感想
先日この番組で、免疫細胞を遺伝子操作でパワーアップする話を知った(コチラ)が、ウイルスまで治療に利用するとは、大したことを考えるものだ。
ただ、やはり怖いのは「しっぺ返し」
神の領域と言われる部分にまで踏み込んでいる様な気がするのは、杞憂なのか?
内容
司会 井上咲楽、浅井理
ゲスト 藤堂具紀(東大医科学研究所 教授)
ウイルスは増殖すると破裂し、他の細胞に感染する特性を持つ。もしがん細胞に入れば同様に破裂する。
その特性を利用した治療薬を開発した。
1年生存率15%だった脳腫瘍が84.2%まで向上。
「100%治らない病気」に治療の可能性。
がんがウイルスに弱い事は以前から言われていた。
ウイルスを遺伝子操作でコントロール。
ウイルスの二大目的
①DNA合成に必要なたんぱく質を作れ
②とり付いた細胞を自滅させるな
これを出来なくする事が治療に直結。
使うものは「単純ヘルペスウイルス1型」
二つの遺伝子を書き換え
①ICP6(DNA合成に関わる)の作動阻止
このウイルスは1995年、アメリカが既に開発していたが、効き目が弱く悪性脳腫瘍治療には不十分。
改変の追加
③α47(免疫細胞からの逃避)をなくす
これら三つの改変で、二つの時の10倍の効果を得た。
悪性脳腫瘍治療薬「デリタクト」として2020年承認。
あらゆるがんに効く→現在動物実験進行中
ウイルス療法の利点:治療後、免疫細胞ががん細胞を認識するので、その後の免疫維持に寄与。
今後一つの治療ジャンルとして確立されるだろう。
今日の一曲
Crown Heights Affair - Dreaming A Dream(1975)