番組概要
http://www4.nhk.or.jp/movielab/x/2015-02-11/31/34957/
ゲスト「転校生」監督:大林宣彦、俳優:常盤貴子
岩井がスティーブン・セガールの家を訪ねた時のエピソード。映画のアクション部分との対比で「ドラマ」と言う言い方がある(映画=ドラマ)。
登場人物の行動、行いを描く。性格、生き方、人生を描く(人生の描き方に注目)。
「市民ケーン 1941年」は映画史のベスト10に常に入る映画。大富豪ケーンの死が最初にあり、それを伝える4分あまりのニュースの後に2時間かけて彼の幼少から死までが描かれる→スライス・オブ・ライフ。表現に限界があるからこそすごい。
人生の断片を捉える手法は19世紀末、ジャン・ジュリアンが提唱し、1950年代のTVドラマになった→「12人の怒れる男 1954年」原作:レジナルド・ローズ。
「父ありき 1942年」監督:小津安二郎。父と息子が出会う所だけを切り取って描いたもの。父と子が出会う回数は少ない(ショッキング)。切り取り方によっては残酷。親が会ったところだけの定点観測。
「秋刀魚の味 1942年」監督:小津安二郎。結婚式そのものは描かず、挙式前を描いて現す。
監督の指示→2秒経ったら上見てこう話せ。演じている時の俳優は意味が判らない。完成して判る(出来上がったものを見ると名場面)。
「カープの世界 1982年」監督:ジョージ・ロイ・ヒル。カープの誕生から死ぬまでを1~3分のエピソードの積み重ねで表現。
「フォレスト・ガンプ 1994年」監督:ロバート・ゼメキス。
どのみち「ちゃんと」は描けない。物語+αを求めた結果。+αは想像力の中にある。ロイヒルも小津も同じ(想像力で観るから面白い)。
ハリウッドドラマの転機。1960年代からの変革(ベトナム戦争の影響)。
「ゴッドファーザー 1972年」監督:フランシス・フォード・コッポラ。興行収入の金字塔を打ち立てた。これまでとはゼンゼン違う→匂いがする(想像力がないと描けない)。人の心の匂い。そういう時代に来た。
生活感のあるシーンは従来のギャング映画にはなかった。
「暗黒街の顔役 1932年」のアクションシーン。味も素っ気もないが、キッチリと切れ味良く描いていた(それが当時のギャング映画)。
ゴッドファーザーはマリオ・プーゾの原作をコッポラが映画化。音楽:ニーノ・ロータ→ギャング映画とは無縁だった。舞台はイタリア シチリア島。イタリアの匂いを出した。完全な商業映画。
PARTⅡでは、コッポラは「芥川賞作家」になった。コッポラの冒険→映像、質感にこだわり、セリフを減らした(映像でドラマを物語る手法)。日本における映像主義。
岩井が高3の時観たTV「四季 ユートピアノ 1980年」監督:佐々木昭一郎
https://www.youtube.com/watch?v=1H4XISTchh0
ピアノ調律師 栄子の話。一般人を俳優として起用した。見えない感覚に触れた。学生時代にかぶれ、その雰囲気をまねた。
空気感、何でもない笑顔、喜び。日常にカメラを持ち込む。
「アンダルシアの虹 1983年」https://www.youtube.com/watch?v=4A2UrF7dELQ
映像が言葉を持っている。
コッポラの言葉。1台のホームムービーカメラが作品を作る時代。
1分スマホロードショー
①あくる日
学生服の少女と母親の会話。姉もしくは妹が亡くなった模様。読みかけの本。本を棺に入れるか聞く母。自分が読むと言う。
作者:裏設定がだいぶ考えた。
シチュエーションドラマとしては成功。髪を触るシーンはヒット(大林)。
②NEVER FORGET
男が女性の告白するが、断られる。後日彼女が男の前に現れてその理由を話そうとするが、男はヘッドホンをかけてその答えを拒絶(僅かにその内容は聞こえる)。
彼女は余命いくばくもない事を話していた。ヘッドホンがテーマ。
もっと相手を恋さないとダメ。そうすれば女性はもっと輝く(大林)。カット割は良かった(岸野)。
③何をさがしているの?
窓から見える夜景。ゆっくりと動きながらビルを写して行く。寝転んでテラス窓から外を眺める女性。特に動きはないが、終わりに体をねじって後ろを向く。
物語はない。何があるのだろう?という観客の心を反転しているのか?
投稿作品
④扉が開く
台所で家事をする女性。その後出勤で玄関の扉から出る(足だけ写す)。その後帰宅。ペデキュアを塗り、今度はドレッシーな服装で出掛ける。戻ってまた家事の風景。足元にはピンクの小物入れ。
スライス・オブ・足(岩井)。ちょっと意味が判らず、聴講者に聞く。1人の女の昼と夜を足だけで描いたのでは?。
なーるほど。
⑤大晦日
2014年の大晦日をドキュメンタリータッチで描く。
感想
スライス・オブ・ライフ。かなり考えさせられるキーワード。日記、BLOG、みんな人生の断片。人は何かを残すために生きている、のかな?
「ゴッドファーザー」はずいぶん前にビデオで観たきりだったので、もう1回観てみようか。