公開時はかなり上映館が限定されていたので見逃した。waldeinsamkeit さんのBlogで知って、ネタバレサイトとYouTbeの英語版を観て何とか把握。
監督・脚本 アレックス・ガーランド
キャスト
エヴァ(AVA) アリシア・ヴィキャンデル
ケイレブ・スミス ドーナル・グリーソン
ネイサン・ベイトマン オスカー・アイザック
キョウコ ソノヤ・ミズノ
あらすじ
IT企業「ブルーブック」に勤めるプログラマーのネイサンが、抽選に当たって自社の社長の別荘に招待され、その社長ネイサンから、高度AIを備えたガイノイドのテストを依頼される。
・・・詳細はリブログに譲る。
感想
まずIT社長のネイサンの「らしくなさ」が際立っている。ヒゲ面で体を鍛え、しょっちゅう酒を飲んでいる。そんな俗物がガイノイドの開発をしているという「うさんくささ」が、まず話の導入として印象的。
ケイレブはネイサンの思惑通り、むしろ外見自体がヒトとは異なる事を強調されたエヴァに対して、次第に惹かれて行く。一方時々わざと停電を起こして監視カメラを無効にしながら、ネイサンからホンネを引き出そうとするエヴァ。
この辺りのやり取りには、エヴァがガイノイドとして、どこまでの自己認識があるのか、を想像して凄みを感じた。
結局メイドだと思っていたキョウコもガイノイドであり、何体もの女性ガイノイドがネイサンによってもて遊ばれていた。こうなるとネイサンは科学者というより、ただの変態。
全体をザッと見ると、あまり技術面の整合には捉われない「情緒的SF」とでも言うべきものか。
「ガタカ」を観た時の印象にも似ている。
スケルトンの体を持つエヴァ。そして廃棄されたガイノイドから皮膚を剥がし、自分に貼り付けて次第に本物の女の外見になって行くエヴァを見ていると、理屈ではなく「ヒト」が生まれて行く過程が実感された。
確かに視覚効果賞をもらうだけの事はある。
ただ、あのまま都会に溶け込んで行くエヴァ・・・・で終わるエンディングがちょっと物足りない。
と言っているクセに、どんな続きも持って来れないだろうなー、という思いも。