提案によりメットガラでトゥーサンを出品する事が決定。
ローズは仲間の宝石職人アミーダに声をかけて、カルティエ本社に事前確認の名目でトゥーサンを見に行く。
メガネに仕込んだカメラで3Dデータを取り込む。
アジトでトゥーサンの偽物を3Dプリンターにより制作。
ショーの会場には厳しいセキュリティがかかっており、それに対応するための作戦。
今は主婦で盗品ディーラーをしていたタミーに声をかけ、メットガラ主催者のVOGUEにスタッフとして入り込ませる。
メットガラ会場の系列ギャラリーで、展示絵画のすり替え事件が発生(盗まれたのではなく持ち込まれた:デビーたちの工作)。VOGUE側の要求でメットガラ会場のセキュリティ見直しが行われた。
そのセキュリティ担当の技術者にハッキングをかけるナインボール。
技術者が犬好きなのを利用して、それに関連した偽サイトをクリックさせ、パソコンを乗っ取る。
ナインボールの操作で十日間かけて防犯カメラを動かし、会場のトイレ前に3mの死角を作り出した。チェックのため、そこを歩くデビー。
当日のパーティー会場の座席表を見たルーは、ギャラリー運営者として列席するクロードがダフネの隣にセットされているのを見て、復讐を計画していると思い、デビーに警告。
偶然だと言って取り合わないデビー。
ルーは、ハラル対応で専任の栄養士が必要だというタミーの進言で、キッチンのスタッフに入り込んだ。
そして当日、ダフネの首にトゥーサンが仮着けされる。だがそれを外す時、係員が特殊な道具を使って外した。これは想定外。
ローズがスマホで動画を撮ってチームに送信。ナインボールは、この方面に詳しい姉のアドバイスを貰う。特殊マグネットを使ったメカだと言って対処法を伝授する姉。
トゥーサンを身に着け、ディナーの席に座るダフネ。
その隣に座って舞い上がっているクロード。
ダフネが食べるスープのソースに何かが上乗せされて、彼女の前に出される。朝から何も食べていなかったダフネはそれを平らげる。
しばらくして吐き気を催したダフネはトイレに直行。警護の人間が付いて行くが、入り口の前でシャットアウトするデビー。会場スタッフに化けたコンスタンスが介抱すると見せかけてトゥーサンを外して盗み出す。
そしてテーブルから食器を下げて来たボーイのお盆に。その先のキッチンで調理員に化けたアミーダが受け取り、トイレに籠る。
トイレにはネックレス分解の道具。
何とか落ち着いて席に戻った時、ダフネの首にトゥーサンはなかった。
会場が封鎖され、ゲストは外に出られない。大規模なトゥーサンの捜索が始まる。
地下の調理室にも警備の者が迫って来た時、タミーが会場の池から用意してあったトゥーサンの偽物を出して叫ぶ。
会場の警備は解かれ、アミーダにより小分けにされた装飾品をメンバーに分配。デビーはバーで飲んでいるクロードに巧みに近づき、ポケットに宝石を入れて立ち去る。
その後ろ姿を見て首をかしげるクロード。
メットガラは終了し、トゥーサンが金庫に戻される時、それが偽物である事が判明。
保険調査員のフレイジャーが呼ばれて徹底した調査が始まる。
ダフネのところにも調査が入るが、何も心当りがない、とダフネ。
アジトで祝杯を上げているところへ、ダフネが入って来る。元々ローズの挙動不審を怪しんでいたが、トゥーサンのロック構造の件で動画を撮っていた事が決定的。分け前を八等分する事で解決するデビーは、ダフネに一仕事追加を頼む。
クロードに誘いを掛けて彼の部屋に入るダフネ。
手錠遊びでクロードをベッドに拘束すると、彼の服からトゥーサンの片割れを取り出し、スマホで撮る。
一方フレイジャーから聴取を受けるデビー。父も兄も、彼に捕まった経緯がある。トゥーサンが戻るのは一部分でもいいかと聞くデビーに、背景を知るフレイジャー。
翌日、目覚めたクロードの元に警官が集まる。
ダフネが加わった事で取り分が減る、と不満のメンバーに種明かしをするデビー。
トゥーサン強奪の裏で、隣接の博物館に展示してある宝石を、偽物とすり替えて盗んでいた。
その手助けをしたのが兄ダニーの仲間だったイェン。
警護の者を引き付けて時間稼ぎをしていたデビー。
兄の墓の前でドライ・マティーニを飲んで供養するデビー。