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Channel: 私の備忘録(映画・TV・小説等のレビュー)
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NHK 心と脳の白熱教室 第4回 性格は変えられるか 2/19放送

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昨年8月放送の再放送


番組紹介
http://www.nhk.or.jp/hakunetsu/personality/


講師:エレーヌ・フォックス
ある兄弟が居た。兄ジョーイ、弟ダニエル。ダニエルは12歳の頃から新聞配達を行い、事業センスがあった。大学1年でアパートの1室購入。米国に移住して成功。ジョーイはアパート購入時、ダニエルに誘われたが用心深い性格で断った。ジョーイは結局教師になり、幸せに暮らした。
兄弟なのに全く違う。この要因は脳なのか遺伝子なのか、先天か後天か。


友人が自分の子供の子育て(女児)で、性別を意識せず育てたが、二人の性格は違った。性格が変化するきっかけは何か。


脳内物質が関与。個人差がある。
サニー・ブレイン(楽観脳):側坐核に主体。レイニー・ブレイン(悲観脳):扁桃体に主体。
快楽(楽観)と恐怖(悲観)のシステム。
セロトニン運搬遺伝子。長い型:ポジティブ、短い型:ネガティブ。→脳内化学物質に差が出る。いい悪いではなく差として生じる。


注意バイアスのテスト。
好ましい写真と好ましくない写真を同時に見せ、その後左右どちらかに出るマークを見てボタンを押す反応時間を評価。好ましい写真のマークにより早く反応:長い型。好ましくない写真のマークに反応:短い型。
200名のテストでは短い型の方がうつに対して高リスクと出た。


遺伝子環境。セロトニン遺伝子の長短でリスクが変わるか?
847人の被験者を3歳から23年間追跡。体、精神のチェック。家族の経緯(離婚等)も記録。結果は長短いずれもうつ病発生リスクに差はなかった。
ただし、本人の人生にとって深刻な経験が3つ以上ある場合、短いとうつ病リスクが高くなった(長い場合は有意差なし)。
遺伝子のみではうつ病リスクの判断は不十分。

性格に関与する遺伝子は15~20種見つかっている。セロトニン運搬遺伝子がその中で最も大きな要因。
環境と遺伝子の組み合わせが重要。


リスク遺伝子は本当にリスクか。
いい環境では無関係。悪い環境だと関係して来る。よってリスク遺伝子は「柔軟性遺伝子」と考えるべき。
リスク遺伝子は、良い環境ではより良く作用する。ランとタンポポの比較。タンポポは劣悪な環境でも影響されない。ランはいい環境でないと育たないが、素晴らしい花を咲かせる。

注意バイアステストは訓練にも使える。


マイケル・J・フォックス。28歳でパーキンソン病を発症。注意バイアステストの結果では楽観主義だったが、遺伝子の型は長、短をそれぞれ持った中間的タイプだった。
芸術好きのマイケルに対し、父親は口うるさかった。叔母が理解ある人で応援してくれた→これがポジティブ思考を支援。

世間では困難な状況が起きる(社会的圧力)。信頼出来る大人が少なくとも1人居る事が重要(親である必要はない)。


まとめ
脳の回路はシフト出来る。

レオナルド・ディカプリオ。映画「アビエイター」で強迫性障害を抱えていた、ハワード・ヒューズを演じた。役作りのため、患者にも接したりしているうちに、撮影が終わっても「強迫性障害」の症状が残ってしまった(後に治療し回復)。


落ち込んだ時どうするか。
幸せであるように行動する。どういう時に楽観的になれるか。音楽、日光を浴びる、チョコレート・・・。
そこら中に夢中になれるものがあるが、しばしば忘れる。楽しむ事を怠っている。
脳も訓練で変化する。体の運動と同じ。1年間、毎日10分やれば、より健康的になる。


ロンドンのタクシードライバーの脳を調べた(エレノア・マグワイヤ)。
地理を良く知っている。合格率30%。空間記憶力が優れている。
タクシー運転手は「海馬」が大きい(空間記憶力を司る)。訓練前の脳の海馬を測定。訓練後、海馬が増大。

ギタリストも同じ。指を動かす部分の脳が大きくなる。脳の物理的構造を変えることが出来る。
ただ立証が難しい。


聴講者から質問:注意バイアスの訓練の場合、目標は?
楽観思考は義務ではない。自分の心がどの位置にあるか、変わりたいと思うかどうか(人それぞれ)。
ただ、楽観は健康のためにはいい。人生をコントロール出来ているという感覚を持つ(恩恵の実感)。


マインドフルネスとは。
心のエクササイズ。瞑想。
①呼吸と体に集中。 ②雑音をシャットアウト ③10分間何もしない(ケータイもoff)。
これを8~9週間継続すると、脳内の制御領域が強化される。 


心の問題は髪型のようなもの。いずれは出来る(梳き続ければ出来る)。

性格は変えられるか。数ケ月やり続けてみる。

人には楽観、悲観が入り混じっている。どう処理するかが重要。
どうとらえるか。集中し続ける。



感想
セトロニンに関わる遺伝子の長さが、性格にまで影響を与えるというのが驚き。
サイコパスの時もそうだが、因子を理解して、それをコントロールして行く、というものの考え方を知ることが出来たのは有益だった。


番組詳細のレポート(Blog)
http://blog.goo.ne.jp/ska-me-crazy2006/e/6fc3333448ad695a002d0059123efb30


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