監督 ジェームズ・L・ブルックス
キャスト
メルヴィン ジャック・ニコルソン
キャロル ヘレン・ハント
サイモン グレッグ・キニア
フランク キューバ・グッディング・Jr
ヴィンセント スキート・ウールリッチ
ビヴァリー シャーリー・ナイト
スペンサー ジェシー・ジェームズ
ジャッキー イヤードリー・スミス
ノーラ ルーペ・オンティヴェロス
あらすじ
マンハッタンの高層アパートに住む小説家のメルヴィン。人気の恋愛小説家だが、実際は極度の潔癖症で人との付き合いもヘタ。中年になるまで恋愛の経験もない。向かいに住むゲイの画家サイモンの愛犬をダストシュートに放り込む様な非常識ぶり。
いきつけのレストランに通うがトラブルの連続。ウェイトレスのキャロルだけがメルヴィンを扱えた。
ある日サイモンが、モデルにした男とその仲間に襲われて大怪我をし、サイモンのパートナーであり画商のフランクが、その犬をメルヴィンに押し付ける。最初は迷惑と思いつつも、次第に犬と心を通わせる様になるメルヴィン。そのおかげもあって、キャロルとも次第に話が出来る様になる。
その流れでキャロルの息子が喘息持ちで、シングルマザーであるという窮状を知り、自費で名医に紹介する。親切に対し感謝するキャロルに毒舌でしか返せないメルヴィン。
そんな折り、サイモンが入院中に高額な医療費と展覧会の失敗で破産。フランクは実家に援助を求めないと道はないと考え、郷里のニューオリンズへサイモンを連れて行って欲しいとメルヴィンに頼む。ゲイとの旅行に1人では不安だと、キャロルも誘って三人の旅が始まる。
その道中でもトラブルが続くが、たまたまホテルのバスルームでキャロルの裸体を見たサイモンは絵心を取り戻した。郷里に帰る必要がなくなったので三人は再びマンハッタンへ。
サイモンの部屋は差し押さえられているため、犬と共にメルヴィンは彼の同居を受け入れる。毒舌はひどいが心根の優しさを感じるサイモン。
サイモンに励まされ、朝の4時にキャロルに会いに行き、告白するメルヴィン。そして二人揃って焼き立てのパンを買いに向かった。
感想
「恋愛小説家」という言葉とジャック・ニコルソンの組み合わせにどうしても違和感があり、録画したものの放置していた。カミさんが題名だけで選んだので仕方なく・・・・・。
しかし思いの外、心に沁みる映画だった。偏屈者をやらせたら彼は一級品。レストランでの傍若無人ぶりと店員とのやりとりには笑った。警察に突き出されるとも思われる状況でキャロルが呼ばれ、何とか収束。彼女だけが心の拠り所なのに、それに全く気が付いていない鈍感さが、異常なほどの潔癖症と対をなして、独特の世界が作られている。
キャロルもいい。最初はただのヘンなおっさんとしか認識していなかったが、次第に気になる存在に。でもせっかく旅先で食事に誘っても、彼女のドレスを寝巻き呼ばわりして怒らせてしまう。ホントどうしようもないバカ。でもそれは一種の病気であり、それを乗り越えて彼女に告白する姿は、あのいかつい顔からは信じられないぐらい繊細で真摯。
特に犬好きといわけではないが、愛犬家だったらイチコロの映画です。
蛇足ですが、最後のシーンです。
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恋愛小説家 1997年
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