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Channel: 私の備忘録(映画・TV・小説等のレビュー)
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岩井俊二のMOVIEラボ SEASON2 ②  2/11放送

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番組紹介
http://www4.nhk.or.jp/movielab/


第2回目 テーマ「闘う」

司会 千原ジュニア、アシスタント:飯豊まりえ(17歳 高校生)
講師:岩井俊二 ゲスト:堤幸彦(監督)、諸鍛冶裕太(アクション・コーディネーター)


闘う代表シーン
「マトリックス リローデット」「キル・ビル」「ファイナル・プロジェクト」「スパイダーマン 2」「エイリアン 2」
いろんな「闘う」がある。映画の中では必然。持ってしまう(時間を埋めることが出来る)。その後に何が来るかで意味が決まる(堤)。
闘う、殺しあうというシーンは日常であまり経験しないことをやる。意味のない闘いは長く感じる(諸鍛冶)。


岩井の「スワローテイル」。
銃を突きつける男の額に素手の人差し指(銃に見立てた)を突き立てて一歩も引かない。
指対拳銃の面白さ。新宿のチャイニーズマフィア→命の価値が違う。強さに差が出る。
「じゃじゃ馬億万長者」みたいなヤツがやりたかった(岩井)。

激しく違う(ジュニア)。美学が強烈(堤)。
「チャイニーズ・ディナー」はこの映画にインスパイアされて作った(堤)。
間でドキドキさせる(行為そのものをやらなくて)(諸鍛冶)。


堤の「天空の蜂」
技術者が解除コードを吐かせるため、男に銃を向ける。男はその銃を持って自分の顔に銃口を向け、逆に引き金を押し込もうとする。
突き付けられた方が引金を引こうとする→逆転の発想(岩井)。

逃げずに撮った(堤)。
役者が腑に落ちるように動かすのは難しい。(諸鍛冶)。
役者のうまい、ヘタでかみ合わない事ありますか(ジュニア)。あります。センスの問題かも。動きに対し心と体のマッチング。うまく行かない時は思うようにやらせて、そこから修正をかけて行く(諸鍛冶)。


諸鍛冶のオススメ「ファイト・クラブ」
素手の男同士の殴り合い。
いかにリアルに見せるか。音、血糊のたれ具合、汗など・・・。
爽快ではないインパクト。殴られる方がテクニック要る。体の使い方。軽くでも当たってはいる。
この映画以降、リアルを求める現場が増えて来た。


1分スマホ映画

①「達人」飯泉匡平
達人が次々現れて相手を倒して行く。「握力殺」(握力で倒す)→「指鳴響」(指鳴らしの音で倒す)→「脇鳴らし」(脇をカポ、カポ鳴らす音で倒す)。
何で途中から夜になった?(堤)。「撮影が押して、仕方なく・・・」
撮影が押すなんてしょっちゅうだった。超能力で突然夜を作る、なんて場面を勝手に作った(堤)。
TVで昔何とかゴッコなんていっぱいあった→こういうのは嬉しい(岩井)。昔はパンチとキックだけだった。今は凄い武装(ジュニア)。


②「歩きスマホにご用心」池田大輝
イヤホンさして歩きスマホの男に後ろからインネンをつける男。やられた男がすばやくイヤホンコードで相手を縛る。その後男の耳にイヤホン。アイドルの歌。二人仲良く聞きながら歩く。
曲を聴いてハッとするところで終わってもよかった(堤)。音楽聞かせないというのもアリ(もっと興味が残る)岩井。


③「惑星Aからの光線W」児崎汐美  SF、意味不明
壮大なスケールを扱った(1分で)。
岩井の大学の後輩。建物の一部に戦前からのものもある。大学の運命みたいなものを見せたい?


④「へっぽこチビ君の野球対決」福吉大雅
気弱な男。強引に女の子を誘おうとしている男を止めると。野球で勝負を迫られる。相手はピッチャー。気弱な男。三振ばかり。
業を煮やした女の子がバッターボックスに立ち、一発でホームラン。さっそうと去る女の子に付いていく気弱な男。
気弱な男が作者。役者希望。そんな気がした(岩井)。


⑤「テレビゲーム」赤石真菜
TVゲームをする二人。女性が男に「それでどうなの?」とか何とか。

女性「私、要る?」。
そこにチャイム。男があわてて玄関へ。その時にコップのジュースをひっくり返して、女性がぶーたれ顔でテーブル拭き。
シチュエーションとしては、女性は男が好きだが、男はそんなでもなく、後から来るコが好き。
TVゲームのところの「痛さ」が良かった(堤)。
三人の関係が少し判りにくい。一回観て判る工夫(岩井)。
この年代の女の子しか撮れない(まりえ)。


岩井が学生の時作った「インディポピンズ・キャンディポピンズ」
男女二人の殴り合い。
かなり上から撮っている。テニスの審判台の上から撮っていた(岩井)。
黒澤明の「酔いどれ天使」の絡みの影響を受けた。クロサワの初期作は凄い。三船の迫力はゴジラ級。眼力だけで押して来る。
声帯も違う。佐分利信の声もど太い。


下町ロケットでもセリフの声低くしている→復刻?

強い存在感をどう描くか。最近は人間の本当の強さ、怖さでなくテクニックに走っている。クロサワは「吠えろ」と言っている(チャンスがなかなかない)。人間が最後に暴力をふるう瞬間は何か?興味がある。そういう作品を作りたい(出会いたい)。
映画は感情移入出来るエンターテイメント。闘うどちらにも愛情を感じる(時間をかけるほど)。

未だに世界中で誰かが闘っている。


感想
テーマの掘り下げとしては、先週よりはマシだったか。



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