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Channel: 私の備忘録(映画・TV・小説等のレビュー)
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サイエンスZERO ついに見えた!宇宙の夜明け ジェイムズ・ウェッブ最新報告 Eテレ8/25放送

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感想
この新しい宇宙望遠鏡運用開始のことは「コズミックフロント」の番組をレビューしている(2022/10/25)


今回運用2年という事で、日本の科学者が利用した範囲での成果を知ることが出来た。
星、銀河等の映像みたいな派手さはないが、どれも大事な研究なんだろーなー。

内容
進行 井上咲良、浅井理
解説 吉田直紀 東京大学 理学系研究科 教授


2022年から運用を開始した

「ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡」
宇宙の夜明け(ビッグバンから1~10億年の間)の解明に貢献。
遠方にある星、銀河の光は長波長の赤外線主体となり、地上からの観測が困難

→宇宙望遠鏡で赤外線を集めて観測


今回観測の成果
①宇宙誕生から数億年以内の銀河発見
短波長が欠損している事で、遠方の銀河であると判定。


従来の望遠鏡では見えないものが発見出来た。
宇宙誕生4億年以内に10個もの銀河が出来た。

銀河はガス、チリが集まって出来るため、数億年で出来るのは多くて3個程度と予想されていた。更に20個以上の候補あり。
今までの理論を覆している。考えられる要因。
・星々が生まれ易い(効率が、思ったより高い)
・ビッグバン後の空間のガス密度の違い


②超巨大ブラックホールの発見
通常は恒星が寿命を迎え爆発して生まれる恒星ブラックホール。


恒星ブラックホールが長期間かけて成長
→超巨大ブラックホール(銀河の中心にある)


これが宇宙の夜明けにどれだけ存在していたかを知る。
すばる望遠鏡を使い候補を絞り込む。10億→5000→500


それを1個づつ詳細調査。

今回は宇宙誕生から8億年の超巨大ブラックホールを発見した。

この手法で200個以上発見したが、すばる望遠鏡では限界あり。

これらを集中的にジェイムズ・ウェッブで観測。
これまでの計測の10倍もの発見が出来た。だが宇宙の夜明けに超巨大ブラックホールが多数あるのは不可解。
そこまで成長するのには10億年以上かかるとされている。

4億年のものも発見された

直接崩壊で出来るのでは、という理論も出始めている。


③宇宙に重元素が出来た時期
ビッグバン直後の宇宙は水素、ヘリウム等の軽い原素が主体。

酸素、炭素、鉄等の重元素がいつ頃出来たか。
今までビッグバン後20億年以前に重元素はないと見られていた。

 

古い銀河の分光観測→その天体の元素の種類や量が分かる。

重元素の手がかりになるのが酸素
重元素は水素、ヘリウム等の軽元素が核融合反応して出来る。
この反応で最も多く出るのが酸素→重元素存在の指標となる
ジェイムズ・ウェッブでの分光分析。
ビッグバン後12億年での酸素割合は現在と同じ。


7億年でもほぼ同等。5億年では少なくなっていた。

重元素が作られたのはビッグバン後5~7億年の間。
世界で初めて突き止めた大発見。


この時代のことが今後どんどん解明されて行くだろう。
宇宙の夜明けの前の「暗黒時代」も観測出来るかも。
 

 

 

 

 


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