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Channel: 私の備忘録(映画・TV・小説等のレビュー)
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NHKスペシャル 子どもの未来を救え~貧困の連鎖を断ち切るために~12/28放送

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番組HP
http://www.nhk.or.jp/special/detail/2014/1228/


日本の相対的貧困率16.3%(子供の6人に1人が貧困)。
山梨のNPO法人「フードバンク山梨」。企業、農家等からの余剰食糧を回して食料支援を行っている。今まで1000世帯以上を支援。
当初は単身者、老人等が主体だったが最近は子供の居る家庭が増えて来た。


沢村さん一家。子供4人で3年前に離婚。月10万の給料で公的手当8万。食費は月4万。収入が減ると食費を切り詰める。食事は米、麺類が中心。今年の正月はお年玉で米を買った。長男17歳。中学から不登校(ゲーム機買えない等で友達と生活レベル合わず)。他人と較べて自分を低く見る。高高も中退して閉じこもり気味。母親に申し訳ない。
母親11:30帰宅。腰痛があるが休むヒマがない。


なぜ子供の居る家庭で困窮が広がるのか。NPOの調査→母子家庭が厳しい。

倉田さん一家。2人を育てるシングルマザー。給料8万、公的手当7万。家賃1ケ月滞納中。子供がゼンソクで体調不良だが医者に診せられない。仕事も休めない。
調査の290世帯の平均年収187万。1日の食費379円。
アンケート調査による貧困の影響。塾に行かせられない、遊びに連れて行けない(40%)。医者にかかれない(20%)。子供の健康・精神に影響がある(60%)。
ある高校生。菓子パン1ケ/日が食事。昼にポテトチップス1袋。金がないだけでなく、生活のあらゆる面に影響がある。自分の肯定感が下がる。
一人親世帯の貧困率52%。母子家庭は全国で124万世帯。
日本では従来男性が主な稼ぎ主であった事が障壁。子供を持って正社員に就く事の困難さ。子供が居ると条件のいい仕事がない。
当事者が声を上げ難い。貧しいことがイジメの対象になる→貧困が見え難い。


取組みを行っている杏林病院。病院に運び込まれて貧困が判る。
23歳女性。大量のカゼ薬を飲んで運び込まれた。衰弱で倒れる(2人の子持ち)。支援がある事を知らなかった。
18歳妊婦。交際相手が失職。親の生活が元々不安定→お金がないと始まらない。孤立。法的支援に辿り着けない。
32歳シングルマザー。ホテルでのアルバイト。公営住宅を申し込んだが断られた。出産後自分の食費を子供のミルク代に回していた。役所に相談したらハローワークで探すことを勧められた。貯金残も10万を切り窮地に。生活保護を受ける事とした。


足立区の取組み。自治体の研修で、どの窓口からでも福祉担当に繋ぐ訓練を実施。その後福祉部門で聞き取りを行い、計画書作成のサポート。追い詰められないとSOSが見えない。

要支援者は情報弱者でもある。助けてもらえる事も知らない。(児童扶養手当、就労支援、生活保護)。働いていても足りない場合は生活保護が使える。
行政には情報がたくさんある。各料金滞納に対する感度アップだけでも大きな効果(キャッチだけでは不十分)。


国の対応→4つの柱。①教育支援②生活支援③保護者就労支援④経済的支援。
札幌の障害者施設。シングルマザー60人を雇用。
島田のぞみさん。9年前に離婚。離婚して一気に苦しくなった。生活保護受給、精神面のケア、就労支援を受けて立ち直る。今まで子供を叩いていた。次女のかれんさん(中3)。4年間不登校。母親の立ち直りと共に高高進学を目指している。


教育現場。都立青井高校。生徒数600強の中で中退者30名。現在高卒(新卒)の内定率は98%だが、中退するととたんに厳しくなる。
無料の補習、講座の実施。中退防止と進学の動機付け。就職支援の強化。NPOがサポーターとなる。
ゆきさん。専門学校を希望していたが、親に金がなくて就職に切り替えていた。母親と都営住宅に2人暮らし。支援を受けて働きながら進学する道を模索。
世帯丸ごとの支援が必要。
高校で支えるという発想。学校のプラットフォーム化。学校を起点として支える(高校は子供にとっての最後のチャンス)。卒業後も地域と繋がるメリットがある。
支援のための公的支出→日本は低水準。この実施には社会的合意が必要(長い意味での投資)だが回すだけの金がないのが実情。
先進事例を全国に広げる必要あり。国が責任を持って自治体に配分。
まずは理解。ゲーム買えない、塾に行けないという事は「大したことではない」とは言えない。
うつ、死にたいとまで考える(深刻)。福祉国家としてこれでいいのか。解決する覚悟が必要。


沢村さんの17歳長男。閉じこもり2年経過していた。NPOスタッフが「農園で力を貸して欲しい」と声をかけて半年、農園に姿を見せ、畑を耕した。人、社会と関わることが出来たとのコメント。


感想
自分の力ではどうしようもないところで劣悪な環境に押し込められている子供たち。
シングルマザーの苦労は本当に痛々しいが、離婚後どうやって自分、子供を支えて行くかというビジョンが全くないまま母子家庭になるケースばかりが目立つ。結局それは自分の子供を私有物としてしか捉えていないのではないか。


自分の場合、母親が7歳の時に病死し、その1年後に父親が心臓マヒで死亡。父方の伯父に引き取られ、姉は母方の叔母に引き取られた。50年前は、貧しくもあったが身内で支え合う風土がキチンとあった。親がいない事は、必ずしも自分の人生としてのハンデにはならなかった。大学へ行けなかった事が、多少心残りではあったが、これも二部を選ぶ事は出来た筈であり、自己決定の範疇。


現代では、制度はあるものの、身内のつながりがどんどん希薄になった結果、孤立してしまうケースが増えている。
DV、性格の不一致、離婚の原因はいろいろあるだろう。しかし子供に責任はない。子供不在で行動のみ先行させてしまう事は、社会としても大きな損失になる。
食うや食わずで子供を縛るぐらいなら、自分が死んで子供を施設に託す方がよほど子供のためになる。死なないまでも、生活保護を受ける状態にまでなったら、育児断念を法的に認めてやるとか、親につくか施設に行くかを子供が選択出来る様な制度を作るとか出来ないものか。





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