Quantcast
Channel: 私の備忘録(映画・TV・小説等のレビュー)
Viewing all articles
Browse latest Browse all 1566

家族はつらいよ  2016年

$
0
0

監督    山田洋次
脚本    山田洋次 平松恵美子
音楽    久石譲


キャスト
橋爪功    平田周造
吉行和子   平田富子
西村雅彦   平田幸之助
夏川結衣   平田史枝
中嶋朋子   金井成子
林家正蔵   金井泰蔵
妻夫木聡   平田庄太
蒼井優    間宮憲子
小林稔侍   沼田
風吹ジュン  かよ
中村鷹之資  平田謙一
丸山歩夢   平田信介
笹野高史   警備員
木場勝己   高村
徳永ゆうき  鰻屋
笑福亭鶴瓶  医師



公式サイト
http://kazoku-tsuraiyo.jp/

予告編
https://www.youtube.com/watch?v=Cp4CddQWlJQ


あらすじ
今は隠居の身で三世代同居の生活をしている周造。仲間とのゴルフの帰り、馴染みの居酒屋で女将のかよを前に女房の悪口。妻の富子はカルチャーセンターで小説の創作を習っている。講師の高村は、富子始め同年代の生徒数名に、巧みに小説技法を説明し、オダてる。


ほろ酔い加減で帰宅する周造に嫁の史枝は気を遣いながらも適当にあしらう。寝室で服を脱ぎながら富子との会話。今日は誕生日だったという富子に、何かプレゼントをやろうかと周造。
富子がおもむろに離婚届を差し出す。周造が書くべき所以外は全て埋められている。唖然とする周造。


翌朝、犬のトトを連れて散歩に出る周造。それを追って家を出る庄太。庄太はピアノの調律師。交際している憲子は中規模病院に勤務するナース。
庄太がいつも調律を行っているホールの警備員。庄太に好意を持っており、娘の婿にという思いもあったが、憲子の存在を知って諦める。


散歩から帰っても機嫌の悪い周造。腹立ちまぎれに、史枝に例の離婚申し渡しの話をぶちまける。史枝は夫の幸之助に相談するが、全くアテにならない。
弁護士事務所を経営している茂子。亭主の泰蔵はその助手。史枝から離婚騒ぎの話を聞いて茂子も心配するが、母親がそう思った原因は浮気にあると断定。いきつけの居酒屋の事を知っている泰蔵がそれに油を注ぐ。結局探偵事務所に周造の素行調査依頼をするため、泰蔵が出向く。
探偵事務所々長の沼田。事情を聞いて調査を引き受ける。


いつもの様に居酒屋でクダを巻いている周造。そこへ黒づくめのアヤしい変装をした沼田。周造が、かよの手を握った瞬間をデジカメでパチリ。
そうこうしているうちに、周造が沼田をふと見る。「おい!沼田じゃないか」・・・・ちょっと間を置いて「平田かーー」。二人は高校の同級生だった。
奇遇だなー、と何も疑わずに一緒に飲み始める周造。沼田はとても周造の調査をしているとは言えない。


この離婚騒ぎを何とか鎮火させるため、家族会議を開く事になった。だがその当日幸之助は、それを忘れて長男の野球の応援に出掛けようとして、史枝に止められる。父親が同行しないのを喜ぶ兄弟。
史枝は昼食用にうな重の出前を注文。その後茂子、泰蔵夫妻が来て賑やかに。
そこへ何も知らずに訪れる庄太。家族に憲子を紹介するつもりで連れて来ていた。庄太だけ連れ出して事情を話す史枝。
ショックを受ける庄太。庄太は、父親と兄の幸之助がうまく行かないのを取り持つために今まで同居していた。


周造、富子も来て家族会議が始まる。
富子の言い分は、子供が小さいうちは「子供のために」と我慢して来たが、そんな時期ももう過ぎて、周造が靴下を裏返したまま、とか食べる時にクチャクチャ音を立てるとか、いろんな事がイヤになってしまったという。
そんなくだらない、という周造は、皆から攻撃されてふてくされる。
泰蔵が少し偉そうに意見するのを聞いて「髪結いの亭主のくせに」と罵る周造。怒る泰蔵は居酒屋での証拠写真を見せて挑発、興奮して周造は倒れてしまった。
現役ナースの憲子がてきぱきと指示して救急車の手配、応急処置。史枝だけになった家にうな重の出前が届く。


救急病院に運び込まれた周造。家族みんなが病院に集まる。おろおろする幸之助は葬儀屋のパンフレットを持ってうろつく。
幸い、周造は意識を取り戻した。医師は酒、タバコはダメ、と釘を刺す。


数日して周造は退院し、またいつもの日常に戻る。相変わらずタバコを止めない周造。
庄太が部屋を引き払うため、片付けをしていた。居なくなると「困る」と言う幸之助。
庄太が荷物を積み込んでいる時に、うなぎ屋がバイクで通りかかる。唄は「奮闘努力の甲斐もなく~~~」。


周造が寝室で「東京物語」のDVDを観ている。しばらくしてTVを消した後、富子にサインをした離婚届を見せる。そしてハンコを押して手渡した。
「45年間、一緒に暮らして来て、良かったと思っている。だが、お前が別れたいと思うのなら、その望みを叶えさせてやりたい」と言ってうなだれる。
富子は、受け取った離婚届をビリビリと何回も破った。
「あなたの、その言葉が聞けただけで十分。どちらが先に逝くかは判らないけど、死ぬまでつきあいます」と言った。


感想
予告編で妻が離婚届を差し出すシーンがいつも目に焼き付いてしまい、「まあいいか」と観に行った。
例のシーンはけっこう早い段階で出て来たため、この先どうやって引っ張るのかと思っていたが、十分笑わせてもらった。


最初「東京家族」に次いでこの映画を出すことが、何か小津の「東京物語」に対する対抗意識があるのかな、と思ってあまり好感を持っていなかった。
ただ実際に観た結果では、単純に「東京家族」で構築された人間関係を、もう一度喜劇の形で甦らせたい、という素直な気持ちだったのだろう、と納得出来る。
また久石譲の音楽が、イイ。宮﨑アニメでもそうだが、ホント映画のイメージを広げるのに貢献している。


思い出してみれば「男はつらいよ」は映画館で掛け声が掛かったり、拍手が湧いたりなんていう実体験があった。今回も最初はちょっと抑え気味だったが、中盤以降は好きなだけ大きな声で笑ってしまった。
ネタバレではあるけど、これが映画館での鑑賞を損なうことはないと思う。

観ないと面白さは伝わらない。




Viewing all articles
Browse latest Browse all 1566

Trending Articles